企業エイチーム東証プライム:3662】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示してまいります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針であります。

 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

(1)事業環境に関するリスク

① IT市場の外部環境

 当社グループの事業領域であるモバイルゲーム市場、インターネット市場及びEC市場はスマートフォンの普及、インターネット利用者の増加により高度な成長を続けてまいりました。しかしながら、今後、市場規模の縮小や景況感の悪化、実際の景気変動の影響等を受けた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループのEC事業においては、急激な原油高や原材料の供給不足等が起因となり原材料価格が高騰した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 競合について

 当社グループは、インターネットを使った様々なコンテンツやサービスを提供しております。競争力向上のため、特色あるコンテンツの提供や最適なユーザビリティを追求したインターネットサイトの構築に努め、サービスの多様化、カスタマーサポートの充実等に取り組んでおります。

 しかしながら、類似サービスを提供する企業や新規参入者との競合が激化することにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 災害・感染症の拡大・事故等に関するリスク

 地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、国際紛争、または新型コロナウイルス感染症を含む伝染病の拡大等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。当社グループのサービス展開地域において大規模な自然災害等が発生した場合には、止むを得ずサービスの提供を一時的に停止する可能性があります。また設備の損壊や電力供給の制限等、事業継続に支障をきたす事象が発生した場合、各種災害や国際紛争等による物的・人的損害が甚大である場合には事業の継続自体が困難または不可能となる可能性があります。このような事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)事業に関するリスク

① 売掛金の回収について

 当社グループは事業・サービスの展開において様々な事業者と取引を行っております。それらの事業者はそれぞれがおかれる市場環境・競合の状況等により、事業戦略の見直し、撤退や他社との事業統合等の経営判断を行う可能性があります。そのため、当社グループは安定的且つ健全な事業運営を継続できる事業者とパートナーシップを組むよう努めておりますが、今後、上記の理由等により事業者の事業継続に支障が生じた場合等には当該事業者にかかわる売上代金の回収遅延、回収不能が生じるおそれがあります。このような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 為替による影響について

 当社グループのエンターテインメント事業では、一部において海外向けのアプリケーションを配信専用のプラットフォームや海外現地のパブリッシャーを介して海外の利用者にコンテンツを提供しており、コンテンツ内で販売したアイテム等の売上は海外のプラットフォーム運営事業者を通じて現地の通貨にて回収されます。

③ 商品の品質管理について

 当社グループではEC事業を中心に複数の商品をオンラインで販売しております。当社グループで取り扱う商品の生産に関しましては、高品質な商品の製造、原材料の調達が可能であるなど、信頼性のある取引先の選定を行っております。また、取引先との連携を深め、必要に応じて自ら製造工場に立会検査を行う等、品質管理の徹底を図り、社員教育、法令遵守に向けた啓発等を行っております。

 しかしながら、販売している商品の使用に起因して、お客様の健康等に悪影響が発生する可能性があります。また、将来的に、当社グループのEC事業等に関連する法令の新設、社会情勢の変化があった場合にも、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

④ 投資育成及びM&A(企業買収等)について

 当社グループは、高い成長力を持つ企業を早期から育成・支援することを目的にベンチャー投資及び投資事業有限責任組合(ファンド)への出資を行っております。当該出資等が対象とする未公開企業は、市場環境の変化並びに開発能力、経営管理能力の不足等、将来性に対する不確定要素を抱えており、これら不確定要素の現出により期待した成果を上げることができず業績が低迷、悪化した場合には、これらの投資が回収できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、投資育成に加え、事業の成長及び拡大を目指すため、M&Aも実施する方針です。M&Aにあたっては、その対象企業について事前に財務内容等の審査に努め、リスクを検討したうえで進めてまいりますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等事前の調査で把握できなかった問題が生じる場合やM&A後の事業展開が計画通りに進まない場合には、当社グループの業績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。

(3)組織体制に関するリスク

① 特定経営者への依存について

 当社代表取締役社長、林高生氏は当社グループの創業者であり、また、技術者としての豊富な経験を有していることから、当社グループの設立以来成長を支え、経営戦略等多岐にわたり極めて重要な役割を果たしております。当社グループは、同氏に過度に依存しない経営体制の構築に努めておりますが、何らかの理由により、同氏が経営に参画できなくなった場合、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

