コーセル 【東証プライム:6905】「電気機器」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、『品質至上を核に社会の信頼に応える』を経営理念として掲げ、直流安定化電源装置の設計開発・生産・販売を通して、今後ますます高度化するエレクトロニクス社会の進化に寄与し「持続可能な社会の実現」に貢献する企業でありたいと考えております。 そのために、誠意ある企業文化の基盤醸成とともに、グローバル化の進展、価値観の多様化等をうけて、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を重視し、誰もが安全安心で、いきいき・ワクワク・やりがいをもって働ける会社を目指してまいります。 また、企業としての社会的責任を果たすため、コーポレート・ガバナンスの強化を努めてまいります。 | 当社の経営理念「核の概念図」 |
私たちコーセルグループのビジョンとして“顧客起点のニーズを捉えた付加価値のある製品とサービスをタイムリーに実現し、スマートエネルギー社会になくてはならない存在になる”を掲げ、「持続的成長に向けた事業改革・改善」、「新しい価値を創造するための技術革新へのチャレンジ」、「一人ひとりの成長・組織の進化」など、グローバルな視点を重視しながら一人ひとりの「社員の力」を活かしつつ、組織力を高め続けることで、持続可能な社会の実現」に貢献し、私たちコーセルグループの「持続的成長」につなげていきたいと考えています。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、経営指標として、連結営業利益率 15%以上、連結ROE(自己資本利益率)10%を目指し、継続的かつ安定的な高利益体質を目指しております。
(3)第10次中期経営計画の進捗状況と課題
第10次中期経営計画における初年度2023年度の目標・経営指標とその達成状況は次のとおりです。
項目 | 第9次 (最終年度) 2022年度実績 | 第10次中期経営計画 | |||
2023年度(当年度) | 2024年度 | 2025年度 | |||
計画 | 実績 | 計画 | 計画 | ||
連結売上高(百万円) | 35,266 | 38,000 | 41,437 | 39,500 | 41,700 |
連結営業利益(百万円) | 4,926 | 5,392 | 6,912 | 5,680 | 6,240 |
連結営業利益率(%) | 14.0 | 14.4 | 16.7 | 14.3 | 15.0 |
連結ROE(%) | 7.6 | 8.8 | 11.6 | 9.2 | 10.0 |
第10次中期経営計画の初年度である2023年度は、部品材料の調達状況が改善したことを受け、受注残の解消に向けた増産対応を継続した結果、売上高は計画を上回り過去最高となりました。利益面においても増産対応に伴い、材料費、外注加工費に加え、人件費及び経費の増加があったものの、売上高の大幅な増加と変動費比率の低下による収益力の上昇から計画を上回り、過去最高の営業利益となりました。
第10次中期経営計画における重要指標(目標)と初年度2023年度の取り組み結果および今後の課題は次のとおりです。
重要戦略 (3本柱) | 重要指標 (BM 2022年実績) | 2025年度 最終年度目標 | 2023年実績 | 今後の課題 |
適正な利益・ 原価管理の実現 | 営業利益率(14.0%) | 15.0%以上 | 16.7% | 利益率の変化を捉えた運用管理(原材料アップ等による値上げ要請、為替レート影響等の考慮) |
新製品売上比率 の向上 | 新製品・リリース 済み新製品率 (4%) | 21%以上 | 6.5% | ・リリース済み新製品の拡販強化 ・リリース済み新製品の生産能力強化 ・新製品立上げ期間の短縮 ・適正なEOL計画の立案、実施によるスムーズな後継機種への移行 |
欧州ビジネス強化(PRBX、C-EU) (※) | 欧州売上高 (55.1Mユーロ) | 71.6Mユーロ 以上 | 50.2Mユーロ | ・PRBX、C-EUによる具体的なクロスセルの仕組み構築と拡販体制強化 |
(※)PRBX … Powerbox International AB、C-EU … COSEL EUROPE GmbH
(4)LITE-ON TECHNOLOGY CORPORATION との資本業務提携契約による新たな重点戦略
2024年4月30日、当社は、LITE-ON TECHNOLOGY CORPORATION(本社:台湾 台北市、以下「LITE-ON」と記載)と資本業務提携契約を締結しました。
当社は、競争優位性の高いビジネスモデルに変革していくため、かねてより他社との協業を含む様々な選択肢を検討してまいりましたが、そのなかで提携先としてLITE-ON社の紹介を受け、LITE-ON社のグローバルな調達、販売、製造、開発ネットワーク及び強固な製品ポートフォリオとの連携を深めることで
① 安定調達体制の確立と共同調達を通じたスケールメリットによるコストダウン
② 海外市場における販路の拡大及び新規顧客の獲得
③ 再生エネルギー分野などの成長分野における当社プレゼンスの拡大
④ 相互の製品供給を通じた新規顧客、新規案件の発掘
⑤ 共同開発を通じた新製品数の拡大及び開発期間の短縮
⑥ 技術者の交流を通じたグローバルでの人材基盤及びものづくり体制の強化
など、当社の第10次中期経営計画で掲げている高利益体質への転換に向けた各種シナジー効果が得られると見込まれることから、今回の資本業務提携契約に至ったものです。
これを受け、第10次中期経営計画 重点戦略3本柱に「LITE-ONとの業務連携によるシナジー効果の創出」を追加
し、2024年度以降、取り組むこととしました。
また、あわせて次期、第11次中期経営計画(2026~2028年度)の戦略策定に向けての基盤づくりについても今後、進めていくこととしています。
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| 第10次中期経営計画 重点戦略3本柱 |
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| 第11次中期経営計画の基盤構築へ |
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| LITE-ONとの業務連携による シナジー効果創出
業務連携チーム 1.調達連携チーム 2.販売拡大チーム 3.新事業開拓チーム 4.新製品開発連携チーム 5.技術交流チーム |
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| COSELとLITE-ONの共同ビジョン 「世界的な標準電源ソリューションのリーディングブランドになる」 |
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(5)今後の経営環境
新型コロナウイルスによる影響は収束しましたが、インフレの長期化及び欧米諸国での政策金利の引き上げに伴う為替変動や中国経済の低迷、米中対立、ウクライナ情勢や中東情勢などの地政学リスクの影響もあり、世界経済の景気後退への懸念が深まるなど、予断を許さない状況が続くものと思われます。
当社グループが属するスイッチング電源市場を取り巻く環境について、半導体製造装置関連においては、需要が調整局面に入っておりますが、今後、生成AIを中心とした社会のデジタル化推進、カーボンニュートラルへの関心の高まりによる需要が見込まれ、全体的には緩やかに回復基調に向かうと想定しております。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
外部環境の変化と第10次中期経営計画の継続課題から、当社グループにおける課題は、新製品の拡販に向けてソリューション営業を強化し、後継モデルへの切替促進と新規案件獲得に注力するとともに、新製品開発力を強化することで、既存製品から新製品への新陳代謝を促進する「好循環」を早期に創り出すことにあると考えております。また、成長性や収益性を高める経営基盤を整備し、競争優位性の高いビジネスモデルに変革していくことが重要と考えており、LITE-ON TECHNOLOGY CORPORATIONとの業務提携による業務基盤の整備、再構築を進めながら、世界各地域における戦略の実行、そのための新製品開発、利益創出のための活動とともに、カーボンニュートラルへの取り組みにも重点をおき、「持続可能な社会の実現」に向けて取り組んでまいります。
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