企業兼大株主オリジン東証スタンダード:6513】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は、『人類社会に役立つ存在感あふれる、開かれた、独自性ある、自己実現の場である企業を目指す』ことを経営理念とし取り組んでいます。「エレクトロニクス」「メカトロニクス」「ケミトロニクス」「コンポーネント」各分野に広がる独自技術を進化させ、さらには、新たな技術開発を通じてお客様の価値創造、豊かな社会に貢献します。

 また、人が集まり情報が集まる企業、オンリーワン技術を磨く独自性ある企業、従業員が失敗を恐れず自己実現に向けて果敢に取り組む企業、お客様にとって掛け替えのない企業、となることを目指し、すべてのステークホルダーの信頼と期待に応えます。

 当社グループは、経営の健全性、実効性及び透明性を確保し、企業価値の持続的な向上により社会から信頼・評価される企業として発展するべく、“コーポレート・ガバナンス基本方針”を定めています。

(2)経営戦略等

 当社グループは、2022年4月より5ヶ年中期経営計画(Change & Growth 2026)をスタートさせています。その内容は以下の通りであります。

①基本的考え方

 急激に変化する事業環境の中において、現事業の足許を固めつつも、新市場開拓や新規事業創出等による事業構造の転換に向けた取り組みが不可欠と認識します。

 事業面だけでなく、人事制度、企業カルチャー等の定性的な項目を含めた『変革』に取り組み、新たな『成長』のエンジンを創出し、中長期的な企業価値向上を図ります。中期的な視点で『変革』を推進し、『成長』の果実を収穫していくため、計画期間を5ヵ年としました。

②中計ビジョン

『ニッチ・トップ』を目指して

 ニッチ・トップとは小さくても成長が期待できる市場において、技術の優位性により圧倒的な市場シェアを誇ることを示します。変化する市場ニーズを先取りして各事業分野のコア・テクノロジーを進化させ、お客様にとっての戦略的なパートナーとなることを目指します。

③中計テーマ

『変革』と『成長』

 事業面・体制面において6つの変革に取り組んでまいります。

Ⅰ.事業を変える

・新市場開拓、新規事業創出等、成長戦略への重点的取り組み

・資本コストを意識した経営の徹底により戦略分野への資源集中

Ⅱ.技術を変える

・スタートアップ連携などオープン・イノベーションの加速

・カーボンニュートラルに向けた技術開発の強化

Ⅲ.営業を変える

・新市場開拓に向けた営業体制の整備等

Ⅳ.カルチャーを変える

・成長戦略を支える人事制度改革、運用の高度化

・従業員意識調査に基づいた施策展開

Ⅴ.コスト構造を変える

・DX推進等によるコスト構造の改革、戦略的IT投資

・成長分野への積極投資

Ⅵ.コミュニケーションを変える

・情報開示の充実、株主との積極対話

・役職員間等社内コミュニケーションの強化

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 中期経営計画(Change & Growth 2026)において、最終2026年度に目指すKPIは以下の通りです。

 連結営業利益 25億円以上(2023年度実績は営業損失5億円)

 連結ROE 7%以上(2023年度実績 △6.1%)

 新規に投入する製品によりモビリティ関係で更なる拡販に努めるなど、新市場開拓、新規事業創出等、成長戦略への重点的取り組みによって、新たな成長エンジンの創出を図り、中長期的な企業価値向上を目指します。

(4)経営環境

 今後の経営環境は、引き続き景気の持ち直しが期待されるものの、地政学リスクの高まりや中国経済の減速、政策金利や為替の変動の影響にも注意が必要な状況が続くものと思われます。

 当社グループを取り巻く経営環境につきましても、中国経済の影響による受注、売上の減少、原材料価格やエネルギー価格の高騰などによる営業利益を圧迫する環境が引き続き想定されます。

 事業セグメント毎の経営環境は以下のとおりです。

[エレクトロニクス事業]

 医療用電源の需要は一段落しており、半導体製造装置用電源は半導体市場の回復時期の見定めが必要な状況となっています。より一層の売上拡大を目指し、当社独自のEV・エネスト関連商材の新製品のPRを開始しました。

