イチカワ 【東証スタンダード:3513】「繊維製品」 へ投稿
企業概要
(1) サステナビリティ全般に関する考え方
解決すべき社会課題の中で、特に気候変動は深刻さを増しています。
当社グループは、環境保全活動を経営の重要課題と位置付け、企業活動を通じて環境負荷の低減に取り組むことにより、SDGsの達成に貢献し、地域社会と共に持続的に成長していくことを目指しております。
なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①ガバナンス
当社グループは、環境行動指針などの方針や環境保全活動の基本目標を検討・立案・審議する環境・省エネ対策連絡会議を設置し、環境保全活動を推進しております。
環境・省エネ対策連絡会議で審議された内容は、年1回取締役会へ報告され、具体的な経営施策へ反映されます。
また、当社グループの生産拠点である柏工場及び岩間工場においてISO14001を認証取得し、環境マネジメントシステムを進めることにより、環境に関する地域社会へのリスク及び機会の検討を行っております。
柏工場長及び岩間工場長は、ISO14001に則った環境マネジメントシステムにおいて、当社のEMS環境活動を統括しており、両工場の戦略的な方向性、両工場の状況と両立するような「環境方針」及び「環境目標」を確立し、その改善を指示する権限を有しております。
②リスク管理
当社グループは、全般的なリスクの洗い出し、評価、対策等の管理についてリスク管理規程に定めており、職制により適切に予防及び対策を実施しております。リスク管理の状況につきましては、執行役員会において定期的に有効性を評価し、必要に応じて是正措置を行っております。
なお、特定の気候変動に関するリスク及び機会は、環境マネジメントシステムの中で課題化し、取り組んでおります。必要に応じて執行役員会へ報告を行い、全社リスクとしての統合管理を図っております。
③戦略
「地球温暖化対策長期ビジョン2050」〜カーボンニュートラル産業の構築実現〜(2021年1月20日 日本製紙連合会)にて打ち出されている「2050 年までにカーボンニュートラル産業の構築実現を目指す」をプレスパートの専門企業として、協働し実現してまいります。
環境に優しい紙づくりへ貢献するため、プレス工程で使用される抄紙用フエルト、抄紙用ベルトの機能を向上し、お取引先の抄紙工程のCO2削減に貢献してまいります。
さらに、省エネ活動の推進や生産性向上施策を推進し、環境リスクへの対応を積極的に展開してまいります。
今後も、地域社会との関係性を再点検し、持続的な社会の実現へ貢献してまいります。
また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は次のとおりです。
1)当社グループの人事戦略を遂行することで経営目標達成に導くフロー概念図
2)社員個々の「能力」獲得に向けて
当社グループは、社員個々の「能力」獲得に向けて、下記の「人財育成方針」の下、各種施策を進めております。
<人財育成方針> |
・「自ら主体的に考え動く」、「失敗を恐れず挑戦する」を目指すべき二つの社員像とし、各種教育・研修を準備、実施してまいります。
・会社は各種委員会活動やプロジェクト活動を通じてチャレンジの機会を提供し、社員は様々な経験を積むことで「成長」を実感するという好循環を繰り返すことで、当社グループの業績向上および持続的な価値向上へと繋がっていくループづくりを行ってまいります。 |
<社内教育> |
1 部署別教育(OJTを含む) ・職場毎に必要な専門知識や業務経験を難易度別に設定した能力要件表を用いて、個人毎に教育計画を立案、日常業務における知識習得とその実践を通じて、業務遂行能力を高めてまいります。
2 階層別教育(OFF-JT 座学 自己啓発) ・社員を階層別に分け、それぞれの階層で求められる能力・スキルを習得できる機会の提供を行っています。また、2022年7月より管理職を対象にジョブ型人事制度を導入、その効果測定を実施しながら、改めて職層別に必要な教育内容を洗い出し、その職位に望ましい研修や資格取得の機会などを会社として提供してまいります。 |
<外部派遣教育> |
1 次世代経営層育成 ・経営に関連する知識補強を目的として、2022年度より毎年数名の社員を外部教育機関に派遣しております。 ・経験豊富な人事コンサルタントを招聘し、将来の経営層候補である中堅管理職向けにマネジメント研修を実施しています。 ・「女性マネジメント層育成」を目的として、明治大学「女性のためのスマートキャリアプログラム」に2022年度より毎年1名ずつ社員を派遣しています。
2 専門人財育成 ・当社の海外売上高比率は50%を超えており、海外で働く機会も増えてきていることから、海外派遣要員の養成を目的として、海外語学研修(期間1年)を行っています。 ・「DX推進のための高度専門人財育成」として、サイバー大学に社員を数名派遣し、データーサイエンティスト等の育成を進めています。 |
<社員支援制度> |
1 自己啓発支援 ・個人のキャリア形成のために必要な自己啓発(e-ラーニング、通信教育、スクール(ビジネス・語学))や各種資格取得に関する支援(費用負担・奨励金支給)を充実させています。 |
