サクサ 【東証スタンダード:6675】「電気機器」 へ投稿
企業概要
当企業グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものです。
(1)ガバナンス
当企業グループは、持続可能な社会の実現や当企業グループの持続的な成長と企業価値の向上を図るため、当企業グループにおけるサステナビリティ活動を推進することを目的としたサステナビリティ推進委員会を設置し、活動を行っております。
サステナビリティ推進委員会は、委員長を代表取締役社長、事務局をサステナビリティ担当部門、委員を当社および当企業グループ各社から選出し委員長が任命した者で構成して、当企業グループのサステナビリティ方針に則り、当企業グループ全体の活動方針、 計画等を審議するとともに、そこで決定された取組みを推進、サポートを行います。
審議内容については、適宜、取締役会に報告します。これにより取締役会によるサステナビリティ活動へのガバナンス体制を構築しております。
(2)リスク管理
当社では年2回、リスクについて当企業グループ各社から当社リスクマネジメント部門に報告し、その後、当社代表取締役社長が委員長となるCSR委員会(2023年4月からコンプライアンス・リスクマネジメント委員会に名称変更)に報告しております。この委員会はサステナビリティレポート2022の32頁から33頁に、また、リスクマネジメント方針と体制は35頁に掲載しております。
(3)戦略
当企業グループは、上記のガバナンスおよびリスク管理を通して、気候関連リスクを重要なサステナビリティ項目と認識しております。
気候変動が、短期、中期、長期にわたり、企業経営にどのような影響を与えるかについて、2℃シナリオ、4℃シナリオの移行リスク、物理的リスクを想定しています。(表1、表3参照)
上記の移行リスク、物理的リスク以外にも、環境マネジメントシステムに関連する①外部および内部の課題、②順守義務、③ステークホルダーのニーズおよび期待、④著しい環境側面を考慮し、2℃シナリオ、4℃シナリオにおけるリスクおよび機会を特定しております。(表2、4参照)
(表1)2℃シナリオにおける移行リスク、物理的リスク
移行リスク (脱炭素社会への移行に伴い生ずる、事業上、財務上のリスク ) | 以下要因により追加投資コストが発生し当企業グループの財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 ・温暖化・脱炭素化への規制強化と対応コストの増加 ・炭素税等カーボンプライシングによるコストの増加 ・温暖化を防止するための省エネおよび生産性向上を目的とした老朽化設備・建物の更新コストの増加 ・温暖化を防止するための再生可能エネルギー導入によるコストの増加 また、顧客からの気候変動への対応(CO2排出量削減等)要求に対し適切な対応が取れない場合、取引停止や事業機会の損失の恐れがあります。 |
物理的リスク (自然災害により顕在化するリスク) | ・温暖化による甚大な風水害等の発生による損害 ・風水害に伴うサプライチェーンの断絶による損害 風水害の発生に備え、開発・製造設備や情報システム関連設備の定期点検、検査およびバックアップなどを整備していますが、被害を完全に排除するものではなく、物的、人的な損害に関する費用が発生し、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、サプライチェーンの断絶により、生産、販売が停滞し事業機会損失の恐れがあります。 |
(表2)2℃シナリオにおける主なリスクと機会/対応策(気候関連以外も含む)
リスク | 機会/対応策 |
温暖化・脱炭素化への規制強化と対応コストの増加(カーボンプライシング等含む) | 温暖化への取り組みによる省エネの実現によりコスト増加を抑制 |
老朽化設備・建物の更新コストの増加 | 最新設備導入により省エネ効果、生産性向上の実現、 ワンストップ生産、多品種小ロット生産への対応 |
再生可能エネルギー導入コスト | 再生可能エネルギー導入によりCO2排出量の削減 |
顧客からのCO2排出量の削減要求 | 顧客のニーズに対応することによるビジネスチャンスの拡大 |
風水害に伴うサプライチェーンの断絶による損害 | BCPの構築 |
原油、電力料金、原材料費の高騰、部材の調達難 | 調達方法・設計の見直しによる長期的なコストダウン |
環境に配慮した製品づくり(RoHS2対応含む) | エコ製品の製造、製品の省資源化・製品コスト削減 |
廃棄物削減への取り組み | リサイクル化、再生資源使用率アップ、不良率低下、省資源化、処分費用の削減 |
コロナ禍における変化への対応 | 働き方改革・テレワークによる省エネ、廃棄物削減効果、テレワーク用ネットワーク商品・サービスの販売拡大 |
新規事業創出の遅れ、新規技術ノウハウと人材の不足 | AI、IoT、画像技術への対応によるビジネスチャンス拡大、アライアンス強化による新市場での販売拡大 |
サイバー脅威 | 情報セキュリティニーズに対するノウハウの展開 情報セキュリティ商品、サービスの販売拡大 |
労働法令規制強化、外部要員への依存による人件費増 | 生産工程の自動化、効率化による生産性向上とコストダウン |
