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企業概要

 当社グループでは、民間の気象情報会社として「船乗りの命を守りたい。地球の未来も守りたい。」という夢を掲げ、気象が水、電気、交通、通信に続く第5の公共資産=公共インフラであるという考えのもと、世界中のあらゆる企業、個人の生命、財産に対するリスクを軽減し、ソリューションの提供などを通じた顧客の事業の効率化・最適化の機会の増大を実現する気象サービスを目指しています。研究開発活動においては、革新的な気象サービスを実現する技術及びインフラの構築に注力しています。また、技術的な側面にとどまらず、事業の立ち上げを視野に入れ、市場創造を実現する体制の構築にも取り組んでいます。当社グループではData, Forecast, Community の3つのValueに基づいて価値創造を進めて参ります。それぞれに関連する主な研究開発活動は以下の通りです。

<Data>

 新型気象IoTセンサー「ソラテナPro」をオムロン株式会社と共同開発しました。「ソラテナPro」はオムロン社のセンシング技術により、気温・湿度・気圧・雨量・風向・風速・照度の7要素を1分毎に高精度に観測できるセンサーです。特に雨量50mm/h、風速50m/sの大雨・強風まで観測可能で、災害リスク検知に有用です。観測データは当社のお天気アプリ「ウェザーニュース」と連携し、アプリ上で閲覧可能です。また、APIを通じて企業のシステムに組み込むことも可能です。本製品により、様々な業界で気象データを活用した安全対策や生産性向上が期待されます。

<Forecast>

 当社は当事業年度においても継続して日本財団の無人運航船プロジェクトに参加しています。第1ステージではAIによる最適航路自動推奨システムを開発し、今回の第2ステージでは航海中のみならず到着後の荷役中の気象影響まで考慮した、無人運航船のための気象リスクマネジメントインフラの構築を担当しています。2025年の無人運航船の実用化に向け、技術開発に取り組んで参ります。

「ウェザーニュース for business」では5mメッシュの高解像度で風を予測する「超高解像度モデル」の提供を開始しました。このモデルは、建物や周辺環境の3次元データを入力し、複雑な市街地の風の流れを1時間ごとに34時間先まで予測します。予測する高さは地上付近から上空150mまで選択でき、建設作業や不動産管理、屋外イベント開催時の安全対策に役立てることができます。

 また、継続的な予報精度改善の取り組みを行った結果、第三者機関が行った天気予報の精度に関する調査において、日本国内の主要な天気予報5サービスの中で昨年に引き続き予報精度(適中率)No.1を獲得しています。

<Community>

 ドローンポートを用いた医薬品授受管理の実証を実施しました。ドローンポートは、ドローンの安全運航に加え、配送物の安全かつ確実な授受と、授受管理の省人化による利便性向上を実現するために必要とされています。本実証では、IHI運搬機械社製のドローンポートとACSL社製のドローン機体が使用されました。ドローンポートのサイズや、ドローンポートとドローン間のシステム連携、高精度な着陸やより多くのペイロードを運搬できるドローンなどの課題・ニーズを把握しました。今後は、これらの課題への対応策を検討し、安全運航体制やビジネスモデルの確立を目指します。

 なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は402百万円であります。

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