アスマーク 【東証スタンダード:4197】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営方針
当社は、常に「自社独自の価値を創造し続け、独創的で高品質なサービスを顧客に提供する」を経営理念として掲げ、下記をミッションとして、マーケティング・リサーチ事業におけるサービスメニューの開発・提供や、その他の事業創造を行ってまいります。
ミッション
「私たちは、同業他社には真似できない自社独自の価値を創造し続け、独創的で高品質なサービスを提供する唯一無二のマーケティング・リサーチ企業として成長し続けます。そして、クライアントが市場で成功を収めるための支援を提供することで、持続可能な社会づくりと課題解決を目指します」
(2)中長期的な経営戦略
中長期的な企業価値の向上や競争力の強化に向け積極的にシステム及び人材、新規事業開発に投資を行い、マーケティング・リサーチ事業の強化による更なる事業展開を行う予定であり、事業の成長スピードの向上に努めてまいります。
(3)目標とする経営指標
顧客ニーズに応え続けるサービスを安定的に提供、開発していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考えており、当社は現在成長フェーズでもあることから、売上高成長率、経常利益成長率を意識した経営に取り組んでおります。
(4)経営環境
世界経済は、米国の保護主義政策に端を発した関係諸国(特に中国)との貿易摩擦の激化や、政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響等に懸念があるものの、穏やかな景気の回復傾向が続いていると認識しております。一方で日本経済は、一部に弱さもみられるものの、企業収益や雇用環境の改善等を背景に、消費者マインドの持ち直しが見られ、今後も緩やかな景気回復が期待される状況にあると考えております。
このような環境の中、日本のマーケティング・リサーチ市場は2,590億円、そのうちオンライン・マーケティング・リサーチ市場は796億円に達する(注)規模だと認識しております。国内、海外共に市場は緩やかな拡大を続けており、今後も市場全体の継続的な成長を見込んでおります。
(注) 2023年6月に一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)が発表した「第48回 経営業務実態調査」による。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下の項目と認識しております。
① マーケティング・リサーチ事業基盤の強化
現在も成長しているマーケティング・リサーチ市場において、競合他社との競争環境は年々激化しております。当社は、営業戦略の強化や業務効率の改善に取り組んでおります。具体的には、業界別の営業組織再編による営業効率の向上、ビジネスプロセスの見直しを通じた実営業時間の増加、インセンティブ制度の見直しによる営業人材のモチベーション向上、自社によるRPAシナリオ開発の強みを活かした業務効率化推進、業務プロセスの一部内製化による外注費の削減等、あらゆる角度から事業基盤の強化に取り組んでまいりました。今後も、売上と利益の両側面からの効果的な業務改善を推し進めてまいります。
② 集中的営業リソースの投下
当社は、国内外において2023年11月期実績で年間1,101社の企業に対する取引実績を有しておりますが、顧客企業の中でも今後発注が継続的に見込める売上上位に位置するクライアントを重点顧客と設定し、個社別に営業戦略を立てたうえで、リソースを集中させマーケティング・リサーチ業務の受託を目指しており、業務獲得幅が拡大してきております。大口顧客とのリピート率は94.2%であり、特に取引金額上位の顧客企業とは長年の取引実績を有する等、極めて強固な関係を構築しておりますが、今後も引き続き大口顧客の社数を増やしていくことを進めてまいります。
③ 海外市場への進出
当社では、国内事業における継続的な事業の拡大を図っておりますが、当社がさらなる成長を遂げるためには、海外への事業拡大が必要不可欠であると考えております。当社では、この状況に対処するため、国内で培ったノウハウを活かし、東南アジア市場をはじめとした海外市場に進出してまいります。
④ リサーチノウハウを基軸にした周辺新規事業の展開
当社では、昨今の労働人口の縮小する日本の大きな課題解決に対して、具体的な答えとノウハウを提供し貢献するサービスの創出を標榜しており、その一環として、こういった課題を解決するために、労働集約的な会社が往々にして抱えている人事労務面に係る課題に向き合い、自社内でもその課題に悩み、実践してきた経験と、今まで培ってきたマーケティング・ノウハウを融合したES調査パッケージを始めとしたHR関連のサービスを展開してまいります。並行して、当社では、本来労働集約的で非効率性の塊になっている業務を主に守備している背景から、その業務プロセスを熟知した上で、実践したノウハウと証明された効率化をパッケージングしたRPA導入・運用支援事業を併せて展開いたします。
⑤ 周辺新規事業に関する市場の開拓
当社を取り巻く、HRテック、及びRPAに関する市場は、今後も大きな成長を見込まれております。当社のHR関連サービス及び、RPA導入・運営支援事業の拡大に向けて、それぞれのサービスに関する積極的な情報提供、啓蒙活動を行うことで、各サービスに関する理解、普及を進め、顧客基盤及び収益機会の拡大に努めてまいります。
⑥ 人材の育成と採用
めまぐるしく変化する事業環境と多様化し続ける顧客ニーズに迅速に対応していくため、様々なビジネス能力を併せ持つ優秀な人材の確保と教育が必須と捉えています。営業力、サポート力、企画提案力、革新的なサービスを創出できる構想力の必要性がますます高まっており、さらに新規・海外分野におけるサービス展開を推し進めていく上で、高い専門性とスキル、経営視点で物事を判断・思考する力を備えた人材の育成及び採用が重要と考えています。事業規模、業容拡大、成長スピードに合わせて最大限の効果を上げるべく、綿密な人員計画の策定、人材教育に取り組んでまいります。
⑦ 内部管理体制の強化
当社が、事業環境の変化に適応しつつ、持続的な成長を維持していくためには、内部管理体制の強化も重要であると考えております。内部統制の実効性を高め、コーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、リスク管理の徹底を図ってまいります。
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