企業兼大株主エンビプロ・ホールディングス東証プライム:5698】「鉄鋼 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

当社グループにおける企業価値の創造プロセスは下記のとおり定めております。

企業価値の創造プロセス

 当社グループにおける人的資本経営は、エンビプロ・グループの企業理念をベースとし、リーダーシップを通じて、挑戦とやりがいのある職場環境=「社員一同が生き生きと働く良質なエネルギーに満ちた場」を実現することで従業員満足が向上し、社員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、社会とお客様の要請に応え、永続的な成長を達成することを目指しています。

 それを実現する組織のイメージは「創発的能力を備えた自律した個人の規律ある集団」と定義しています。

 創発的能力:現場で判断し、行動し、結果を導き出す力

 自律した個人:自主性、創造性に満ち、主体的に生きる人

 規律ある集団:時を守り、場を清め、礼を正すことができる集団

 また、当社グループの企業理念(「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針」に記載)は組織における価値観の浸透と、あらゆる事業活動における行動指針を明確化することで、社員が自身の役割と社会とのつながりをより深く理解し、グループ全体で一つの目標に向かうための経営における重要な取り組みと位置付けています。

企業理念の背景 -企業理念は最も大切にする価値観でありDNA-

2000年頃になると循環型社会や環境問題に関する意識の高まりから、リサイクルに対するニーズ、各種法令の整備など事業環境が大きく変化しはじめました。当社グループにおいても、成長するスピードは高まり、変化の度合いは大きく、人材は増加し、地域を越えて活躍しはじめました。同時に何か漠然とした不安を感じるようになりました。

 会社が順調に発展しはじめているのにもかかわらず、これまでの長い間何かが足りないと探し続けていたものを再認識しました。木が成長し、幹は伸びますが、それを支える根を大きく張る必要があると。表面の変化に左右されない、確固たる思想、理念が確立されていない事によるものだと強く感じ、2004年、私たちは企業理念を制定しました。

 創業者の人生観、理念や口癖、幹部社員の人生観、想いなど会社に内在している考え方を紡ぎだし、約1年間かけて明文化しました。どんなに私たちをとりまく環境が変化しても、決して揺らぐことなく、また今後2,000年間でも通用するような永続性を持ち、全ての行動の規範となる企業理念、「最も大切にする考え方」はこうして作り上げられました。

(1)ガバナンス及びリスク管理

当社グループは、気候変動対応を含むサステナビリティ戦略に関する方針・施策について推進すべく、当社の代表取締役社長をはじめ、常勤取締役、執行役員及び一部の関連部門長をメンバーとするサステナビリティ委員会を設置しています。当社グループと社会の持続的発展を同時に実現させるための戦略である中期経営計画(サステナビリティ戦略)の推進を目的とし、代表取締役の意思決定の補助機関として、戦略の推進状況及び新規事業、M&Aなどを含めた将来的な方向性を、長期的な視野に立ち、フレキシブルかつ活発に議論・検討を行っています。また、協議された事項については業務執行の意思決定機関である経営会議にて決議又は協議が行われ、その後の取締役会へ上申されます。取締役会の監督体制のもと、ガバナンスの維持とサステナビリティ戦略の推進を図ります。これら当社のコーポレート・ガバナンスの状況は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載の通りです。

(2)戦略及び指標・目標

①企業理念の浸透

良い企業風土、強い企業文化を作り上げることが成長の原動力につながると信じ、「企業理念浸透への執念」の取り組みの一つとして、毎月3回ほど少人数制にてグループトップ自らによる説明会を実施しています。新たに入社された方だけでなく、過去に企業理念説明会を受講された方も再度受講するように計画し実施しています。

〇企業理念説明会受講者数

年度

受講者数

従業員数※

受講者割合

2020年6月期

22人

562人

4%

2021年6月期

48人

583人

8%

2022年6月期

235人

618人

38%

2023年6月期

130人

(延べ413人)

781人

17%

(52%)

※正社員及び臨時従業員(派遣社員を除く)

また従業員満足アンケートの「企業理念に共感できるか」の質問に対する共感度を継続的に90%以上とする目標を掲げて、今後も取り組んでいきます。

〇グループ従業員満足アンケート「企業理念に共感できるか」の共感割合及び回答者数

年度

共感できる

共感できない

回答者数

2020年6月期

87.0%

13.0%

408人

2021年6月期

88.9%

11.1%

424人

2022年6月期

86.4%

13.6%

485人

2023年6月期

84.0%

16.0%

475人

②事業推進人材100人の創出

当社グループのこれまでの成長の軌跡は、二つの要因に大別されます。

一つ目は社会から求められる要請に対応した新技術・新サービス・新商材を開発し、事業化や提携、新会社設立へと発展し、収益を生み出してきました。

二つ目はM&Aによる拠点展開です。これは単なる拠点が増加したことのみならず、各地域における社会的要請に応え、さらに事業を深堀りし、またそこから新たな技術・新サービス・新商材を開発して収益に貢献してきました。

