クオルテック 【東証グロース:9165】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社は、事業の柱となる信頼性評価事業、微細加工事業を支えるべく、研究開発活動を推進しており、当事業年度における研究開発費は87,727千円となりました。研究開発活動の主な成果は次のとおりであります。
なお、研究開発活動は事業セグメントを横断する内容となっているため、全社として研究開発活動の概要を開示しております。
<受託研究及びコンサルティング>
・エレクトロマイグレーション現象やはんだ実装に関連した領域に加え、腐食に関連した受託研究案件を、当社の得意とする電気化学系の技術・知見を活かし、研究開発部の人的リソースを使って対応いたしました。本件は当部門が技術的な窓口となり、当社事業部門と連携することで、事業部門の売上高にも貢献いたしました。
・当社内の優秀なメンバーの知見を活かし、車載用電子機器を中心とした様々な種類のECU(エンジンコントロールユニット)やMCU(マイクロコントローラ)に対するノイズ対策についてのコンサルティング及び有償セミナーを実施いたしました。
<信頼性・分析関連>
・電子部品の実装後の信頼性試験で発生するクラックは電子製品の寿命や信頼性に大きく影響を及ぼします。このクラックの発生メカニズムを解明することは電子機器の寿命予測において重要な知見をもたらします。現在、当社はこのクラックの発生メカニズムを解明するために、さまざまな部品の接合状態(チップ抵抗、チップコンデンサ、SOP(Small Outline Package)、BGA(Ball Grid Array)、半導体とリードフレームの界面など)を観察し、観察結果に人工知能技術を取り入れた新しい不具合解析手法を提供するアプリケーションの開発に注力しております。研究成果については2024年4月に開催された第16回電子回路世界大会(ECWC-16)にて発表いたしました。
・二次電池チームにおいては、当社が特許を保有している水系電解液を応用として電気二重層キャパシタを試作しました。試作することで電極構造による性能変化を捉えることができ、電池の品質性能に関わる要件の一端を知見として蓄積することができました。試作品による成果は日本エネルギー学会誌(2024年2月号)に投稿し掲載されました。
・電池の寿命予測に関する研究として、固体電池のインピーダンス測定の精度改善に取組んでいます。当社は実電池のインピーダンス測定はまだまだ正確性に欠け、正しく測定する需要はあると認識しています。インピーダンスを正しく測定することで、電池の寿命を予測し、将来的に電池交換における指標となることを期待しています。当該技術についての現時点での研究成果は2023年9月の電池討論会などで発表いたしました。
<製造技術関連>
・研磨業務の業務効率改善と技術の伝承を目的とした、研磨支援装置の開発を開始いたしました。アーム型ロボットに対し、実研磨(精度±100μm)での対応が可能となりました。現状では人が研磨状態を確認しながら作業をロボットに対応させるレベルですが、将来的に自動で研磨作業が対応できるレベルに向けて改良・調整中であります。
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