企業アゼアス東証スタンダード:3161】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、防護服・環境資機材事業、ヘルスケア製品事業、ライフマテリアル事業の3本の柱をもって事業展開しております。個人防護と環境保全のトータルソリューションサプライヤーとしての取組みを通じて、「地球の環境と安全に貢献できる、存在感のある企業グループ」を目指します。

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、資産効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「総資産経常利益率(ROA)」及び「株主資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。

(3) 会社の経営戦略

 当社グループは、2023年5月より、中期経営計画「Next Stage 実行計画2023」(2023年5月~2026年4月)をスタートしております。

① 経営方針
イ  「人と環境を守る」事業を強化し、安全な社会実現へ貢献する

 当社が優位性を発揮している化学防護服市場における専門的知見を、他のカテゴリーの防護服市場にも活用することで、当社の事業領域を拡大していきます。防護服市場の様々なカテゴリーにおいて、最も頼りにされる企業となれる取り組みを推進していきます。

 業務提携により市場・顧客開拓を進める安全環境設備分野では、個人用保護具と環境設備機器を組み合わせたソリューションビジネスを一層強化していきます。

 また、防護服試験機能の集約と共同研究開発への注力を進め、産学連携による知的資源を製品開発に活用していきます。

 さらに、連結子会社である阿茲阿斯(大連)紡織服飾有限公司と一層の連携を進めることで、注力している安全事業分野において、防護服やヘルスケア製品等の生産と販売の機能両面に関して海外事業の強化に取り組んでまいります。

ロ  商社からメーカーへ、企業構造改革を進める

 製品開発、技術力、品質保証、以上の機能を通じて、メーカー機能の強化を一層推進していきます。製品開発に関しては、防護服・環境資機材事業における永年の営業活動を通じて培ってきた情報や知識、知恵を活用して、ユーザーのニーズに応える製品づくりにつなげていきます。技術力に関しては、生産中核拠点であるアゼアスデザインセンター秋田の防護服縫製業務で蓄積してきた不織布加工技術を活かし、高機能防護服の生産を目指します。また、責任を持った製品づくりのため、品質保証の強化を徹底してまいります。

 以上の活動を通じて、社会、市場から信頼される「アゼアス」ブランドの確立、浸透を図り、メーカー機能強化を通じた稼げるビジネスモデルへの転換を進め、持続的成長と中長期的な企業価値向上を実現していきます。

ハ  魅力のある企業集団を作り、ステークホルダーから選ばれる企業となる

 収益性だけではなく、売上拡大にも重点を置いた施策を実行することで当社の成長シナリオを示し、資本コストや株価を意識した経営を実践していきます。

 また、アゼアスデザインセンター秋田などこれまでの設備投資や信州大学との共同研究の成果を十分な営業活動や新たな商流の開拓につなげる優秀な人材を獲得できるよう、人材投資、人材育成、社内環境整備に取り組みます。

(4) 会社の対処すべき課題

 当社グループでは以下の事項を対処すべき課題として取組みを進めております。

① 中期経営計画の実行

 当社グループは、2023年5月から2026年4月までの中期経営計画「Next Stage 実行計画2023」に取り組んでおり、2024年5月より計画の2期目に入りました。計画の1期目は、第83期年次経営計画との乖離が大きい実績となり、目標未達となったため、特に、成長のシナリオを業績で示す取り組みは急務と認識しています。

 現在の社会は、国際紛争の懸念、サプライチェーンの寸断リスク、水害、大地震、火山噴火など大規模災害発生に対する不安、新型感染症の懸念、家畜感染症のまん延、また、化学物質による労働災害の増加等、私たちの身近には従来以上に危険が多く、常に脅威に晒される環境となっています。安全な社会の実現に向けた関心が一層強まるなか、当社は、こうした課題を一つでも多く解決できるよう、安全・環境分野における存在意義を高め、社会や顧客の期待に応える取り組みを進めてまいります。

 中期経営計画における経営方針は以下のとおりです。

・「人と環境を守る」事業を強化し、安全な社会実現へ貢献する(防護服市場における事業領域拡大と安全環境設備分野の強化を中心とした次の時代の中核事業の育成)

