サインド 【東証グロース:4256】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営方針
当社グループは、「インターネットを通じて、心のつながりを提供する」というミッションのもと、インターネットとテクノロジーを駆使して、経済活動における「売り手」と「買い手」、そしてその関係をつなぐ「取引」において一人ひとりに、最適な顧客体験を構築する仕組みを提供し、事業者の経済成長を支えることを通じて企業価値の最大化を図ります。
ミッションを実現するために、当社は、行動指針(Value)として、以下の「目的でつながる」「データでつながる」「スピードでつながる」の三つを挙げております。
■ 目的でつながる
サインドは、クライアント・パートナー、サインドに関わるすべての皆さまを一つのチームと捉え、目的を共有し、常に当事者意識を持って行動します。
■ データでつながる
データは単なる数字ではなく、クライアントニーズでありチームの評価である。だからこそデータを信じ、データに基づいて戦略や行動を決定します。
■ スピードでつながる
目的から逆算した最短距離を常に考え、失敗を恐れず、自ら考え行動します。そこから得た学びや経験、課題をチームに共有し、チーム全体で成長し続けます。
上記の行動指針で示しているとおり、当社グループは、インターネットやテクノロジーを駆使して、個ではなくチームの力で、最適な顧客体験価値を提供していきます。
この指針が当社グループの「サービス」「ビジネスモデル」「組織」に反映されております。
(2)経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループは、顧客への提供価値、すなわち売上高の最大化が企業価値向上につながると考えております。当社ではサブスクリプション(月額課金)モデルの事業を中心とした事業展開を行っていることから、「ARR」の拡大を経営上の目標としております。この経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、「契約店舗数」、「ARPU」及び「カスタマーチャーンレート」を重要な経営指標と位置付けております。この経営上の目標を達成するために、継続的な顧客の獲得に加え、当社グループの顧客による解約率の減少や、サービスの機能拡張のために必要な投資を積極的に行なっていくことを経営戦略としております。
なお、経営指標の推移に関しましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)「BeautyMert(ビューティーメリット)」」に記載のとおりであります。
(3)経営環境
当社グループは、理美容店舗に対して、予約管理システム「BeautyMerit(ビューティーメリット)」及び予約一元管理システム「かんざし」に関する企画・運営等のサービスの提供を主な事業としております。したがって、理美容サービスにおけるネット予約の普及が当社グループの業績に大きく影響します。経済産業省が発表した「令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」によると、理美容サービスにおけるネット予約市場は、2015年は2,420億円でしたが、その後3,261億円(2016年)、4,188億円(2017年)、4,928億円(2018年)、6,212億円(2019年)、6,229億円(2020年)、5,959億円(2021年)、6,139億円(2022年)となっており、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響が発生しているものの、2015年と2022年を比較すると、153.7%増と高い伸びを示しております。
拡大の背景には、ネット予約に対応した理美容店舗の急拡大があるものと想定されます。多くの理美容店舗は小規模の人数で運営されるため、施術中の予約電話への対応が難しい状況があります。また、理美容サービスは1回あたりの施術時間がある程度特定できるため、予約時間の枠管理が比較的容易なことから、理美容サービスはネット予約との親和性が高いカテゴリーと考えられ、消費者への認知の拡大が対応店舗数のさらなる拡大につながるスパイラルによって、市場規模が拡大中であります。
対面サービス業であり、人的な労働力を不可欠とする理美容業界では、店舗間の競争激化とともに慢性的な人材不足も深刻化しています。規模の大小に関わらず店舗経営の情報システム化は加速しており、24時間予約システムの導入が促進されるなど、サービス提供業者の参入も活性化しています。
政府が取り組みを進める「働き方改革」の推進や、あらゆる業界で「人材不足」が業務課題として挙げられる中、理美容業界では、顧客のアフターフォロー、販促、リピーターを増やすためのサポートなどを一括管理してくれるシステムの導入は不可欠であると考えられます。
こうした環境を踏まえると、当社グループのサービスの需要は拡大していくものと考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①サービスの向上
当社グループが競合優位性を確保しながら継続的に成長するためには、顧客満足度の向上に加えて、提供するサービスの価値を高め、低い解約率を確保することが重要であると認識しております。そのため、当社グループは、サービスの機能追加・機能改善を継続的に実施し、顧客満足度の向上に努めてまいります。
②システムの安定稼働と強化
当社グループのサービスは、インターネット技術を活用して事業を運営していることから、事業運営上、システムの安定稼働が極めて重要であると認識しております。このため、当社グループは顧客の増加、取扱データ容量の拡大に応じたサーバーの増強を含め、システムの安定化のため継続的にシステム強化に取り組んでまいります。
③情報管理体制の強化
当社グループは、多くの個人情報を扱っており、情報管理体制を継続的に強化していくことが重要であると考えております。現在も社内規程の厳格な運用、定期的かつ継続的な社内研修の実施、セキュリティシステムの整備等により、情報管理体制の強化徹底を図っておりますが、今後も社内体制や管理方法の強化・整備を行ってまいります。
④組織体制の強化
当社グループは、顧客基盤の拡大、サービスの利便性向上及び新規サービスの開発等により継続的に成長していくため、多岐にわたるバックグラウンドを有する優秀な人材を採用し、組織体制の強化を整備していくことが重要であると考えております。当社グループの理念に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくためには、積極的な採用活動を行なっていくとともに、従業員が働きやすい環境の整備、人事制度の構築に努めてまいります。
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