企業兼大株主オムロン東証プライム:6645】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 ここでは、(1)経営方針、(2)長期ビジョン「Shaping The Future 2030」(2022~2030年度)、(3)「SF2030」における中期経営計画(SF 1st Stage)の変更、(4)構造改革プログラム「NEXT2025」で構成しています。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 また、文中における「営業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「試験研究開発費」 を控除したものを表示しています。

(1) 経営方針

①当社グループの企業理念

 当社グループでは、1959年に創業者・立石一真が、社憲「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」を制定しました。その後、社憲の精神を企業理念へと進化させ、時代に合わせて改定しながら受け継ぎ、事業発展の原動力また求心力として数々のイノベーションを生み出し、社会の発展と人々の生活の向上に貢献してきました。この企業理念を社員一人ひとりが実践することで、事業を通じた社会的課題の解決を目指しています。このためには、世界中の社員の誰もが企業理念の考え方を理解し、行動することが重要であり、現在、グローバルレベルで企業理念の実践を強化しています。

 なお、今後も企業理念を実践し、社会の発展と企業価値の向上に努めていく当社の経営の根幹は普遍であることを明確にするために、第85期定時株主総会(2022年6月23日開催)にて同企業理念を定款に記載する旨の議案を上程し、株主様の賛成を得て定款の一部を変更しました。

②当社グループの存在意義

 当社グループの存在意義は、企業理念の実践そのものです。即ち、「事業を通じて社会価値を創出し、社会の発展に貢献し続けること」に他なりません。社会価値を創出し、正しく利益を得る、再投資するというサイクルを回すことで社会的課題の解決を拡大再生産できる仕組みを構築することが重要と考えています。

③企業理念に基づく経営のスタンス

 当社グループでは、すべてのステークホルダーに対して、事業を通じて企業理念を実践していくための経営の姿勢や考え方を示すものとして、「経営のスタンス」を宣言しています。それらを「長期ビジョン」「オムロングループ マネジメントポリシー」「ステークホルダーエンゲージメント」の各方針に体系化し、実践しています。

 また、この「経営のスタンス」は、企業の永続的な成長を目指すものであるため、当社グループの「サステナビリティ方針」としても同内容を掲げています。

(サステナビリティ目標値については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 長期ビジョン「Shaping The Future 2030」(2022~2030年度)③「SF2030」サステナビリティ重要課題に記載しています。)

(参考)企業理念浸透への取組み

 当社グループでは、企業理念を現場に浸透・共鳴させるために様々な活動を行っています。

<企業理念の実践を支える主な取組み>

・企業理念ダイアログ

 経営トップ自らがグローバル各拠点を訪問し、企業理念について世界各地の経営幹部や現場社員と対話を行います。そこでは、日常業務における企業理念の大切さや、経営トップ自らが事業責任者として企業理念を実践した当時の経験など実例を交えた講話が行われます。その後、参加者が互いの理念実践事例を共有・共鳴し合い、そこでの気づきを踏まえ、今後の企業理念実践アクションプランについて議論が交わされます。このように企業理念ダイアログは、各地の経営幹部や現場社員にとって企業理念の実践に向けた行動を加速する機会となっています。

・エンゲージメントサーベイ「VOICE」

 グローバル全社員の生の声をエンゲージメントサーベイ「VOICE」により集計し、当社グループで働く従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を経営陣と社員が一緒に実現する、エンゲージメントマネジメントに取り組んでいます。

 VOICEは2016年から2年に一度実施し、グローバル全従業員に約70問の質問を送り、回答及びフリーコメントを収集しています。前回(2022年9月~10月実施)の調査における回答率は91%、3万8千件のフリーコメントが寄せられました。これらの回答を詳細に分析し、会社の魅力度を測るとともに、経営陣が調査結果から導かれた組織課題についての議論を行い、目標を明確に定めたのちにアクションを推進しています。

・The OMRON Global Award (TOGA)

 社員による業務を通じた企業理念実践の物語をグローバル全社員で共有するプログラムです。TOGAは、社員自らが社会的課題の解決に向けた目標を立てることで、企業理念実践にチャレンジし続ける風土の醸成を狙いとしています。日々の仕事や職場における企業理念実践の取組みを全社員で共有し、称えあうことで、企業理念実践への共感、共鳴の輪を拡大しています。

