日本電信電話 【東証プライム:9432】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
(1)事業環境の変化
リアルとオンラインが共存した働き方・ライフスタイルが定着し、AI・ロボティクスの進化・活用の拡大、デジタルトランスフォーメーション(DX)が引き続き進展する一方で、消費電力の増大や監視社会等のデジタル化の負の側面が課題となっています。また、経済安全保障の重要性の増大や世界規模での自然災害の激甚化等、環境が大きく変化しています。
(2)NTTグループ中期経営戦略に基づく事業展開
NTTグループは、新中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」に基づき、お客さまと社会のために新たな価値を提供し、事業そのものをサステナブルな社会の実現へとシフトすることで、地球のサステナビリティを支える存在になるべく取組みを推進していきます。
新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ
AIの活用拡大等に伴う消費電力増大への解決策として、低消費電力を実現する光電融合デバイスの早期事業化を進めるとともに6G等を含むIOWN研究開発・実用化の加速に向けて、今後も継続的に資金を投下し、サーバー(DCI※1)やデジタルツインコンピューティング等の実用化を推進していきます。
また、個人のお客さまを中心としたパーソナルビジネスの強化に向けては、スマートライフ事業の強化を図り、今後5年間で約1兆円以上の投資を実施します。例えば、金融やヘルスケア・メディカルといった様々な分野のサービスの拡充・高度化に取り組むとともに、サービスを通じて得た様々なデータを分析することで、よりパーソナライズされた最適なサービスの提供につなげていきます。
企業等のお客さまに対しては、AI・ロボット、IOWN・デジタルツインやセキュリティ等の技術を活用してソリューション・サービス、プラットフォーム・サービスをグローバルで展開し、生活や社会を支える産業を変革していきます。この分野には、今後5年間で約3兆円以上の投資を実施します。
データセンターについても、NTTグループのデータセンター基盤をさらに拡張するとともに、IOWN技術の導入により高度化を推進するために、今後5年間で約1.5兆円以上の投資を実施し、データセンターの容量も倍増していきます。
さらに、グリーンエネルギーとICTの組み合わせにより実現するグリーンソリューションを推進し、再生可能エネルギー発電事業を拡大するとともに、蓄電池やEMS※2等を活用した地産地消型で最適化・効率化された電力の安定供給実現をめざします。また、循環型社会の実現に向けて、再生可能エネルギーに加え、様々な産業間で廃棄物の再利用等を進め、資源を循環させることで持続可能な社会を実現していきます。加えて、IOWN、5G/IoT、AI・ロボットの活用により、一次産業の効率化・付加価値化を進め、産業振興、地域創生に貢献します。
事業基盤の更なる強靭化については、これまでの通信故障等の反省や教訓を活かし、大規模故障やサイバー攻撃等の発生を踏まえた強靭なネットワーク/システムを実現し、社会インフラを強化するとともに、激甚化する自然災害等への対策を強化します。
加えて、災害対策の更なる強化と世界標準のサイバーセキュリティ対策を進め、安心・安全なサービス提供に取り組みます。
※1 Data Centric Infrastructure
※2 Energy Management System(エネルギーマネジメントシステム)
お客さま体験(CX)の高度化
研究開発推進機能とマーケティング機能、アライアンス機能を融合した研究開発マーケティング本部を2023年6月に新設しました。プロダクトアウト型の研究開発の強化に加え、グローバルでお客さまやパートナーとコラボレートしながら、研究開発からプロダクト提供まで行っていきます。また、様々なパートナーとのアライアンスを推進し、あらゆるステークホルダーをお客さま・パートナーとして捉え、お客さま体験ファーストを推進していきます。
カスタマージャーニーに寄り添いながら、アジャイルでサービスを常に改善・アップデートしていくことで、お客さまの期待を超える新たな体験や感動を提供し、選ばれ続けるNTTグループをめざします。
従業員体験(EX)の高度化
世の中に価値あるものを生み出しサステナブルな社会を作る原動力として、NTTグループはEXを重視し、人が価値を生む好循環を実現していきます。そのために社員の自律的なキャリア形成を支援し、新たな価値創造を通じて事業の成長を支える人的投資を拡大します。専門性を軸とした人事制度に基づき、18分野の専門性を高めるための社外資格取得支援や研修メニューの充実、社員のキャリアデザインのアドバイスを行うキャリアコンサルティング機能の充実等を図るとともに、出産、育児、介護等のライフイベントのサポートも含めたトータルなキャリア形成を支援していきます。また、「オープンで革新的な企業文化へ」のトライ&エラー、失敗をおそれず挑戦する文化の浸透を図っていきます。
(3)中期財務目標
新中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」中期財務目標
目標指標 | 目標水準(2027年度) | |||
全社目標 | EBITDA | +20% | 増加(対2022年度) | |
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| 成長分野 | EBITDA | +40% | 増加(対2022年度) |
海外営業利益率 | 10% | (2025年度) | ||
既存分野 | EBITDA | +10% | 増加(対2022年度) | |
ROIC(投下資本利益率) | 9% | (2022年度実績:8.2%) |
上記に加え、サステナビリティ関連指標を設定
・女性の新任管理者登用率 : 毎年30%以上
・温室効果ガス排出量 : 2040年度カーボンニュートラル、ネットゼロをめざす
・従業員エンゲージメント率 : 改善
(注)1. 海外営業利益率の集計範囲は、NTTデータグループ連結です。また、買収に伴う無形資産の償却費等、一時的なコストを除いて算定します。
2. 成長分野は、IOWN、デジタル・データセンター、電力・エネルギー、スマートライフ、不動産、AI・ロボット等です。
3. 既存分野は、NTTドコモのコンシューマ通信事業、NTT東日本、NTT西日本です。
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