② 内部管理体制について

 当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るにはコーポレートガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。そのため、事業規模の拡大に合わせて経営基盤の強化を継続的に進めていくとともに、より効率的且つ適正な経営を行うため、内部管理体制の整備・充実を推進していく方針であります。

 しかしながら、事業の急速な拡大に対して、十分な内部管理体制の構築が追い付かない場合、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

③ 人材の確保、育成について

 当社グループにおいて、今後事業拡大や企業運営を円滑に遂行していくうえで、優秀な人材を確保することが極めて重要であります。しかしながら、必要な人材を適時適切に確保できない場合、または社内の有能な人材が流出した場合には、経常的な業務運営や事業展開に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)コンプライアンスに関するリスク

① 法的規制について

 当社グループの運営事業領域に適用される主な法規則として、「不当景品類及び不当表示防止法」、「個人情報の保護に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「資金決済に関する法律」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等があります。

 このような法令の制定や改正、監督官庁による行政処分、新たな規制の策定または改定等により、当社グループが提供するコンテンツやサービスが制約を受ける可能性があります。その場合、当社グループの事業、業績及び企業イメージに影響を及ぼす可能性があります。

② 知的財産権について

 当社グループは、運営する事業に関する知的財産権の保護に努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払っております。また、当社グループが提供するサービスにおいて、当社グループが所有する知的財産権を第三者に使用許諾する場合や、第三者の所有する知的財産権の使用許諾を受ける場合があり、その場合は使用許諾契約の締結等により適切な管理を行っております。

 しかしながら、知的財産権の範囲や契約条件の解釈の齟齬等により、認識外で第三者の知的財産権を侵害した場合、当社グループは第三者から知的財産権侵害の訴訟、使用差止請求等を受ける可能性があります。その結果、解決に多額の費用と時間がかかり、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

③ 個人情報の管理について

 当社グループは、提供するサービスやコンテンツの利用者の個人情報を取得する場合があります。個人情報の外部漏洩・改ざん等の防止のため、個人情報の取扱いに際し業務フローや権限体制を徹底し、「個人情報の保護に関する法律」に従い厳正な管理を行っております。

 しかしながら、コンピューターウィルス、不正侵入や故意または過失の事態により、個人情報の漏洩や不正使用等のトラブルが発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループに対する信頼損失及び企業イメージの悪化等により、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

④ サービスの安全性及び健全性について

 当社グループが提供するサービスコンテンツは、不特定多数の個人利用者が、利用者間において独自にコミュニケーションを取ることができます。青少年保護、健全性維持・向上のため、利用規約において不適切な利用の禁止を明示し、モニタリングを常時行い、規約違反者に対しては、改善の要請や退会の措置を講じる等の対応を行うことで、サービスの安全性及び健全性の確保に努めております。しかしながら、コンテンツ利用者が急速に拡大し、利用者のコンテンツ内における行為を完全に把握することが困難となり、利用者の不適切な行為に起因するトラブルが生じた場合には、利用規約の内容にかかわらず、当社グループが法的責任を問われる可能性があります。また、法的責任を問われない場合においても、コンテンツのブランドイメージの悪化等により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 訴訟等について

 当社グループは、法令遵守を基本としたコンプライアンスの推進により、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、当社グループの役員、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、利用者、取引先、その他第三者との不測のトラブル、訴訟等の発生及び上記知的財産権、個人情報、サービスの安全性及び健全性についても訴訟のリスクがあるものと考えております。

 かかる訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、多大な訴訟対応費用の発生や企業イメージの悪化により、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

(5)情報セキュリティに関するリスク

① コンピューターシステムや通信ネットワークについて

 当社グループの事業は、モバイル端末やPC等のコンピューターシステムを結ぶ通信ネットワークにより、利用者にサービスを提供しております。システムの安定的な稼働を図るためにサーバーの分散化・定期的バックアップ・稼働状況の監視等により、システムトラブルの未然防止または回避に努めております。しかしながら、不測の事故(社内外の人的要因によるものを含む)等により通信ネットワークの切断や支障が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの運営する各サイト等へのアクセスの急激な増加によるサーバーの過負荷や電力供給の停止等不測の様々な要因によって、システムが作動不能に陥った場合、サービスが停止する可能性があります。この結果、当社グループの業績及びサービスのブランドイメージに影響を及ぼす可能性があります。