 TOGAについての詳細はウェブサイトをご覧ください。

 https://www.omron.com/jp/ja/about/corporate/vision/initiative/#top

(2) 長期ビジョン「Shaping The Future 2030」(2022~2030年度)

 当社グループでは、2022年度から2030年度までの長期ビジョン「Shaping The Future 2030」、(略称:「SF2030」)を掲げています。社会が変革期を迎える中、存在意義を発揮し、より多くの社会的課題の解決を通じて社会の発展に貢献し続けるため、自らの変革と新たな価値創造のストーリーを定めたものです。

①「SF2030」ビジョンステートメント

 「SF2030」には、「オムロングループ全社員が企業理念を実践し、センシング&コントロール+Think技術で、持続可能な社会をステークホルダーとともにつくっていく」という思いを込めています。

②オムロンが創出する社会価値

 社会価値の創出に向けて、オムロンは、社会に与えるインパクトが大きく、オムロンの強みであるオートメーションと顧客資産や事業資産を活かす観点から、3つの社会的課題「カーボンニュートラルの実現への貢献」、「デジタル化社会の実現への貢献」、「健康寿命の延伸への貢献」を設定しました。

 カーボンニュートラルの実現を通じて地球温暖化問題へ取り組み、安心・安全・便利な暮らしと自然環境の両立を実現するエネルギーシステム作りに貢献します。

 デジタル化社会の実現においては、年齢や貧富の差に関わらず、必要な情報を必要な人が得ることができる状態を作ることが求められています。オムロンは、誰もがその恩恵にあずかることができるデジタル化社会の実現を通じて格差社会から生まれる問題の解決に取り組み、人々があらゆる制約から解放され、楽しく創造的でかつ、持続可能な社会を実現するものづくりやインフラ作りに貢献します。

 また、高齢化が進む社会において、健康寿命を延ばすことは、個人はもちろん、家族が幸せな生活を送るためにとても重要なことです。加えて、医療費の抑制といった観点からも重要です。オムロンは健康寿命の延伸のためにあらゆる人が健康で豊かな自立した人生を送るためのヘルスケアシステムを構築することで高齢化社会における問題の解決に真正面から取り組んでいきます。

   <オムロンが捉える社会的課題と創出する社会価値>

 これらの3つの社会的課題の解決による社会インパクトを最大化するために、「SF2030」より、グループのドメインを見直し、改めて4つのドメインを設定するとともに同領域での社会価値を定めました。インダストリアルオートメーションでは、「持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化」への貢献を目指します。ヘルスケアソリューションでは、「循環器疾患の“ゼロイベント”」への貢献を目指します。ソーシャルソリューションでは、「再生可能エネルギーの普及・効率的利用とデジタル社会のインフラ持続性」への貢献を目指します。デバイス&モジュールソリューションでは、「新エネルギーと高速通信の普及」への貢献を目指します。

   <4つのドメインが創出する社会価値>

インダストリアルオートメーション

 インダストリアルオートメーションでは「持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化」へ貢献します。これまでオムロンは、i-Automation!で、お客様との共創を通じてアプリケーションを創出し、様々な業界のモノづくりの技術革新や人手不足の解消、生産性の向上を実現させてきました。これからは、i-Automation!をさらに進化させ、生産性とエネルギー効率の最大化による地球環境との共存や、人の可能性を最大発揮できる製造現場の構築や業務プロセスの改善やエンジニアリング領域の業務効率向上を通じて作業者の働きがいも両立させるサステナブルな未来を支える製造現場を構築していきます。

ヘルスケアソリューション

 ヘルスケアソリューションでは、「循環器疾患の“ゼロイベント”」へ貢献します。これまでオムロンは、医療品質の家庭用デバイスをグローバルに普及させ、家庭で計測した血圧データを用いた診断・治療プロセスをつくり、脳・心血管イベント発症の予防に貢献してきました。これからは、イベント発症を未然に防ぐ、新しい予防医療の仕組みを構築することで、誰もが自然と健康に暮らすことのできる社会、質の高い医療を誰もがどこでも受けられる社会の実現を目指していきます。その社会に向けて、日常生活下でバイタルデータが測定できるデバイスの創出、医師の診断・治療の意思決定を支援するアルゴリズムを用いた遠隔診療サービスの導入や、新しい予防医療サービスの開発を実現します。

