サンメッセ 【東証スタンダード:7883】「その他製品」 へ投稿
企業概要
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「革新」「法令順守」「環境」の3つを経営の柱とし、常にお客様を第一に考え、人・物・情報を集積・発信し、印刷を核に持続的に発展し、社会に貢献することを経営理念として掲げ、さらに以下の5つの経営基本方針によって当社が目指すべき姿を明確にしております。
① 積極経営
変化に迅速に対応できる企業を目指すため、俊敏な判断力と行動力で対応するとともに前向きな投資には積極的に取り組んでまいります。
② イノベーション経営
柔軟で多面的な広い視野を持ち、継続的に変革・革新を続けます。
③ コンプライアンス経営
法令、規律を順守し、社会的信用のある企業経営を堅持します。
④ 環境経営
ISO14001、FSC認証取得企業として、環境保全に積極的に取組んでまいります。
⑤ 人間尊重企業
自由闊達の社風を尊重し、社員の主体性、創造性、チャレンジ精神を大切にします。
(2) 目標とする経営指標
当社は、生産性の向上と経費削減を推進することにより営業利益率を高め、自己資本当期純利益率(ROE)を向上することを目標とし、企業価値の増大に努めていく所存であります。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、世界経済は、ウクライナや中東地域での情勢不安の長期化などの地政学リスクや、各国の金融引き締めなど、先行き不透明な状況が続くものと思われます。また、日本経済においては、景気回復が期待されるものの、人件費や物流費の増加などの影響が懸念されます。
なお、当社グループとしましては、2025年に向けた90周年スローガン「Challenge for Change 2025 ~変革への挑戦~」のフェーズ2となるメインテーマとして2022年度より「One Sun Messe」を掲げ、更なる事業成長と企業価値向上を実現できるよう努めております。また、次年度の基本戦略のテーマを『印刷を、超える。』として、本業の印刷事業を超える事業変革の推進と構造を確立していくチャレンジの年として、2035年の創業100周年に向けて確実な一歩を踏みだすための重要な年と位置づけてまいります。
①企業理念及びサンメッセフィロソフィー
当社は「革新・法令順守・環境の3つを経営の柱とし、常にお客様を第一に考え、人・物・情報を集積・発信し、印刷を核に、持続的に発展し、社会に貢献します。」を経営理念に掲げています。また、100周年(2035年)のありたい姿に向け、「サンメッセらしさ」を定義した「サンメッセフィロソフィー」を2020年に策定(2024年に一部改訂)し、その浸透を図っています。
これらを当社のDNAとし、中長期経営アクションプランの推進に向け、お客さまにとって価値あるサービスの提供を追求し、地球環境に配慮した経営を推進し社会に貢献するとともに、業績の維持・拡大を図り一層の企業価値向上を目指しています。
②当社を取り巻く環境
Society5.0(*1)というビジョンのもと、デジタル庁の発足により国の施策としてのデジタル化が強力に推進され、SDGsやサステナビリティに対する意識が高まっています。
さらにはリモートワークの急激な普及などによって、ペーパーレス化が予想以上の速さで進んでおり、印刷業界を取り巻く環境はより厳しさを増しています。また、為替相場における円安や地政学的リスクにより、エネルギーや資材価格、物流コストなどが軒並み高騰し、大きく利益に影響を及ぼしています。
このような事業環境において、商業印刷のみに依存しない新たな提供価値の創出に向けた具体的なアクションを加速していくことが必要です。
(*1) 内閣府の「第5期科学技術基本計画」において、我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱された概念。
③Innovation for 100th anniversary サンメッセ 新・中長期経営のアクションプラン
急激な環境変化に対応すべく、当社は、2019年度からInnovation for 100th anniversary サンメッセ 新・中長期経営のアクションプランを達成すべく、2035年100周年の “ありたい姿”を追求し、その中期的位置づけである2025年に向けたスローガン「Challenge for Change 2025 ~変革への挑戦~」を推進し、夢ある企業への創造に向けたチャレンジを行っております。
2022年度からはフェーズ2として「One Sun Messe」をキーワードに取り組みを進めており、2024年度は「印刷を、超える。」をテーマに、本業の印刷事業を超えるための事業変革を推進していくストラクチャーの確立にチャレンジしていきます。
「Challenge for Change 2025」では当社の強みである「社内一貫生産による一社責任体制」を最大限活かし、「守る」、「攻める」、「挑戦する」という3つの重点基本戦略を推し進めています。
社会変化の加速化が進み、ペーパーレス化の傾向は止まらぬ中、デジタル転換への進展と業務のオートメーション化はより進化しています。業務効率改善に向けたデジタル・トランスフォーメーション(DX)にも対応し、コアである商業印刷事業を堅持しながらも成長事業への戦略的重点投資を図り、事業ポートフォリオの変革に挑戦しています。