この二つの成長要因から生み出された収益は、引き続き将来の成長に向けて再投資を行います。その上で、それぞれの要因である点と点が強く結びつき、面とすることによるシナジーとスケールメリットを発揮してまいります。これにより社会的要請として高まりつつあるサーキュラーエコノミーの受け皿を構成し、サーキュラーエコノミーをリードしていきます。

そのためには事業戦略を推進する人材、いわゆる経営幹部が重要となります。

当社グループは事業推進人材(経営幹部)を2030年6月期までに100人増の創出をし、永続的に成長するための基盤を構築します。

〇グループ事業推進人材推移

年度

役員

管理職・専門職

合計

2020年6月期

28人

66人

94人

2021年6月期

26人

76人

102人

2022年6月期

28人

79人

107人

2023年6月期

31人

82人

113人

③人材ポートフォリオマネジメントの取り組み

人材ポートフォリオマネジメントは、事業戦略を推進するための課題に対応する一つの人材マネジメント手法と認識しており、当社グループ事業戦略上においては、採用・育成・定着の視点での取り組みが重要と認識しています。

Ⅰ.採用

現在当社グループの正社員平均年齢は下記のとおりです。

今後労働人口年齢が上昇していくことが想定され、シニアが活躍するステージを制度として整えていく一方で、培われたスキル、ノウハウ、ナレッジは適切に継承していく必要があります。

〇グループ正社員平均年齢

年度

男性

女性

合計

2020年6月期

38歳6ヵ月

36歳1ヵ月

38歳1ヵ月

2021年6月期

38歳10ヵ月

37歳1ヵ月

38歳6ヵ月

2022年6月期

39歳1ヵ月

37歳0ヵ月

38歳7ヵ月

2023年6月期

42歳5ヵ月

38歳10ヵ月

41歳9ヵ月

a.新卒採用

若年層の確保として新卒採用が重要となります。そのためにはキャリアプラン支援、目標管理制度による成長する仕組み、責任等級制度に基づく賃金体系を基本としつつ、成長可能性が高いと認められる人材が期待に応える意思を示した場合、抜擢と年俸制度への移行を採用しています。

当社グループでは2024年6月期から2028年6月期までに新卒採用で40人確保することを目標に掲げました。

○グループ新卒採用数

年度

男性

女性

合計

2020年6月期

4人

2人

6人

2021年6月期

7人

7人

2022年6月期

11人

6人

17人

2023年6月期

3人

1人

4人

b.事業推進人材採用

事業展開のスピードに合わせ、事業推進人材を人材市場からダイレクトに採用していくことが求められます。

高いスキルと専門知識、マインドセット、事業意欲を持った人材の外部採用については、当社グループへのノウハウの蓄積とシナジーを期待し、積極的に行っていきます。そのためには企業文化と企業風土の共有、事業に関する知識習得機会、管理職研修、情報連携、目標管理制度の運用、年俸制度への移行、働き方と就業場所の拡充を推進していきます。

2024年6月期から2028年6月期までに30人を確保することを目標に掲げています。

○グループ事業推進人材採用数

年度

経営人材

管理職・専門職※

合計

2020年6月期

3人

5人

8人

2021年6月期

3人

3人

2022年6月期

3人

3人

2023年6月期

3人

10人

13人

※管理職・専門職の採用についてはM&Aによる増加を含み、また採用後1年以内の管理職昇格者含む。

c.採用手法の多様化(リファラル採用、カムバック採用)

今後労働人口が減少する中、当社独自の多様な採用手法を確立していくことは重要な取り組みと考えています。当社グループでは社員が自身の家族や知人を紹介するいわゆるリファラル採用制度と、一度退社した社員が再度入社することを歓迎するカムバック制度を導入しています。この採用手法は採用コストを抑制できるだけでなく、応募者が企業文化と事業理解による定着率の向上を図ることができる可能性が高くなります。そのためには家族や知人、様々な理由で退職した従業員が一緒に働きたいと思う職場環境をつくることが重要であり、より一層の取り組みを行っていきます。

2028年6月期までに在籍する正社員の20%をリファラル採用またはカムバック採用手法による入社とすることを目標としています。

○グループリファラル・カムバック採用人数(単年度及び累計)

年度

リファラル採用

カムバック採用

合計

2020年6月期

1人

1人

2021年6月期

1人

1人

2022年6月期

6人

1人

7人

2023年6月期

8人

(累計47人)

