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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)ガバナンス及びリスク管理

 企業の継続的な成長と社会課題の解決による持続可能な社会の実現を同時に目指す「サステナビリティ経営」の重要性が高まる中、全社横断的にサステナビリティへの取り組みを推進・強化し、中長期的な企業価値向上に繋げていくことを目的として、2023年5月に「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。本委員会は、代表取締役社長を委員長とし、委員長が指名する役員・従業員によって構成されます。本委員会は、当社グループのサステナビリティに関する基本方針の策定、マテリアリティ(重要課題)の特定、目標の設定や達成に向けた施策の検討、進捗管理、達成状況の評価等を行います。また、定期的に取締役会へ報告・提言を行います。

 当社グループでは、リスクマネジメント委員会において統括的な関係会社全体のリスク管理を行っております。当社および関係会社に関して洗い出されたリスクについて重要度を判定し、当該リスクへの対策を実施しております。また、経営判断に関するリスクについて、必要に応じ外部専門家等の意見を求めながら取締役会において十分に議論を尽くし、意思決定を行っております。

 また、サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、リスクマネジメント委員会と連携しながら、サステナビリティ委員会にて検討し、当社グループに与える財務的影響、当社グループの活動が環境・社会に与える影響、発生可能性などを議論してまいります。


(2)戦略

 当社グループの経営の基本方針、目標とする経営指標、中長期的な経営戦略は、前述「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」のとおりであります。

 その中で、当社グループのサステナビリティへの取り組みに関して、2023年7月18日の取締役会において決議し、同日に公表した基本方針は次のとおりです。

サステナビリティ基本方針

 

 当社グループは、企業理念「未来をつくろう Discover Something New.」、およびビジョン「やればいいじゃん! Just go for it!」を掲げ、当社グループの事業活動を通じて、持続可能な社会の実現に向けた課題の解決に貢献してまいります。

 また、私たちは国際連合が採択した持続可能な開発目標(SDGs)の趣旨に賛同しています。私たちの取り組みが17のゴール達成の一助となるよう、グループ全体でサステナビリティ活動を推進してまいります。

 

 この基本方針のもと、ステークホルダー及び当社グループの持続的な成長のために対応すべき重要度の高い課題(マテリアリティ)を分析・評価し、環境、社会、ガバナンスおよび当社のビジネスの4つのカテゴリーごとに特定するとともに、カテゴリーごとの取り組みに関する基本的な考え方を設定いたしました。

カテゴリー

マテリアリティ

(重要課題)

取組に関する基本的考え方

環境

Environment

・気候変動への対応をはじめとした広範な地球環境の保全

当社グループは、事業活動を通じて生活者やお客さま企業の地球環境保全に向けたイノベーションを後押しするとともに、私たち自身が消費するエネルギーを抑制し、気候変動などの広範な環境問題の解決に貢献します。

社会

Social

・人的資本の充実

・多様性、公平性、包摂性(DE&I)の向上

・産学官/幅広いパートナーとの連携による社会貢献活動の推進

当社グループの事業活動において、人材こそが付加価値創出のための最も重要な資本であると認識しています。このため、世界中から多様で高度な専門性を持つ人材を結集し、育成し、活躍の場を提供することが重要と考えます。

また、持続可能な社会の実現に貢献するため、パートナーとの連携による取り組みを推進してまいります。

ガバナンス

Governance

・コーポレートガバナンス機能、内部管理体制の拡充化

・リスクマネジメント、情報セキュリティ、プライバシー保護の更なる強化

・ステークホルダーへの適切な情報開示と対話の促進

当社グループの持続的成長には、海外の拠点、子会社を含むグループ全体におけるコーポレートガバナンス機能、内部管理体制の強化が不可欠であると認識しています。

また、当社グループの成長は、関連法令・規制を遵守した上での健全で公正な取引に立脚したものでなければならないと考えています。

ビジネス

Business

・経済的成長とサステナビリティ活動の両立

当社グループの祖業である生活者調査とそこから創出される様々な新しいビジネスは、持続可能な社会の実現に向けた課題解決のための取り組みと両立することができると考えます。

このため、持続可能な社会の実現に向けた課題解決に関わるサービス収益について、その内容の発展と成長を推進します。

(人的資本の充実に関する戦略・社内環境整備・取り組みについて)

 当社グループの事業活動において、もっとも重要な経営資源は人材であると認識しています。顧客企業からの多様化する要求に応えていくためには、世界中から多様で高度な専門性を持つ人材を結集し、育成できる環境を整備し、活躍の場を提供することが重要と考えております(「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 人材の確保、育成」を併せてご参照ください)。

