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企業概要

当社グループでは、開発本部を中心に生産統括本部と連携し基盤技術の強化・確立及び基幹商品の強化と環境に配慮した主力製品開発を基本方針として研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費の総額は957百万円であり、そのほとんどを日本セグメントで計上しております。

 なお、当連結会計年度において、当社の「EV駆動用モーターコア生産向け高速精密プレスライン」が日刊工業新聞社主催の「第66回(2023年)十大新製品賞」において「本賞」を受賞しました。受賞した製品はソフト・ハード両面の技術で電気自動車(EV)駆動用モーターコア生産の限界に挑戦したシステムです。

 当連結会計年度の研究開発活動の主なものは、次のとおりであります。

 新技術・基盤技術の開発

(1) プレスシステム用サーボモーターの開発

 当社ではサーボプレスに求められる能力を最大限活用するために、その動力源である高トルクサーボモーターを自社開発し、自社生産を行っています。20年以上にわたるモーター製造経験で培った技術により性能向上とプレスへの最適化を進めてきましたが、今般この技術を応用展開することで、高速プレスラインの自動機に使用できる小型サーボモーターを開発しました。EV駆動用モーターコア専用ラインの高速フィーダーADFシリーズは、この新開発サーボモーターを搭載することで世界最高水準となる毎分130mの送り速度を実現しました。

(2) DX・AI技術の開発

①プレスシステム用3DモニタリングシステムSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)の開発

SCADAは、運転条件設定(ダイハイト、プレス速度など)や生産荷重、稼働時間、軸受温度、潤滑油流量、モーター電流値、各種アラーム等の情報をネットワーク経由で収集し、プレス機械及び周辺装置の状態をリアルタイムに3Dモデルで“見える化”しプレス稼働監視を容易にするシステムです。MF-TOKYO 2023(第7回プレス・板金・フォーミング展)では来場されたお客様から作業前の始業点検等に使いたいとの声が多く寄せられました。

②AIDAデータアナリティクスシステム「AiCARE」の開発

「AiCARE」の開発は、当社が長年にわたり蓄積したノウハウと最新のAI技術によって、クラウド上に集積されたデータの“分析”を行うことで、これまで熟練技能者の経験に頼ってきた様々な業務をサポートするもので、金型の寿命予測も可能となりました。また、米オープンAI社の生成AI「チャット GPT」を組み込み、機械の操作方法、さらには加工方法等これまで当社が蓄積してきたノウハウや知見をAIが提供します。

③シミュレーションソフトウエアの開発

ADMS-SE(AIDA Digital Motion System Simulation Edition)は、金型と搬送装置の干渉を防ぎ最適なモーションを設定するために3Dの仮想空間上で動作をシミュレーションするシステムです。これは従来サーボプレス用に開発されたシステムですが、今般メカプレスでも活用できるよう開発し、システムの単体販売を開始しました。
 

 基幹商品の強化

(1) バイポーラプレート(BPP)専用プレスBEXシリーズの開発

 バイポーラプレート(BPP)は、今後需要が急速に伸びると予想されている「水素燃料電池」の重要コンポーネントで、今般このBPPの成形に特化した専用プレスBEXシリーズを開発しました。BEXシリーズは、BPP成形特有の中央荷重を考慮し、市場から高い評価を得ているULシリーズの構造を踏襲しつつも、ULシリーズよりベッドのたわみとフレームの伸びを大幅に低減した高剛性フレームに改良しました。本シリーズは、加圧能力8000kN、12000 kN、16000 kNのメカプレス仕様とサーボプレス仕様をラインナップします。

(2) ワイドエリアMSP-4000-430の開発

EV向けの駆動用モーターは電磁鋼板コア500~600枚を高速で抜き積層させて作りますが、生産性向上やコア形状の複雑化に対応すべくプレスエリアを業界最大水準に拡張したMSP-4000-430を開発しました。現行主力製品であるMSP-3000-370に対し、以下のように主仕様を変更しました。

①加圧能力(3000kN→4000kN)、②左右スライドエリア(3700mm→4300mm)、③サイドオープニング寸法(530mm→660mm)、④最大上型懸垂質量(4000kg→4700kg)

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