コスモス薬品 【東証プライム:3349】「小売業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(基本方針)
当社グループは、「コスモス薬品の店があることで、その地域の暮らしが豊かになることを目指します」を経営理念として掲げております。
「豊かな暮らし」とは、「日常生活で必要なものがすぐに入手できる便利で快適な生活」であると定義しております。そして、地域の皆様に生活必需品を家の近くで・便利に・しかも安く販売することで、「豊かな暮らし」を提供したいと考えております。当社グループが運営する店舗が、電気や水道のように「地域の生活に欠かせない店」となり、「その地域の社会的インフラ」、「その地域のライフライン」として機能することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、ドラッグストア事業を通して企業としての社会的責任を果たすことはもちろんのこと、事業活動を行う上での環境負担低減、SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けても貢献してまいります。
当社グループは、当社グループの事業活動との関係性が深い4つのマテリアリティをサステナビリティ重要課題と認識し、課題の解決に取り組んでまいります。
重要課題(マテリアリティ) | 当社グループの指針 | 主な取り組み |
すべての人に健康と福祉を | 当社グループの従業員はもとより、店舗を展開する地域の皆様の「健康」および「豊かな生活」を支えることが当社グループの事業そのものと言えます。 | ・一般用医薬品・処方箋薬の販売 ・従業員への健康や美容に関する専門知識の教育 ・店頭での健康や暮らしの相談等の実施 |
働きがいも経済成長も | 当社グループでは、従業員1人ひとりが仕事を通して「人間としての成長」を目指し、目標を達成したときに味わう達成感を仲間と共に分かち合い、グループ全体で更なる成長を目指しています。 | ・性別や入社の経緯を問わず、やる気や能力による人事評価制度を採用 ・従業員間で感謝を伝え合う「ありがとう」運動を実施 ・自力出店、自力成長によって従業員が活躍できるポジションの創造 |
住み続けられるまちづくりを | 当社グループは、日常生活の必需品が「近くで・便利に・しかも安く」購入できる店舗を展開することで、その地域の社会的インフラ・ライフラインとなることを目指しています。 | ・日常生活で使えばなくなる消耗品を満載した大型店舗を商圏人口1万人に1店出店 ・ローコストオペレーションにより損益分岐点を引き下げることで、長期間安定的な店舗運営を実現 ・地方都市でも安定的な雇用を創造 |
つくる責任つかう責任 | 当社グループの店舗で販売する商品は品質にこだわり、かつ、可能な限り低価格での販売を目指しています。また、環境負荷低減を意識した商品開発、店舗運営を目指しています。 | ・簡易梱包など環境負荷低減を考慮した商品開発 ・廃棄ロスの削減 ・レジ袋の使用削減、および、バイオマス配合比率90%のレジ袋採用
|
また、当社は気候変動への対応を重要な経営課題と認識し、TCFDの4つの開示項目(ガバナンス・戦略・リスク管理・指標及び目標)に沿って、その取り組みを開示いたします。
(1)ガバナンス
当社グループは代表取締役社長自らサステナビリティ推進の責任者となり、経営企画部が推進の事務局を担っております。そして、経営企画部が関係各部署と連携してサステナビリティに関わる基本方針や各種取り組みの実施状況を取りまとめて、適宜取締役会にて報告及び審議を行っております。
(2)戦略
① 気候変動リスクについて
気候変動に伴うリスク及び機会は、GHG(温室効果ガス)排出に関する規制等の低炭素社会への「移行」に起因するものと、気候災害の激甚化等の気候変動による「物理的」変化に起因するものが考えられます。当社グループでは、これらのリスクや機会を下記のように分類・評価し、事業戦略への影響度を分析しております。
分類 | 評 価 | |
移行リスク | 炭素価格 | リスク:価格上昇により原材料およびオペレーションコストの増加 |
フロン規制 | リスク:ノンフロン設備等の導入に伴う支出増 | |
電気価格 | リスク:単価上昇による支出増 | |
消費者変化 | 機会:生活コストの上昇により、低価格業態への支持拡大 | |
物理リスク | 急性 | リスク:異常気象による災害頻発、被災回数の増加 |
慢性 | リスク:気温上昇による空調コストの増加 |
② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社グループは、社是に「純情」を掲げ、「まじめで一生懸命な人材」の採用に力を注いでおります。入社後は学歴・年齢・性別に関係なく、能力に応じて重要なポストへの登用を進めております。
また、高い顧客満足度は、高い従業員満足度があって達成できるものと考え、働きやすい職場環境の整備を進めております。様々なハラスメントを許さない規程の整備および運用の徹底、明るく自由闊達ながらも規律ある社風の形成、女性の活躍や障がい者雇用の推進などにも注力しております。
加えて、当社は社員が心身ともに充実して仕事に取り組むには、良好な家庭環境が大事であるとの考えのもと、介護や育児に対してどのように取り組むかといった教育も実施しております。具体的には、従業員に対して親が元気なうちにどのような最期を迎えるべきかといった親子の会話を促したり、子育てを行う上での父性や母性のあるべき姿を社員教育の議題として取り扱っております。これらの取り組みが、従業員の介護や育児の精神的な負担軽減につながるものと信じております。
なお、当社における男性社員による育児休暇の取得率は23.5%で全国平均14.0%を上回っております。一方で、2023年5月末の時点での女性の管理職の比率は3.1%と小売業の平均6.8%を下回っております。また、同一の職務及び職位で性別による賃金の差異は全くないものの、2023年5月期の男女賃金格差については、全労働者のうち男性の賃金に対する女性の賃金の割合は45.7%、正社員のうち男性正社員の賃金に対する女性正社員の賃金の割合は78.2%、時給者のうち男性時給者の賃金に対する女性時給者の賃金の割合は105.3%でした。
当社が営むドラッグストア事業は、その事業特性から、ご来店いただくお客様・従業員の両方とも圧倒的に女性の比率が高くなっており、店舗運営における女性の視点は非常に重要であると考えております。よって、女性従業員がもっと活躍できるように、仕事と結婚・出産を両立しやすい、あるいは休職した社員が復職しやすい雇用・就労形態の設計などを進めております。
(3)リスク管理
当社グループは、事前に適切な対応策を準備し損失の危険を最小限にすべく、業務運営に係る全てのリスクについて適切に管理・対応できる体制の構築に努めております。代表取締役社長は、管理部門管掌取締役をリスク管理に関する統括責任者に任命し、当社および子会社の全社的なリスクを管理・統括しております。対応部署においては、必要に応じてマニュアルを制定し、所属する従業員に対する研修活動等を通じてリスク管理の徹底を図っております。不測の事態が発生した場合には、代表取締役社長が対応責任者となり、危機管理のためのチームを組成し対応することで、損失を最小限に止める体制を整備いたします。コンプライアンスに関するリスクに関しては、コンプライアンス相談窓口を設置し、当社および子会社の役職員による当該リスクの発生を未然に防ぐ努力を継続しております。
気候変動については、商品開発、物流、店舗運営、取扱商品、品揃えといった事業活動のすべてに関係し、グループの事業戦略に影響を及ぼします。つきましては、経営企画部が関係各部署と連携し、サプライチェーンのリスクと機会の状況把握を行い、その重要性評価に基づいた適切な対応を行ってまいります。
(4)指標及び目標
当社グループは、CO2排出量に対する目標数値を達成するために、LED照明への切り替えや、最新のインバータ機器を搭載した冷蔵・冷凍ケースの導入、太陽光発電の導入等を推進しております。
また、バイオマス90%配合のレジ袋の採用、てまえどり活動による食品ロスの削減、森林保護活動にも取り組んでおります。
Co2排出量削減への取り組み
主 な 戦 略 | 指 標 | 目 標 値 | 実 績 |
CO2排出量 (1店舗あたり) | CO2排出量削減率 (2013年度対比) | 50%削減 | 47.0% |
当社は、性別等を問わず多様な人材が本人のやる気と実力次第でより重要なポストを担うことができる人事制度の構築が重要であると考えます。つきましては、会社として男性の育児休業取得目標や性別による管理職比率の目標を設定するのではなく、会社として目指す方向性と従業員個々の価値観を合わせていく努力を怠らず、結果として男女の賃金格差や管理職比率等があるべき姿になることが理想であると考えます。このような方針のもとで、今後も職場環境の整備、人事制度の充実を図ってまいります。
なお、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われており、連結グループにおける主要な事業に占める提出会社の割合が非常に大きいことから、提出会社の指標を記載しております。
- 検索
- 業種別業績ランキング