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企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) ガバナンス
2022年9月より、取締役会の直属機関として設置している「リスク管理委員会」のモニタリング対象リスクに気候変動に関する事項を追加しております。また、気候変動リスクを含め議論するとともに、モニタリング結果等を定期的に取締役へ報告しております。
(2) 戦略
気候変動の顕在化は、当社グループの物理的損失(保険対応要否含む)のみならず、サービスレベルの低下やお客様が被災されることで生じるリスク(収益の棄損、与信関連費用(クレジットコスト)の増大等)にもつながります。
他方、省エネ施策やBCP対策の加速による事業インフラの強靭性向上はもとより、お客様のご期待に沿うための事業機会の創出にもなり得るため、課題の解決に取組んでまいります。
また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりであります。
(人材育成方針)
当社グループは、人事大綱により『人材が究極の財産であること』、『会社は社員の人格や個性を尊重し、その能力と適性に応じて、仕事・処遇と、職場環境を提供し、「生きがいが実感できる職場」の実現と「社員の生活の安定と向上」に努めること』を指針として掲げております。また、2021年4月からは、これまでの取組みに加え、「将来を見据えた人事・教育制度の改革」と「従業員エンゲージメント向上につながる環境整備」を重点施策として掲げ、推進しております。
上記の指針・重点施策を踏まえ、中核人材にあたる管理職を「能力・適性・人格が他の社員の模範となり、かつ指導力・統率力を有すると認められる人材」と定義し、定義に見合う人材の登用を行っております。また、管理職とは別途、積極的な育成を行う人材としてIT人材(エンジニア等のIT分野における専門知識を有した人材)・若手社員を、また、活躍を期待する人材としてシニア社員を掲げております。
① 女性の管理職登用
当社グループは、女性の活躍を推進するために「行動計画」を策定・公表し、積極的な女性社員の採用拡大や役職登用に取組んでおります。また、人材育成の面においては、女性正社員を対象とし、女性活躍が求められている背景や活躍の必要性を説明し、なりたい自分像を描かせる等のカリキュラムを通じて、主体的なキャリアプランの作成を促す「キャリアデザイン研修」を実施しております。
② IT人材の増強
当社グループにおけるDXの推進、及びシステム開発コストの削減を目的とし、素養があると思われる社員をIT関連部署へ配置・プログラミング研修等の教育を行っております。
③ 若手社員の積極登用
当社グループは、若手社員の積極的な役職登用や管理部門への配置等により、将来の幹部・専門知識を有した人材の候補として育成しております。
④ シニア社員の活躍推進
豊富な経験・知見を活かした活躍を期待し、社員が定年を迎え有期雇用労働者として再雇用を希望する場合には、専門知識・技能に応じた処遇の決定等、再雇用後も安定して活躍できる環境整備をしております。
⑤ 外国人の管理職への登用
適任者がいれば、管理職に登用する方針であります。当社の事業形態及び領域の関係上、外国籍正社員の絶対数が少ないものの、国籍に囚われず、能力に応じた登用を行う方針でおります。
⑥ 中途採用者の管理職への登用
新卒・中途採用にかかわらず、能力に応じて管理職へ登用する方針であります。管理職における中途採用者の割合は約41%を占め、今後も引き続き、専門人材の採用を中心に中途採用を行い、適任者を管理職に登用してまいります。
(社内環境整備に関する方針)
① 人事大綱の制定
当社グループでは、経営理念の実現に向けて、また「生きがいが実感できる職場」を築くために、今後の人事政策の指針となる「人事大綱」を制定しております。人事大綱では、社員を会社にとっての究極の財産と位置付けており、社員が仕事を通じて人間的成長や達成感を味わい、生きがいを実感することによって、より豊かな人生を実現することを人事政策の基本に置いています。このような風土のなかで、社員ひとりひとりが高い自立性のもとに、能力を最大限に発揮できる制度・環境を追求し、社会から支持を得る企業活動の実現を目指しております。
