企業兼大株主アルプスアルパイン東証プライム:6770】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。

(1)ESG経営の実践

当社グループは、社会や顧客からの要求、法規制への対応にとどまらず、将来にわたり持続的に成長し、社会的価値と経済的価値を創出するため、ESGは重要な経営課題であると捉え、ESG課題を全社及び各部門の中期経営計画へ落とし込み、活動を推進することで、企業理念である「人と地球に喜ばれる新たな価値の創造」の実現を目指しています。

① ガバナンス

世界的な半導体不足や一部原材料の逼迫に伴う資材価格の高騰、国際物流停滞によるグローバルレベルでのサプライチェーンの混乱に加え、エネルギー価格の上昇は業界を問わず大きな影響を与え、当社グループを取り巻く環境は大きく変貌しています。このような中において、事業機会の拡大と社会課題の解決に向けて、社外取締役を含めた経営諸会議で、政治、経済、技術動向に加え社会課題や社内環境の把握及び持続的な成長に向けた機会とリスクの分析を行い、事業マテリアリティマップを策定、取締役会で審議・決定しています。


策定した重要課題は、戦略、施策及びKPIをそれぞれ設定し、サステナビリティ課題に関しては各部門の中期経営計画へ落とし込み、活動を推進するとともに、重要項目かつ複数部門での活動が必要な事項については、取締役を委員長とするサステナビリティ推進委員会の下、ワーキンググループ(以下、WG)を設置し活動の推進及び進捗管理を行っています。また、四半期ごとに開催するサステナビリティ推進委員会にて取り組みの進捗状況の確認や課題深耕を行うとともに取締役会へ年4回の定期報告を行い、経営判断が必要な課題については随時経営諸会議で審議しています。


なお、当社グループでは、サステナビリティ課題を含めたリスクマネジメントを事業の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現するための「経営・事業運営の基盤=攻めの経営を支える基盤」と位置付け、事業のグローバル化、サプライチェーンの複雑化など当社グループを取り巻くリスクを可視化することを目的としたリスクマップを整備するとともにリスクをカテゴリー別に整理し、影響度、発生可能性及びリスク対策の実施状況の視点から評価した上で、リスクマネジメント活動を展開しています。


② 戦略

当社グループは、第2次中期経営計画に「ステークホルダー価値の最大化とCSR、ESGの両立」を掲げ、社会的責任の遂行とESG経営の両立は、企業の持続的成長に欠かせない重要な経営課題であると捉え取り組みを進めています。サステナビリティ課題の推進において、特に重点的に取り組むテーマを「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」「人権の尊重」「ダイバーシティ&インクルージョン」「持続可能なサプライチェーンマネジメント」の5つに定め、各部門の中期経営計画へ落とし込み主体的に活動を推進するとともに、サステナビリティ推進委員会による進捗確認などを行うことで、サステナビリティ活動におけるPDCAサイクルを実行しています。


③ 指標及び目標

当社グループでは、策定された事業マテリアリティごとにテーマ/施策、第2次中期経営計画における指標/KPIをそれぞれ設定し、ESG視点による進捗管理と評価を行っています。なお、2022年度の活動実績は2023年9月に発行予定の当社統合報告書にて開示する予定です。


(2)気候変動への取り組みとTCFDへの対応

当社グループは、2020年9月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しました。気候変動関連リスクと機会の分析を行い、その結果を事業戦略につなげることで持続可能な成長及びリスクへの適切な対応を目指していきます。

① ガバナンス

当社グループでは、「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」といった気候変動への対応を事業マテリアリティの項目として設定し、気候変動課題に対する基本方針や対応策等の重要事項を取締役会で審議・決議しています。社長は気候変動課題を含むサステナビリティ課題に対する最高責任と権限を有しており、社長から任命された取締役がサステナビリティ推進委員会の委員長として、全てのサステナビリティ施策を監督する責任を負っています。

