ジェイリース 【東証プライム:7187】「その他金融業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針、経営戦略等
当社グループは、「私たちは、社会の安定と発展に貢献する責任を自覚し、公正かつ誠実な企業活動を基盤とした創造的なサービスの提供を通して、全社員と私たちに関わる全ての人の幸せを追求します。」という企業理念を掲げております。
市場の環境変化に対応する柔軟性と実行力を発揮し、誰もが「自分の人生をまっとうできる社会」をつくることを目指し、他社との提携等を通して各種サービスを充実させるとともに、家賃保証以外のサービスも展開することで、企業価値を高めていくこととしております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を公表しております。
2027年3月期は、以下の数値目標を設定しております。
売上高 21,170百万円
営業利益 3,465百万円
営業利益率 16.4%
(3)経営環境及び対処すべき課題
経営環境としては、賃貸借契約における家賃債務保証会社の利用率は増加傾向にありますが、家賃債務保証業界においては企業間の競争が激しさを増しております。また、関連する賃貸不動産業界も含め、時代のニーズにあわせた様々な技術革新や新たなサービスの導入が進もうとしております。このような状況の中、当社グループは「地域密着」で培ってきた情報力・対応力を最大限に発揮することで深い信頼関係を築くとともに、人財・システム等への積極的な投資を行い、市場環境の変化や顧客ニーズにあわせて変化すること、及び新たな事業展開を図ることによって継続的な事業拡大を目指しております。そのため次の項目を重点課題として取り組んでまいります。
① 利益の拡大
a. 売上の拡大
既存店舗網を活用し、当社が培ってきた地域密着の強みを活かした営業展開を継続するとともに、首都圏での営業強化や新規出店による営業エリア拡大を図るとともに、顧客ニーズが拡大している事業用賃料保証においては、大型オフィスや商業施設にも積極展開してまいります。また、新規契約による受取保証料だけでなく、既存契約からの継続保証料や代位弁済手数料、収納代行手数料等の増加により、継続的な売上維持・拡大を図ってまいります。さらには、医療費保証等の新たな収益基盤の拡大も進めてまいります。
b. サービス開発
家賃債務保証業界においては、競争環境が厳しさを増しており、関連する賃貸不動産業界も含め、時代のニーズにあわせた様々な技術革新や新たなサービスの導入も進んでおります。当社の市場シェア拡大のためには、これらの情報収集とニーズや環境変化への的確な対応を図ることが重要であり、様々な業種とのコラボレーションも含め、既存の取引にとらわれない革新的サービスの開発と申込チャネルの拡大を図ってまいります。
c. コストの抑制
各種先行投資を続ける中で、与信審査の強化等による将来的な貸倒コストの抑制及び各種業務の効率化に取り組むことで、経費増加の抑制を図ってまいります。
d. システムの強化
家賃債務保証サービスを安定的かつ柔軟に提供するため、システムの安定が経営上の最重要課題の一つであると認識しております。先々の業績拡大や事業展開を踏まえ、抜本的な刷新を含めたシステムの強化を検討してまいります。
② リスクコントロール
a. 審査体制の強化
保証契約の締結における与信精度の向上を図り、代位弁済立替金の発生を適切な水準に抑制することが、安定的な収益の確保に資すると考えております。これまで当社が蓄積してきた債権データや個人信用情報機関の信用情報の活用、AI分析を用いた与信審査モデルの高度化により、さらなる与信精度の向上を図ってまいります。
b. 債権管理体制の強化
家賃債務保証サービスは、賃料債務の不履行の都度、代位弁済を行うものであり、毎月相当額の立替えと回収が発生するため、資金管理面からも債権管理回収の状況を重要視しております。延滞が続く賃借人に対しては、「お客様生活支援室」による生活支援相談や行政サービス情報の提供等、賃借人に寄り添った対応を行うことにより信頼関係を築き、回収率の向上に努めております。また、代位弁済立替金の残高、回収状況等を定期的に把握するとともに、債権管理部門の人員体制の強化、ITシステム及びAI分析の活用、弁護士や司法書士との連携等によって総体的なリスクコントロールを図り、滞納債権の増加抑制に努めてまいります。
③ 事業領域の拡大
当社グループビジョンの「誰もが自分の人生をまっとうできる社会」を目指し、家賃債務保証事業だけでなく、既存事業のノウハウを活かした新サービスの開発や、シナジーの高い企業等への資金投入やM&Aも検討し、事業領域の拡大を図ってまいります。
④ デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
デジタル技術を活用し、様々な業界との提携をすることで、業務プロセスの改革、顧客への新しい価値提供を展開してまいります。デジタル化が遅れているとされる不動産業界において、ITを活用した手続きの効率化は重要な課題であり、当社は、2024年4月にグループ化した株式会社エイビスとの連携をさらに強化するとともに、AIを活用したデータ分析の高度化及び電子申込・契約等の移行への積極的な取り組み等により、業務改革を進めてまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
社会から信用・信頼され持続可能な企業経営を行うため、経営管理体制の充実、リスク管理体制並びにコンプライアンス体制の強化は重要な課題であると認識しております。内部監査部門による内部統制の有効性評価を適切に実施するとともに、経営陣や従業員に対する研修の実施、人財の確保、業務手順の運用徹底などを通じて内部管理体制の一層の強化に努めてまいります。
⑥ 財務基盤の強化
継続的な成長のためには、安定した経営基盤・財務基盤が重要であると認識しております。市場シェアの拡大、良質な保証契約の拡大、ITの活用や業務効率化等、各種の施策による収益性の向上及びキャッシュ・フローの拡大を図るとともに、資金調達環境のさらなる安定化を図り、強固な財務基盤の構築に努めてまいります。
⑦ 人財育成・確保
上記の課題を達成するためには、優秀な人財の確保及び育成が最も重要と認識しております。人の成長無くして企業の成長は無い、との考えのもと、役員を含めた管理職に対するマネジメント研修や階層別・職種別の社員教育や集合研修等を通じて理念経営を実践し、社会に貢献できる人財の育成と、当社グループの事業成長を図ってまいります。
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