カンロ 【東証スタンダード:2216】「食品業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日(2024年3月29日)現在において判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は2021年に、「価値創造」、「ESG経営」、「事業領域の拡大」を重点戦略とした「Kanro Vision 2030」を定め、自分たちの未来への想いを言語化し、更に2022年に新たな企業理念体系として「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。」を企業パーパスとして策定いたしました。
そのパーパスを起点に、長期ビジョン「Kanro Vision 2030」の実現に向けた1stステップと位置付けた「中期経営計画2024」の最終年度となる本年度は、中計で目指す姿『人と社会の持続可能な未来に貢献するパーパスドリブン企業』を再確認のうえ、全社一丸で、厳しい外部環境を乗り越え、市場、事業環境の変化へ柔軟に対応し、原価低減と収益力向上を追求してまいります。
企業理念体系
① 企業理念
「Sweeten the Future 心がひとつぶ、大きくなる。」を、優しい未来へリードする素材の力と機能を追求した商品・サービスで実現する
② クレド(行動指針)
創意工夫: 変化を恐れず、自ら考え、新たな価値をつくり続ける
信義誠実: 誠実な言動を通じて、すべてのステークホルダーからの信頼に応える
百万一心: 多様性や専門性を受け入れ活かし合い、パーパスに向かって社員、会社ともに成長する
(2) 中長期的な会社の経営戦略
① Kanro Vision 2030
当社は2021年2月に、「Kanro Vision 2030」を公表し、2030年に売上高500億円※、営業利益率9%以上※、ROIC10%以上※を目標に掲げました。また、3つの重点戦略「価値創造」、「ESG経営」、「事業領域の拡大」を定めております。
Kanro Vision2030の全体像
② 中期経営計画
当社は2022年2月、2022~2024年までの3か年の中期経営計画として「中期経営計画2024」を発表いたしました。当中計の位置付けは、パーパスを起点に、長期ビジョン「Kanro Vision 2030」の実現に向けて、2022年からNew Chapter(新章)をスタートさせるというもので、当中計はその1stステップと定めております。
中期経営計画2024は主要財務数値目標として、(イ)中計期間売上高年平均成長率5%以上、(ロ)2024年度営業利益率7%、(ハ)2024年度ROIC7.5%以上を掲げており、「Kanro Vision 2030」の「3つの重点戦略」とそれを支える「人財と組織」につき、以下の施策を推進してまいります。
価値創造
・デジタル起点のイノベーション
データドリブンによるデジタルマーケティングを展開し、生活者のニーズをとらえ、飴離れが進むZ世代やグローバルを含む新たな顧客価値を創造する。
・研究技術のイノベーション
永年の知見・あらゆるテクノロジーを駆使し、シーズをプロダクトアウトに繋げて新たな商品価値を創出する。サステナブルという観点からも「素材」「機能性」の追求を強化する。
ESG経営
・SDGs目標達成に向けた内部体制強化
・ダイバーシティ&インクルージョンの推進
・ガバナンスの強化
TCFD関連含む非財務情報の開示充実を促進する。
事業領域の拡大
・コア事業
永年向き合ってきたキャンディで生活者にエールを送る。ブランドごとに設定するパーパスを起点に、飴のZ世代との新たな共創を実現し、商品・販売・プロモーションのマーケティングミックスによりグミ市場の成長を捉える(キャンディ市場でのトップシェアを維持・グミのシェアNO.1を目指す)。
・デジタルコマース事業
ヒトツブカンロを足掛かりに事業の基盤を築き健康と笑顔に満ちた未来を目指したEC専用商品・サービスを提供することで事業を拡大する。
・グローバル事業
グローバル化を推進し、カンロクオリティで世界の人々の笑顔あふれる豊かで健やかな生活に貢献する。
・フューチャーデザイン事業
