めぶきフィナンシャルグループ 【東証プライム:7167】「銀行業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「質の高い総合金融サービスの提供を通じ、地域とともに、ゆたかな未来を創り続けます。」をグループ経営理念に掲げ、グループの創意を結集し、地域の持続的成長に貢献していく方針です。また、当社グループの「長期ビジョン2030」において「地域とともにあゆむ価値創造グループ」を目指す姿に掲げ、株式会社常陽銀行と株式会社足利銀行が培ってきたお客さま、地域とのリレーション、地域への深い理解を維持・深化しつつ、広域ネットワークを活用した経済交流圏域の広がりの追求、総合金融サービスの規模・範囲の拡大を図り、「地域産業の掘り起し、地域経済の活性化や新たな市場創造」に取り組み、地域とともに持続的成長を目指してまいります。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき課題
①金融経済環境
2023年度のわが国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進む中で、設備投資や個人消費の持ち直しに加え、雇用にも改善の動きがみられ、緩やかな回復が続きました。一方、不安定な海外情勢、物価上昇や人手不足を背景とした供給制約などもあり、景気の先行きには下振れリスクも残す状況となりました。
当社グループの主要営業地盤である北関東地域においても、個人消費や鉱工業生産の持ち直しの動きに加え、雇用も緩やかな回復が続くなど、概ね同様の動きとなりました。
金融市場では、円の対米ドル相場は、日米の金融政策を巡り一時的に円高に振れる展開もあったものの、総じてみれば、年度を通し円安ドル高が進み、年度末は1ドル151円台となりました。日経平均株価は、好調な企業業績や東京証券取引所による市場構造改革を受けた企業価値向上への期待感などから、年度を通じて上昇し、2024年2月にはバブル期の高値を34年ぶりに更新しました。また、金利は、物価の上昇や賃金引上げの動きなどを受けた日本銀行による金融政策の変更に伴い、長短ともに上昇に転じました。長期金利は、7月の日本銀行による長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の修正以降は急速な上昇に転じ、年末以降は落ち着きを取り戻したものの、年度当初の0.3%台から年度末0.7%台まで上昇しました。短期金利は、8年に及んだ日本銀行のマイナス金利政策が2024年3月の金融政策決定会合によって解除され、年度末にはマイナス圏からプラス圏へと転じました。
②経営環境
少子高齢化、産業・就労構造の変化、地政学リスクの高まりといった社会・経済環境の変化に加え、他業態を含めた競争の激化など、地域金融機関を取り巻く経営環境は厳しい状況が続いております。
他方、脱炭素・循環型社会への移行などの大きな潮流に加え、ライフスタイルや社会行動の変化などによって、総合金融サービス分野や非金融サービス分野の広がりが期待されます。また、長期に及んだマイナス金利の解除など、金融政策の枠組みが見直されつつあり、預金や貸出金、有価証券運用といった伝統的な金融サービス分野におきましても、潮目が変わる様相を呈しております。
③優先的に対処すべき課題
上記の経営環境を踏まえ、当社グループは、両子銀行が長年培ってきた地域への深い理解やお客さまとのリレーション、広域ネットワークを最大限に活かし、中長期的な視点での地域社会の課題にも目を向け、その解決を通じて地域とともに持続的成長を実現していく必要があります。
このため、当社グループは「長期ビジョン2030」に掲げた目指す姿「地域とともにあゆむ価値創造グループ」を実現すべく、「第3次グループ中期経営計画」の達成に向け全力で取り組んでまいります。
伝統的銀行領域の革新と総合金融サービス領域の深化に向けた取組みの継続により、経営体質を一層強化するとともに、新事業領域への種まき、育成、スケール化に向けた取組みを着実に進め、従来の枠組みを超えて地域に貢献してまいります。
