オカダアイヨン 【東証プライム:6294】「機械」 へ投稿
企業概要
(1)サステナビリティに関する考え方及び取組
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは経営理念として掲げる“社会に存在価値ある会社”を実現するため、長期ビジョン「VISION30」
を策定し、推進しております。「VISION30」では当社が関係する様々な環境に対し“人は環境をつくる”をスロー
ガンに、より良い環境づくりを目指す人材を育成し、事業を通じて社会に貢献したいと考えています。私たちは、
根幹である建設機械の開発・製造・販売・サポートなどの事業を核として、環境や社会、ガバナンス(企業統治)
などに配慮したESG経営を実践しています。
具体的には以下のような活動に取り組み、ESG経営を実行しております。
E Environment:解体・リサイクル分野における各種特殊アタッチメントなどの生産性向上による「社会における
リサイクルシステム」への寄与
林業分野における林業機械、未利用材の資源化機械の生産性向上による「山地・森林資源の保全
と有効活用の実現」への寄与
ケーブルクレーン事業を通じたダムなどの「再生可能エネルギー設備の建設・維持管理」への寄与
環境目標の設定や再生可能エネルギーの調達などによる企業責任の遂行
S Social: 社員の働き方改革やダイバーシティなどの実現
事業活動に関わるすべてのパートナーの人権尊重に関する取り組みの推進
G Governance: 誠実、透明性の高い、積極的な経営判断ができるコーポレートガバナンス体制の構築
特に環境問題への取り組みは企業の存続、成長に必要不可欠であることを認識し、気候変動への対応につきまし
ても気候関連財務情報タスクフォース(TCFD)の提言に沿った取り組みと情報開示を進めてまいります。
①ガバナンス
当社グループは、2022年2月に持続可能な社会の実現に向けた取り組みとして、サステナビリティに関する課題に対して積極的かつ機動的に対応し、ESG経営を実効的に進めるために、全社横断組織として「サステナビリティ委員会(年4回、および必要時開催)」(以下、「委員会」という。)を設置しました。
当委員会は、代表取締役社長を委員長とし、経営会議メンバーなどにより構成しています。気候変動や人的資本への対応を含むサステナビリティに関する事項や体制などについて審議し、重要事項は年1回以上取締役会へ報告・提言を行い、監督を受けています。
また、委員会の運営事務及びサステナビリティ施策を各部門と連携し展開・ 推進することを目的に「サステナビリティ推進事務局」(以下、「事務局」という。)を設置しています。当事務局では、委員会で取り上げる議案の取りまとめ、委員会からの指示に基づく必要な社内調整など、サステナビリティ施策について、実務レベルでの協議・推進を図り、委員会に報告・答申を行い、指示を受けています。
目標・計画の策定、重点取り組み課題の選定、計画に対する進捗はステークホルダーに適宜開示してまいります。
組織体制は下記図の通りであります。
②戦略
マテリアリティ
サステナビリティへ向き合い、私たちの経営理念である「社会に存在価値ある会社」の実現を目指して、
マテリアリティ(重要課題)に取り組んでいます。
マテリアリティ | コミットメント |
カーボンニュートラルの実現 | ・ 脱炭素社会の実現に向けて、エネルギー消費量の最小化、次世代 再生可能エネルギーの利活用を図る。 ・ 解体現場及び林業、大型土木工事現場での当社製品利用における CO2排出について重要度が高いと認識し、電動化、高エネルギー効 率化に向けた製品開発・改良の取り組みを推進する。 ・ 間接部門、生産工程でのCO2排出を削減する。 |
社会におけるリサイクルシステム支援 | ・ 資源の有効活用とリサイクルは少資源国では重要な課題であり、 効率的なスクラップ&ビルドに資する。 ・ 解体現場の効率化に寄与し、併せて廃材の再資源化により循環型 社会を目指す。 |
山地・森林資源の保全と有効活用 の実現 | ・ 林業の効率化に寄与する。 ・ 木材資源の有効活用に寄与する。 ・ 建設困難地における資材物資の移動・搬入用の装置提供により、 土地の有効活用を目指す。 |
働き方改革やダイバーシティ等の実現 | ・ 国内の生産人口減少への対応として、DX活用による生産性向上や 自動化等に取り組む。 ・ 採用、人材育成、登用の仕組みと環境を整備することで誰もが 働ける場所を提供する。 ・ グループの協力会社においても労働/人権に配慮する。 ・ 働き方改革やダイバーシティ等の実現に向けたコーポレート ガバナンス体制を強化する。 |
③リスク管理
委員会を中心に特定された気候変動や人的資本を含むリスクの回避、軽減、コントロールと、機会への早期着手に関する方針の策定や対応策の立案などを実施し、年1回以上取締役会への報告・提言を行い、監督を受けています。
リスク及び機会は下記a~eの活動を実行し、管理しています。また、活動は毎年見直しを行ってまいります。
a シナリオ分析(気候変動関連)
b 短期・中期・長期のリスク及び機会の特定
c 特定された重要なリスク及び機会に対する戦略的な取り組み方針の決定
d リスク及び機会への具体的な対応策の検討
e リスク及び機会の対応策実行、進捗管理
