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企業概要
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略
当社グループは、ECビジネスに参入する取引先の参入障壁を解消し、主要ECプラットフォームから自社ECサイトまで含めたEC事業の総合支援、また消費者向けにはプライベートブランドの販売(D2C)を展開しております。株式会社富士経済が公表した「通販・e-コマースビジネスの実態と今後2024」によれば、2023年のEC(物販)市場規模は14.1兆円に対し、2024年の見込みでは14.7兆円、2025年では15.3兆円と、着実に成長を続けていくと予想されております。当社グループでは、複数のECプラットフォームに対応したサービスを提供しているため、今後も事業拡大を見込める良好な環境であると捉えております。
① Oneコマース
<成長戦略>
a) 契約社数の増加
テクノロジーを活用した既存業務の効率化等により対応リソースを増加させ、より多くの取引先のニーズに対応できる体制整備を進めてまいります。また時流に即した新規サービスの開発を通じて幅広い取引先の開発を進めてまいります。
b)1社あたり契約単価の増加
一取引先に対して従量制サービスを含む複数サービスを提供することにより、契約単価の向上を図ってまいります。具体的には、Amazonや楽天といったプラットフォームとの連携を強化し、情報活用を通じた新サービスのローンチ等、サービス拡大に伴うクロスセル/アップセルを実施してまいります。
② 協業ブランドパートナー
<成長戦略>
a) 取扱いブランドの増加
新規のブランド・メーカーとの取引の開始に加え、複数のブランドを有するブランド・メーカーの満足度向上を通じた他ブランドの取引開始により、契約ブランドや展開プラットフォームを増やしてまいりました。引き続き、各種施策を通じて満足度を高めるとともに、営業体制を拡充することにより、現在取引のあるブランド・メーカーの、別ブランド契約、別プラットフォームへの出店支援を推進してまいります。
b) 取扱いブランドの成長
当社グループは、ブランド・メーカーとのコミュニケーションを重視し、ブランド・メーカーとともにブランドを育成するパートナーであると考えております。引き続き、良好な関係性を維持し、当社グループにて運営している公式ECサイトの成長を図ってまいります。また、創業以来、当社グループが培った実績やノウハウを活用することで、一層成長を促し、収益基盤の拡大及び成長速度の加速、将来的な企業価値の増大に向けて取組んでまいります。
③ 共創・自創バリューアップ
<成長戦略>
a) 自社ブランドの開発、取扱いブランドの獲得及び成長
自社での商品開発によるプライベートブランドの展開、またはD2C、ECブランド企業を自社ブランドとして引き継ぎ、当社グループが保有する事業成長の資金、EC専門人材、EC販売ノウハウ、商品企画・開発機能、物流機能を投下することで、各ブランドの売上成長に向けて取組んでまいります。さらに、国内の別ECプラットフォームへの追加出店や越境ECサービスによる海外販売を行うことで、各ブランドの販売チャネルを増加し、ブランドの収益拡大を目指してまいります。
また、江原道株式会社のコスメブランド「KohGenDo」の海外独占販売権取得のように、他社とのタイアップを通じて、国内・海外での販売チャネルの増加やブランドの収益拡大を目指してまいります。
④ ECプラットフォーム
<成長戦略>
a)ライブコマースサービスの拡大
当社グループの運営ノウハウをもとに配信者や出店企業が手軽に販売するための管理ツールを提供することでライブコマースでの販売効率を高め、より売上創出が可能な体制に強化してまいります。そのほか、商品提供から物流までをカバーする包括支援サービスの提供を進め、取引高を増やしてまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、売上高の成長と売上総利益額を重要な指標とした経営を行っております。Oneコマースでは、取引先当たり契約単価の上昇により売上高・売上総利益額ともに増加を目指し、協業ブランドパートナーでは、新規ブランドの獲得や継続ブランドの成長を通じて、主に売上高の成長を目指してまいります。また、共創・自創バリューアップでは、ビーラン社での原価低減による売上総利益額の増加を企図し、他社とのタイアップ等による成長も合わせて目指してまいります。
(3)経営環境
近年、消費者の購買活動は、リアル店舗からECへのデジタルシフトの動きが活発化しております。2022年8月に経済産業省が発表した「令和4年度電子商取引に関する市場調査」によれば、2020年に8.08%であったBtoC-EC(消費者向け電子商取引)のEC化率は2022年には9.13%と増加傾向にあり、商取引の電子化が進展しております。
また、株式会社富士経済が公表した「通販・e-コマースビジネスの実態と今後2024」によれば、EC物販市場は2025年にかけて引き続き拡大が予想されております。このうち、ECプラットフォーム市場は、2024年に11.7兆円(対前年比105.6%)、さらに2025年には12.3兆円(対前年比104.8%)となり、今後もECプラットフォーム市場がEC市場全体の拡大を牽引していくと考えられます。消費者庁が公表した「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査2020(詳細版)」によると、ある商品を買いたいとき、自社ECサイトとECプラットフォームにおいて同じ売主が同じ価格で販売している場合、回答者の76.6%は「ECプラットフォームで買い物をする」という結果となっています。
このような背景から、今後は多数のブランド・メーカーが、主要ECプラットフォームでのECビジネス展開に注力することが予測されます。例えば、電通が公表した「2023年 日本の広告費」によると、大手企業を中心に積極的な広告事業展開が確認されており、2023年の物販系ECプラットフォーム広告費は2,102億円(前年比110.1%)となっております。このような経営環境から、当社グループについても業績拡大の余地が大いにあると捉えています。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 提供サービスの更なる強化
当社グループは、EC運営事業者に対して、事業戦略立案からECサイトの構築・運営、そして物流・配送まで、バリューチェーンの多岐にわたって支援しております。また、Amazon、楽天市場をはじめとする様々なプラットフォーム(チャネル)に対応したサービスを提供しており、中小から大手に至るまで幅広い顧客の課題解決を通じて、着実な成長を実現しております。それら各プラットフォームとの連携を強化し、仕様変更への迅速な対応・効率的な情報活用を通じて当社サービスのさらなる質の向上を図っております。昨今の物流費高騰等への対応に関しても、EC運用に関するナレッジと物流倉庫との強固なネットワークを通じて、提供サービスの更なる強化を進めております。
② 人材の獲得・育成及びより一層のテクノロジーの活用
当社グループの事業モデルや顧客対象は多岐にわたるため、多様な人材の獲得や実践的な人材育成などの人的資本、またテクノロジーなどの知的財産への投資が不可欠であります。当社グループでは、EC運営に関する知識や経験の深い人材採用を推進するとともに、テクノロジーの活用を通じてサービス提供範囲を拡大させ、顧客のEC売上向上にコミットする体制構築を進めております。
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