インテリジェント ウェイブ 【東証プライム:4847】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
(注) 文中の将来に関する事項は、2023年6月期末現在において当社が判断したものです。
当社は、ESG課題への取り組みの成果が、当社事業の持続可能性(サステナビリティ)を高め、企業価値を高めるものと考え、年々活動の幅を広げ、進化させています。
当社は、現在発表の3カ年の中期事業計画に沿って、事業基盤の強化・拡大を進め、人財基盤と共創基盤の確立に取り組んでいます。具体的には、「働きやすさ」と「働きがい」を追求し、自分らしさが活かせる働き方の実現や社員が新しいことに挑戦し、会社と自らが成長していくための自律的な行動を支える環境づくり、年齢、出身、国籍など多様な背景を持つ社員一人ひとりを尊重する組織文化の醸成に努めています。また、社内外のステークホルダーとの共創という観点から、対話の活性化による有機的な組織連携を推進し、社員間の共創及び様々な社会問題に対してのESGへの取り組みを実施しています。
(1)マテリアリティ
当社は、事業の信頼性を高め、持続可能な社会に貢献することを目指しています。
そのために取り組むマテリアリティ(重要課題)を「環境にやさしい持続可能な未来社会を創る」「自分らしく輝ける未来社会を創る」「イノベーションを通じ、安全で豊かな未来社会を創る」「社会からの信頼を高めるリスク管理とガバナンス」と特定し、それぞれの重要テーマと目標及び行動計画を2023年4月に定めました。
(2)サステナビリティ全般に関するガバナンス
当社は、2021年4月にサステナビリティ委員会を設置しました。代表取締役社長 佐藤邦光を委員長とし、常勤取締役、執行役員から構成されています。
サステナビリティ委員会は、当社の企業行動基準が掲げる「社会への貢献」「良い企業風土の構築」「人権の尊重」「多様性の尊重」「健康経営の推進」「地球環境への配慮」その他の実践に係る方針を定め、全社的な活動推進の継続性を確保するための基幹的な組織として活動しています。
当委員会は四半期に一回の頻度で開催され、気候変動関連課題を含むサステナビリティ課題についてのリスクや機会の特定、評価、対応の進捗などについて討議し、その内容は取締役会へ報告されます。サステナビリティ委員会より報告された事項のうち、重要な意思決定事項については、取締役会でさらなる議論を行い、審議・決議を行います。
(3)サステナビリティ全般に関するリスク管理
気候変動をはじめとしたサステナビリティに関するリスクは、サステナビリティ委員会で特定、評価されます。その中で重要と判断されたリスクは取締役会へ報告され気候変動以外の全社的なリスクと統合、再評価が行われ最終的な対応が審議、決定されます。決定された気候変動課題をはじめとしたサステナビリティへの対応はサステナビリティ委員会を中心に実施される他、進捗状況について定期的なモニタリングを行うなどリスクの管理も行っています。なお、リスクの特定や評価、対応についてはリスク管理委員会と情報を共有するなど連携を強化しています。
(4)環境への取り組み
①気候変動対応に関する戦略
2023年6月期では、当社は気候変動に起因するリスク並びに機会を特定・評価するため、脱炭素化が進む世界と地球温暖化が進行する世界の2パターンの前提条件をベースとしたシナリオ分析から、影響の特定とレジリエンス性の確認及び対策の検討を実施しました。
シナリオ分析では、脱炭素へ向かう世界観を想定した2℃未満シナリオと、現状の状態が続く4℃シナリオを用い2030年及び2050年を対象として当社の事業活動への影響を定性・定量の両面から分析し、以下のようにリスクと機会を特定しました。
<想定した世界観>
・世界観の概要
2℃未満シナリオでは、脱炭素への移行が進み、そのための政策や規制、市場の変化などが顕著になると想定されます。産業革命前から2100年まで2℃未満の気温上昇が起こる世界観を想定しています。
4℃シナリオでは、現状の政策や規制のみ考慮されており、地球温暖化が緩やかに進むと想定されます。
産業革命前から2100年まで約4℃の気温上昇が起こる世界観を想定しています。
・影響が顕著になるリスクや機会
2℃未満シナリオ:移行リスク・移行機会
4℃シナリオ :物理リスク・物理機会
・使用した具体的なシナリオ
2℃未満シナリオ:RCP2.6(IPCC AR5)
GHGの排出を抑えることで放射強制力が2100年に2.6W/m2に保たれるシナリオ
Net Zero Emissions by 2050 Scenario (IEA WEO 2022)
2050年世界全体でネットゼロに到達すると仮定し、そこから逆算的に考えられたシナリオ
Sustainable Development Scenario (IEA WEO 2019)
先進国は2050年までに、中国は2060年頃に、その他の国は遅くとも2070年までにネットゼロに到達すると仮定し、そこから逆算的に考えられたシナリオ
4℃シナリオ :RCP8.5(IPCC AR5)
温室効果ガス(GHG)の排出が多く放射強制力が2100年に8.5W/m2に達するシナリオ
Stated Polices Scenario(IEA WEO 2022)
世界各国で現在実施されている政策や規制のみ考慮したシナリオ
<リスク緩和に向けて>