サステナビリティ推進委員会は、サステナビリティ重要課題に対する施策の進捗状況を監督し、適宜助言を行っています。サステナビリティ推進委員会傘下の各WGは、気候変動関連のリスクと機会の評価を含む課題の取り組み状況をサステナビリティ推進委員会に報告し、サステナビリティ推進委員会が内容を精査した上で取締役会に報告しています。

会議名

役割

頻度

取締役会

議 長:取締役 社長執行役員

 栗山 年弘

▪気候変動を含むサステナビリティ方針の決定

▪気候変動を含むサステナビリティ重要課題の決定

▪気候変動対応の監督

年4回報告

適時課題審議

サステナビリティ推進委員会

委員長:取締役 常務執行役員

 小平 哲 

▪気候変動を含むサステナビリティ課題の施策推進

  と取締役会への進捗報告及び提言

年4回報告

※議長、委員長は2023年3月末現在の役職、役員名を記載しています。

② 戦略

気候変動における当社グループのリスクと機会を抽出し、当社グループの事業に与えるインパクトを、内部的な基準で定量的に評価しました。

1)シナリオ分析

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)及びIEA(International Energy Agency)の情報をもとに、物理シナリオ(RCP8.5,RCP2.6)及び移行シナリオ(STEPS,NZE)を選定し、4℃と1.5℃のシナリオ世界観における分析を行いました。2030年時点の4℃シナリオと2℃/1.5℃シナリオには気温上昇に大きな差異が見られないこと、事業視点で2050年時点の移行リスク、機会を予測することは困難であるため次の組み合わせに対して評価を行いました。

 

2030年

2050年

移行リスク

2℃/1.5℃シナリオ

物理リスク

4℃シナリオ

機会

2℃/1.5℃シナリオ

2)シナリオ分析結果

シナリオ分析の結果、4℃シナリオの場合、異常気象に伴う災害の激甚化に対し国内外の拠点への対策のみならず、サプライチェーン全体に範囲を広げたリスク対策の重要性を認識しています。一方、1.5℃シナリオの場合、移行リスクを低減するために、脱炭素化に対する取り組みを継続的に推進するとともに、市場の変化に対応する製品・サービスを提供する機会への積極的な対応が必要であると再確認しました。

3)リスクと機会の評価

リスクは、移行リスク(政策と法律、技術、市場、評判)と物理リスク(急性、慢性)の側面から評価しました。


機会は、資源効率性、エネルギー源、製品とサービス、市場、レジリエンスの側面から評価しています。


4)リスクマネジメント

企業の持続的成長と企業価値向上を実現するためには、事業を取り巻く様々なリスク項目について、事業への影響度と重要度を見極めた上で、中長期で施策を立案、対応していくことが重要であると認識しています。当社グループは、リスクに対する備えを検討するためのフレームワークとしてリスクマップを作成しており、気候変動関連リスクは経営上のリスクとしてリスクマップに含まれています。具体的な活動としては、年に1回、環境WGがリスク調査を行い、洗い出されたリスクはサステナビリティ推進委員会で評価・管理されます。財務影響度の大きいリスクは取締役会に報告、審議されています。

③ 指標及び目標

当社グループは、2050年度にバリューチェーン全体のGHG排出ゼロを目指し活動を推進しています。中期目標として2030年度にGHG排出量(スコープ1、2)を2020年度比90%削減することを目指します。また、「RE100」に加盟し、 2030年度に再エネ導入率100%達成することを宣言しました。

また、徹底した省エネ活動や積極的な再エネ利活用を推進することで、GHG排出量削減に貢献していきます。

なお、2022年度の活動実績は2023年9月に発行予定の当社統合報告書にて開示する予定です。

2050年目標

バリューチェーン全体のGHG排出ゼロ

2030年目標

GHG スコープ1、2: 90%削減(2020年度比)

使用する電力の再生可能エネルギー比率 : 100%

(3)人的資本

近年、企業の人的資本経営の重要性が高まりを見せています。当社グループにおいても、経営理念に「個の尊重」を掲げており、従業員の情熱を引き出し活かす経営を目指すとの考え方の下、第2次中期経営計画においては「ケイパビリティ改革」を戦略の柱の一つとして位置付けています。成長軌道への復活と更なる飛躍に向けて、お客様や市場環境の変化へ柔軟に対応し、新たなビジネスへ挑戦できる人財の確保と育成及び働きがいのある職場づくりに向けて、制度・カルチャーの両面から取り組んでいます