当社グループの人財投資に関しては、特に2021年度よりその重要性を再度認識し、積極的な外部派遣等を通じて、社員の総合的な力量向上に努めております。特に、女性社員などは他社社員や学生層などから強い刺激を受け、自らのモチベーション向上などの良い影響が見られますことから、引き続き積極的な取り組みを継続してまいります。
3)社員個々が「能力」を発揮できる職場環境整備に向けて
<社内環境整備方針> |
「目指す姿」 ・挑戦意欲が高く、心理的安全性の高い職場の構築 ・全体最適の組織運営 |
<重点課題>(マテリアリティ項目) |
・快適な職場環境の形成 社会の変化に伴い多様化する働き方に対して、社内環境および制度を整備してまいります。社員がのびのびと働ける心理的安全性の高い職場環境を整備してまいります。 |
・労働安全衛生・健康経営 社員およびその家族を含めた健康維持のために、各事業所・イチカワ健康保険組合・各産業医・臨床心理士が一体となって健康施策を推進してまいります。 各事業所にある安全衛生委員会は職場の環境整備と社員向け情報発信および教育を通じて、労働災害ゼロを目指してまいります。 |
当社グループは、変化の激しい現代社会において、会社が持続的な企業価値向上を実現していくためには、そこで働く社員の意識改革が必要であると考えております。そのためには、時代にそぐわない悪しき社風や伝統から脱却し、新しい価値観を踏まえて、社員が変わっていくことで会社を変えていくことを目指しております。その入り口としては、「挑戦意欲が高く心理的安全性の高い職場の構築」のために、管理職への教育研修や関連の小冊子の配付等を通じて、意識改革を進めてまいります。
4)多様性の継続的な拡大に向けて
<人財多様性推進の目的> 変化が激しく速いこの時代で持続的に企業価値を向上させるためには、同じ属性の画一的な社員集団では、限界があるため。 |
多様性は課題解決力向上のための必要条件であります。 ①社会と共に成長するために: ・国際基準の人権感覚や環境重視の意識等を更に醸成してまいります。 ②世界一の品質を実現するために: ・データおよびデジタル技術の力を使うことで、仕事のやり方を変えて、新たな価値が提供できるよう な会社に変えてまいります。 ・それぞれの属性に縛られず、個の力を最大限に発揮できる心理的安全性のある職場環境を整備してま いります。 ③新事業の探索のために: ・従来にない発想と固有技術の化学反応による新事業探索を進めてまいります。 ・「人々の生活を豊かにする」ためには、様々な生活者としての視点が求められ、多様な観点、価値観、 経験値を持つ人、属性に囚われず活躍できる環境を提供してまいります。 |
④指標及び目標
1)気候関連リスク・機会の管理に用いる指標
当社グループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標については定めておりません。今後、必要な場合は指標の策定を検討してまいります。
2)温室効果ガス(CO2)の排出量推移
| 2013年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
2030年度排出目標 | 2013年度比マイナス46% | |||
Scope1 (t) | 3,737 | 4,146 | 4,064 | 4,370 |
Scope2 (t) | 5,556 | 5,317 | 4,604 | 0 |
合 計 | 9,293 | 9,463 | 8,668 | 4,370 |
前年比削減率 (%) | ― | 4.6 | 8.4 | 49.6 |
2013年度比削減率 (%) | 基準年 | △1.8 | 6.7 | 53.0 |
a. Scope1(燃料の使用、生産プロセスで排出)
省エネ活動によるエネルギー使用量の削減
・生産工程の効率化
・高効率機器設備への更新(本社空調設備、柏工場ガスコージェネレーション設備)
・グリーン熱証書等の都市ガスの検討
b. Scope2(購入電気・熱の使用に伴う間接排出)
・2022年4月 CO2排出量ゼロ達成
・太陽光発電設備の稼働(岩間工場・柏工場)
・全事業所の購入電力にCO2フリー電力100%切替完了
c. Scope3(その他の間接排出量)
・購入した原材料、製品、製品輸送、当社事業から排出される廃棄物等に起因する温室効果ガス排出に関しては、関連事業者と協働して、削減策の取り組みを継続中。
3) 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する指標
上記「③戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
a.社員個々の「能力」獲得に向けて
| 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
人財開発・育成の総費用 (千円) | 6,261 | 12,975 | 14,035 |
一人当たり研修投資額 (千円) | 11 | 23 | 25 |
TOEIC700点以上社員数(累積)(人) | 5 | 5 | 5 |
DX専門人財の育成実績(累積)(人) | 0 | 0 | 2 |
ITパスポート保有者数(累積)(人) | 0 | 6 | 18 |
b.社員個々が「能力」を発揮できる職場環境整備に向けて