当社グループのリスク全般については、「経営会議(4、10月以外毎月開催)」を設置し、経営上の各種リスクの洗い出しを行い、当社及び当社子会社を監視し、必要な対策を講じ、経営の影響度に応じた機動的かつ最適な対応がとれるよう、リスク管理体制の構築に努めています。重要なリスクにつきましても、経営会議へ報告を行い、全社リスクとの連携を図っています。
④指標及び目標
4つのマテリアリティすべてに指標及び目標を設定しており、サステナビリティ委員会で進捗を確認しています。
a カーボンニュートラルの実現
・CO2排出削減(Scope1、2)→ 2050年に実質ゼロ [グループ内(海外販社を除く)]
・CO2排出削減(Scope1、2)→ 2030年に50%減(2018年比)[グループ内(海外販社を除く)]
・Scope3 CO2排出削減への取組 (仕組み構築とターゲット選定)
b 社会におけるリサイクルシステム支援
・2030年アタッチメント解体業務の生産性10%向上(当社従来自社製品2020年比)
・コンクリート等の建設廃材の再資源化率98%以上維持への寄与
c 山地・森林資源の保全と有効活用の実現
・2030年林業関連機器の生産性10%向上 (当社従来製品2020年比)
・水力発電能力の維持への寄与2.5億kwh/年(2030年まで)
d 働き方改革やダイバーシティ等の実現
・社員幸福度測定の仕組み導入と幸福度の向上
・女性社員比率 15%(2022年)→25% (2030年)
・女性取締役比率 12.5%(2022年)→25% (2030年)
・協力会社選定時の労働/人権配慮の実施
(2)気候変動に関する取組
①戦略
「シナリオ分析」
当社グループでは、2100年における世界の気温上昇が1.5℃上昇、2℃上昇、4℃上昇の世界観を想定し、2030
年、および2050年におけるシナリオ分析を実施しました。
初年度は対象をオカダアイヨン株式会社(国内のみ)、株式会社南星機械、株式会社アイヨンテックに絞り、
シナリオ分析を進めました。今後順次、オカダアイヨン株式会社(海外)や他のグループ会社にも展開してい
きます。
以下に示す政府機関及び研究機関で開示されているシナリオなどを参照して、重要度の評価及び財務影響の
分析を実施しています。
・IEA 「World Energy Outlook 2022」 (2022年) NZE2050 / APS / STEPS
・IPCC 「AR6」 SSP1-1.9(1.5℃シナリオ) / SSP1-2.6(2℃シナリオ) / SSP5-8.5(4℃シナリオ)
「リスク、機会」
特に当社グループへの影響が大きく、実際に起きる可能性も高いと想定されるリスク8項目、機会5項目
を開示いたします。
「対応策」
特定したリスク、機会に対する中長期での対応策につきましては、継続的な実施と効果評価を行い、事業
活動のレジリエンスを高めてまいります。対応策とその具体的内容については以下のとおりです。
②指標及び目標
GHG排出量削減目標
当社グループでは2018年度より事業活動におけるCO2排出量(以下、「 Scope1、2 」という。)、および2021年度より材料の調達や販売した製品の使用なども含んだサプライチェーンのCO2排出量(以下、「 Scope3 」という。)の把握に取り組み始めました。
また、当社グループは「カーボンニュートラルの実現」をマテリアリティに定め、KPIとして2018年度のScope1、2を基準値として、CO2排出量の削減に向け、当社グループのScope1、2(※1) 削減目標を設定しています。
「2050年度目標 Scope1、2 実質ゼロ」
「2030年度目標 Scope1、2 50%削減(※2,3)(2018年度比)」
※ 1 グループ内(海外販社を除く)
※ 2 Scope2の算定は基礎排出係数、および調整後排出係数両方の目標値
※ 3 2050年度に向けての Scope1、2実質ゼロの目標設定はそのままですが、その途中にある2030年度の目
標数値(マイルストン)は今回70%削減から50%削減に見直しております。
<基礎排出係数>
<調整後排出係数>
(3)人的資本に関する取組
①戦略
当社グループは「働き方改革やダイバーシティ等の実現」をマテリアリティとし、人材の多様性の確保を含む人材の育成や社内環境整備に以下の観点で取り組んでいます。
・国内の生産人口減少への対応として、DX活用による生産性向上や自動化への取組
・採用、人材育成、登用の仕組みと環境を整備することで誰でも働ける場所を提供
・グループの協力会社においても労働/人権に配慮
・働き方改革やダイバーシティ等の実現に向けたコーポレートガバナンス体制の強化
②指標及び目標
当社グループでは、マテリアリティで設定した働き方改革やダイバーシティに関するKPIの他、次の多様性に関する3指標を重視してまいります。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
管理職に占める女性労働者の割合 | 2030年までに10% | - |
男性労働者の育児休業取得率 | 2030年までに85% | 66.7% |
労働者の男女の賃金の差異 | 2030年までに80% | 68.9% |
※当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。
なお、ホームページにサステナビリティ・サイトを構築しております。
参照先は以下となります。
https://disclosure.okadaaiyon.com
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