カワタ 【東証スタンダード:6292】「機械」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
イ.社是
われわれは「三力」をもって生産に励み、社運の伸展につくし、企業を通じて社会の平和と繁栄に寄与せんことを期する。
知力 価値を生み出すのは知力である
全知をつくして方法を考え力強く実行しよう
努力 一歩前進するにも努力がいる
苦難を克服し向上発展の道を一すじに進もう
協力 ひとりの力には限界がある
みんな力を出しきり一つに結ぼう
ロ.経営理念
「プラスチックをはじめとする粉粒体による製品製造現場において、省力化機器のスペシャリストとして、お客様のニーズにマッチした、品質の高い、他社の追随を許さないオンリーワン製品をお届けすることにより、社会に貢献する」
1.市場が求めるものを常に探求し、お客様に喜ばれる製品・サービスを提供する。
2.お客様が製造する消費財・生産財を通じて、世界の人々のより豊かで安全な暮らしに貢献する。
3.従業員の自主性と働きがいを重視し、会社を持続的に成長させる。
4.株主、取引先、地域社会の皆様から、「いい会社」と呼ばれる会社になる。
ハ.サステナビリティに関する考え方及び取組み
詳細につきましては「第2事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
ニ.基本方針
当社グループは、プラスチック成形工場における合理化機器システムの製造販売に長年携わっております。製造工程の省力化と加工材料のロス低減による環境への負荷軽減を理念とし、チャレンジCES(低コスト(C)、省エネ(E)、省スペース(S))を製品開発指針として、当業界のリーディングカンパニーとして、高機能かつ操作性に優れた独自製品を開発し新技術を世界に発信し続けるとともに、現場力を一層強化し収益力の向上を図っております。更に、プラスチック成形関連分野で培った技術、ノウハウを応用して、電池、食品、化粧品等の新規販売分野を開拓・拡大していくことにより、市場対応力のある企業として成長を続け、企業価値・株主価値を高めていくことを基本方針としております。
(2) 経営環境、中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの主力納入先であるプラスチック成形加工業界は、国内外での激烈な技術革新と品質・価格競争の中にあります。
当社グループでは、かかる環境下、コア事業におきまして、生産拠点(日本、中国、東南アジア)及び営業・サービス拠点(日本、中国、台湾、東南アジア、北中米)相互の連携を強固にし、品質、コスト、納期、アフターサービスでの競争力を一層強化することにより、グローバル化するユーザーニーズへ対応しマーケットシェアの拡大と収益力の向上を図ってまいります。
当連結会計年度においては、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の売上が増加したこと及び前連結会計年度に受注した大型案件の売上が計上されたこと等により、売上高は計画値を上回りましたが、損益面では、大型受注案件の増加に伴う製品構成比率の変動等により売上総利益率が悪化したことに加え、人件費を中心として販売費及び一般管理費が増加したことにより営業利益は計画値を下回りました。また、受注面では、国内外の自動車業界向けを中心とした射出成形機の受注低迷の影響が大きく、射出成形機の周辺機器の受注が減少したことに加え、リチウムイオン電池関連並びにスマホ・VRレンズ関連の受注に一服感が見られたことなどにより、受注高及び受注残高は前連結会計年度と比較して減少しました。
上記の状況を踏まえ、当社グループでは、2024年5月10日開催の当社取締役会において中期経営計画(2024-2026年度)の更新を行いました。概要は以下に記載のとおりでありますが、新規市場、成長分野における事業展開の強化や経営基盤の強化、ESG経営の強化等に取り組み、当社グループの継続的な成長と企業価値の更なる向上に努めてまいります。
また、当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、人材の育成と強化等により、経営体質の一層の強化と透明性の向上を図ることを、経営上の重点課題と位置付けております。なお、コーポレート・ガバナンスの詳細につきましては、㈱東京証券取引所に「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」を提出するとともに、当社ホームページ(https://www.kawata.cc/)に、社是・経営理念、サステナビリティに関する考え方及び取組み、コーポレート・ガバナンス基本方針、社外役員独立性基準、グループ行動指針、環境方針、経営方針、中期経営計画等を開示しております。
(中期経営計画)
① 事業環境
・中国の成長力の陰りや、欧米でも金融政策転換まで大幅な景気回復が見込まれないなど、世界経済は当面低成長にとどまることが見込まれ、IMF公表の世界の実質GDPも、2023年に続き2024年も3.1%と緩やかな伸びとなることが予測されている。
・また、ロシア・ウクライナ、中東、東アジアの情勢や2024年に予定されている主要国での選挙など、地政学的リスクの高まりから、景気の下振れも懸念される。
・一方、先進国を中心に生産年齢人口の減少を補うための省人化、省力化に向けた取組みや、生産設備の老朽化に伴う買替需要には期待感があり、中長期的には機器販売並びにサービスが回復するものと思われる。
② 基本的な考え方
・中長期的視点で見ても、プラスチックは世界の人々の生活にとって欠かすことのできない素材であり、今後もさまざまな分野で需要の伸長が期待される。
