ウイルテック 【東証スタンダード:7087】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営理念、グループスローガン及び経営方針
① 経営理念
当社グループは、以下の文章をグループ経営理念として掲げております。
私たちは「人との出会い」を大切にし、
共に過ごす時間の中で、共に学び、共に成長しながら
豊かな社会の創造に邁進し、
「笑顔が溢れる社会づくり」に貢献する。
② グループスローガン
当社グループは「Rise for it」というグループスローガンの下、これまで主として製造請負・製造派遣事業、技術者派遣事業といったモノづくりに関わる労働サービスの提供を行い、また、ITサポート事業、受託製造事業、電子部品卸売業、修理サービス事業といったメーカー等の顧客支援事業へも進出してきました。
このグループスローガンには、人々の毎日がより豊かなものとなるように、”モノづくりを支援する会社”として地球環境、お客様、従業員など、さまざまな「it」を向上させられる存在でありたいという思いが込められております。
③ 経営方針
当社グループは、以下の文章をグループ経営方針として掲げております。
千変万化
私たちは変化し続ける社会環境に対して
常に新たな挑戦を行い、お客様に感動を与える事を
使命として活動し続ける
(2) 経営戦略
当社グループは、2022年3月期から2025年3月期までの4か年を計画期間とする以下の中期経営計画を策定し、その実現と新たな企業価値創造に取り組んでおります。
『2022-2025中期経営計画』
① 基本方針
「事業規模の拡大」「新たな技術の取り込み」「高付加価値化による収益性向上」「成長を支える財務戦略」
② 成長戦略
1.効率的な営業拠点の拡大
既存拠点の機能をコンパクト化しつつ拠点統合を進めるとともに、グループ拠点を相互活用しながら効率的に未進出エリア、戦略的エリアに対しエリア拡大を推進。
2.スマートものづくりの推進
賃借型工場による汎用性のある生産体制提案やロボット導入による自動化オペレーション提案など、市場や顧客ニーズに臨機応変に対応できるものづくり体制を推進。
3.サービス事業の拡大
修理サービス事業で培ってきたノウハウを活かし、今後ますますニーズが高まるエネルギー周辺事業やリサイクル関連事業をターゲットとして事業拡大を目指す。
4.高度人財教育の拡充
企業ОBによる実践的な教育を強化するとともに、これらの教育ノウハウをコンテンツ化し、一般企業に対し教育受託サービスとして展開。
5.ASEAN地域での人財DBの拡充
海外現地での有力大学や教育機関との提携を進め、日本語及び日本文化教育を展開するとともに、日本での就職を希望する海外人材と日本企業を繋ぐサイト運営を推進。
6.M&Aの活用・推進
当社グループが保有する技術・ノウハウが活かせる新領域に進出することで各領域でのシナジーを創出し、事業ポートフォリオの整備を進めながら事業価値の向上を図る。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、『2022-2025中期経営計画』の実行期間を「確立した事業ポートフォリオの強化・拡張により成長を加速」させる期間と捉え、2025年3月末で売上高600億円、EBITDA40億円を目標としております。また、高付加価値サービスの提供とともに業務の効率化を図り、高収益な経営体制を確立すべく、売上高経常利益率の改善を経営上の重要課題として捉えております。
(4) 経営環境
日本の製造業においては、経済安全保障の観点などからサプライチェーンの再構築の必要性が検討されるなか、為替の円安基調も後押しするかたちで製造拠点の国内回帰が一層加速することが見込まれております。一方で、原材料やエネルギー価格をはじめとした物価の上昇などもあり、積極的な設備投資は大手製造業や半導体関連など一部の分野を中心に進められ、中小規模の製造業にとっては人材確保の課題もあり、新たな設備投資に慎重な企業も多く見受けられます。こうした市場環境のなか、ファブレス化を目指すメーカーも増加しており、人材投資は設計開発などの上流工程に集中し、製造工程は外部に委託することで電子機器受託製造(EMS)事業の需要拡大が予測されます。
また、建設業については、2024年4月から「働き方改革関連法」が建設業にも適用され、残業時間の上限規制により人材不足が一層深刻化し、IT業界についても開発の上流工程を担うプロジェクトマネージャークラスのエンジニアが慢性的に不足しており、いずれの業界においても一部でプロジェクトの遅延や延期が発生する状況となっております。
今後、日本の労働人口減少で全ての産業で人材不足が最重要課題となることが確実視されるなか、それを補う技術的イノベーションや産業構造の変化が予想されます。当社グループにおいては、これら産業構造の変化や市場ニーズの変化に対応しうる事業ポートフォリオの再構築を進め、高需要・新領域分野に向けた人材育成に努めることで、新市場および新規顧客の開拓に努めてまいります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 人材の確保と育成
少子高齢化による労働力不足が常態化するなかで、人材の恒常的な確保が求められる一方、ロボットや生成AIといった新たな技術が飛躍的に進歩し、社会の様々な場面で実用化が進んでまいりました。当社グループが事業を展開する製造業、建設業及びIT業においても、こうした技術革新や最新の動向にも迅速に対応できる人材の確保・育成が求められております。
このような市場環境に対応すべく、当社グループでは、『十分な人材の確保』と『新たなニーズに対応できる人材育成』を重要課題と認識しております。
人材の確保については、「海外人材の活躍推進」を掲げ、長きにわたって、海外人材の採用に関するノウハウを築いてまいりました。最近では、ASEAN諸国を中心に現地の理系大学との間で、日本語教育等に関する連携協定を結び、エンジニアを目指す学生に対して、語学教育だけでなく日本文化や生活習慣を学ぶ機会を提供するなど、海外の優秀な人材を獲得するためのネットワークを構築しております。
人材育成については、「未経験からのエンジニア育成」に注力し、今後の需要が期待される分野を中心に研修コンテンツの充実化を図っております。特に近年では様々な場面でロボットが活用されており、当社グループにおいても、成長戦略である「スマートものづくり」を推進すべく、ロボットエンジニアの育成に集中的に取り組んでまいります。
グループ各社が試行錯誤と企業努力のうえ培ってきた多種多様のノウハウを集結することでシナジーを発揮し、当社グループの“強み”となる人材を育成することにより、持続可能な成長と更なる企業価値の向上を目指してまいります。
② 事業ポートフォリオ戦略
2024年3月期の連結業績において、当社グループの中核事業である〈製造請負・製造派遣事業〉の連結売上高構成比は36.8%となります。リーマンショックの影響を大きく受けた2008年当時は、当事業の売上高構成比は約92%もあり、その後国内の製造拠点が海外に移転したことで、長期にわたって業績を下げる要因となりました。
そこで、『モノを作る技術を直す技術に』を合言葉にアフターサービス事業を開始し、新規事業への挑戦やM&Aへの投資を精力的に継続することで事業ポートフォリオの再構築に注力してまいりました。現在のウイルテックグループは、〈製造請負・製造派遣事業〉に加え、製造業、建設業、IT業において高付加価値技術を提供する〈エンジニア派遣事業〉やホタルクス社を含めた〈EMS事業〉が第二・第三の柱事業として成長してきたことで、相互に補完しあいながらシナジー効果が生まれやすい事業体制が整ってまいりました。
企業成長の源泉となる「売上の拡大」を図りつつ、今後は特に「稼ぐ力」にこだわり、ロボット関連事業や海外人材関連事業といった、市場成長性・収益性の高い事業に投資を集中し、さらなる競争力強化と収益力向上に努めてまいります。
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