・商社からメーカーへ、企業構造改革を進める(開発力、技術力、品質保証を裏付けとしたメーカー機能の強化)

・魅力のある企業集団を作り、ステークホルダーから選ばれる企業となる

② 「安全・衛生」分野の新事業開発と育成

 今後企業として尚一層の発展を遂げていくには、防護服・環境資機材事業の事業領域を拡大するとともに、それに次ぐ新たな成長事業を育成していくことが不可欠と考えます。

 防護服分野においては、従来の主力商品であるデュポン™タイベック®ソフトウェア等の化学防護服に加え、火や熱の現場を安全にする難燃防護服と、視認性の高い素材を使用し、高速道路等の作業現場の安全性を高める高視認性防護服等を強化し、防護服市場やユーザーから一層の信頼を得られるよう取り組んでおります。研究開発と製品評価、試験機能等を充実させるため、2022年4月には、信州大学繊維学部FII内に「アゼアス防護服Labo」を開設いたしました。また、生産加工技術と自動化等による生産性の向上のために「アゼアスデザインセンター秋田」の新工場棟を2022年5月に開設し、機能性の高い製品の開発と生産に取り組んでおります。

 また、安全環境設備分野では、有害物質や感染症ウイルス等が存在する空間をクリーンな環境に改善し、作業者のリスクを低減していく環境改善設備を開発しています。防護服等の個人防護具と設備を組み合わせたソリューションを提案することで、安全な環境づくりに貢献してまいります。

 さらに、2024年4月には改正労働安全衛生規則等が施行されて事業所における化学物質管理体制の強化が義務付けられたことから、顧客が法令に対応できるよう、個人用保護具の需要に適宜対応するとともに、適切なサポートを実施してまいります。

2022年度から独立したヘルスケア製品営業部では、不織布マスクや医療用ガウン等の個人防護具を通じて、医療機関、一般産業、一般消費者を含めた安全な社会の実現に貢献していきます。同年稼働を開始した「アゼアスデザインセンター秋田」のマスク生産ラインでは、機能性の高い、JIS規格適合の「医療用マスク」「一般用マスク」を生産しています。新型コロナウイルス蔓延下で露呈したマスクに関するサプライチェーンのリスクに対応できるよう、海外製輸入マスクと合わせて、安定した供給体制を構築してまいります。

 当社では、上記に記載した新たな取り組みを含め、積み上げてきた専門的な知見や知識、投資した設備等により、ビジネスチャンスの拡大につなげ、「社会の安全・安心を実現する」事業ポートフォリオの構築を目指してまいります。

(注) デュポン™、タイベック®は米国デュポン社の関連会社の商標または登録商標です。

③ 人材の育成と確保

 当社グループが今後も継続的発展を遂げていくためには、人材の確保と育成は重要課題として位置付けております。第80期(2021年4月期)より新人事制度を導入し優秀な人材の確保と次世代経営層の中核となる人材の育成、若手社員の早期戦力化を図っております。また、働き方については、柔軟な働き方の枠組み整備、女性活躍支援、中堅社員の活性化、高齢者雇用等に取り組み、男性社員の育児関連休暇の取得促進など、健康経営を意識し、人材活性化を進めてまいります。

④ サステナビリティへの対応

 中期経営計画の実行のとおり、持続的成長を実現する強固な経営基盤を構築することで、サステナビリティ経営を推進します。当社のサステナビリティ基本方針は以下のとおりです。

<アゼアス株式会社サステナビリティ基本方針>

 当社グループは、コーポレートスローガン「地球のこと総て、その環境と安全に挑戦する。The Challenge for the Earth:“Environment & Safety”」に基づき、社会的課題の解決につながる商品の展開と、企業として果たすべき社会的責任の取り組みにより、SDGsを意識した経営を推進していきます。

1.安全・防護システムで人と環境を守ります。

2.健康・快適な生活の実現に貢献します。

3.アゼアス株式会社の特性を活かした社会貢献に取り組みます。

4.社員一人ひとりの人権を尊重するとともに、社員の健康維持向上に努めます。

5.コーポレート・ガバナンス体制を強化して透明性、健全性を確保するとともに、効率化と環境変化に対応できる経営管理組織を構築します。

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