主なリスクとして炭素税導入による操業コストの増加(移行リスク)や異常気象の激甚化に伴う営業停止による減収(物理リスク)が想定されます。
炭素税導入によるリスクを低減するため、当社では、Scope1、2の削減目標や電力使用量の削減目標を設定し、目標の達成に向けオフィスのLED化や省エネ性能の高いパブリッククラウドの採用を進めています。
また、データセンターについても省エネ性能を重視し採用を進めています。
一方で異常気象の激甚化によるリスクを低減するため、当社では、テレワークができる環境の整備を進めています。全社員がテレワークできる環境を整えることにより、異常気象の激甚化に伴う営業停止日数等の抑制につながると考えています。
<機会拡大に向けて>
主な機会として脱炭素や省エネへ寄与する製品やサービスの需要/売上の増加(移行機会)や異常気象の激甚化に伴う拠点の被災やデータ損失に備えたセキュリティサービスの需要/売上の増加(物理機会)が想定されます。
脱炭素へ向けた機会を拡大するため、当社では、キャッシュレス化の更なる促進に寄与すべく決済サービス関連事業を推進しています。
キャッシュレス決済は、貨幣の鋳造や紙幣の発行に伴うGHG排出量の削減ができることなど社会全体のGHG排出量の削減につながると考えています。当社では既にキャッシュレス決済関連の多様なサービスを展開していますが、キャッシュレス決済の浸透に向け今後さらに注力していきます。
②気候変動対応に関する方針に関する指標及び目標
当社では、気候関連リスク及び機会を管理するための指標をGHG排出量としています。GHG排出量については2023年度比で2030年度に25%削減、2050年度で実質ゼロにすることを目標としています。2023年の実績はScope1で32.0 (tCO2)、Scope2で692.1 (tCO2)でした。
GHG排出量削減の目標達成に向け、オフィスのLED化や省エネ性能の高いパブリッククラウドの採用を進めています。今後は削減活動をより一層活発化させるよう努めていきます。
(5)人的資本に関する戦略及び具体的取り組み
①人材の育成、及び社内環境整備に関する方針、戦略
・挑戦・成長・自律する人財と組織を育てる
「次代の情報化社会の安全性と利便性を創出する」という『経営理念』の実現を支えるためには、人的資本の更なる拡充が必要であり、その中でも、当社のビジネス戦略に合致したプロフェッショナル人財の育成は不可欠です。将来に向けての、ビジネスや技術の潮流を踏まえ、「挑戦・成長・自律」する人財と組織を育てるため、これまでビジネスアイデアコンテストを実施するほか、クロスジョブ制度の導入などを行ってまいりました。今後は、ビジネスアイデアコンテストをインキュベーションまで見据え拡充するほか、キャリアプランの明確化、教育制度の充実化などの強化策を通じて、より多くのプロフェッショナル人財の育成に取り組んでいきます。
・長時間労働の削減
社員一人ひとりの「well-being」と当社の持続的な成長を目指し、健康経営に力を入れていますが、中でも長時間労働削減は、社員の心身の健康や安全、ワークライフバランスに直結すると考えています。これまでも、全社員がテレワークを実施できる環境を整備し、休暇取得の促進活動等の施策を行ってきました。今後は、業務の属人化の排除等による労働時間の平準化など、社員の生産性改善に取り組み、長時間労働の改善を促進します。
・多様で個性豊かな人財が集う、ワクワクする会社
性別、国籍、年齢、障がいの有無など、さまざまな属性の違いを活かし、付加価値を生み出すために、多様な価値観を持つ人財の採用を進めています。こうした多様性を持つ社員に適した職場環境や制度を整備することは、中長期的な成長に欠かせない取り組みです。
特に女性活躍推進には力を入れており、さまざまな施策を強化しています。具体的には、女性社員同士によるメンター制度「Intelligent Women's Wave」の継続的な活動に取り組んでいます。また、育児休業中の男女社員に向けて、オンライン懇親会を実施しました。職場環境の変化に関する情報の提供や、復帰に関する不安や疑問に応じ育児休業取得経験のある社員からアドバイスを提供するなどして、職場復帰をサポートしています。さらに、仕事と育児の両立を支援するために、配偶者が出産した際に使用できる3日間の特別休暇や、子どもが中学校就学の始期まで1日上限2時間の勤務時間短縮制度を設けています。また、乳幼児一時保育サービス費用補助制度を新たに設け、ベビーシッター等を利用した際の費用を補助し、支援しています。
②人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標及び目標
<挑戦・成長・自律する人財と組織の育成>
2023年6月期においては、挑戦・成長・自律する人財と組織の育成については、課題整理の過程にあります。2024年6月期中に、挑戦・成長・自律する人財と組織の育成に関する戦略策定、指標及び目標の定めを進めていきます。
<月平均残業時間>
2022年6月期:31時間15分
2023年6月期:27時間51分
<女性管理職・女性高度専門職の合計人数>
2022年6月期:11名
2023年6月期:11名
(2025年6月期目標:23名)
<管理職に占める女性労働者の割合>
2022年6月期:8.0%
2023年6月期:11.0%
<男性労働者の育児休業取得率>
2022年6月期:64.0%
2023年6月期:81.8%
- 検索
- 業種別業績ランキング