[メカトロニクス事業]

 OLB(Optical Lens Bonder)分野はXR市場の成長は期待されるものの、足元のハードウェアの出荷台数は成長途上にあり、本格的な関連設備投資はこれからの状況です。

 また、真空ソルダリング(VSM)分野はEVの需要伸長に牽引され、パワーデバイス関連の設備投資が増加するとともに、ICパッケージ市場においては微細化と高密度化進むことで市場拡大が見込まれますが、中国の景気減速による一時的な生産設備需要の減少が懸念される状況です。

[ケミトロニクス事業]

 主力のモビリティ関連については中国を始めとする海外市場では売上が伸び悩みましたが、国内市場での堅調な売上がそれを補完した形となりました。原材料価格は高止まりが続き、利益率を圧迫しました。一方、モビリティ関連以外では情報家電関連で売上が好調であった他、アミューズメント関連も売上が堅調に推移しました。カーボンニュートラル貢献塗料は顧客の関心の高まりが背景となり、アプローチ先の拡大が続きました。今後も原価削減、利益向上に向けた活動を継続します。

[コンポーネント事業]

 モビリティ市場は半導体不足解消に伴う生産回復に加え、EV車種増加により電動化が推し進められ安全機構関連製品の需要が高まっている中、国際規格に準拠した品質体制を確立し市場要求に応えて参ります。半導体製造装置市場は底を打った兆候は見られるものの在庫調整により低調な状況にありますが、生産体制を維持し需要回復に備えます。

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループを取り巻く経営環境につきましては、中国経済の影響による受注、売上の減少、原材料価格やエネルギー価格の高騰などによる営業利益を圧迫する環境が引き続き想定されます。

 このような状況の中で新規市場の開拓・構築を進めることで安定した売上確保を図ると共にグループ全体で更なる成長に努めます。

 また、東京証券取引所からの要請である「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に基づき、資本収益性や市場評価の改善を図り企業価値向上を目指していきます。

 事業セグメント毎の具体的な施策は以下のとおりです。

[エレクトロニクス事業]

 物価高騰により製造原価が上昇する環境が続いています。その他にも人手不足、廃止部品や環境規制への対応など、製品を安定して継続供給するため様々なリスクを低減するために対応をしていきます。厳しい事業環境のなかではありますが、医療用電源や半導体製造装置用電源、EV・エネスト市場への新製品上市を目指し開発を進めていきます。

[メカトロニクス事業]

 事業の主力製品として注力してきた量産用貼合装置(DB,OLB)は需要の減少が見られ、またOLB分野は成長が期待できるものの、収益源として確立するには時間がかかると予想されます。ギ酸還元真空リフロー炉(VSM)のパワー半導体用途への販売拡大とともに、機能向上を推進し、ICパッケージや積層LSI向けなど、用途の拡大を図ります。

 設備産業は需要変動が大きく事業収益の不安定要素が伴うため、現行の特殊大型設備装置に加えて標準化された装置など新たな製品開発にも取り組み事業転換を推進していきます。

[ケミトロニクス事業]

 自動車部品メーカーを中心とした既存顧客への売上、シェアの拡大、新市場への参入の活動を継続して行います。EV市場に対しては海外進出が目覚ましい中国系企業に対しても拡販活動を拡げるとともに関係拠点との更なる連携を図ります。利益面では不採算製品の廃番を中心としたグレードや製品の統合を図り利益体質を強化します。製品面では速硬化塗料、植物由来原料塗料などの拡販を強化し、使用エネルギーの削減やカーボンニュートラルに貢献し成長を目指します。

[コンポーネント事業]

 モビリティ市場への拡販を図るべく新製品を開発し、国内メーカーへの参入を果たしました。市場の回復もあり需要が増加しており、自動化による生産体制強化を推進します。更にグローバルな拡販活動を展開し売上拡大を図ります。半導体製造装置市場は低迷しておりそれに伴いベアリングの需要が減少しているなか、生産・在庫調整を図り棚卸資産管理に努めます。先行きの見通しが難しい市場であり急激な需要回復時には迅速に行動し対処いたします。

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