シスメックス 【東証プライム:6869】「電気機器」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
<サステナビリティ経営について>
当社グループは、「事業活動を通じた社会課題解決」と「企業の持続的な成長」をサステナビリティ経営の基本と考えており、長期経営戦略において、サステナビリティ経営の実践に向け、「事業」「技術」「人的資本」「コーポレートマネジメント」「エコソーシャル」の5つの要素で構成される基本戦略を掲げました。「事業」「技術」は更なる成長に向けた取り組み、「人的資本」「コーポレートマネジメント」は企業基盤の強化、そして「エコソーシャル」は企業活動と環境・社会課題解決を同時に目指すための戦略と位置付け、この5つの要素(個別戦略)を互いに連携させることで、サステナビリティ経営を加速させてまいります。
更に、当社グループは、優先して取り組むべきSDGsを特定し重要課題(マテリアリティ)を設定しております。また、マテリアリティの進捗の可視化や実効性の向上に向け、中期経営計画に沿った具体的な目標及び指標を「サステナビリティ目標」として設定し、責任部門の実行計画や活動へ展開しております。
ガバナンスにおいては、半期ごとに取締役会や経営会議等で、各戦略及びサステナビリティ目標について各部門から定期的に報告し、取締役が進捗を確認しております。また、戦略遂行の前提となる事業環境に変化があった場合は迅速に対応するなど、リスクマネジメントに取り組むことで、企業の持続的な成長及びステークホルダーの支持獲得を目指します。
サステナビリティ目標の進捗状況
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| マテリアリティ | 実績 | 目標 |
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| KPI | 2022年度 | 2025年度 |
健康社会への新たな価値創出 | ||||
| イノベーションを通じた医療課題解決 | |||
| ヘマトロジー市場シェア 出所:Clearstate及び当社推計 | ヘマトロジー分野における単年度の機器・試薬・サービスの市場規模に対する連結売上高比率 | 54.0% | - |
特許保有件数 | 特許、実用新案、意匠の保有件数の合計 | 3,832件 | - | |
特許出願件数 | 特許、実用新案、意匠の出願件数の合計 | 257件 | - | |
がんゲノム医療解析実施件数※2 | NCCオンコパネルを用いたがんゲノム医療解析実施件数 | 1.7千件 | - | |
OSNATM法による乳がん患者検査数 | 乳がん患者に対してOSNATM法(がんリンパ節転移検査システム)を用いた検査の実施件数 | 52千件 | - | |
医療アクセスの向上 | ||||
| 新興国・開発途上国売上高 | 新興国・開発途上国の連結売上高 | 1,567億円 | - |
責任ある商品・サービス・ソリューションの提供 | ||||
| 品質と信頼の追求 | |||
| リコール件数 | 販売している製品(装置・試薬)を対象として、自主回収・自主改修を実施した件数 | 2件 | - |
FDA Warning Letter 件数 | FDA Warning Letterを受けた数 | 0件 | - | |
サプライチェーンマネジメントの強化 | ||||
| CSR調査回答率(国内・海外一次サプライヤー) | 原材料一次サプライヤー(国内・海外)に対して、CSR調査に回答したサプライヤーの割合(海外関係会社の直サプライヤーは含まない) | 94% | 90% |
サプライヤー(国内)に対するトレーニング件数※1 | サプライヤー(国内)を対象とした説明会、研修・トレーニングなどの実施回数(単年度) | 5件 | 5件 | |
サプライヤー(国内一次)第三者認証取得率※1 | 原材料一次サプライヤー(国内)の製造や製品品質に関する第三者認証の取得率 | 88% | - | |
魅力ある職場の実現 | ||||
| エンゲージメントの向上 | |||
| エンゲージメントスコア | 企業風土調査結果におけるエンゲージメントに関する項目の好意的回答率 | 71% | 75% |
男性育児休業取得率※1 | 男性従業員(嘱託・パートタイマー含む)のうち、配偶者が出産した男性従業員に対する育児休業取得者の割合 | 62.0% | 65%以上 | |
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進 | ||||
| 女性マネジメント比率(注)1,3 | シスメックスグループにおける課長級以上の女性比率 | 19.5% | 20%以上 |