・自動車関連、電子部品関連業界は、裾野も広く今後も伸びが期待できる業界であり、引き続き当社の主力業界として取り組む。特に、自動車の電動化、自動運転化、車体の軽量化、一体成形化(ギガキャスト)等の流れに対しては積極的に技術や資源を投入する。
・社会の変化に伴うタブレット、PC、スマホ、VR等の通信機器拡大、AI、IoT、5G等のデジタル化推進の動きに的確に対応する。
・地球レベルでの環境問題(脱炭素、使い捨てプラスチックの削減)に対しては、お客様の生産現場や自社の事業活動において、また、お客様が生産する製造物を通じて、社会へ貢献していく。特に、省エネルギー、バイオプラスチック、リサイクルの分野は当社にとってビジネスチャンスになり得ると考える。
③ 中期経営方針
~世の中から必要とされる「優良企業」を目指す~
「より強靭な事業体の構築」
aESG経営の強化
・環境・社会への貢献
・透明性の高い企業統治(コーポレート・ガバナンス)の実現
・全てのステークホルダーへの配慮
(株主、従業員、販売先、仕入先、金融機関、政府・自治体、地域社会)
b少数精鋭かつ高収益体質の確立(地に足を付けた持続的な成長を図る)
・人的資本への投資(人材確保、研修体系の確立と運用)
・研究開発、技術力向上のための投資
・事業所等の最適配置と更新、能力増強、効率化のための投資
・省力化、省人化、システム化の推進
・資本効率の向上(適正な棚卸資産の維持と有利子負債の削減)
・安定的に当期利益10億円以上、ROE8%以上の確保により、DOE2.5%以上
④ 中期経営戦略の骨子
a新規市場、成長分野における事業展開の強化
(お客様のニーズや成長分野の拡がり等に対応するための取組み)
(a) プラスチック成形関連分野で培った技術、ノウハウを応用して、電池、食品、化粧品等の新規販売分野を開拓・拡大する。特に「混ぜる工程」に焦点を定め、高速混合機単品か、もしくはその前後を含めた「輸送・計量工程」をシステムとして提案する。
(b) 高速混合機を軸としたプラスチック以外の業界(食品、新素材)に対しての具体的な用途開発及び人材の確保と育成
(c) EV関連業界向けの新たな取組み
・LIB関連(粉体関連、フィルム関連(材料輸送・供給、温度調節))
・一体成形化(ギガキャスト)関連
・全固体電池実用化に向け、微粒子コーティング技術の製品化推進
b既存市場、既存分野での販売拡大と収益力向上
(既存の市場や分野でのお客様を堅守、拡大のための取組み)
(a) 標準機(輸送機、計量混合機、高速混合機、乾燥機、金型温度調節機、チラー、プラスチック粉砕機)の販売拡大を目標とする。特に、省スペース・省エネルギー実現に向けた操作性に優れた新機種開発と既存モデルの改善・改良、サービス対応力の強化により差別化を図り、同業他社からのブランドチェンジを推進する。
(b) 省スペース・省エネルギーなどお客様に分かりやすく訴求しやすい提案資料やデータの作成に会社として取り組む。(グループの財産とするための整理)
(c) 押出成形分野を始めとするシステム案件への取組みを積極的に推進し、売上高並びに利益の増加を目指す。
(d) 先進国を中心とした生産年齢人口の減少に伴い、今後の省人化投資、生産効率化投資へ適切に対応するとともに、ユーザーの既納入機の買替需要を取り込む。
c経営基盤の強化
(持続的成長を図るための経営基盤への取組み)
(a) 透明性の高い企業統治(コーポレート・ガバナンス)の実現
(b) コンプライアンス意識の徹底による誠実な企業活動
(c) リスク管理の取組み強化とBCP対策への取組みの推進
(d) 人的資本経営の推進
・優秀な人材・適正人員の確保
・心理的安全性の確保
・育成方針に基づく教育研修制度の充実
・カワタテクニカルセンターを活用した教育や人材育成
・ダイバーシティ(多様性)への取組み強化
(e) グループの相乗効果(シナジー)の発揮
・事業所等の最適配置と再構築
・各部門におけるグループ相互の連携強化
・グローバル人材育成のための制度・運用とグループ間人材交流の強化
d資本収益性を意識した経営の推進
安定的に当期利益10億円以上、ROE8%以上を確保することを目標として、収益力向上と資産効率改善の両面からの取組みを進め、資本収益性を高めていく。
(a) 収益力向上
・上記 a新規市場、成長分野における事業展開の強化並びに b既存市場、既存分野での販売拡大と収益力向上の取組みを加速させることによる利益改善の前倒し
・グループ各社の収益力向上と収益安定化に向けた事業運営面の改革の検討
(b) 資産効率改善
・売掛債権の回収早期化や大型案件における前受金取引の拡大、在庫の適正化、生産リードタイムの短縮など経常運転資金の圧縮
・グループ内資金の有効活用なども含め、有利子負債の適正水準を維持
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、株主の皆様への還元を充実させる一方で、高付加価値製品の開発や新規販売分野・地域の拡大、新規事業開発や戦略投資等にも積極的に経営資源を投下することにより、市場対応力のある企業として成長を続け、企業価値・株主価値を高めていくことを基本方針としております。経営指標としては、(2)に記載の中期経営計画を着実に推進することにより、中長期的には、株主資本と負債のバランスを適切な水準に維持しつつ、安定的に当期利益10億円以上、自己資本利益率(ROE)8%以上の確保により、自己資本配当率(DOE)2.5%以上確保することを目標としております。
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