リスクと機会は表裏一体であり、リスクに適切に対応することにより、リスクを回避できるだけでなく、ビジネスチャンスにもつながる。
(表3)4℃シナリオにおける移行リスク、物理的リスク
移行リスク (脱炭素社会への移行に伴い生ずる事業上、財務上のリスク) | ・風水害等に対する防災設備コストが増加 ・再生可能エネルギーが進展しない →温暖化が急激に進む |
物理的リスク (自然災害により顕在化するリスク) | ・温暖化による甚大な風水害が頻発し、壊滅的な被害が生ずる可能性が高まる 風水害に伴うサプライチェーンの断絶および原材料価格の高騰により、部品の入手難、生産・販売の停滞、事業機会損失により財政状況に深刻な影響がおよびます。 |
(表4)4℃シナリオにおける主なリスクと機会/対応策
リスク | 機会/対応策 |
風水害に対する防災設備コストの増加 | 風水害に対する予防措置 |
再生可能エネルギー導入が進展しない | エネルギーコストは抑制できるかもしれないが、CO2排出量の削減が見込めない |
風水害の甚大化、頻発化 | BCPの強化は進むが、その分のコストがかさむ |
2℃シナリオに比べ、ビジネスチャンスにつながる機会/対応策は少ないと思われる。
(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針)
当企業グループにおける人材の育成に関する方針は次のとおりです。
当企業グループは、コンプライアンス意識を持ち、コミュニケーションを取りながら自ら考え挑戦し続ける人材の育成を目指しております。
具体的には、サクサ株式会社(連結子会社)では、新入社員から育成ステージに合わせた教育・研修プログラムを整備し、継続的かつ計画的に実施して、人材の成長を支援しております。事業環境の変化や教育ニーズを的確に捉え、研修プログラムのレビューを行い、効果的なプログラムとしております。
サクサ株式会社では、社員の適性検査結果、ヒューマンスキル・コンセプチュアルスキルのアセスメント、ビジネススクールの評価、保有資格、異動履歴などをタレントマネジメントシステムで一元管理するとともに、人事ローテーションガイドラインに基づくジョブローテーションを実施することにより効果的な人材育成を目指しております。
また、人材の多様性の確保に関する方針および社内環境整備に関する方針は次のとおりです。
当企業グループでは、誰もが働きやすく活躍できる職場づくりを目指して、当社の社長を委員長とする「ダイバーシティ&インクルージョン推進委員会(D&I推進委員会)」を2021年11月に発足しました。D&I推進委員会の最初のテーマとして女性活躍推進を掲げて、その取り組みをスタートしております。
第1期(2021年11月~2022年9月)は、「女性特有のライフイベントや個々の事情を抱えた状況であっても長期的なキャリアプランを見据えた目標とモチベーションを高く持ち、能力を発揮し続けることができる働き方を目指す」ことを目標とし、女性が長期的キャリアを実現するうえで必要な考え方や支援策等の検討を重ねました。
具体的な取り組み内容としては、女性社員および管理職を対象とした当企業グループ全社アンケートを実施し、職場コミュニケーション、育成面、制度面の3つの切り口から課題を整理し、当企業グループ共通課題を設定しました。その他、外部有識者による講演会の開催、社内専用サイトでの活動報告、当企業グループにおける働き方改革の事例紹介等、当企業グループ全体での理解促進を図りました。
第2期(2022年10月~2023年3月)では、全社課題に対する解決策の実行プランとして、D&Iの必要性と相互理解を目的とした当企業グループ全管理職を対象とする研修の実施および女性社員へのキャリア形成支援を行うとともに、女性社員比率、女性管理職比率の向上に向けた施策の検討、合わせて男性社員の育児休職取得率の向上を目指し、誰もが働きやすい環境構築に向けて取り組みを進めてまいりました。
(4)指標および目標
当企業グループは、気候変動関連について地球温暖化を重要なリスクと認識し、その防止を目的に脱炭素化の目標を定めました。Scope1およびScope2におけるCO2排出量を2030年度までに2018年度比で30%削減します(SBTガイドライン準拠)。
主に、生産設備・空調・LED等の省エネ機器への更新により、CO2排出量を2021年度までに2018年度比21.2%削減しております。引き続き省エネ施策に取り組み、30%削減の目標の達成を目指します。
また、当企業グループでは、人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いています。当該指標に関する目標および実績は、次のとおりです。
数値目標
指標 | 目標(2024年度) | 実績(2021年度) |
女性社員比率 | 21% | 19% |
女性係長比率 | 17% | 10% |
女性管理職比率 | 5% | 3% |
男性における育児休職取得率 | 46% | 7% |
(注)男性における育児休職取得率については、育児を目的とした休暇制度を含まない数値となります。
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