1人

(累計24人)

9人

(累計71人、正社員に対する比率11.2%)

Ⅱ.育成

a.事業推進人材育成

個人の成長は企業の成長と直結します。個人が成長し、チームとしてより大きな目標を達成すべくより大きな責任と権限を付与し、組織としての成長を実現させることで企業価値を向上します。そのためには事業推進人材の育成が重要です。

事業推進人材の選定は、企業理念の共有(Value)、主体性(Proactive)、変革(Change)、迅速(Speed)、挑戦(Challenge)、組織力(Team Work)、多様性(Diversity)を目指すべき人物像として、評価基準書に基づき昇格基準を満たした者、時には昇格基準を満たさなくとも成長可能性が期待できる者は抜擢し、より高みを目指したいと思う人材を経営幹部として育成していきます。また昇格時の報酬体系見直しの実施、加えて株式報酬制度の検討など管理職へのインセンティブを向上していきます。2024年6月期から2028年6月期までに40人育成することを目標に掲げています。

○グループ事業推進人材昇格人数

年度

経営人材

管理職・専門職

合計

2020年6月期

2人

7人

9人

2021年6月期

 14人

 14人

2022年6月期

5人

 12人

 17人

2023年6月期

1人

8人

9人

b.教育研修制度

事業推進人材の育成のためには、当社グループの事業について改めて理解を深めることに加え、コーポレート部門の業務についても研修を重ねつつ相互理解を深めていくことによる連携強化とシナジー発揮を目指します。

また経営幹部となるとマネジメントに関する手法を学ぶことは重要です。現在、目標管理制度の運用、評価者研修を実施し、グループトップが掲げた目標から一貫したグループ各社、各部署での目標を設定、PDCAサイクルと評価につなげることで企業価値向上を図っていきます。企業価値向上と研修受講者にとって有益な研修となることを目指し、各研修の満足度100%を目指していきます。

○グループ管理職向けビジネススクール開催回数、満足度及び参加人数

年度

開催回数

満足度

参加人数

2020年6月期

2021年6月期

2022年6月期

13回

569人

2023年6月期

16回

94.9%

787人

c.キャリアパス制度

キャリアパスは、従業員が自身の職業生涯の進行方向を理解するための道しるべです。会社において目指すべき特定の役職に至るまでのステップを明確に示すことで、従業員がどのように成長し、発展することができるかを示します。スキルを磨き、新たな役職に挑戦するためのガイダンスを提供し、従業員の満足度とロイヤルティを高めることを目指します。

2028年6月期までに従業員満足アンケートの「仕事を通じて成長できる喜びを感じていますか」の質問に対する満足度90%を目標に掲げています。

○グループ従業員満足アンケート「仕事を通じて成長できる喜びを感じていますか」の満足、不満足割合及び回答者数

年度

満足

不満足

回答者数

2020年6月期

65.9%

34.1%

408人

2021年6月期

68.1%

31.9%

427人

2022年6月期

69.8%

30.2%

486人

2023年6月期

72.5%

27.5%

476人

Ⅲ.定着

a.定着率95%(退職率5%)

当社グループにおいて高い定着率は、「社員一同が生き生きと働く良質なエネルギーに満ちた場」のバロメーターと考えています。また、従業員満足度が向上し、長期的にその会社で働く意欲があることを示しています。定着するメリットを挙げると、一つ目は企業理念と価値観を共有し、蓄えられた技術と知識と経験は生産性と組織力を向上させます。二つ目は生産性と組織力による卓越した業務遂行能力で顧客満足度は向上します。三つ目は新たな人材を探すための時間と費用、そして新人教育研修にかかるコストを節約します。

そのためには誰もが成長できるマネジメントシステムと、様々なステージにいる従業員が活躍できる制度を目指していきます。当社グループでは2028年6月期までに定着率95%を掲げています。

○グループ定着率、勤続10年超社員数、勤続20年超社員数

年度

定着率

勤続10年超社員数

勤続20年超社員数

2020年6月期

89.7%

102人

14人

2021年6月期

91.4%

119人

18人

2022年6月期

88.3%

130人

21人

2023年6月期

89.7%

140人

23人

b.待遇・福利厚生の充実

当社の企業理念「還元:利益や喜びを共に生きる人たちと分かち合う」に基づき、待遇と福利厚生の充実は組織にとって多くのメリットをもたらします。特に長期的な視点に立った個人の財政的な課題や未来への不安から解放されることは、人材定着・採用と組織としてより高い生産性を実現させます。福利厚生については組織のコミュニケーションを推進する制度の充実、また組織として長期の個人資産形成(いわゆるファイナンシャル・ウェルビーイング)に向けた、セミナー開催などを計画していきます。