「未来の市場・生活者」に向けて、地球にやさしい、「心がひとつぶ、大きくなる」商品・サービスをデザイン、創出する。
人財と組織
・多様な人財の活躍のための環境整備
・エンゲージメントの向上(企業パーパスに基づく自律的経営)
③ 中期経営計画2024の進捗状況(2022年12月期~2024年12月期)
(3) 2024年度の経営指標
当社は、2024年度の経営指標として売上高303億円、営業利益34.5億円、経常利益34.7億円、当期純利益25億円を目標としております。
(4) 経営環境及び会社の対処すべき課題
生産体制の強化
キャンディ市場は、のど飴需要の拡大による飴カテゴリーの販売好調に加え、グミカテゴリーの伸長が継続しており、価格の上昇とも相俟って前年より大きく増加し、市場全体が成長しております。
当社は需要が増加するキャンディ市場に対して、安定供給の観点から2023年は商品ラインナップの絞り込みを実施すると同時に、工場の人員増強を含む生産体制整備や生産設備の拡張を行ってまいりました。
今後もキャンディ市場のトップシェアメーカーとして、市場の成長を牽引すべく、また、お客様のニーズに応えるため、更なる生産体制の拡充に向けた具体的な取組みを検討してまいります。
事業領域の拡大
コア事業(国内飴・グミ事業)では、当社の商品開発力、ブランド力並びにマーケティング施策が功を奏し、国内キャンディ市場における当社シェアは拡大しておりますが、「Kanro Vision 2030」の達成には、「事業領域の拡大」が不可欠です。
今後、グローバル市場における当社ブランドの認知拡大に向けた多面的なアプローチの検討、ヒトツブカンロ店舗の新規出店による販売拡大、自社デジタルプラットフォーム「Kanro POCKeT」の運用強化など、引続き事業領域の拡大を推進し、更なる成長を目指してまいります。
人的資本経営の推進
国内の生産年齢人口が中長期的に減少していく中、当社は全社員一人ひとりが仕事への誇りを持ち、多様な価値観や個性を活かし、会社と共に個人も成長する好循環を生み出していくため、その実現に向けた人事制度改革を随時行ってまいります。
当社の3つの重点戦略である「価値創造」、「ESG経営」、「事業領域の拡大」と同期した人事戦略を遂行し、当社の成長を支える人財の育成や個々の社員が備え持つ能力を存分に発揮できる魅力ある社内環境への整備を行ってまいります。
サステナビリティの推進
当社はESG経営の推進を通じて経営基盤の強化を図るため、「サステナビリティ委員会」を2022年に設置し、サステナビリティに関する重要課題の解決に向けた活動に取組んでまいりましたが、その取組みを更に前進させるため、2024年1月から推進体制を見直すと共に「サステナビリティ推進部」を新設しました。
社長を委員長とするサステナビリティ委員会の新たな体制は、4つの分科会「糖の価値創造・社会貢献」「事業を通じた環境負荷削減」「食の安全・安心」「人権の尊重・ダイバーシティの推進」から構成、執行役員が各分科会リーダーを担い、全役職員でサステナビリティの推進に取組んでまいります。
デジタル化への対応
近年ITやデジタル技術が進化する中、当社は全役職員のITリテラシーの向上、業務効率化・生産性向上及び価値創出を目的とする全社横断のDX推進委員会を2024年1月に新設しました。基幹システムの刷新、工場におけるIoT化への投資、RPAツールの活用、デジタルマーケティングの推進などの取組みを強化し、強固な経営基盤を構築してまいります。
コーポレート・ガバナンス体制の強化
当社は、ガバナンス体制の強化を図り、企業価値の更なる向上と持続的な成長を目指しております。危機管理対応としては、各種BCPの整備、サイバーセキュリティ対策の強化に取組むと共に、危機管理マニュアル及び危機管理広報マニュアルを2023年に再整備しました。
コンプライアンスへの対応としては、チーフ・コンプライアンス・オフィサーを委員長とするコンプライアンス委員会を定期的に実施しており、また、様々なテーマの社内研修を継続的に実施することで、今後も社員のコンプライアンス意識を醸成してまいります。
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