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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社は、当社グループのすべての役職員が活動していくうえでの基本的な考え方として、「存在意義」・「経営姿勢」・「行動規範」から構成されるグループ企業理念を制定しており、自らの存在意義を「潤いと活力ある地域の明日を創る」と定め、その基本的な経営姿勢を「最適のサービスで信頼に応える」とし、これらの具現化のための行動規範として「感謝の心でベストをつくす」を掲げております。

 当社は、グループ企業理念のもと、株主さま、お客さま、地域の皆さま及び従業員等のゆるぎない信頼を確立し、地域に根差した企業グループとしての社会的責任を果たしつつ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図りながら、地域経済の発展に貢献していくことを経営の基本方針としております。

(2) 中長期的な経営戦略と目標とする経営指標
<中長期的な経営戦略>

 当社は、「新たな価値を創造・提供し続ける企業グループ」を長期ビジョンとして掲げており、「2021年度中期経営計画」では、当社グループ独自のビジネスモデルである「DHDモデル(デジタル技術を活用して、お客さまとの接点を拡大し事務手続きを徹底的に効率化することで、お客さま対応に専念すること。)」を更に深化・進化(しんか)させ、グループ一丸となってビジネスモデル変革に取り組んでまいりました。

 本年4月にスタートさせた「2024年度中期経営計画」(以下、「新中計」という。)の策定においては、様々な環境・社会課題のうち、当社グループの価値創造に大きく影響する重要項目(マテリアリティ)として、「気候変動・環境負荷」「人口減少・少子高齢化」「地域経済・産業の持続的な発展」「人的資本の拡充」「インテグリティの追求」の5つのマテリアリティを特定いたしました。

 次なる10年を展望したとき、地域とともに当社グループが更に発展・成長していくためには、マテリアリティを起点としたサステナビリティ経営を実践していくことが必要であり、その戦略遂行の主役は紛れもなく「人」であると考えております。

 当社グループがこれまで積極化してきたデジタル実装をベースに、「DHDモデル」の「H(ヒューマン)」に更なる磨きをかけることで、10年先を見据えた「稼ぐ力」を向上させていくために、「事業ポートフォリオ」及び「人財ポートフォリオ」の再構築を中心とした「営業×人財」の構造改革を実行し、長期ビジョンの実現及び企業価値の向上を目指してまいります。

 このような考えのもと、新中計では、構造改革のフェーズ1「基礎構築」の3年間として位置付け、役職員のマインドセットや行動の変革を促していく取組みを進めてまいります。

〈戦略構成〉

 新中計では、マテリアリティを起点とした「成長」「適応」「強靭」「改善」をキーワードに、4つの戦略で構成いたします。

グロース戦略

 地域経済・産業の持続的な発展によって、ステークホルダーとともに「成長」する。

アジャスト戦略

 気候変動や人口減少など、当社グループ及びステークホルダーに大きな影響を及ぼす地域の課題に対して「適応」する。

レジリエンス戦略

 人的資本を拡充するとともに、インテグリティの伴った事業活動を実践することで、「強靭」な人財及び組織を創り出す。

アップグレード戦略

 更なるBPR推進や対面/非対面チャネルの充実、及び次期基幹系システムの構築によって、インフラや仕組み等をより高度なものに「改善」する。

<目標とする経営指標>

 新中計における経営指標は、当社グループに与える経済インパクト(財務指標)及びマテリアリティごとの社会インパクト(非財務指標)を計る「インパクト指標」として構成します。

経済インパクト

インパクト内容

インパクト指標

2023年度

実績

2026年度

目標

目指す水準

収益性

連結ROE

(純資産ベース)

4.92%

4%半ば

7%以上

親会社株主に帰属する

当期純利益

394億円

350億円

効率性

連結コアOHR

55.90%

55%程度

成長性

成長投資

100億円

社会インパクト

マテリアリティ

インパクト内容

インパクト指標

2023年度実績

2026年度目標

目指す水準

気候変動・

環境負荷

当社グループのCO2排出量の削減

当社グループの

CO2排出量削減率

(Scope1、2)

