コンピューターマネージメント 【東証スタンダード:4491】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、ソフトウエアという無形の財産を世に送り出している企業であります。現在のような高度情報化社会において、ソフトウエアは武器にもなれば、平和を守るための道具にもなります。真に社会に役立つ結果を導き出すのは、豊かな人間性に他なりません。従業員一人ひとりがこの想いを胸に、人格を高めることで、より社会に必要とされる企業に成長することが当社グループの望みでもあります。
そして、自ら行動を起こし、常に本質を追求する姿勢を持ち、積極的なソリューションビジネスを展開し、株主、取引先、従業員といった全てのステークホルダー及び社会に貢献することが当社グループの使命であると考えており、これらを具現化するため当社は、社是を「人間性の追求」と定めております。
また、当社は、以下の3つの経営理念を定め、社是と共に従業員に浸透させております。
一、現状打破の経営 常にステップアップをめざし、現状に甘えず、チャレンジしていく精神が人格を高め、良い商品を世に送り出すことにつながります。
一、率先垂範の経営 情報産業のパイオニアとして、業界を代表し、さらには日本を代表する企業となるため、従業員一人ひとりが率先して経営を考えます。
一、誠心誠意の経営 常に「真」を求める「誠」の精神で経営を推し進めることが社内においても、社外に対しても、厚い信頼を得ることにつながります。
(2)経営戦略等
① 当社グループの経営上の強み
当社グループは、独立系であるためメーカーの系列、機種・OS等に限定されることなく、幅広い提案・対応が可能であること及び売上高の約7割を取引年数10年以上の顧客で構成し、長期的な安定顧客のポートフォリオを構築していることにより、特定産業の好況・不況の波や技術トレンドの変遷といった環境変化に左右されにくい安定性を保ちつつ、同時に長期的成長を見込むことが可能であります。また、従業員の採用、教育に関し積極的に投資を行っており、地方展開による現地の優秀な人材を確保するとともに、採用した従業員については階層別研修、ITスキル研修、選抜研修の3つの研修を実施し、質、量を伴った動員力の確保を実現しております。
事業としては、ゼネラルソリューションサービス、インフラソリューションサービス、ERPソリューションサービスを展開し、売上の約半数を継続案件や運用・保守等が占めており、安定的な収益基盤を確立していると認識しております。
事業拠点については、大阪、東京、四国(松山、高松)、仙台、広島、福岡に置いており、全国規模でのサービス提供が可能であります。
財務基盤については、安定的な利益の積み上げを実現していることや、保有固定資産が少額であり、重大な評価損の発生リスクが小さいこと等から、健全であると考えております。
② 当社グループの経営上の弱み
当社グループは中堅独立系ITトータルソリューションプロバイダーのため、ネームバリューやブランドイメージを求めるユーザーや求職者へのアピールにおいて、他社との競合面、採用面で不利な場合があります。そのため、エンドユーザーへの売上比率は大手SIerと遜色ない関西圏に比べ、首都圏では相対的に低い構造となっております。加えて一括請負案件などの自社への持帰り案件の割合が常駐型案件よりも比較的少なく、その結果利益率の低下につながっております。
また、ビジネスパートナー(以下「BP」という)は増加傾向にあるものの、令和6年3月期における当社グループの製造費用に占める外注費の割合は31.8%と同業他社に比較して低く、プロパー従業員に頼る構造となっており固定費率の上昇につながっております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、動員力の強化に基づく更なる業容拡大を図り、高い成長性及び収益性を確保する視点から、期末人員数、BP平均人員数、非稼働人員の労務費額を重要な経営指標と捉えております。
(4)経営環境
当社グループが属する情報サービス産業におきましては、インボイス制度や電子帳簿保存法などの法対応により、コロナ禍から続くデジタル化の時流が一層高まっており、DXやクラウドサービス、生成AI、サイバーセキュリティなどをキーワードとした企業のIT投資意欲は高いまま堅調に推移していると認識しております。
