ジャパンエレベーターサービスホールディングス 【東証プライム:6544】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、エレベーター等の保守・保全業務及びエレベーターのリニューアル業務を行うメンテナンス事業を行っております。「何よりも安全のために。」「見えないからこそ手を抜かない。」「信頼を礎に。」を経営理念として、エレベーター等の利用者の安心・安全のために高品質のサービス提供を続けることが重要であると考えております。
当社グループでは、社会の持続的発展への貢献と中長期的な企業価値の向上を図るため、2021年11月16日に開催の取締役会において、「サステナビリティ基本方針」を決議いたしました。また、サステナビリティ経営の強化及び推進のために、2022年5月にサステナビリティ委員会を設置いたしました。
サステナビリティ経営を実践することで、経済価値と社会・環境価値の向上を目指してまいります。
(サステナビリティ基本方針)
当社グループでは、「何よりも安全のために。」、「見えないからこそ手を抜かない。」、「信頼を礎に。」という企業理念のもと、事業活動を通じて自らの強みを生かして優先的に取り組むべき課題を、①「品質安全」、②「労働安全及び従業員エンゲージメント」の2つのマテリアリティ(重要課題)として特定し、持続可能な社会の実現に取り組み、全てのステークホルダーから信頼され、必要とされる企業を目指します。
①品質安全
当社グループは、「品質の保持」、「安心の提供」を大きな社会的責任と考えており、お客様に満足していただける高品質で安全なサービスを提供し、社会に貢献することを目指します。
②労働安全及び従業員エンゲージメント
当社グループは、事業を支える最も重要な基盤は人材であると考えており、従業員の安全を確保すること、また、従業員1人1人が働きやすく、やりがいをもって職務を遂行できる環境を整えることで、当社グループの持続的な発展へとつなげてまいります。
(サステナビリティ委員会)
昨今、企業の持続的成長と中長期的な企業価値向上につながるものとして、サステナビリティの重要性が高まっております。このような背景のもと、サステナビリティにかかる課題の解決、リスク・機会の特定による、経営計画と連動したサステナビリティへの取り組みの推進を目的として、取締役会の傘下に「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。本委員会は取締役副社長執行役員CFOを委員長として、委員はその目的に照らして、担当職務等に基づき適切と認められる人材による構成となっております。環境、社会、ガバナンス、その他サステナビリティに関する課題とあわせて、経営、事業との整合性の確認及び施策の管理及び監督を行っております。
(1)ガバナンス
当社グループのサステナビリティに関するガバナンス体制として、サステナビリティ委員会が、サステナビリティ戦略及び計画の策定、リスクの抽出、評価、対応策の検討、進捗管理、目標とすべき指標の設定等について審議を行うとともに、取り組み状況のモニタリング等を実施し、取締役会に報告・提言を行っております。
また、サステナビリティ委員会は、サステナビリティに関する課題等について当社グループ会社への指導等を行い、各グループ会社から報告を受ける体制を取り、グループ全体のサステナビリティ強化に努めております。
(2)戦略
当社グループは、エレベーター等のメンテナンス事業を通じて、商業施設、住宅施設などで日々利用されるエレベーター等の安心と安全のために、24時間365日体制でエレベーター等の状態を管理しております。エレベーター等は日常生活において重要な社会インフラであり、メンテナンス事業を通じて安全に稼働することは、当社が取り組む最大の社会貢献であると考えております。そのために当社グループは、品質向上、技術力の向上、そのための研究開発の強化に努めております。
当社グループが、持続的な成長のために取り組む、サステナビリティに関する主な内容は以下のとおりです。
a.品質安全に関する取組
当社グループは、品質の保持、安心・安全の提供を重要な社会的責任と考えており、利用者の皆様に満足していただける高品質で安全なサービスを提供し、社会に貢献することを目指しております。そのために以下の取り組みを行っております。
①人材育成
当社グループの競争優位性は、様々なエレベーターメーカー機種に対する高度な技術力にあります。持続的な成長・発展のためには、メンテナンス事業を担う技術力を持った人材の育成が重要であると考えております。エレベーター等を巡る公的資格としては検査に関するものは存在しますが、点検に関するものは設けられておりません。当社はこのような現状を踏まえ、エレベーター等の安全を担保するためには社内資格制度を充実させる必要があると考えて、そのための多種多様な教育・資格制度を設け、優れた人材の育成に努めております。