△44.0%

(2013年度比)

△50%

(2013年度比)

CN達成

(2030年度目標)

人口減少・

少子高齢化

お客さまの

保有資産の増加

お客さま1人あたりの

総資産残高指数

100.0

108.0

121.0

(2032年度目標)

地域経済・産業の持続的な発展

お客さまの

収益力の向上

事業所1社あたりの

キャッシュフロー指数

100.0

109.0

131.0

(2032年度目標)

人的資本の

拡充

従業員エンゲージメントの向上

従業員エンゲージメントスコア

70

72

76

(2032年度目標)

従業員の

生産性の向上

従業員1人あたり

お客さま営業利益

4.4百万円

5.6百万円

13.8百万円

(2032年度目標)

インテグリティの追求

顧客体験価値(CX)の向上

お客さまCX指標

6.85

7.10

7.10以上維持

(2032年度目標)

情報開示の

透明性向上

ステークホルダー

対話回数

82回

100回以上

毎年度

100回以上継続

ESG評価機関の

評価スコア

スコア向上

スコア

向上・維持

(注) 1 「気候変動・環境負荷」に関する取組の詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 重要なサステナビリティ項目 ① 気候変動に関する取組」に記載しております。

2 「人口減少・少子高齢化」におけるお客さま1人あたりの総資産残高指数は、伊予銀行または四国アライアンス証券とお取引のある18~74歳の個人のお客さまの総預り資産残高をお取引先数で除したものを指数化しております。

3 「地域経済・産業の持続的な発展」における事業所1社あたりのキャッシュフロー指数は、当社グループの瀬戸内圏営業エリアにてお取引のある法人のお客さまのキャッシュフロー(経常利益+減価償却費)をお取引先数で除したものを指数化しております。

4 「人的資本の拡充」における従業員エンゲージメントスコアは、エンゲージメント計測ツール「wevox」の総合スコアとしております。また、従業員1人あたりお客さま営業利益は、当社グループの顧客部門の営業利益を連結従業員数(除く臨時・嘱託)で除した数値としております。

 なお、取組の詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 重要なサステナビリティ項目 ② 人的資本に関する取組」に記載しております。

5 「インテグリティの追求」におけるお客さまCX指標は、株式会社野村総合研究所のCXMM®(株式会社野村総合研究所の登録商標)に準拠して計測しております。ステークホルダー対話回数は、株主、機関投資家、個人投資家、及びお取引先等向けに開催したSRやIRの実施回数としております。また、ESG評価機関の評価スコアは、MSCI社、Sustainalytics社及びFTSE社によるESG評価スコアを採用しております。

(3) 経営環境及び対処すべき課題

 当社グループを取り巻く経営環境として、人口減少・少子高齢化に伴い深刻化する人手不足や事業所数の減少による地域経済の縮小など、社会構造の変化は加速度的に進んでおります。

 また、デジタル化・脱炭素化に対する官民投資の拡大や金利上昇局面への反転をはじめ、デフレ経済からの脱却に向けて、賃金と物価の双方が好循環する経済の到来が期待されるなど、大きな転換点を迎えつつあります。

 このような経営環境下、新中計では、当社グループの価値創造に大きく影響する「気候変動・環境負荷」、「人口減少・少子高齢化」、「地域経済・産業の持続的な発展」、「人的資本の拡充」、「インテグリティの追求」の5つのマテリアリティを起点とした事業活動を展開していくサステナビリティ経営を実践することで、幅広いステークホルダーに対する社会インパクトを創出するとともに、当社グループの企業価値向上に向けた経済インパクトを極大化させてまいります。

 引き続き、健全経営に徹するとともに経営体力を一層強化し、サステナブルに存続するための拠りどころである「潤いと活力ある地域の明日を創る」というグループ企業理念のもと、当社グループ一丸となって金融/非金融の両面から地域の発展・成長のために尽力してまいります。

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