このような状況の下、当社グループは、ウィズコロナ対応時から推進しておりましたリモートワークやWEB会議を活用しながら全国での案件対応を促進し、各地域での対面型の営業・サービス提供と併せて展開することで、事業活動を安定的に継続し、ゼネラルソリューションサービス、インフラソリューションサービス、ERPソリューションサービスの3つのサービスを軸として、新規顧客の獲得による受注拡大、既存顧客との取引拡大、高収益案件の受注拡大により収益の伸展を図り、営業力、コンサルティング業務の強化も進め、小規模から大規模に至る顧客の戦略的システム構築を数多く手掛けてまいりました。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、「人間性の追求」の社是の下、更なる事業収益の拡大を図ることにより、持続的かつ飛躍的な成長と、より強固な経営基盤を確立すべく、以下の事項を重要課題と捉え、その対応に引続き取組んでまいります。
① 既存の事業分野の更なる強化
顧客ニーズとITサービスの多様化で、ますます競争が激しくなる中、当社グループが業容拡大を続けていくには、高い専門性で付加価値を創造し、他社との差別化を図っていく必要があります。そのために、当社事業の主要な3つのソリューションのさらなる強化を目的とし、組織を本部制に変更いたしました。これにより、地域を限定しないリソースの柔軟な活用、専門性を活かした迅速な意思決定が可能となり、今まで培ってきた業界・業務知識と技術を基に、当社ならではの付加価値を加えたワンストップソリューションの開発・展開を進めることで業容拡大を図ってまいります。
② 新たな成長分野への展開
デジタル化やクラウド化、DXの加速により、デジタル分野の成長性は著しく、今後ますます需要が高まることが予想されております。そこで、目先の利益にとらわれず、より成長性の高い新技術を当社の事業として展開していくために研究開発チームを創設し、新技術の研究開発に取組むことといたしました。同時にビジネスパートナーとのアライアンスの強化を推進しており、ビジネスパートナーの有する技術やサービス、当社グループの業界・業務知識と技術力、それらに研究開発で得た知見や成果を組合わせ、デジタル社会に対応したソリューションサービスの開発に取組んでまいります。多様化する顧客ニーズに常に応えられるよう新しい技術に取組み、当社グループの成長事業としていくことを目指してまいります。
③ 優秀な人材の確保と育成
当社グループの業容拡大策の柱は動員力の強化であり、優秀な人材の確保と定着が最も重要な課題であります。当社グループが属する情報サービス産業におきましては、特に人材不足が慢性化し、労働人口も減少する中、優秀な人材の確保が困難な状況となっております。そのため、積極的な採用活動は継続しながらも、並行して従業員のリスキリングを実施し、めまぐるしく変化するIT技術・環境に対応可能な人材開発を進めてまいります。また、健康経営を実践し従業員の満足度向上にも引続き取組むことで、優秀な人材の確保と定着を図ってまいります。
④ プロジェクトマネジメント力の強化と品質の向上
顧客との取引を安定的に継続、拡大し、適正な利益を確保するためには、顧客に満足いただける品質とプロジェクトマネジメント力が必要です。当社グループでは、安定的な品質を供給するために、プロジェクトマネジメント力の強化が重要な課題と認識しており、十分な教育研修予算を計上し、プロジェクトマネージャー一人ひとりのマネジメント能力を強化するとともに、プロジェクトマネジメントの資格保有者を拡充する取組みを実施し、従業員個々のプロジェクトマネジメント能力向上にも取組んでおります。
また、当社のプロジェクトマネジメントオフィスたる技術統括部が主導となって、個別プロジェクトの支援等や開発標準の確立など、全社レベルでの品質向上に取組んでおりましたが、ISO9001認証の取得に加え、今期、ソフトウエア開発の能力成熟度を示す国際標準的な指標であるCMMI Level2を達成いたしました。引続き全社レベルで品質管理、品質向上を行ってまいります。
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