エアークローゼット 【東証グロース:9557】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
サステナビリティに関する基本的な考え方として、当社では、今日事業者に求められているサステナビリティ(持続可能性)の観点は企業経営における目的ではなく、事業と組織を運営する上で当然に考慮されるべき事項であり、事業に関連する全ての部門、全てのプロジェクトがサステナビリティの観点を持って企画・推進されるべきであると考えております。
(1)ガバナンス
ガバナンスとは適切かつ継続的に運用される企業統治の仕組みのことであり、このガバナンスを有効に機能させるために最も重要な点を、当社では特に担当するチームの組成に見出しています。
そのため、経営上で特に重要な課題については、代表取締役社長兼CEOを中心としたプロジェクトチームを組成し、事業/組織両面でのサステナビリティ向上に関する方針を策定のうえ、必要に応じて取締役会にて課題管理・進捗報告を行うこととしています。
(2)戦略
サステナビリティの向上に対する論点は、SDGsに包摂される地球規模の環境問題や労働問題から、それらを解決するための要素技術の開発や利活用に至るまで多岐にわたります。当社は、日本国内で事業活動を営む株式会社として、これらの議論に関し、短期、中期及び長期の様々なアプローチを講じるべきであると考えております。具体的には、当社は、「“ワクワク”が空気のようにあたりまえになる世界へ」をビジョンに掲げ、事業や組織に関わるすべてのステークホルダーの時間価値を向上させ、継続的な人類社会の発展に寄与することを目指しております。
さらに、創業当初よりシェアリングの概念が持続可能な経済社会の創造に結びつくことを信念とし、サービス開発および循環型物流プラットフォームの構築を通したサーキュラーエコノミーの実現を推進してまいりました。
この長期的なビジョンの実現に向け、当社では「事業のサステナビリティ」と「組織のサステナビリティ」の2軸に分けて課題を設定し、短期及び中期的な取り組みとして目下、その改善・解決に取り組んでおります。
① 事業のサステナビリティ向上における重要課題と取組み
当社の事業においては、「当社のサービス提供に伴う環境負荷指数の見える化と改善」を重要課題として設定しております。これは、当社のサービスが従来型の事業に比べて定量的かつ現実的にどの程度環境負荷の軽減に効果があるかを確認することで、事業の開発方針をより具体的なものにし、サステナビリティ向上の実現をより確実なものとすることを目的としています。
その取り組みの一つとして、当社は創業以来、サービスで取り扱う「お洋服の廃棄量削減」を行っております。この結果、「お洋服として活躍できるものはそのままお洋服として最大限活用する」という考え方の下、自社で取り扱う全てのお洋服を焼却・埋め立て処分せずにリユース・リセール・リサイクルする、「衣服廃棄ゼロ」の仕組みを2022年2月に実現いたしました。
また、もう一つの取り組みとして、サービス提供に伴う「CO2排出削減・廃棄物排出抑制」を掲げ、環境省による「令和4年度デジタル技術を活用した脱炭素型資源循環ビジネスの効果実証事業」に参画し、ファッションレンタルサービスとしての当社事業のモデルによって創出される脱炭素・資源循環効果が従来の販売モデルに対し「CO2排出削減効果19%」、「廃棄物排出抑制効果27%」と推計されたことを2023年5月に公表いたしました。さらに、経済産業省が主催する「第5回成長志向型の資源自律経済デザイン研究会」にも先行事業者として参加し、自社内による取組みはもちろん、その知見やデータ等を社会全体に活かしていけるよう活動を続けております。
今後もサービス提供に伴う環境負荷指数の見える化と改善に取組み、その取組み内容および結果を積極的に公表していく方針です。
② 組織のサステナビリティ向上における重要課題と取組み
当社の人的資本に関する組織戦略においては、「企業と個人の成長と多様性の両立」を重要課題として設定しております。これは、環境変化が激しく不確実性を伴う市場において、これまでなかったサービスを開発していく当社にあって、従業員の能力開発とその多様性の確保が、当社自体の継続的な成長に直結するものであるとの理念に基づく課題設定です。
その取り組みの一つとして、成長企業として「高い成長を目指す当社に対するエンゲージメント指数」に注目し、創業初期の2016年9月より従業員のエンゲージメント調査(リンクアンドモチベーション社のモチベーションクラウドを利用)を半年に一度のペースで継続的に実施し、組織における従業員の活動意欲や当事者意識の見える化とそれらの改善に取り組んでまいりました。最新のエンゲージメント調査は2023年5月に実施し、11段階ある評価枠組みの最上位であるレーティングAAAを取得しています。また同調査にて計測されたモチベーションスコア73.5は、同調査に参加する全8,000社以上の企業の中でも最高レベルの成績となっています。
また、もう一つの取り組みとして「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」を掲げ、従業員一人一人のライフスタイルに寄り添うことのできる組織を目指し、様々な取組みを進めています。当社は平均年齢31.2歳、女性従業員比率60%、女性管理職比率23%であり、多くの女性が働く成長企業です。その中で、女性が活躍できる社会の実現を目指し、母親となる女性だけでなく、男性の育休取得が推進されることが肝要であると考え、2021年9月には株式会社ワーク・ライフバランスが唱道する「男性育休100%宣言」への賛同を公表し、男性の育児休業取得率100%を目指しております。
現在の当社の男性育休取得率は50%、男性育児支援シフト勤務利用経験者率は33%であり、今後も各家庭の事情や従業員個人の気持ちが汲み取られ、その希望する働き方が実現される組織となれるよう、様々なアクションを実施していきます。加えて、当社の従業員における外国人比率は8%であり、多様な人種・多様な文化を前提とした組織づくりも推進しております。
今後も「企業と個人の成長と多様性の両立」に務め、その取組み内容および結果を積極的に公表していく方針です。
(3)リスク管理
当社において、サステナビリティ領域における全社的なリスク管理は、リスク・コンプライアンス委員会にて、その他の重要な経営リスクと合わせて把握・管理を行っております。これは、企業経営においてサステナビリティに関するリスク管理を重要なものとして捉え、社内を横断的に活動するリスク・コンプライアンス委員会において包括的に管理することが有効であるとの考えに基づきます。その上で、(1)ガバナンス記載の通り、サステナビリティ領域において特に重要な課題については、代表取締役社長兼CEOを中心として組成したプロジェクトチームが対応策の立案を担当しています。またその活動状況は、プロジェクトチームの中で詳細な検討を行い、当社に与える財務的影響、当社の活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえて、取締役会にて報告を行っていきます。
(4)指標及び目標
当社では、社内のサステナビリティ関連リスクの発生状況の把握や対応策の検討を(3)リスク管理記載の通りリスク・コンプライアンス委員会の活動によって引き続き実施してまいります。また、(2)戦略において記載したサステナビリティの向上機会につながる目標も同時に追求してまいります。短期的には、上述した脱炭素・資源循環効果の推定値やエンゲージメント指数に関する本資料による開示が一つの取り組みとなりますが、より中期的には事業のサステナビリティ向上における取り組みである「当社のサービス提供に伴う環境負荷指数の見える化と改善」と組織のサステナビリティ向上における重要課題である「企業と個人の成長と多様性の両立」に関する指標を今後どのように開示していくのかについて、2024年6月期中にその具体的な方針の設定を行うことを計画しております。
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