② セクハラ・パワハラ・妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント・ホットライン
セクシャルハラスメント・パワーハラスメント・妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントについて安心して相談ができる社内ホットラインを設けて、迅速・適切な対応を行っております。
③ 従業員の自己申告による意識調査及び満足度調査の実施
当社では年に1度、全従業員を対象として、現状の仕事や職場等に関する意識及び満足度調査を継続的に実施しております。調査した結果は従業員のキャリアアップや職場環境の整備、従業員満足度向上等のための施策立案、推進に活用しております。
<当連結会計年度の実施調査概要>
・対象社員数・回答率
対象人数1,595名(グループ会社含む)、回答率95.0%、満足度74.2%
※課長職以下の正社員
・調査内容
職場環境や業務内容への満足度やキャリア形成に対する意識についてアンケートを実施しております。
④ 従業員持株会制度
当社グループでは全従業員を対象として従業員持株会制度を設けています。従業員の資産形成及び株価意識の向上につなげております。
⑤ 人材育成制度
当社グループは、社員ひとりひとりが高い自立性を持ち、能力を最大限に発揮できることを目指し、例として以下の教育を行っております。
実施内容 | 概要 |
キャリアデザイン研修 | 女性に向け、主体的なキャリア開発の重要性について認識し理解を深める |
プログラミング研修 | エンジニア増加に向け、プログラマー育成研修や、オンラインでのプログラミング講座を実施 |
係長補佐候補者 育成研修 | 若手社員に向け、PDCAサイクル・問題発見解決・育成指導・コーチング・伝達力等の向上 方針伝達演習(多数への発信)、指導育成演習(面接演習)を実施 |
新任管理職・ 指導職研修 | 新任管理職に向け、管理職の立場として必要な知識や心構えを習得し、現場マネジメントを円滑にする |
語学支援 | 英語力の向上に向け、英会話レッスンの実施、TOEICIPテストの申込等、各種支援を実施 |
⑥ 社員の定着率向上と多様な働き方の実現に向けた各種社内環境の整備
時代の変化に合わせた社員の多様な働き方の実現に向け、以下社内環境の整備を行い、社員のワークライフバランス向上を推進しております。
ア.フレックスタイム制度
イ.在宅勤務
ウ.産休・育休とは別途、不妊治療休暇制度の追加
エ.子女教育手当の受給対象年齢を、20歳から22歳まで引き上げ
オ.時短勤務の対象を、小学3年生から小学6年生まで引き上げ
カ.定年後再雇用者の、専門知識・技能に応じた処遇レンジ新設
キ.リフレッシュ休暇制度の導入
ク.エリア限定の部長職導入
ケ.新卒社員の初任給引き上げ
コ.オフィスカジュアルでの勤務
⑦ 健康診断・ストレスチェックの受診促進
社員が心も体も健やかに働ける環境づくりに取組んでおり、全従業員に向けて、定期健康診断及びストレスチェックの受診促進を行っております。
⑧ 災害備蓄品の導入
災害発生時の備えとして、全社員の帰宅者用災害備蓄品(ヘルメットや飲料水・保存食等)を備蓄しております。
(3) リスク管理
「リスク管理委員会」では、コンプライアンス委員会・その他各部門から定期的にリスク情報を抽出し、取締役及び関連部門と連携してリスク管理を行う体制を整えております。当該体制において、気候変動に係るリスクの識別・評価、管理を行ってまいります。
〔当社グループのリスク内容とリスク重要度の評価〕
リスク項目 | 指標 | リスク内容 | 評価 | ||
分類 | 大分類 | 小分類 | |||
移 行 リ ス ク | 政策 法規制 | 炭素税の上昇、省エネ政策、GHG排出規制、再エネ価格の上昇 | 支出 | ○インフラ稼働コストの増加 | 中 |
評判 | 社会、投資家の評判変化 | 資本 | ○お客様からの支持低下 ○ステークホルダーの不安増大、評判悪化 ・ 人材確保の困難性上昇、従業員の定着率低下 ・ 資金調達の困難性上昇 ・ 株価の下落 | 中 | |
物 理 的 リ ス ク | 急性 | 台風、豪雨等による水害 | 支出 収益 | ○公共交通機関の停止に伴う、従業員の出勤制限発生 ・ お客様サービスレベルの低下 ○お客様罹災に伴う救済対象債権の増加 ○自社グループ設備等の物理的被害 ・ 直接的業績影響 | 中 |