 当社グループでは毎期定期昇給とベースアップを合わせて3%以上の改善を実施していきます。また持株会は50%以上を目指していきます。

○グループ昇給率、ベースアップ実施有無、持株会加入率及び加入者数

年度

昇給率

ベースアップ

持株会

(加入率/加入者数)

2020年6月期

1.78%

21.4%/95人

2021年6月期

2.04%

23.3%/110人

2022年6月期

2.47%

24.7%/123人

2023年6月期

6.44%

28.1%/142人

※昇給率は基準賃金に対する割合を記載

c.多様性の推進

当社グループは既に多くの個性を持った社員の集団であり、個性ある社員一人ひとりの能力を最大限に引き出すことが多様性の推進だと考えています。そのメリットは異なる背景による多様な価値観、知識、経験、視点や意見を、組織全体の課題解決や新たなアイデアの創出に発展させ、競争力を強化するために重要だと考えます。そのためには多様な背景、ライフイベントに対応する制度と環境を整えていきます。

その一つの指標として女性管理職比率を2028年6月期までに20%を目指します。

○グループ女性管理職人数、管理職人数及び割合

年度

女性管理職

管理職人数

割合

2020年6月期

4人

66人

6.0%

2021年6月期

5人

76人

6.5%

2022年6月期

6人

79人

7.5%

2023年6月期

8人

82人

9.6%

 当社グループにおける女性の産休・育休からの復職率、外国人の雇用、障がい者雇用率はスキル・ノウハウ・経験の蓄積と、組織内の多様な視点による改善、有能な人材確保において重要な指標と捉えています。併せて男性の育休取得率は、社員のワークライフバランスを計る1つの指標と認識し、その環境を提供することで、従業員満足度向上と定着率向上を目指していきます。そのためには対象者及び管理職向けの適切な制度理解、運用のための勉強会、事例の紹介、相談窓口の設置等環境を整えていきます。

 当社グループでは2028年6月期までに女性育休復職率は100%、外国人比率は10%、男性育休取得率は90%、障がい者雇用率は5%を目指していきます。

○グループ女性育休復職率及び男性育休取得率

年度

女性産休・

育休復職率

外国人比率

男性育休取得率

障がい者雇用率

2020年6月期

100%

3.7%

0%

4.1%

2021年6月期

100%

4.1%

6%

4.3%

2022年6月期

80%

3.7%

17%

3.8%

2023年6月期

100%

4.0%

8%

4.1%

④GHG排出量削減への取り組み

 当社グループでは、TCFD提言に賛同し、適切な情報開示を進めています。また、2018年にRE100を宣言し、2020年には2050年までに当社グループで扱うスクラップや廃棄物の処理およびリサイクルを含む、すべての事業から排出されるGHG排出量実質ゼロを目指すことを決定しています。

 資源問題と気候変動問題は、個別の問題ではなく相互に密接に関連しており、地球規模の社会課題です。際限のない資源採掘や温室効果ガスの排出は、持続可能性を損なうものであり、私たちが共有している地球の資源と自然環境を未来に残すためにはその解決が望まれます。サプライチェーンの最後に位置する資源循環事業を担う当社グループは、この重要な社会課題の両方に事業を通じて取り組むことができる事業特性を有しており、まさに当社グループが果たすべき社会的責任であると考えています。

○Scope1、2排出量、基準年2018年6月期に対する削減率、使用電力の再生可能エネルギー比率

年度

Scope1、2

排出量

基準年に対する

削減率

使用電力

再エネ比率

2018年6月期

12,728t

0%

2023年6月期

6,356t

50%

87%

2028年6月期(目標)

4,731t

63%

2030年6月期(目標)

100%

2050年6月期(目標)

±0

100%

100%

Scope1については、技術進化の動向にあわせて、適宜電化等に切り替えを検討していきます。Scope2については、再生可能エネルギー電力の契約や太陽光発電設備の設置を検討しています。RE100の目標達成に向け、事業で使う電力を再生可能エネルギー100%にしていくことは今後も継続して推進していきます。

○Scope3排出量、基準年2023年6月期に対する削減率

年度

Scope3

排出量

基準年に対する

削減率

2023年6月期

443,808t

2028年6月期(目標)

388,332t

12.5%

 当社グループでは、これまでScope3の1~7のカテゴリーを部分的に集計しておりましたが、2023年6月期よりすべてのカテゴリーの把握を開始しました。本年度の集計結果を受け、今後、短中期目標を策定の上、より具体的な目標達成に向けた計画を立ててまいります。

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