障がい者雇用率※2 | 従業員に占める身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者の割合 | 2.31% | 2.65%以上 | |
人材の育成 | ||||
| 平均教育時間 | 会社が提供する研修を対象とした従業員1人あたりの平均教育時間(オンライン学習含む) | 30.0時間 | 40.0時間 |
健康増進と労働安全の推進 | ||||
| 年間総労働時間※2 | 正社員1人当たりの年間総労働時間 | 2,022時間 | 1,980時間 |
労働災害度数率※2 | 延べ実労働100万時間あたりの死傷者数の割合 | 0.81 | 0.5未満 | |
労働災害強度率※2 | 延べ実労働1,000時間あたりの労働損失日数の割合 | 0.05 | 0.05未満 | |
環境への負荷低減 | ||||
| 製品ライフサイクルにおける資源循環 | |||
| 包装用資材削減率 | 2019年度を基準年度とする包装材料総重量の削減率 | 7%削減 | - |
事業活動における環境負荷低減 | ||||
| 製商品廃棄額対売上高比率 | 有効期限切れなどの理由により廃棄となった製商品の廃棄額の対連結売上高比率 | 0.5% | - |
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| マテリアリティ | 実績 | 目標 |
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| KPI | 2022年度 | 2025年度 |
ガバナンスの強化 | ||||
| コーポレートガバナンス | |||
| 投資家アナリストミーティング数※1 | 機関投資家・証券会社アナリストとのミーティング実施社数 | 597社 | - |
コンプライアンス | ||||
| 内部通報件数 | 内部通報受付件数 | 21件 | - |
倫理違反件数 | 法律に違反した事象、及びグローバルコンプライアンスコード違反があったとして制裁処分が科された事象の合計件数 | 9件 | - | |
リスクマネジメント | ||||
| 情報リテラシー教育受講者数※2 | 情報セキュリティに関するトレーニングの受講者数(延べ) | 4,900名 | - |
災害対応訓練参加率※2 | 災害などを想定した安否確認ツールを用いた訓練参加率(長期休業者含む) | 99.4% | - |
翌事業年度より新たに掲げたサステナビリティ目標
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| マテリアリティ | 目標 |
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| KPI | 2025年度 |
健康社会への新たな価値創出 | |||
| イノベーションを通じた医療課題解決 | ||
| ヘマトロジー検査件数 | CBCテスト数(試薬数ベース) | - |
手術支援ロボットによる症例数 | hinotoriTMを用いた症例数 | - | |
魅力ある職場の実現 | |||
| エンゲージメントの向上 | ||
| 離職率※2 | 正社員のみの離職率(解雇、人員削減、転職、定年等、理由を問わず組織を離れた人の割合) | 10%以下 |
自発的離職率 | 自己都合の年間退職率 | - | |
育児休業からの復帰率※1 | 育児休暇取得後の職場への復帰率 | - | |
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進 | |||
| 女性次世代マネジメント比率 | シスメックスグループにおけるManagerポジションの女性比率 | - |
女性従業員比率 | シスメックスグループにおける女性従業員比率 | - | |
管理専門職層の中途採用者比率※1 | 管理専門職ポジションにおける中途採用者の比率 | - | |
採用者の男女比率(新卒、中途)※1 | 新卒採用における女性比率、中途採用における女性比率 | - | |
経営層の女性比率、外国籍比率※1 | 経営層における女性比率、外国籍比率 | - | |
経営層の女性比率 | シスメックスグループの経営層における女性比率 | - | |
管理専門職層の賃金格差(総報酬額)※1 | 平均総報酬額における性別比率(管理専門職層) | - | |
一般社員層の賃金格差(総報酬額)※1 | 平均総報酬額における性別比率(一般社員層) | - | |
人材の育成 | |||
| 付加価値生産性※1 | 付加価値生産性÷時間 | - |
付加価値生産性 | 付加価値生産性÷人 | 2,250万円 | |
人材育成投資※1 | 人材開発・研修の総投資額 | 2.52億円 | |