ソーシャルソリューション

 ソーシャルソリューションでは、「再生可能エネルギーの普及・効率的利用とデジタル社会のインフラ持続性」への貢献を目指します。オムロンはこれまで、太陽光発電や蓄電池の普及に貢献してきました。これからは、進化したエネルギー制御技術で発電の不安定さを解消し、再生可能エネルギーのさらなる普及に貢献します。また、社会インフラ領域においては、様々な機器、施設の運用現場を熟知し、日本全国を網羅するサービス網を通じ、運用・保守を支えてきました。これからは、現場システムの効率的な運用を支援するマネジメント&サービスで、運用・保守プロセスを革新していきます。

デバイス&モジュールソリューション

 デバイス&モジュールソリューションでは、「新エネルギーと高速通信の普及」に貢献します。オムロンはこれまで、電気を繋ぐ・切る技術で、高い性能と品質を持つリレーやスイッチを顧客の製品に組み込み、グローバルに広く提供してきました。これからは、環境負荷の低いエネルギーの導入によりあらゆる機器が直流化します。この変化を踏まえて、オムロンは、放電を安全に制御する技術や故障タイミングを事前に検知する技術で、火災や感電を防ぎ、機器の安全性を高めるデバイスを創出します。また、高速通信の普及では、耐ノイズ性能を高める技術と、これまで培った微細加工技術を用いた量産化により、「途切れない接続」を可能とする高周波対応デバイスを創出します。

③「SF2030」におけるサステナビリティ重要課題

 当社グループは「SF2030」のもと、事業の成長とサステナビリティ課題への取組みを一体化して進化させ、推進しています。社会価値と経済価値を生み出すのは、「事業を通じた社会的課題の解決」そのものです。その実現のためには、ソーシャルニーズ創造による新規事業やそれを支える多様な人財づくりが欠かせません。これらは「オムロンの持続的成長」にも繋がります。また、脱炭素・環境負荷低減やバリューチェーンにおける人権の尊重は、「社会の持続的発展」を促すための企業の社会的責任として必須となっています。「SF2030」では、これらの5つのサステナビリティ重要課題に取り組むことで、社会価値と経済価値の両方を創出し、企業価値の最大化を目指します。

  (注) 1 Scope1・2:自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス

          2 Scope3 カテゴリー11:Scope3は自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出。そのうち、カテゴリー11は製造・販売

          した製品・サービス等の使用に伴う排出。

※「SF2030オムロンの進化の方向性」など、「SF2030」の詳細は、弊社ウェブサイトに掲載しています。

 特設サイト:https://www.omron.com/jp/ja/sf2030/

※サステナビリティ重要課題特定プロセスの詳細は、ウェブサイトをご覧ください。

https://sustainability.omron.com/jp/omron_csr/sustainability_management/

(3)「SF2030」における中期経営計画(SF 1st Stage)の変更

 当社グループでは、2022年度から2024年度を中期経営計画(以下SF 1st Stage)とし、「SF2030」ビジョン達成に向け、社会的課題を捉えた価値創造と持続的成長への転換を加速する“トランスフォーメーション加速期”と位置付け、社会構造の変化に伴う成長機会を掴み、これまで培った競争力を発揮することにより力強い成長を実現することを目指しました。しかしながら、2023年度は、中国経済の成長鈍化やサプライチェーンの混乱など、事業環境が想定以上に悪化したことに加え、当社グループの成長を牽引する事業やエリアが一部に偏っていたことで、この急激な変化に対応できず、業績が大幅に悪化しました。

 このような状況を受け、当社グループは、当初2024年度までとしていた中期経営計画(SF 1st Stage)を取り下げ、2024年4月1日~2025年9月30日までを「構造改革期間」とし、構造改革プログラム「NEXT2025」を実行することとしました。