また、持続可能な社会の実現に向け、一段と重要性が増しているサステナビリティへの取組みでは、「グループサステナビリティ方針」に定めた5つの重要課題(①地域経済・地域社会の活性化、②気候変動対応・環境保全、③デジタル化の推進、④高齢化への対応、⑤ダイバーシティの推進)に引き続き取り組んでまいります。取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」のもとグループの機能と知見を結集させ、サステナビリティへの取組みを一層加速させることにより、経済的価値、社会的価値の両面から当社グループの企業価値向上につなげてまいります。
(3)中期的な経営戦略
当社グループでは、「長期ビジョン2030」に掲げた「地域とともにあゆむ価値創造グループ」の実現に向け、2022年度より「第3次グループ中期経営計画」(計画期間:2022年度から2024年度までの3年間)をスタートしました。「地域を支えるビジネスモデルの追求」、「持続可能な経営基盤の構築」、「人材の育成・活躍促進」の3つの基本戦略のもと諸施策を展開しております。
① 地域を支えるビジネスモデルの追求
当社グループが提供する地域・お客さまの課題解決に関するサービスの質を高め、事業領域を拡げていくことで、持続可能な地域社会の実現に貢献してまいります。また、デジタルサービスによる利便性と対面での高度なサービス・安心感を提供し、地域になくてはならない存在となることを目指してまいります。
伝統的銀行領域においては、デジタル技術や非対面サービスの活用によるお客さまの利便性向上、相談機能の強化や課題解決との一体提供によるサービス価値の向上のほか、有価証券運用・投融資の多様化に取り組んでまいります。総合金融サービス領域においては、コンサルティングやグループ機能を強化し、より多くのお客さまの課題解決への貢献に取り組んでまいります。加えて、新事業領域においては、当社グループの強みや戦略的な投資・提携等を活用した従来の枠組みを超える価値提供に挑戦してまいります。
② 持続可能な経営基盤の構築
デジタル技術の活用等を通して、ビジネスモデルの変革と業務革新に取り組み、新しい価値を創出するとともに経営体質を強化してまいります。
DXを推進し、非対面・リモート手続きの拡充、デジタルチャネルと対面チャネルを活用したデータの蓄積を進めるとともに、蓄積したデータやデジタル技術を活用し、新サービスの提供や従来サービスの高付加価値化に取り組んでまいります。また、伝統的銀行領域における業務革新を加速させることで経営資源を捻出し、コンサルティングなどの付加価値の高い業務や新しい事業領域に投入していくほか、事業領域の拡大に対応した経営管理体制を整備することで、グループ経営の高度化を図ってまいります。
③ 人材の育成・活躍促進
価値創造できる人材の育成・確保や働きがいの充実を通じて、多様性と自立性を備える集団を形成し、地域・お客さまに、新しい価値と安心を提供していくことで、従業員一人ひとりのエンゲージメントを高めてまいります。
価値を創造する人材の育成・確保に向け、総合金融サービス領域の深化や事業領域の拡大に向けた人材の育成に取り組むほか、デジタル化の進展を踏まえたリスキリング機会の拡充などに取り組んでまいります。また、多様な人材の活躍機会の拡大や持続的な成長を支える組織風土の醸成に向け、ダイバーシティの実践や働きがいの充実に取り組んでまいります。
こうした取り組みを通じて、質の高い総合金融サービスの提供を実践するとともに、当社グループの企業価値の向上を図り、地域とともに持続的な成長を目指してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、第3次グループ中期経営計画の中で以下の経営指標を目標として利用し、各種施策に取り組んでおります。
目標とする経営指標 | 算出方法 | 当該経営指標を利用する理由 |
連結純利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 事業の成長性を追求するため |
コアOHR(子銀行合算) | 経費÷(業務粗利益-国債等債券損益) (注)経費、業務粗利益、国債等債券損益はいずれも子銀行合算 業務粗利益からは、投信解約損益、日本銀行からの地域金融強化のための特別付利及び新型コロナ対応オペによる付利を除く。 | 経営の効率性を追求するため |
連結ROE | 親会社株主に帰属する当期純利益÷((期首株主資本合計+期末株主資本合計)÷2) | 経営の効率性を追求するため |
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