企業兼大株主ゆうちょ銀行東証プライム:7182】「銀行業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 以下の記載における将来に関する事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当行グループは、お客さまの声を明日への羅針盤とする「最も身近で信頼される銀行」を目指してまいります。

「信 頼」:法令等を遵守し、お客さまを始め、市場、株主、社員との信頼、社会への貢献を大切にします。

「変 革」:お客さまの声・環境の変化に応じ、経営・業務の変革に真摯に取り組んでいきます。

「効 率」:お客さま志向の商品・サービスを追求し、スピードと効率性の向上に努めます。

「専門性」:お客さまの期待に応えるサービスを目指し、不断に専門性の向上を図ります。

(2) 経営環境

当連結会計年度の経済情勢を顧みますと、世界経済は、高インフレ抑制に向けた米欧中央銀行による本格的な金融引き締め等により、減速基調で推移しました。米国経済は、FRB(連邦準備制度理事会)の大幅利上げにより減速しましたが、良好な雇用環境を背景にプラス成長を維持しました。一方、ユーロ圏経済は、景気停滞と物価上昇が同時進行するスタグフレーション環境が強まりました。日本経済は、海外経済減速の影響を受けつつも、内需中心に持ち直し基調で推移しました。中国経済は、ゼロコロナ政策と不動産不況により減速基調が続きましたが、12月のゼロコロナ政策大幅緩和後は、回復基調に転じました。

金融資本市場では、米国10年債利回りは、高インフレ抑制に向けたFRBによる利上げ加速と利上げ終着点(ターミナルレート)引き上げの思惑から、上昇基調で推移しました。しかし、3月の米銀破綻により、市場の利上げ観測がやや後退し、3%台半ばまで低下しました。0.25%近傍で推移していた日本の10年債利回りは、12月下旬に、日本銀行が長期金利の変動幅を±0.25%から±0.5%へと拡大するイールドカーブ・コントロールの運用の見直し(以下「YCCの運用見直し」)を行ったことから、0.4%台まで急騰しましたが、米銀破綻を受け3月に一時0.2%台半ばまで急低下しました。

また、海外クレジットスプレッドは、金利の先高感や景気減速懸念を受けて拡大傾向で推移し、3月には一時急拡大する局面もみられました。

外国為替市場では、日米欧の金融政策の方向性の違いや日本の貿易赤字の拡大を反映し、対ドルでは10月下旬に150円台まで急落し、当局による為替介入も実施されました。その後は、日本銀行によるYCCの運用見直しもあり、概ね130円台と円高基調で推移しました。対ユーロでも、円安基調が続き、4月初めの135円程度から3月末には144円程度まで下落しました。

S&P500種指数は、FRBの金融政策への思惑で上下を行き来する上値の重い展開に終始しました。日経平均株価は、海外株価と比べて底堅く、概ね26,000円から28,000円のレンジ圏内で推移しました。

当行グループを取り巻く経営環境については、インフレ高進を受けた米欧中央銀行による大幅な金融引き締め及びこれに伴う景気減速懸念や米欧の金融システム不安の高まり等を背景に、外貨調達コストや海外クレジットスプレッドが高止まることが想定されます。更に、日本銀行によるYCCの運用見直し後は、低金利環境は継続しつつも、国内金利のボラティリティや先行き不透明感は高まりを見せており、今後の金融経済環境についても、不確実性が高い状況が継続することが想定されます。

このように、国内外の有価証券による運用を主たる収益源とする当行グループにとって、厳しい経営環境が継続しております。

(3) 経営戦略、対処すべき課題等

 当行グループを取り巻く経営環境は、人口減少・超高齢化社会、地域経済の縮小、デジタル革命の進展、足許ではインフレ高進を受けた米欧中央銀行の急速な金融引き締め等、大きく変化しております。

 こうした環境変化に機動的に対応しながら、「社会と地域の発展に貢献する」というパーパス、「最も身近で信頼される銀行を目指す」という経営理念及び、中期経営計画で定めた3つのミッションの下で、企業価値の向上と社会課題解決の両立を目指してまいります。

 中期経営計画(2021年度~2025年度)の3年目にあたる2023年度は、不確実性の高い市場環境の中、収益の最大の源泉である「マーケットビジネス」で着実に利益の確保に努めるとともに、安定性の高い強固な事業基盤の構築に向けて、「リテールビジネス」の更なる強化と、新たな成長エンジンと考えている「投資を通じたゆうちょ銀行らしい新しい法人ビジネス(Σ(シグマ)ビジネス)」の基盤構築に注力してまいります。

