ケーズホールディングス 【東証プライム:8282】「小売業」 へ投稿
企業概要
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・パーパス(存在意義)
当社グループは『人を中心とした事業構築を図りケーズデンキグループに関わる人の幸福を図る。事業を通じて人の「わ」(和、輪)を広げ、大きな社会貢献につなげる。』の企業理念をパーパスとして掲げ、次のとおり取り組んでおります。
『がんばらない経営』
無理をして自分の力以上の力を出すことは短期的には可能であっても、終わりのない会社経営には適切ではありません。無理をすれば必ずその反動があります。
お客様にご満足いただくためにあるべき姿に向かって、正しいことを無理をせず、確実に実行していく経営方針を『がんばらない経営』と表現しております。
『1.従業員 2.お取引先 3.お客様 4.株主』
お客様を大切にするためには、まず従業員を大切にしなければ「本当の親切」は実現しないと考え、1.従業員 2.お取引先 3.お客様 4.株主の順で大切にしようと考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループはマテリアリティ(重要課題)を特定したうえでESG経営に取り組み、「中期経営計画2027」を掲げ、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を推進しております。
(ケーズデンキのマテリアリティ)
当社グループのマテリアリティ(重要課題)は何であるかについて話し合い、企業価値及びステークホルダーに与えると思われる影響の洗い出しを行いました。その後、取締役会において当社グループにおけるマテリアリティを以下のとおり特定いたしました。
分類 | ESG軸 | 重要課題 | 具体的取り組み内容 |
専門性 |
| 家電に特化し専門性に更に磨きをかける
新規出店でシェア拡大を図る | 家電に特化した専門性に更に磨きをかける |
ドミナント出店により販管費率を抑制する | |||
配送設置・工事業者のスキルアップ | |||
リアル店舗 | 買い物の楽しさを再認識できる売場づくり | ||
従業員の商品知識と接客スキルの向上、高付加価値商品の提案 | |||
人口減少でもシェアを拡大する | |||
人口減少 ・ 高齢化 | |||
高齢者にも買いやすい店舗づくり、サービスの工夫 | |||
ECへの対応 | |||
パソコン教室等の教育分野の拡大 | |||
社会変革 | 社会 (Social) | 従業員を大切にし、人的資本経営を目指す | 優れた人材・労働力の確保、離職者の抑制、女性活躍推進 |
地域雇用の創出 | |||
多様な働き方への対応 | |||
従業員・取引先・サプライヤーとの人権に対する考え方の共有 | |||
気候変動 ・ 自然災害 ・ 感染症 | 環境 (Environment) | 安定した店舗運営と持続可能な社会の実現への貢献 | 災害対策 |
気候変動リスク・機会分析及び炭素排出量の分析と目標設定 | |||
省エネ型店舗設計 | |||
省エネ商品の販売促進 | |||
感染症対策 | |||
法令 ・ 倫理 | 企業統治 (Governance) | 法令の遵守とガバナンスの強化 | 法令の遵守 |
取締役会監督機能の強化 |
(「中期経営計画2027」2025年3月期~2027年3月期 3か年計画)
中長期的にROE10%を目指す中に於いて、中期経営計画最終年度である2027年3月期にはROE8%の実現を目指し、取り組んでまいります。
①基本方針
既存店効率の再点検及び接客力強化により中長期的な成長につなげる地盤固めを図る |
②取組み事項骨子
1、家電に特化し安定した利益創出を目指す |
2、DXにより業務効率化と売上拡大を目指す |
3、資本効率の向上を図り企業価値を高める |
③株主還元
当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要政策の一つとして位置づけており、安定配当を目指し、業績に裏付けられた成果配分を行うことを方針としております。
当社は今後とも、機動的な資本政策を遂行し、株主還元の充実に積極的に努めてまいります。
株主還元方針
・総還元性向80%を目標とする |
・連結配当性向40%を目標とし、年間1株当たり配当額は44円を下限とする |
(3) 経営環境及び対処すべき課題
2021年3月期はコロナ禍での巣ごもり需要により過去最高益となりましたが、2022年3月期以降3年間は、巣ごもり需要の反動減、都心回帰、コト消費の活況、物価高による家電買い替えサイクルの長期化等により減収減益となり、PBRについても1倍を下回る状況が続きました。
しかしながら、当社グループの取り扱う家電製品は衣食住に関わる安定的な生活を確保するために必要な生活必需品であり、壊れたら買い替える底堅い買い替え需要に支えられております。
これらの状況を踏まえ、2025年3月期以降の3年間は中長期的な成長につなげるための大切な地盤固めの期間であると位置づけ、「がんばらない経営」の経営方針のもと「中期経営計画2027」に取り組むとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を推進してまいります。
当社グループは、これらの認識を踏まえ、次のとおり、取り組んでおります。
①効率の再点検と改装による既存店の収益性改善並びにスクラップ&ビルドによるドミナントの推進を図る
・人員配置、営業時間の再点検を実施
・中期経営計画期間中で累計30店舗の出店、年間30店舗の改装を目指す
②人的資本への投資により労働生産性の向上を図る
・高付加価値商品販売で一人当たり売上高と粗利額の増を目指す
・人的資本への投資 オンライン研修の強化、家電アドバイザー取得者増により販売スキルと専門性の向上を図る
③販管費率の抑制を図る
・デジタル販促(あんしんパスポートアプリ、LINEチラシ、SNS広告等)を有効活用し広告宣伝費の伸びを抑制する
・店舗屋上への太陽光発電システムの設置により電気の安定供給と水道光熱費の削減を図る
④オンラインショップ及びあんしんパスポートアプリの利便性向上と売上拡大を図る
・ユーザーインターフェイスの利便性向上、店頭受け取り強化、発送拠点の集約による効率化
・「中期経営計画2027」最終年度でオンラインショップ売上高倍増を目指す(2024年3月期実績比)
・あんしんパスポートアプリの機能追加による利便性向上を目指す
⑤店舗業務の効率化を図る
・業務端末の活用による従業員の業務負荷軽減と接客時間の拡大化
・POSレジと業務端末の柔軟なデバイス選択による機材のコストダウンを目指す
・POSレジ操作簡素化による業務負荷軽減と人為的ミスの低減化
⑥社内システム入替により基盤強化と本社業務効率化を図る
・安定性と継続性の高いシステム構築、ECシステムの刷新と基盤強化
・本社バックオフィス業務の効率化
⑦利益率及び効率性の向上を図る
・家電に特化し安定した利益創出を目指す、DXにより業務効率化と売上拡大を目指す
⑧自己資本の圧縮を図る
・機動的な自社株買いと必要に応じた負債調達を実施し財務レバレッジを向上させる
⑨株主資本コストの低減を図る
・充実した情報開示とIRを通し、投資家の皆様とのエンゲージメントの深化に繋げる
・役員報酬の一部にESGへの取組評価を導入し非財務情報の開示の充実化と企業価値向上との連動を図る
⑩ESG経営
・『人を中心とした事業構築を図りケーズデンキグループに関わる人の幸福を図る。事業を通じて人の「わ」(和、輪)を広げ、大きな社会貢献につなげる。』の企業理念をパーパスとして掲げ、サステナビリティ推進本部を中心にグループ横断で経営課題に取り組み、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指す
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