あいちフィナンシャルグループ 【東証プライム:7389】「銀行業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は、2022年10月3日に共同株式移転方式により、愛知銀行と中京銀行の完全親会社として設立されました。
当社グループの経営理念として経営ビジョン「VISION」を定め、「金融サービスを通じ、地域社会の繁栄に貢献する」とともに「MISSION」である「愛知県No.1の地域金融グループ」を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、2022年10月から2025年3月までを計画期間として「第1次中期経営計画」に取組んでおります。
第1次中期経営計画の目標とする主な経営指標は以下のとおりであります。
①トップライン目標
項目 | 2024年度目標 | 2023年度実績 |
貸出金利息 | 360億円 | 360億円 |
役務収益 | 160億円 | 156億円 |
うちソリューション関連手数料 | 39億円 | 40億円 |
②合併までの主要KPI(第1次中期経営計画)
項目 | 2024年度目標 | 2023年度実績 | |
トップラインシナジーKPI | 戦略人財創出数 | 450人 | 410人 |
子銀行合併までの基盤強化 KPI ※1 | 中小企業等貸出残高 増加額 ※2 | 3,000億円 | 3,175億円 |
中小企業取引メイン先 増加数 ※2 | 1,000先 | 485先 | |
ソリューション提案 増加件数 ※2 | 650件 | 563件 |
※1 愛知銀行・中京銀行の2行合算
※2 2021年度対比
(3)中長期的な経営戦略
第1次中期経営計画のテーマを「Speed , Fusion & Chemistry」として合併新銀行のスタートダッシュに向けた重要な準備期間と位置づけ、続く2025年4月から2028年3月までの「第2次中期経営計画」はシナジー効果の早期発現を、2028年4月から2031年3月までの「第3次中期経営計画」は合併シナジーの最大化を目指す期間としております。
第1次中期経営計画では、「お客さまにダイナミックな進化を体験して頂けるコンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルの準備完了」、「コンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルでの新しい社員像の確立と必要人財像の創出・育成完了」、「合併後のシナジー発現に向けた主要KPIの着実な達成」を成し遂げるため、以下の重点4戦略に取組んでおります。
①「コンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルへの完全移行準備」
今までになかった「商品・サービスラインナップ」「スピード感」「新しい行風・企業文化」をお客さまが合併直後から感じられる営業店・本部体制を確立してまいります。
②「新ビジネスモデルに求められる人財像への社員の大規模シフト」
合併直後からお客さまの体験価値を大きく変えられる新しい人財像の確立と、合併までに戦略人財を大規模に育成・創出してまいります。
③「経営の効率化によるシナジー早期発現」
スピード感のあるシステム/制度インフラ統合計画を進めるとともに、合併前での先行的な銀行内店舗共同化を推進してまいります。
④「プロジェクト『6』 FG設立後6か月間の集中PMI6施策」
シナジーの早期発揮、両行の行員融和によりお客さまの期待に応えられるサービスを提供するための重点施策として取組みしたプロジェクト『6』は、経営統合後における各種施策の検討・実行を速やかに進めるための枠組みみとして継続しております。
(4)経営環境
当連結会計年度のわが国経済を振り返りますと、前半はコロナ禍における行動制限がなくなり、また自動車の半導体不足も解消に向かったこともあり、サービス消費や輸出は増加を続けました。その後、為替相場が円安に進行する中、物価高を受けた節約志向の強まりもあり個人消費の持ち直しに足踏みも見られましたが、価格転嫁の進展に伴い企業収益は改善傾向にあり、景気は緩やかに回復しております。
当社グループの主要営業基盤である愛知県を中心とする当地域につきましても、販売価格の上昇による住宅投資に弱い動きがみられるものの、主要産業である自動車関連産業では生産や輸出は増加基調にあり、また雇用・所得は緩やかに改善しており、景気は緩やかに回復しております。
金融面をみますと、円の対米ドル相場は、昨年7月に日銀の長短金利操作の運用柔軟化や、本年3月のマイナス金利政策の解除など、金融政策の見直しがなされたものの、米国の早期利下げ観測の後退に伴い日米金利差が当面継続するとの見通しなどから、当期末には151円台まで円安が進行しました。
日経平均株価につきましては、海外投資家の日本株への投資意欲の高まりなどを背景として、12月末に3万3,000円台まで上昇しました。その後、米国ハイテク株式の上昇を受けて国内の半導体関連株が堅調に推移したことや、本年1月より始まった新NISAによる投資マネーの流入などもあり、本年2月に1989年以来となる最高値を更新し、当期末の終値は40,369円となりました。
(5)優先的に対処すべき課題
金融業界を取り巻く環境は、人口や企業の減少など社会環境の変化や、欧米を中心とする海外金利の急激な上昇に伴う世界的な景気後退懸念など経済環境の不確実性が高まっている状況にある中、事業を営むお客さまの経営課題や、個人のお客さまのライフスタイルの変化などにより、お客さまのニーズは高度化・多様化しております。また、異業種から金融分野への参入により競争環境が激しくなっておりますが、銀行法の規制緩和を有効に活用するなどして、収益の柱となり得る新たな金融ビジネスを切り拓くことで、持続的な収益基盤を構築するとともに、地域金融機関として地域社会に貢献していくことが大きな課題のひとつであると考えております。
こうした環境認識のもと、「第1次中期経営計画」における重点4戦略を通じて、当社の経営理念を実践し、地域とともに持続的な成長を目指してまいります。
また、当社グループへの信頼を揺るぎないものとしていくため、コンプライアンス重視を第一とし、法令やルールを厳格に遵守するとともにリスク管理を徹底し、銀行持株会社による経営管理機能の高度化を進め、誠実かつ公正な業務運営を確立してまいります。
当社グループでは、気候変動や人的資本及び多様性への対応を含むサステナビリティへの取組を経営の重要課題と捉え、2022年10月の当社グループ設立と同時にサステナビリティ方針を制定し、TCFD提言への賛同表明を行いました。また、昨年11月には、当社グループの重要課題(マテリアリティ)として、「地域社会繁栄への貢献」、「金融サービスの高度化」、「環境保全対応」、「従業員エンゲージメント向上と多様な人財の活躍推進」、「ガバナンスの強化」を特定しKPIを設定するとともに、「あいちフィナンシャルグループ人権方針」を制定し、当社グループ内外における人権尊重の取組みの促進を目指しております。
引き続き、当社グループ一体となってサステナビリティ経営を推進し、持続可能な社会の実現に向け貢献してまいります。
今後も「あなたの、いちばんちかくで。」をコーポレートスローガンに、「コーポレートガバナンス・コード」を踏まえ、あらゆるステークホルダーからの期待にお応えできる取組みを通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
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