人材育成投資 | 人材開発・研修の総投資額 | - | |
研修への参加率※1 | 各年度の研修を受講した従業員の総数÷総従業員数 | 90%以上 | |
研修への参加率 | 各年度の研修を受講した従業員の総数÷総従業員数 | - | |
サクセッションプラン有効率※1 | キーポジションにおける内部登用率 | - | |
サクセッション・カバレッジ率※1 | キーポジションにおける後継候補準備率 | - | |
健康増進と労働安全の推進 | |||
| 有給休暇取得率※2 | 正社員1人当たりの年次有給休暇取得率 | 75%以上 |
環境への負荷低減 | |||
| 製品ライフサイクルにおける資源循環 | ||
| プロダクトロスのゼロ化 | 自社製造品、原材料、スペアパーツの未使用廃棄率 (原価/売上のパーセンテージ) | 0.18% |
リサイクル・環境配慮材料への完全代替 | 容器と包装材のリサイクル・環境配慮材料の利用率 | 60% | |
GHG排出量削減率(Scope3) | 2022年度を基準年度とするGHG排出量(Scope3)の削減率 | 10%削減 | |
事業活動における環境負荷低減 | |||
| GHG排出量削減率(Scope1,2) | 2022年度を基準年度とするGHG排出量(Scope1,2)の削減率 | 40%削減 |
再エネ比率 | 再生可能エネルギー使用量の比率 | 75% | |
一人あたりエネルギー使用量削減率 | 2022年度を基準年度とする一人あたりのエネルギー使用量の削減率 | 3%削減 | |
水消費量削減率(主要試薬工場) | 2022年度を基準年度とする試薬生産量あたりの水使用量の削減率 | 23pt削減 | |
総廃棄物量削減率 | 2022年度を基準年度とする連結売上高あたりの事業活動に伴う総廃棄物量の削減率 | 5%削減 |
※1は当社、※2は国内グループ会社、その他は当社グループが対象であります。
(注)1.有価証券報告書提出日現在の速報値であります。確定値は2023年9月頃公表予定の「シスメックス サス
テナビリティデータブック 2023」をご参照ください。
2.目標を「-」で表示している項目は、目標を設定しないモニタリング項目であります。
3.シスメックス ルース及びシスメックス プロダクション ルースは含まれておりません。
<人的資本>
当社グループは、長期経営戦略の基本戦略のひとつに掲げた「人的資本」において、持続的成長を可能にする人的資本ポートフォリオの最適化と、一人ひとりの自己実現と最高のチームワーク発揮による組織力最大化に取り組むため、それぞれ中期経営計画における目標、指標を設定いたしました。
人的資本ポートフォリオの最適化については、新たな長期経営戦略に基づき、人的資本投資を積極的に行いながら、既存事業領域と新規事業領域を牽引するリーダー人材及び高度専門人材の獲得、育成を推進いたします。更に、事業、地域、機能、技術分野等の要素を考慮しながら、適切な人材の採用、配置の実現に加え、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンへの取り組みも強化し、グループ全体のイノベーション創出を目指します。また、グループ全体のキーポジションについては、その後継者を特定し、計画的に育成を行うほか、グローバル研修の開発を通じて次世代・次々世代のグローバルリーダーの育成を実行してまいります。
また、組織力最大化についても、従業員が健康で“安心”して働ける環境を提供すると共に、生産性向上、付加価値の最大化に向けた取り組みを推進いたします。具体的な施策としては、スマートワーク(いつでも・誰でも・どこでも働く事の出来る多様な価値観を支える環境・仕組み)を発展させ、魅力ある職場を実現いたします。更に、ウェルビーイングの強化に向け、まずは国内において安全衛生への対応を強化するほか、多様な働き方を推奨する体制の構築、新たなテクノロジーを用いた健康的かつ公正で魅力的な企業カルチャーの醸成を図る等、従業員のエンゲージメント及び生産性の向上を目指してまいります。
ガバナンスにおいては、取締役をメンバーに含む人事委員会を定期的に開催し、グループ経営幹部および基幹人材の育成など、グループ人材マネジメントについて、審議、報告を行っており、人的資本を通じて経営基盤強化を図っております。
実効性ある人的資本の活用及び成果のモニタリングのため、サステナビリティ目標の各指標に加え、モニタリング項目を設定して、適時適切な対応を実施いたします。また、これらのデータについては積極的な開示を行い、社内外のステークホルダーとの対話の充実につなげてまいります。
人的資本の主要な指標
指標 | 実績 | 目標 | |
2022年度 | 2023年度 | ||