当行グループのパーパス・経営理念・ミッション・5つの重点戦略


(事業戦略)

 第1のエンジン「リテールビジネス」については、「リアルとデジタルの相互補完」という基本方針の下、店舗ネットワークは維持しつつ、セルフ型営業店端末「Madotab」やATMの高機能化、通帳アプリ・家計簿アプリの機能拡充等、セルフ取引チャネルやデジタルチャネルの充実を図るとともに、お客さまがより「かんたん・べんり」に取引を行えるよう、お客さまのニーズに応じて丁寧なご案内を行います。また、新しいリテールビジネス戦略として、多様な事業者と連携し、通帳アプリや家計簿アプリ経由で、お客さまのニーズに合った最適な商品・サービスのご案内を行う「共創プラットフォーム戦略」に段階的に着手します。更に、資産形成サポートビジネスについては、2024年からのNISA制度(少額投資非課税制度)の拡充も踏まえ、つみたてNISAを始め、お客さまへの提案力強化を図ります。

 第2のエンジン「マーケットビジネス」については、長らく低位で推移してきた国内金利が上昇に転じる可能性も見据え、円金利ポートフォリオを機動的に再構築してまいります。また、リスク耐性強化の観点から、クレジット資産については引き続き投資適格領域を中心に投資するほか、戦略投資領域(注1)については市場変動への耐性が相対的に高いデット(債券)系商品を中心に、優良ファンドへの選別的な投資を実行し、安定的な収益確保に努めます。

 第3のエンジン「Σビジネス」については、2026年度以降の本格展開に向けて、2022年10月から2024年9月末までの2年間をパイロット期間と位置づけ、推進基盤整備に取り組むとともに、GP(注2)業務の本格化に向けた国内GP関連投資の強化やマーケティング支援先の着実な拡充に努めます。

当行グループは「リテールビジネス」「マーケットビジネス」「Σビジネス」という3つのビジネス・エンジンを通じて、お客さまとの信頼を深めるとともに金融革新に挑戦し、中長期的にサステナブルな収益基盤の構築を目指してまいります。

(注) 1.プライベートエクイティファンド(成長が見込まれる未上場企業等へ投資するファンド)、不動産ファンド等からなる戦略的な投資領域

2.General Partnerの略。投資ファンドにおいて投資先企業の選定、投資判断等を担うファンドの運営主体

(財務目標・資本政策等)

中期経営計画期間(2021年度~2025年度)の財務目標について、収益性指標として連結当期純利益(当行帰属分)・ROE(株主資本ベース)、効率性指標としてOHR(金銭の信託運用損益等を含むベース)(注3)・営業経費(2020年度対比)、健全性指標として自己資本比率(国内基準)・CET1(普通株式等Tier1)比率(国際統一基準)(注4)を設定しました。金融ユニバーサルサービスを提供する責務を果たしながら、収益性向上や、効率性改善に向けた取組みを推進し、資本コストや資本収益性を意識した経営に努めます。

資本政策は、株主還元・財務健全性・成長投資のバランスを取った運営を行います。特に株主還元については、経営における最重要課題の一つと認識しており、中期経営計画期間中は、基本的な考え方として、配当性向は50%程度とする方針です。ただし、配当の安定性・継続性等を踏まえ、配当性向50~60%程度の範囲を目安とすることとしております。また、今後の利益の拡大や内部留保の充実、規制動向等の状況によって追加的な株主還元政策を実施することも検討していく方針です。本方針を踏まえ、2023年2月27日に、総額1,500億円を上限とする自己株式の取得及び消却を決定しております。

そのほか、株主のみなさまの日ごろからのご支援に感謝するとともに、当行株式への投資の魅力を高め、より多くの方々に当行の株式を保有していただくことを目的として、株主優待制度を実施しております。

(注) 3.Over Head Ratioの略。銀行業務の効率性を示す指標の一つで、一般的には、経費の業務粗利益に対する比率のこと。当行は相応の規模で金銭の信託を活用した有価証券等運用を行っていることを踏まえ、金銭の信託に係る運用損益も分母に含めたOHRを指標として設定。経費÷(資金収支等+役務取引等利益)で算出。資金収支等とは、資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む。)

4.その他有価証券評価益除くベース。2025年度目標はバーゼルⅢ完全実施ベース

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