① ガバナンス

当社グループでは、全社・本部・部門ごとにそれぞれ人財開発会議を開催し、各会議体の機能・役割に応じて検討を深めることで、全社レベルの人財・組織課題の可視化を図るとともに、組織パフォーマンスの最大化、人財一人ひとりの活躍を促進する体制を整備しています。

単位

機能・役割

出席者

開催頻度

全社

持続的成長にむけた全社人財・組織課題の共有及び方針・方向性の策定・展開

全執行役員

年2回(5、11月)

本部

本部人財に関する課題解決と組織パフォーマンス最大化に向けた人財計画の策定(後任人事、ローテーション、本部固有の人財育成等)

担当執行役員、部長

各本部にて
 必要とする回数

部門

部門内における人的課題の解決と一人ひとりの活躍を促進する施策検討及び育成計画の策定

部長、課長

年1回(6~8月)

また、ダイバーシティ&インクルージョンの活動推進に関しては、ESG経営における重点課題と定めており、全社人財開発会議及びサステナビリティ推進委員会の下、D&Iワーキンググループにて関連するプロジェクトの連携・情報共有を行うとともに、サステナビリティ推進委員会及び経営層への報告を行っています。


社内環境整備における安全衛生推進体制については、取締役を統括者とする中央安全衛生会議を設置し、安全衛生、健康推進活動、防火・交通安全活動等の方針決定及び活動を推進しています。また、取締役会へは年度方針の報告及び重大事故発生時には都度付議し、原因究明と再発防止に取り組んでいます。


更に、従業員の健康管理においては、2022年度より総務部長を責任者とする健康経営ワーキンググループを新たに発足させ、国内各拠点の産業医・健康管理スタッフ、及び健康保険組合と連携し取り組みを加速させています。


② 戦略

市場や事業環境が大きく変容する中、人と地球に喜ばれる新たな価値を創出し続けるためには、変化・変革に対応できる組織能力の向上と人財育成及び活性化は欠かせないと考えています。その実現に向け、当社グループでは、従業員一人ひとりが自ら主体的に挑戦し、評価される新たな人事制度の導入と定着、個々人の強み、専門性及び多様性を組織力につなげる人財マネジメントの実現をケイパビリティ改革の重要テーマと定め施策展開することで、組織成果の最大化と持続的成長の実現を目指します。


1)人事制度

事業環境が急速に変化する中において、企業が成長し続けるには、従業員一人ひとりが改革意識を持ち、大胆かつ迅速に意思決定していくことは必要不可欠です。主体的な行動、挑戦を促進するため、2021年から人事制度の改定に着手し、2022年度より管理職・リーダー層を対象に、基幹制度を「職能型」から「役割型」へ変更しました。それに伴い人事考課も能力や経験を基とする要素を改め、役割に応じた挑戦的行動や活動実績そのものを重視する評価へ見直しするとともに、「役割型」の定着化に向けて「対話型マネジメント」の導入を推進しています。

2)成長支援

従業員自らが描くキャリアプランを実現できるよう、実践を通じた育成に加え、「評価」「配置」「能力開発」を連携させた総合的かつ長期的な成長支援を行っています。また、従業員各々のキャリアビジョンの実現に向け、スキルを高め、知識を深められるように、ビジネススキルやマネジメントスキルなど、個々のキャリアステージに合わせた階層別の必須研修に加え、自ら関心のあるものを選び手挙げで受講できる選択型研修、技術者向けのエンジニアの基礎力向上を狙いとした技術者研修など、学びを通じて成長し続ける組織文化の醸成に努めています。


3)多様な人財の活躍(ダイバーシティ&インクルージョン:D&I)

当社グループでは、多様な価値観を持った人々が人種・宗教・国籍・性別・年齢・性的指向又は、性自認・障がいの有無などに関わらず個を尊重し合い、自分らしくいきいきと働ける職場環境の実現を目指しています。