人的資本の投下に関する項目 (Input) | 人件費(注)1 | 1,106億円 | 1,238億円 |
要員計画・人員数(注)2 | 11,126人 | 11,867人 | |
新卒採用※ | 104人 | 120人 | |
キャリア採用※ | 108人 | 97人 | |
離職率※ | 2.57% | 3.00%未満 | |
従業員エクスペリエンス・企業カルチャーに関する項目 (Throughput) | 企業風土調査「Sysmex Way」 設問スコア(注)3 | 81% | - |
企業風土調査「ウェルビーイング」 設問スコア(注)3 | 72% | - | |
人的資本の活用の成果に関する項目 (Output) | 付加価値生産性÷人 | 1,874万円 | 1,938万円 |
付加価値生産性÷時間※ | 13,230円 | 13,482円 |
※項目は当社を対象としており、その他は当社グループが対象であります。
(注)1.研究開発費として計上した人件費等も含んでおります。
2.要員計画・人員数は期末時点の人員数であります。また、派遣労働者等を含んだ人員数であります。
3.目標を「-」で表示している項目は、目標を設定しないモニタリング項目であります。
<気候変動>
当社グループは、気候変動をはじめとする地球環境問題への対応を優先的に取り組むべき課題の一つと認識しております。グループ各社の責任と役割を明確化した「グローバル環境マネジメント規程」を制定し、取締役社長により任命された環境マネジメントオフィサーの統括・管理の下、環境管理委員会を中心にグループで環境マネジメントに取り組んでおります。環境管理委員会では、グループ全体のCO2排出量を含む環境活動を監視するほか、気候関連問題を含む環境課題について協議し、取締役会に報告・提案しております。また、環境目標はグループ経営計画の一部に統合し、サステナビリティ目標として進捗状況を半期ごとに取締役会に報告しております。
シナリオ分析においては、前回2020年に実施の2℃シナリオに加え、1.5℃シナリオ※1を取り込んで更新し、それに伴うリスクと機会の再評価を実施いたしました。グループの全事業※2を対象に特定したリスクと機会が及ぼす財務影響は、2033年度の営業利益に与える影響を基準として3段階で評価いたしました。1.5℃シナリオでは市場リスクや評判リスク、4℃シナリオ※3では自然災害などの物理的リスクの影響が相対的に大きく、機会の観点では、資源の効率、製品及びサービス、レジリエンスにおける影響が相対的に大きいと分析しております。
リスク管理については、グループ全体のリスクマネジメント体制の中で、環境や気候変動を含むリスク全般におけるアセスメントを毎年実施し、グループとして事業に与える影響が大きなリスクを特定し対策を講じる体制を構築しております。また、環境管理委員会では年2回の頻度で気候変動を含む環境関連のリスクと機会の見直しを行っており、特定したリスクと機会に対しては、環境管理委員会や関連する各部門が中心となって必要な取り組みを行っております。
当社グループは、2040年までにグループの事業所から排出される温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」宣言を行いました。2023年5月に新たに策定した長期環境目標「シスメックス・エコビジョン2033」では、温室効果ガス排出量削減と再エネ比率の目標を設定し、研究開発から生産、物流、廃棄まで製品ライフサイクルのあらゆる段階で、様々な取り組みを継続して推進してまいります。
エコビジョン2033
KPI | 目標 | ||||
2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2033年度 | ||
(エコビジョン) | |||||
CO2排出量の削減 | 温室効果ガス排出量 GHG Scope 1+2 | 30%削減 | 35%削減 | 40%削減 | 55%削減 |
温室効果ガス排出量 GHG Scope 3 | 3%削減 | 5%削減 | 10%削減 | 35%削減 | |
再エネ比率 | 65% | 70% | 75% | 90% |
基準年度:2022年度
※1 IEA NZE2050、IPCC RCP2.6など。気候変動に対する厳しい対策を取ることにより、産業革命前からの世界の平均気温上昇が1.5℃未満に抑えられるシナリオ。
※2 自社のみならず、原材料や出荷物流などの上流や製品の使用など下流を含めたサプライチェーン全体を分析対象としている。
※3 IPCC RCP8.5など。現状を上回る温暖化対策をとらないことにより、産業革命前からの世界の平均気温上昇が4℃未満となるシナリオ。
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