企業エレコム東証プライム:6750】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中には、当社グループが有価証券報告書提出日に入手している情報のほか、それに基づき当社グループで判断した将来に関する予測・計画などの不確実な要素を含んでおります。したがって、今後の各種要因により、将来の事業活動の結果や将来に発生する事象が、文中に記載する予測・計画などとは異なる可能性があります。

 当社グループは、創業時から当然のことと考えてきた「社会との共生」をサステナビリティ経営の根底に据えております。

 企業と社会のいずれもが持続的に発展するために、当社グループとして、いかに事業を発展させながら社会課題を解決していけるのか、ありたい姿を見据えサステナビリティに取り組んでおります。2021年にサステナビリティレポート初版を発行したことにより、改めて自社を見直すきっかけとなり、本質的な課題を投げかけることとなりました。社会とともに継続的に発展するためにいま当社グループが取り組むべきことは、企業規模の変化に応じた「経営体制の強化」「人財・組織の育成強化」、そして「お客様の満足」。事業との連動性を踏まえた目標開示には至らず現状開示に留まるものの、取り組みを通して明確になる課題解決を徹底的に追求することを念頭に臨んでおります。

(1)ガバナンス

 当社グループでは、グループ全体に効果的なサステナビリティ活動を推進するために、エレコムの代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、外部有識者の助言も得た取り組み体制を整えております。2022年4月には、エレコムの代表取締役社長直下に専任部署としてサステナビリティ推進課を立ち上げて、現状理解とグループ全体で取り組めるよう体制を整えました。さらに2023年4月には経営企画部を新設し、その傘下で企業経営を支えるサステナビリティ活動を推進し、経営会議との連携も密にしてまいります。また、人的資本への取り組み強化を目指し、総務・人事・法務を担う総務部を人事総務部と名称を改めます。サステナビリティ経営推進のなかで明確になる課題解決に向け、よりよい体制整備に努めております。

 サステナビリティ委員会には、各社役員および事業組織代表者が参画し、事業活動との密接な連携を図っております。これにより、グループと社会の長期成長に向けて、事業機会・リスクの両面で経営および社会課題をより具体的に捉え、優先順位をつけ施策の立案・決定を行っております。この提案・決定内容を受け、各社事業組織は目標に向かって具体的に取り組みいたします。また、サステナビリティ委員会の主要活動については、取締役会へ定期的に報告・相談し、トップダウンだけではなくボトムアップでも状況を理解し、経営判断ができるよう連携しております。

 進捗管理や定例会議については、マテリアリティの月次進捗確認のほか、月1回程度のサステナビリティ委員会会議、およびその結果を必要に応じて取締役会へ連携できる体制を整えております。その他、社内外への定期取組報告を行い、啓蒙活動に努めております。

(2)リスク管理

 当社グループは、「リスクの低減」と「事業機会の創出」をESG/CSR取り組みの2大視点として、当社グループやステークホルダーの皆様にとって重要かつ関心の高い課題をマテリアリティとして特定し、取り組みを推進しております。マテリアリティは、年に1度、事業および社会環境の変化や社内外のステークホルダーからの評価やニーズを分析し、サステナビリティ委員会で事業組織とともにマテリアリティとKPIの見直しを行なっております。見直し評価結果や優先度などをまとめ、取締役会への報告経て確定し、マテリアリティ毎に担当執行役員を責任者として定め、確実な課題解決を図っております。なお、具体的に想定されるリスクについては、その重要性に応じて当該リスクを軽減する物理的な予防措置を講じるほか、当該リスクの発生に係る損害保険契約を締結する等、リスク発生時の経営に及ぼす影響を最小限に留める措置を講じております。加えて、サステナビリティ委員会での評価など、新たに想定されるリスクが発生した場合は、直ちにそのリスク管理について取締役会において協議し、必要な措置を講じてまいります。

(3)戦略

 事業の継続的成長や社会課題解決への取り組みを熟慮した結果、当社グループのマテリアリティを大きく以下の3本柱に定めております。

 ① 事業の継続性(経営体制の強化、人財・組織の育成)

 ② お客様の安全・満足

 ③ 環境対応

 今後サステナビリティ経営を深化させていくため、この3本柱に基礎マテリアリティを紐づけることで、まず我々が強化すべき土壌づくりに努めております。2023年3月期は、グループ会社での取り組みもより広げることができました。2024年3月期も引き続きこの3本柱に取り組み、企業としてあるべき姿の礎を強固にしてまいります。

 2024年度3月期には、公開を予定している中長期ビジョンや事業計画策定を受けて、非財務の取り組みを改めて見直すとともに、長期実行計画策定に進めてまいります。

(4)気候変動に対する情報開示

 当社グループは2022年4月に、気候変動に起因する金融市場の不安定化リスクの低減を目的としたTCFD提言への賛同を表明いたしました。気候変動が当社グループの持続的成長に大きな影響を及ぼす重要課題のひとつと位置づけ、提言に基づいた枠組みで取り組んでおります。気候変動が事業に与えるリスク・機会を分析し、経営戦略やリスクマネジメントに反映することにより、脱炭素社会と共に持続的成長を目指してまいります。

