イチカワ 【東証スタンダード:3513】「繊維製品」 へ投稿
企業概要
当社は、「事業は人なり而して人の和なり」「より良い品をより安くより多く」を社是とし、「株主重視」・「顧客重視」・「社員の生活向上」の理念に基づき、市場のニーズに的確に対応した高機能製品を提供する「抄紙用具の高度専門企業」として成長・発展することを目指して経営活動を展開しております。
なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
■経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は、紙媒体のデジタル化による国内市場の構造的な需要縮小、海外市場での価格や品質面での競争の激化、加えて、地政学的リスクの発生及び各国の政策金利の高止まりや輸入資源価格高騰による貿易赤字の拡大など経済活動停滞の懸念もあり予断を許さない状況が続いております。
■中期経営計画“NE-24”策定経緯
このような環境下、当社グループは、2030年における世界経済や社会におけるメガトレンドを調査・検討し、その社会構造の変化にどのように当社グループが関わっていくのかを示し、全社員が目指す「2030年度に当社が実現する未来(IK VISION2030)」を決定いたしました。
IK VISION2030 |
サステナブルな社会に貢献し、イチカワを支える役職員、取引先、株主及び周辺の地域社会がそれぞれ高い満足度を持つ会社となる。 |
その上で、今後3回の連続する中期経営計画の第一段階として、2022年度を起点とする第7次中期経営計画(略称“NE-24”)を策定し、「経営方針」及び「経営目標」を次のとおり定めました。“NE-24”では、「会社を創り直す3年」というスローガンのもと、製造コスト及び品質面での競争力を高め収益基盤の強化に努めてまいります。
経営方針 |
『社会と共存するイチカワを基本』として 1.抄紙用具事業 「抄紙プレスパートの総合ソリューション カンパニー」として、「世界一の品質」を目指す。 ・「顧客志向」を追求し、ソリューションを提供することにより、「イチカワ=頼れる存在」ブランドへ移行する。 ・世界市場において、強固な一角を占めるグローバル企業となる。 2.新事業 「環境にやさしい、人々の生活を豊かにする製品や部材を届ける」事業を創設する。 |
“NE-24”(2022年4月1日~2025年3月31日) |
スローガン | 経営目標(‟NE-24”) |
「会社を創り直す」3年 | ・1株当たり連結当期純利益(EPS):150円 ・連結売上高:120億円以上 ・連結売上高営業利益率:5.0%以上 |
■‟NE-24”2年目の振り返りと課題
NE-24”の2年目にあたる当連結会計年度の当社グループ売上高は、主要得意先であります製紙工場の閉鎖や抄紙機の停台もあり、国内外の抄紙用フエルトの需要が落ち込みましたが、製品価格改定の浸透、海外ベルトの増販に加え、為替が円安に推移した影響により業績予想値を上回る結果となりました。損益につきましては、原材料価格やエネルギーコストの高騰による売上原価及び運送コストの増加がございましたが、売上高伸長により業績予想値を上回る結果となりました。
一方で、‟NE-24”における各施策は計画に則り懸命に進めてまいりましたが、一部に遅れが発生したこと、需要の減少により生産量が落ち込んだこともあり、製造コスト削減に課題を残す結果となりました。
■‟NE-24”3年目で取組むべきこと
‟NE-24”の最終年度にあたる2024年度につきましては、遅延している施策の巻き返しを必須とし、生産体制の見直しや世界標準の工程・製法の確立と原料・設計の統廃合などにより「一人当たりの生産量」を上げ「フエルト・ベルトの製造コストを世界基準まで削減する」ことを目指すこと及び新製品と新用途構築へ向けた開発体制の強化に努めると同時に、データとデジタル技術を効果的に活用することにより生産性の向上を図ってまいります。また、SDGs活動を経営の重要課題と位置付け、企業活動を通じて環境負荷の低減に取組み、地域社会とともに持続的に成長していくことを目指してまいります。
■‟NE-24”展望
当社グループが製造している抄紙用具(抄紙用フエルト・シュープレス用ベルト・トランスファー用ベルト)が使用される取引先の抄紙機のプレスパート工程は、製造される紙の品質を決定づける、また、全工程を通じたエネルギーコストに与える影響が大きく、紙を製造する上で品質面・コスト面ともに一番重要な工程です。
当社グループは、取引先のプレスパート工程の能力が最大限に発揮される製品の組み合わせをご提案し、開発・製造・販売ができる国内唯一、海外でも数社しかないメーカーです。‟NE-24”では、「会社を創り直す3年」として、DX戦略を加速し、人的投資、組織制度改革を含め全社的な基盤を創り直した上で、世界標準の製法・設計を確立し、品質安定性の向上とコスト競争力の強化を進めてまいります。また、全世界をカバーする販売体制を活用し、顧客ニーズに対応する製品を全世界へ積極的に拡販してまいります。
なお、工業用事業につきましても、需要拡大が期待される高機能クッション材や新規用途分野の開拓により、事業規模の拡大を目指してまいります。
■社会とともに成長するイチカワ
当社グループは、革新的な挑戦を続け、株主の皆様、お取引先、従業員、地域社会などのステークホルダーに対する社会的責任を果たし、社会とともに成長する企業を目指し日々努力を重ねていきますとともに、その基盤構築のために、内部統制の一層の充実を図り、企業価値の増大に邁進してまいります。
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