<快適な職場環境に関する数値目標> 当社グループは、2018年度より「企業風土改革」を念頭においた現状把握の手段として、「モラールサーベイ(従業員意識調査)」を2年毎に実施してまいりました。 |
大切にしたい企業風土 |
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| 2018年度 | 2020年度 | 2022年度 | 2024年度目標 |
| 左表は、モラールサーベイにおいて、社員が「大切にしたい」及び「改善すべき」風土を3項目選択し、その集計結果からの各々上位3項目となります。当該項目をKPIとして設定し、改善施策を進めてまいります。 |
チャレンジ | 46.7% | 38.7% | 37.1% | 40.0% |
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現場第一主義 | 25.5% | 26.9% | 32.5% | 35.0% |
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個性尊重 | 23.9% | 29.0% | 28.7% | 32.0% |
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改善すべき企業風土 |
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| 2018年度 | 2020年度 | 2022年度 | 2024年度目標 |
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責任回避 | 28.9% | 32.2% | 31.7% | 28.0% |
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現状維持 | 17.9% | 18.7% | 21.8% | 19.0% |
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事なかれ主義 | 19.4% | 20.2% | 19.0% | 15.0% |
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<労働安全衛生・健康経営に関する数値目標> 社員の心身の健康を測定する一般的なガイドラインとして、下記3つをKPIに設定しておりますが、今後は「がん検診受診率」「人間ドック受診率」など社員の年齢層に応じたKPIとして設定し、健康面での改善施策を進めてまいります。 |
健康診断に関する状況 |
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| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
受診率 | 100% | 100% | 100% | 100% |
特定健診の実施率 | 98.6% | 98.4% | 98.7% | 99.6% |
特定保健指導の実施率 | 40.4% | 33.0% | 23.5% | 23/9公表 |
ストレスチェックに関する状況 |
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| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
受検率 | 98.1% | 98.7% | 99.6% | 99.1% |
高ストレス者比率 | 18.1% | 16.6% | 17.6% | 19.0% |
喫煙率 |
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| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
喫煙率(40歳以上) | 33.3% | 33.1% | 33.0% | 33.6% |
<その他の働き方の制度整備の状況> 当社グループは、社員の子育てや介護への対応、仕事とプライベートなどワークライフバランスの取れた日常生活を送るための制度整備を進めてまいりました。今後も社会の変容に応じた制度整備を進めてまいります。 |
導入年度 | 制度 |
2018 | テレワーク勤務制度、フレックスタイム制度 |
2019 | メンター制度、カジュアルフライデー制度、在宅勤務手当、外勤手当、時差出勤制度 |
c.多様性の継続的な拡大に向けて
多様性に関する状況 |
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| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
経験者採用実績 | 2名 | 2名 | 5名 | 4名 |
女性総合職比率 | 18% | 22% | 23% | 24% |
女性管理職数 | 2名 | 2名 | 2名 | 2名 |
障がい者雇用率 | 2.5% | 2.5% | 3.1% | 3.1% |
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