TCFD提言に基づく開示については、以下の当社ウェブサイトに掲載しております。

URL:https://www.elecom.co.jp/ir/society/

(5)人的資本に関する戦略・指標及び目標

①人材育成方針

 当社グループはイノベーションを創出し、個人の成長とともに会社の成長を生み出す企業を目指しております。そのためには社員一人ひとりが、自らの成長を感じ、視野の拡がりと心の豊かさを得ること、働き続けられる環境とその仕組み作りが必要です。

 現状、社員の成果・実績を最大限評価し、昇級・昇格につなげる制度を導入しております。加えて、本年は多様な人材が働きやすくチャレンジができる環境、および職務に応じた教育機会により知識とアイディアを蓄積できる環境を構築し、人材・組織の育成に努めてまいります。

 人材育成については、具体的には「計画的人材育成」「能力開発(支援)」「キャリア開発」という3つの領域で捉え、それぞれに「研修制度」「職場での指導(OJT)」「計画的なキャリアパス」「人事諸制度の整備」の視点を持って、包括的な人材育成を推進しております。また、2022年に湘南研修所を購入することにより、研修施設を充実させました。100名以上が個室宿泊可能な大規模研修所を獲得したことにより、長期間の合宿型研修が可能となり、業務から離れて効率的且つ集中した研修を実施して、チームビルディング能力を構築してまいります。特に入社5年目までの社員に対する研修や、営業・開発部門の能力開発研修に加え、管理職層に対する研修についても拡充し、イノベーションの創出に貢献する人材、経営幹部人材の育成等を目指して、社員一人ひとりの成長を支援してまいります。

 [当社グループ(※)における研修費用]                      (単位:千円)

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

年間研修費用

57,610

59,638

112,451

※エレコム㈱、ロジテックINAソリューションズ㈱、ハギワラソリューションズ㈱、DXアンテナ㈱、エレコムサポート&サービス㈱、エレコムヘルスケア㈱、㈱フォースメディアの合計

②社内環境整備方針

 当社グループは、多様な価値観を持つ社員が融合していく「多様な個を活かす働き方の実現」を通して、社員1人ひとりが能力を最大限発揮できるよう、働き方改革を進めております。

 具体的には、ドレスコードフリーの推進、大阪本社のスマートオフィス化、テレワーク制度の整備やシフト勤務の柔軟化による従前の勤務形態および制度の改革を実施しました。また、育児・介護・病気等への支援、加えて副業の一部解禁などの施策を実施し、社員のワークライフバランスの実現をサポートしております。また、当社グループは、この社会課題に対して、時間や場所にとらわれないワークスタイルをかなえるさまざまな製品・技術の提供も行っております。

[当社グループにおける育児制度利用状況]

 

性別

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

育児休業制度

利用開始者数(名)

男性

1

4

2

3

12

女性

13

18

28

26

30

育児短時間勤務制度利用者数(名)

男性

1

0

0

1

1

女性

18

21

33

39

57

育児休業からの

復職率

男性

-

100.0%

100.0%

100.0%

100.0%

女性

90.9%

94.7%

88.2%

100.0%

93.9%

育児休業からの

定着率

男性

-

-

100.0%

100.0%

100.0%

女性

92.9%

87.5%

100.0%

100.0%

94.4%

※1 復職率=当連結会計年度の育児休業からの復職者数÷当連結会計年度の育児休業からの復職予定者数×100

※2 定着率=前連結会計年度の育児休業からの復職者のうち、当連結会計年度3月末時点で在籍している社員数÷前連結会計年度の育児休業からの復職者数×100

③ダイバーシティに関する方針

 企業の成長の為には多様な視点を持つ多様な従業員の活躍が不可欠であると認識したうえで、特に女性活躍推進にターゲットを置き、エレコム単体にて2028年3月期までに、女性管理職(※1)比率10%、女性監督職(※2)比率20%の目標を掲げております。

 以下の通り、女性監督職については目標達成を視野に入れた登用が進んでおりますが、女性管理職比率はまだ道半ばの状態です。社員の意識を高めるために、女性管理職及び管理職候補である女性監督職を対象として、社長を含む経営陣によるキャリアフォーラム等を開催し、そこで深堀りされた課題に対する施策を検討することで、2024年3月期は女性管理職比率向上にも努めてまいります。

 また、上記のテレワーク制度やシフト勤務に加え、特に育児については、最長3歳年度末までの育児休業延長制度や、最長小学校6年生を修了するまでの育児の為の時間短縮勤務制度など、柔軟な働き方を可能にする支援策を講じることで、多様な社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる組織づくりに取り組んでおります。

※1:非営業部門においては課長以上、営業部門においては支店長以上で年俸制を導入している従業員

※2:非営業部門においてはチームリーダー、営業部門においては営業課長

[提出会社における管理職の男女別推移]

性別

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

男性

55

72

75

79

87

女性

0

0

0

0

2

合計

55

72

75

79

89

女性管理職

比率

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

2.2%

※2023年4月1日現在、管理職数は男性97名、女性2名と合計99名。女性管理職比率は2.0%となっております。

[提出会社における監督職の男女別推移]

性別

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

男性

99

107

109

104

101

女性

3

4

5

7

13

合計

102

111

114

111

114

女性監督職比率

2.9%

3.6%

4.4%

6.3%

11.4%

※2023年4月1日現在、監督職数は男性100名、女性15名と合計115名。女性監督職比率は13.0%となっております。

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