② サイバーセキュリティ

 サイバー攻撃は、当社グループの事業継続に重大なリスクをもたらす可能性があります。システムの不具合や外部からの不正アクセスは、業務停止や顧客データの漏洩、金銭的な損失に繋がりかねません。特に、近年ではサイバー攻撃の手法が高度化・巧妙化しており、標的型攻撃やランサムウェアなど、企業にとって深刻な脅威となっています。

 当社グループは、IDaaS(Identity as a Service)を導入しており、多要素認証によるなりすましの抑制や、セキュリティポリシーに沿ったアイデンティティ管理の運用を徹底しております。また、ゼロトラストモデルのコンセプトに基づいてEDR(Endpoint Detection and Response)やSSE(Security Service Edge)などのセキュリティ製品を導入し多岐にわたる対策を講じております。しかしながら、これらの対策を講じても、サイバー攻撃のリスクを完全に排除することはできません。

 万が一、重大なサイバー攻撃が発生した場合、復旧までに時間を要し、事業活動が停止する可能性があります。また、顧客情報や企業秘密の漏洩は、社会的信用を失墜させ、当社グループの業績に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

③ 情報セキュリティ体制

 情報セキュリティインシデント発生時の対応が不十分な場合、当社の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があり、当社は情報セキュリティ体制の強化に継続的に取り組んでおります。具体的には、エイチームCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置して、グループ全体へのサイバーセキュリティに関するガバナンス強化やサイバー攻撃に対応する包括的・多面的なシステム運用体制の構築を行っております。また、全社員を対象にしたセキュリティ教育の実施やセキュリティ担当者向けにセキュリティインシデント演習などの教育にも力を入れております。

 しかしながら、情報セキュリティリスクは完全に排除できるものではなく、システムの脆弱性や人的ミスによる情報漏洩、不正アクセスなどのリスクは依然として存在します。

 当社は、これらのリスクを認識し、セキュリティ対策の更なる強化に取り組んでまいります。万が一、情報セキュリティ上の重大な事故が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

④ IT投資

IT投資は、企業の競争力強化や業務効率化に不可欠な要素ですが、同時に様々なリスクを伴います。多額の投資が必要となるため、投資に見合った効果が得られない、あるいは期待した効果が得られるまでに時間を要する可能性があります。また、IT技術は急速に進歩するため、継続的なシステム更新や追加投資が必要となることも考えられます。

 当社グループは、IT投資のリスクを十分に認識し、投資効果を最大化するための取組を行っております。具体的には、IT投資計画の精査、システム導入前の綿密な評価など、様々な対策を講じております。しかしながら、導入時のトラブル、システム障害が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(6)その他のリスク

① のれんの減損に関するリスク

 当社グループは当連結会計年度末時点で、転職メディア「CAREER PICKS」を運営する株式会社リンクス(現 株式会社エイチームライフデザイン)ののれん108百万円、「microCMS」を運営する株式会社microCMSののれん1,488百万円を計上しております。被買収企業及び当社グループが持つデジタルマーケティングの強みを掛け合わせたことにより、買収時と比較して大きく事業成長している状況であり、減損の兆候はないと判断しております。

 今後、当社グループが必要に応じてM&Aを実施する際には、対象企業の財務内容や将来の収益性等に関して事前精査を十分に行いますが、市場環境の急激な変化等により買収時の収益計画と著しい乖離が生じた場合には、のれんの減損処理を行う可能性があり、当該のれんの減損処理が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

② 新株予約権行使による株式価値希薄化に関するリスク

 当社とAASC II P, L.P.との引受契約に基づく新株予約権及び無担保転換社債型新株予約権付社債については、2029年6月26日までの期間に複数回に渡る段階的な行使が予想されるため、希薄化が即時に生じる新株式の発行とは異なり、当社株式の株式市場への供給が一時的に過剰となる事態が回避されやすいと考えられ、既存株主の利益への影響を一定程度抑えることができると考えております。なお、本新株予約権及び本新株予約権付社債の目的である当社普通株式数は、調整がなされる場合を除いて、7,776,000株で固定されており、株価動向にかかわらず、最大交付株式数が限定されているため、希薄化率が当初予定より増加することはありません。

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