④事業ポートフォリオ改革と資本政策
2018年度から新たな成長戦略として取り組んできた情報セキュリティ事業(IPS(*2)事業)、パッケージ事業、情報コミュニケーション事業(コーポレート・コミュニケーション事業、ICT事業)、BPO(*3)事業など、付加価値の高い印刷事業へのシフトを推進しています。この総合印刷企業でありながらも、新たな価値を活かすことこそが当社最大の強みであり、これら事業がようやく形になりつつあることで、本年度においてはその事業内訳としてのセグメント公表を予定しています。事業セグメントの情報開示イメージは図表の通りとなり、コア事業である商業印刷事業は全体でシュリンクする傾向下にある中、情報セキュリティ、パッケージ、情報コミュニケーション、BPOの各事業を中心に、その他の事業にも目を向け着実な変革を図ってまいります。
事業ポートフォリオ改革と併行して進めなければならないもう一つの大きな課題は、資本政策です。事業成長を伴う設備投資を進める上で、資本コストを慎重に判断していかなければなりません。今後、「ROE」「ROA」などの経営指標を重要な位置づけとして検討し、ROIC(投下資本利益率)を経営目標として掲げる検討を進め今後の経営推進に活かしていく予定です。そのためには、本業の利益向上を第一に取り組むとともに、資産効率の向上、政策保有株式の縮減あるいは一部売却の検討も視野に入れ、資本コストや株価を意識した経営推進の計画を進めてまいります。
(*2) Information Processing Service
(*3) Business Process Outsourcing 企業活動における業務プロセスを専門業者に委託すること
⑤戦略的人財改革 ~100周年を見据えた90周年事業のスタート~
人的資本経営の重要性が問われる中、当社では人財活用を戦略として位置づけ、当社ならではの人事戦略の構築を進めています。次世代を担うリーダーシップの育成や経営に関わるスキルを習得する機会を提供するほか、個人のスキルを活かせる専門職の導入、より柔軟な働き方の整備など、会社と個人がフェアで対等な関係となり、共に価値を生み出すパートナーという関係づくりを目指すため、今後、人事評価制度を見直しヒト中心の人財マネジメントを重要な視点として推進してまいります。
これらは100周年を見据えた90周年事業「印刷を、超える。」をテーマとして、本年度より、1)事業ポートフォリオ改革、2)90周年事業実行委員会を若手社員中心に設置し、会社全体の風土改革を推進、3)サクセッションプラン策定の位置づけとしたSun Messe Passion & Execution 次世代リーダー育成プラン、4)新事業開発プロジェクトと位置づけた当社の将来の収益の源泉を得るためのスタートアップ施策など、4つの具体的なアクションを推し進めます。今後も、社員の多様性をより尊重し、社員の価値観を意識した視点を大切に戦略的人事改革に果敢に挑んでまいります。
⑥サステナビリティ経営の推進
当社は、岐阜県下の上場企業で真っ先にSDGs宣言を発し、17のゴールのうち7つを貢献すべき課題として特定。本業を通じたSDGs視点を強く意識し、SDGsを経営実装すべく独自性の高い推進を図っています。
その軸となるのが、サンメッセ社会価値共創事業モデル「SSI-G(Sun Messe Social Impact Gifu)」です。当社が運営するSDGs共創プラットフォーム「Re:touch(リ:タッチ)」を中心に、文化、教育、リジェネレーション(再生)、環境、DXの5つのフィールドで、産官学やNPO/NGOなど数多くのパートナーシップの創出を実現し、岐阜県内における独自のポジションの構築に努めています。
喫緊の課題である気候変動対策については、2022年6月に当社としてのカーボンニュートラル宣言を公表。2050年カーボンニュートラルを実現すべく、来年度中にはロードマップ策とKPI策定を行い、その具体的な戦略を公表できるよう努めます。引き続きCDP(*4)への自主回答、TCFD(*5)提言、経済産業省が推進するGXリーグ(*6)にも参加し、脱炭素に向けた包括的な取り組みを進めてまいります。
また、フランスのEcoVadis(エコバディス)社が実施するサステナビリティ評価において「シルバー」を取得。2023年5月には、当社の人権や調達の考え方を示す「サンメッセ人権方針」「サンメッセサステナブル調達方針」を策定。あらゆるステークホルダーとの共創による、サステナビリティ経営推進の仕組みづくりに積極的に取り組んでいます。
(*4) Carbon Disclosure Project
(*5) 気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)
(*6) 経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」に基づき設置され、持続可能な成長実現を目指す企業が、様々な企業群や官公庁、大学などと一体となり、経済社会システムの変革や新たな市場を作るための実践を行う場
当社はこれらの活動を通じて、新・中長期経営のアクションプランに掲げる「夢ある企業への創造にチャレンジ」に取り組み、100周年、さらにその先においても、社会に選ばれる企業であり続けられるよう邁進してまいります。
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