この実現に向け、第2次中期経営計画で優先的に取り組むテーマにD&Iを位置づけ、サステナビリティ推進委員会のD&Iワーキンググループを中心として、「障がい者雇用・環境改善プロジェクト」「ベテラン活用化プロジェクト」「アルプスアルパインの魅力発信プロジェクト」「D&I拠点推進プロジェクト」を設置し、各プロジェクトが連携しながら活動を推進しています。

D&I推進に当たっては、第2次中期経営計画期間中はD&Iに関する知識を得る機会を増やすとともに、社内の人と人がお互いの多様性を知ることができる「つながる」場を増やし、多様な価値観を知ることで自身を見つめ直し、その上でお互いを尊重しながら共に挑戦し続ける風土の醸成を目指しています。


また、女性の活躍推進に関して、当社の女性従業員比率は23.0(2022年度国内単体実績)となっており、特に管理職候補となる基幹従業員(総合職相当)の女性従業員比率は9.5%(同実績)にとどまっています。この様な中、当社では2024年度までに女性管理職比6%(同実績3.1%)を掲げ、女性管理職登用のための育成・キャリアデザイン支援に注力するとともに、管理職候補となる母数そのものを増加させるべく、新卒・経験者採用ではエンジニアを含めて女性を積極的に採用しています。また、属性を問わず管理職を計画的に育成・登用するため、各部門において管理職候補者を明確にした上で、本人への継続的な動機づけや将来のアルプスアルパインを牽引する人財の育成を目的とした女性リーダー育成研修や総合職キャリア研修会等、外部研修へも積極的に参加・派遣するなど成長の機会を提供しています。加えて、従業員が能力を最大限に発揮できる機会の提供や、育児休業とは別に配偶者の出産又は育児の支援、家族の看護・介護、ボランティア参加等に取得できる多目的特別休暇など、従業員のライフスタイルに合わせた働き方ができる各種制度の充実にも取り組んでいます。

なお、当社グループでは、女性活躍推進法に基づく行動計画を策定しており、女性が活躍できる社内環境の整備を計画的に実施しています。


4)働きがいのある職場づくり

当社グループでは、従業員の働く姿の指針として労使で「働き方ビジョン」を策定し、働きがいのある職場づくりを重要課題と捉え、従業員の心身の健康維持と向上、労働時間に関する各国の法令、慣行等の遵守による安全で快適な職場環境の形成に努めています。

賃金水準及び福利厚生についても、各国の地域・業界の水準や、労働市場における競争力や会社業績などを考慮し、適正で妥当なものになるよう様々な施策を実施し、従業員一人ひとりの状況に応じたライフデザイン支援に努めています。


5)労働環境・安全衛生

当社グループでは、「安全衛生方針」を策定し、従業員一人ひとりが安全に、そして心身ともに健康に働ける職場環境づくりに努めています。


また、2021年4月に「健康経営宣言」を制定しており、従業員の健康管理を重要な経営課題と捉え、健康診断やストレスチェックの定期的な実施、特定保健指導の実施率向上をはじめとする様々な「健康経営」の実践に積極的に取り組むとともに、2022年度には健康経営ワーキンググループを発足させ、取り組みを加速させています。


③ 指標及び目標

事業マテリアリティで設定した指標及び目標に加え女性管理職比率や障がい者雇用率、従業員の健康と安全確保に関する定量的な指標を設定し、人的資本の可視化と強化への取り組みを進めています。なお、2022年度の活動実績は2023年9月に発行予定の当社統合報告書にて開示する予定です。

テーマ/施策

指標/KPI(第2次中期経営計画)

人財活性化と企業風土改革

エンゲージメント指標及び測定方法の確立

個性や能力を最大限に発揮し

活躍できる職場環境の実現

女性管理職比率(国内):6.0%

障がい者雇用率(国内):2.39%

従業員の健康と安全の確保

重大労災件数(国内):0件

安全教育の実施(国内):100%

ISO45001準拠体制の確立と運用(国内):2023年度完了

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