 なお、次期中期経営計画(SF 2nd Stage)は2026年度~2030年度を予定しています。

<中期経営計画の変更>

①SF 1st Stage方針と進捗

 SF 1st Stageでは「トランスフォーメーションの加速による価値創造への挑戦」を掲げ、この実現に向けて、3つのグループ戦略を設定しました。1つ目は、事業のトランスフォーメーションです。具体的には、4コア事業(制御機器事業・ヘルスケア事業・社会システム事業・電子部品事業)の進化、顧客資産型サービス事業の拡大、社会的課題起点での新規事業の創出に取り組みました。4コア事業の進化については、それぞれが成長領域を見直し注力事業を設定し、新たな価値創造の実現による売上成長の牽引を目指しました。2つ目は、企業運営・組織能力のトランスフォーメーションです。事業環境の変化に適応しながら価値創造し続けるために、ダイバーシティ&インクルージョンの加速、DXによるデータドリブンの企業運営、サプライチェーンのレジリエンス向上に取り組みました。そして、3つ目は、サステナビリティへの取組み強化です。特に、脱炭素・環境負荷低減に向けた温室効果ガス排出量の削減、バリューチェーンにおける人権尊重の徹底に取り組みました。

 以上の戦略のもと、SF1st Stageでは、財務目標と事業戦略とサステナビリティを融合させた非財務目標を設定しました。

 SF 1st Stageの初年度の2022年度においては、上海ロックダウンやグローバルでのインフレ拡大、部材の逼迫などの影響を大きく受ける中でも高水準の受注残に対応すべく供給力強化を加速させたことや、全社で価格適正化等の付加価値率改善に継続するなどしたことで、売上高、営業利益ともに過去最高業績を更新し、ROIC(投下資本利益率)とROE(株主資本利益率)は、ともに10%を超える水準となりましたが、2023年度は、上述のとおり大幅な業績悪化となり、財務目標とした各指標も2022年度比で大幅に悪化しました。

 一方で、非財務目標の取組みにおいては、温室効果ガスの排出量について当初目標を達成、人権の取組み状況も計画通りに達成するなど、概ね順調に推移しています。

 これらの取組みが評価され、2023年度もDJSI-Worldに継続して選定されています。

  <SF1st Stage 財務目標と進捗>

   <SF1st Stageの非財務目標と進捗>

(注) 1.非財務目標に記載されている数値は、2022年度に設定したSF 1st Stageの当初設定目標

      2.「カーボンニュートラルの実現」、「デジタル化社会の実現」、「健康寿命の延伸」に繋がる注力事業の売上高

      3.GHG:温室効果ガス

      4.リージョン:米州、欧州、アジア、中華圏、韓国、日本

      5.2023年4月3日出資完了したオムロンキリンテクノシステムズ株式会社を含む4月20日時点の当社及び連結子会社集計値

      6.2022年度のGHG排出量は上海ロックダウン等の一時的な影響を含めた数値

      7.2024年4月20日時点の当社及び連結子会社集計値

      8.非財務目標の⑧から⑩は、社員投票で決定した目標

      9.*はJMDC社を含む

②JMDC社連結子会社化とデータソリューション事業本部の新設

JMDC社との資本業務提携

 当社は、健診やレセプト等の医療データと血圧値等の日常生活下でのバイタル・活動データの突合による予防ソリューションの創出を目的に、株式会社JMDC(以下、JMDC社)と2022年2月22日に資本業務提携契約を締結しました。
 業務提携以降、当社のJMDC社事業へ理解と相互の信頼関係の構築は順調に進み、2023年4月には、オムロンヘルスケア株式会社が提供するスマートフォン健康管理アプリ「OMRON connect」とJMDC社が保険者向けに提供しているPHRサービス「PepUp」間のデータ連携を開始しました。また、2023年6月には、当社やJMDC社を含めた代表幹事企業8社(これらに加え会員企業・団体は140団体)により、社員の健康を通じた日本企業の競争力向上と企業健保の持続可能性を目的とした「健康経営アライアンス」(注)を設立する等、両社の協業は加速しました。

(注)2024年4月30日時点では、代表幹事企業9社、これらを含めた会員企業・団体392社が「健康経営アライアンス」に参加しています。

  「健康経営アライアンス」の詳細は下記ウェブサイトをご覧ください。

    https://kenkokeiei-alliance.com/

JMDC社連結子会社化とデータソリューション事業本部の新設

 以上のような状況の下、ヘルスケア領域における更なる協業の加速とJMDC社が保有するデータマネジメント力とソリューション開発力による他領域でのデータソリューション事業の創出を目的に、2023年10月16日に、JMDC社株式を公開買付により追加取得を行い、同社を連結子会社としました。