慢性 | 平均気温の上昇、 降水・気象パターンの変動 | 支出 収益 | ○夏季の空調設備の運転コスト増加 ○従業員の生産性低下、出勤制限、職場の快適性・安全性の劣化 ・ お客様サービスレベルの低下 | 中 |
〔当社グループのリスク対応策及び機会〕
リスク項目 | リスク対応策 | 機会 |
炭素税の上昇、省エネ政策、 GHG排出規制、再エネ価格の上昇 | ・エネルギー使用量、CO2削減目標の設定 | ・省エネ施策推進による事業活動コストの削減 |
社会、投資家の評判変化 | ・気候変動に関する取組みの情報開示、投資家等への丁寧な説明 | ・植物性素材等、環境重視型カードの発券やカーボンニュートラルにつながる事業投資等(環境対策型カードの研究等含む)の実現 ・お客様、株式・債券市場等からの適正な評価 |
台風、豪雨等による水害 | ・コンティンジェンシープランの更改 ・お客様が罹災された場合の相談窓口等の支援体制整備 | ・BCP対策によるインフラ強靭性向上 ・お客様サービスレベルの安定化促進 |
平均気温の上昇、降水・気象パターンの変動 | ・快適な職場環境の再構築 | ・職場環境の改善による生産性向上 |
〔環境負荷データ〕
| 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 |
A重油(kl) | 0 | 0 | 0 | 0 |
都市ガス(㎥) | 320,441 | 387,082 | 354,296 | 344,681 |
電力(千kwh) | 15,897 | 16,503 | 13,636 | 13,048 |
(注)A重油は、小数点以下を切り捨てた数値を記載しております。
〔CO2排出量〕
| 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 |
Scope1 直接的なCO2排出量(t-CO2) | 716 | 865 | 791 | 742 |
Scope2 間接的なCO2排出量(t-CO2) | 6,581 | 6,864 | 5,975 | 5,736 |
合計(t-CO2) | 7,297 | 7,729 | 6,767 | 6,479 |
(注)A重油、都市ガスは、温対法に基づく係数を使用、電力は温対法に基づく「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」における電気事業者別の調整後排出係数(2022年3月実績)を使用しております。
(4) 指標及び目標
当社グループでは、上記「(2) 戦略」に記載した方針に係る指標については、国内グループ会社において具体的な取組みが行われているものの、海外子会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、アイフル株式会社としての内容となります。また、具体的な数値が存在しない指標については、方針のみを記載し、別途、男性労働者の育児休業取得率についても、重要な数値として目標及び実績を記載しております。
指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
① 女性の管理職登用 | 2030年3月までに女性管理職比率20% | 3.3% |
② IT人材の増強 | 2030年3月までにIT人材在籍数780名 (うち、エンジニアについては全従業員に対する占有率25%) | 144名 (うち、エンジニアについては全従業員に対する占有率3.3%) |
③ 若手社員の積極登用 | 2024年3月までに役職登用に対する若手の占有率50% | 約30% |
④ シニア社員の活躍推進 (注)1 | ― | ― |
⑤ 外国人の管理職への登用 (注)1 | ― | ― |
⑥ 中途採用者の管理職への登用 (注)1 | ― | ― |
男性労働者の育児休業取得率 (注)2 | 2030年3月までに100% | 63.6% |
(注)1.具体的な数値が存在しないため、記載を省略しております。
2.人材育成方針として掲げている指標ではないものの、重要な数値として目標及び実績を記載しております。
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