また社会環境変化に応じた持続的な成長のためには、多様性のある人材を確保することが重要であると認識しております。これまで性別、国籍等を問わない採用を行っており、今後も事業計画を踏まえた上で、多様性のある人材の採用、研修制度の整備を推進する方針です。
(研修プログラム「STEP24」 社内認定制度)
STEP24は、昇降機の基礎知識と安全ルールから、実務に沿った現場実習、国内主要メーカー各機種に応じた幅広い知識を学び、未経験からメンテナンス員として活躍ができる技術水準まで育成する仕組みとなっております。
当社グループは独自にエンジニアの評価資格制度(昇降機保守担当資格者制度)を導入しております。「G5 昇降機安全作業資格者」、「G4 昇降機準保守担当資格者」、「G3 昇降機保守担当資格者」など設定しております。STEP24研修全カリキュラム終了後に学科及び実技試験を実施し、合格者はG3に認定され、保守担当者として全ての作業を1人で行うことが許可されます。更なる専門性を高めるため、G2、G1を新たに設けて、従業員のキャリアパスの拡充を行っております。
また、国内主要メーカー各機種の様々な機種に対応できるスペシャリストを養成するため、技術の習熟度に応じた各種教育・研修を継続的に実施しています。多岐にわたるカリキュラムにより従業員の技術向上に努めております。
②品質安全
当社グループは、メンテナンス事業のエキスパートとして、安全を第一に考え、品質の向上に努めております。ガバナンス及びリスク管理として、技術本部が品質安全に関する課題の分析と改善策の策定を行い、各グループ会社に共有・支援を行っております。具体的には、毎月、品質管理の結果を技術本部及び各グループ会社で分析を行い、故障低減に努めております。技術本部長は定期的に取締役会に品質概況報告として、故障率等のデータと改善策について報告を行っております。
また、持続的な成長に向けた戦略として、技術本部が中心となり、保守契約台数の増加に向けた体制強化を推進しております。
b.労働安全に関する取組
当社グループは、事業を支える従業員の安全を確保すること、そのための環境を整備することが持続的成長において重要であると考えております。そのために以下の取り組みを行っております。
①労働安全衛生
当社グループは、労働安全衛生法に基づき安全衛生委員会を設置し、衛生管理者、安全管理者、安全運転管理者、防火管理者を選任し、毎月1回、従業員の危険または健康障害を防止するための対策など重要事項について、十分な審議を行っております。
また、エレベーターメンテナンスに従事する技術者に安全免許制度を設け、安全講習の受講を通じて、技術職の安全意識向上を図っております。
②働きやすい職場環境の整備
当社グループは、厚生労働省の快適職場指針を参考に、従業員の負担を軽減するための職場環境の整備を行っております。
また、多様な人材の活躍を促進していくためには社内制度や社内環境の整備が不可欠であることから、育児、介護などライフステージ応じた人事制度の整備、職場環境の整備を推進することで、従業員が安心して働くことができる支援を行っております。
(3)リスク管理
当社グループの持続的な成長のために、環境、社会課題などサステナビリティに関するリスク管理は重要であると考えております。当社グループにおけるサステナビリティに関するリスク管理について、ガバナンス体制を通じて管理を行っております。課題の内容を踏まえて、コンプライアンス委員会など常設委員会と連携を行い、事業運営のチェックおよび統制の充実に取り組んでおります。
当社は当事業年度において、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同を表明いたしました。サステナビリティ委員会が検討を行い、TCFD提言に基づく情報開示を進め、気候変動にかかるリスクと機会の開示を行いました。
(4)指標及び目標
当社グループは事業計画に応じて必要な人材採用・確保に努めております。日本国内マーケットを中心に保守契約台数の増加、売上高、営業利益の向上を目指しております。そのため、事業成長に伴い従業員数の増加、エレベーター等のメンテナンス事業を推進する技術職の人数の増加を重要指標として管理しております。
2023年3月期末における従業員数は1,766名と、前年同期の1,618名から148名増加しております。また、技術職は2023年3月期末で1,096名と、前年同期の1,003名から93名増加しております。
当社グループとしては引き続き保守契約台数の状況等を踏まえて、人材採用・確保に努め、前年同期以上の人員確保を目標といたします。
人材育成の指標としては、メンテナンス事業の安定のために、エンジニアの評価資格制度(昇降機保守担当資格者制度)から、「G3 昇降機保守担当資格者」を指標と定め、認定者の人数を前年同期以上とすることを目標といたします。
2023年3月期末におけるG3認定者は447名、2022年3月期末におけるG3認定者368名から79名増加しており、順調に推移しております。
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