 また、オムロンの強いハードウェアから得られる膨大で質の高い現場データにJMDC社のデータマネジメント力、ソリューション開発力を組み合わせ、オムロンのビジネスモデルを進化させ成長事業を創造することを目的に、2023年12月21日に、社長CEO直轄組織としてデータソリューション事業本部を新設いたしました。

           <データソリューション事業本部のターゲットドメイン>

 データソリューション事業本部では、これまでJMDC社と協業で検討してきたヘルスケアドメインにおける拡張に留まらず、インダストリアルオートメーションやソーシャルソリューションなど、他のドメインのデータソリューションの事業機会を特定し、専任組織を設置して事業開発と市場実装を推進します。そして、データソリューションによる社会的課題の解決に貢献してまいります。今後注力する各ドメインにおける主な事業は以下の通りです。

・ヘルスケアドメイン:コーポレートヘルス事業

 JMDC社のデータアナリティクスを活用し、企業の生産性向上、健保の財政を改善する事業の創出に取り組みます。また、データを活用し、高血圧リスク予備軍の抽出と重症化予防に寄与するソリューションの開発、女性の健康に寄与するソリューションの開発、従業員のプレゼンティズムを改善し組織の生産性を上げるソリューションの開発を推進いたします。これらをコーポレートヘルス事業の足掛かりとして、関連する事業開発につなげてまいります。

・ソーシャルソリューションドメイン:スマートM&S事業

 データ分析・活用を軸に、AI技術、遠隔技術、その他の先端テクノロジー等の活用を通じ、流通小売りやエネルギー、社会システムの価値と効率を高める新たなソリューションを創出します。社会システム事業と連携し、社会的課題の解決につながるビジネスモデルを開発します。

・インダストリアルオートメーションドメイン:FAデータソリューション事業

 オムロンの主要事業である制御機器事業のi-BELTと連携したFAデータソリューションプロジェクトをはじめ、今後、第4、第5の新たな事業創出につながる事業テーマを設定してまいります。

(4) 構造改革プログラム「NEXT2025」

 2024年4月1日~2025年9月末までを実行期間とした構造改革プログラム「NEXT2025」においては、収益を伴った持続的な売上成長を確かなものとし、持続的な企業価値向上を実現すべく「制御機器事業の早急な立て直し」と「収益・成長基盤の再構築」の2つの経営課題に取り組み、次の5つの経営施策を実行します。

①制御機器事業リバイバルプランの実行
 価値を提供するエリア、顧客に加え、提供価値そのものを顧客起点で再設定します。そして、そのポートフォリオの実現に向け、本社リソースも含めたリソースアロケーションを実施します。この取り組みを通じて、制御機器事業のROS最大化と、SF2030で目指す成長を実現する成長基盤を確立します。

②ポートフォリオの最適化
 各事業を取り巻く環境変化に対する耐性の強化と、収益を伴った持続的な成長を実現する事業・製品・エリアの各ポートフォリオの最適化を図ります。同時に、データソリューション事業本部が主導するJMDC社のケイパビリティを活用した制御機器・ヘルスケア・社会システム事業領域でのデータソリューションビジネスの創造を加速します。
 

③人員数・能力の最適化

 変化の激しい事業環境に対しても耐性のある人員・人件費構造の構築に取り組みます。加えて、顧客価値の拡大を実現し、収益を伴った成長を実現しうる人財ポートフォリオの再構築を通じて、「SF2030」で描くオムロングループ全体の能力の転換を図ります。

 具体的には国内約1,000名海外約1,000名の合計約2,000名を削減することで総人件費の適正化に取り組みます本施策は現地の労働法規則規制に従って実施します

 当施策の詳細につきましては、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記事項 Ⅱ主な科目の内訳及び内容の説明 Z重要な後発事象」をご参照ください。

④固定費生産性の向上

 グループ全体で固定費生産性の最大化を追求します。具体的には、売上高に対する販管費の比率について中期的に30%未満(JMDC社連結の影響を除き28%未満。2023年度の実績は32.0%)を実現する固定費規律の導入と運用の徹底に取り組みます。

⑤顧客起点マネジメントシステムの導入・運用

 経営・事業・本社のマネジメントを顧客起点での思考・行動に変革する施策の導入と運用を行います具体的には財務観点に加えて顧客観点での事業統制とマネジメントの思考・行動を変革させる人事施策の導入・運用の徹底を目指します。

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