① 人材採用

 当社グループには、多様な地域・ビジネス領域で事業を展開する会社が集合していることから、当社グループ全体としてのカルチャー「CMG Culture」を共有することに大きな意義があると考えています。そのため、ミッション(存在意義)である「未来をつくろう」をもとに、ビジョン(価値観)、「Road of Growth」(行動指針) に対しての共感度が、重要な採用基準となっています。また、カルチャーへの共感度とあわせて、全社で適性・性格診断の実施を行ってデータを蓄積し、採用のミスマッチが起きないようにデータを活用した採用を行うことにより、中長期的に活躍できる人材の確保に努めてまいります。

 新卒採用に当たっては、消費者ニーズの多様化や顧客企業の調査手法の変化に柔軟に対応し続けられる人材、また未来に向けて自立・自走できるポテンシャルを持つ人材の採用に取り組みます。中途採用に当たっては、グループ全体の事業拡大に並走できる専門性の高い人材確保を強化していきます。

② 人材育成及び評価

 当社グループでは、2023年4月、全社員に冊子「CMG Culture Book(第二版)」、「CMG Technical Book(初版)」を配布いたしました。「CMG Culture Book」は、グループとして大事にしたい価値観や考え方を、「CMG Technical Book」は、会議や企画、組織間コミュニケーション等、より具体的な業務シーンにおいて高水準のパフォーマンスを発揮するための心得をまとめたものです。

 これらの冊子の内容を、当社グループのカルチャーとして組織と人に定着させて人材の成長にドライブをかけ、成果を最大化させることが人材育成における最大のテーマです。時間はかかりますが、規則や仕組みに拠ってではなく、価値観や考え方で自立・自走し成果を挙げる組織と人材育成の実現を目指していきます。

 また、当社グループでは、2023年1月に人事評価制度を刷新いたしました。昇給・昇格につながる「成果行動評価(既存)」の評価指標を、上述した「CMG Culture」ベースの5つに刷新することで、月1回の上司・部下間で実施される1on1ミーティングにおいてカルチャーの視点や要素を取り入れた対話を実現させ、カルチャーの定着を図っています。また、評価加点制度「やればいいじゃん!ポイント」を導入し、カルチャーを体現し果敢にチャレンジし成果を挙げた人材を評価する、会社のスタンスを明確にいたしました。

 更には、2023年2月、当社グループにおける「人が育つ風土」の醸成や、「人を育てる仕組み」づくりを推進するBASIC (Business Ability School In Cross Marketing Group)プロジェクトをスタートさせました。今後3年間にわたり、(a)研修再整備:CultureBook/TechnicalBook研修、マネジメント階層別研修、次世代幹部候補向け社内MBA等、(b)育成・育成文化形成:評価制度、表彰制度のチューニング、社員の育成力向上等、(c)キャリア自律促進:キャリア申告制度、ローテーション制度等、の3つを柱とした取り組みを順次展開してまいります。

 なお、BASICプロジェクトの第一弾として、2023年5月から9月にかけて、執行役員以下組織長約150人を対象とした全20回の「Culture Bookワークショップ」を実施中です。

(3)指標及び目標

 当社グループはサステナビリティに関する戦略の遂行にあたり、社会、ガバナンス、ビジネスのそれぞれについて下記のとおり指標を定めております。なお、目標については現状実績からの改善を目指しますが、具体的な目標数値や目標年度については現在検討中であります。

項目

指標

2022年6月期実績

2023年6月期実績

社会

入社者における女性比率(%)(注1)

45.2

54.7

BASICプロジェクトに基づく管理職研修

参加者数(延べ):239名

受講時間(延べ):598h

新卒~2年目社員向け基礎研修

参加者数(延べ):65名

受講時間(延べ):195h

女性管理職比率(%)(注1)

22.3

男性の育休取得率(%)(注1)

61.5

全労働者における男女の賃金差異(%)

(注1)

63.7

ガバナンス

社外取締役比率(%)

60.0

60.0

投資家向け説明会 開催数(回/年)

9

8

ビジネス

サステナビリティ関連売上高(百万円/年)
(注2)

102

136

(注1)対象会社:㈱クロス・マーケティンググループ、㈱クロス・マーケティング、㈱メディリード、 ㈱クロス・コミュニケーション、㈱ディーアンドエム、㈱Fittio、㈱ウィズワーク、㈱メタサイト、㈱ドゥ・ハウス、㈱クロス・プロップワークス

(注2)国内外における持続可能な社会の実現に向けた課題解決に関わる調査売上高

 例:脱炭素にかかわる消費者調査、ダイバーシティに関する意識調査、等

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