企業平和紙業東証スタンダード:9929】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針・経営戦略等

 当社グループは、「平和を愛し、環境を重んじ、文字文化を通じ、豊かな未来創りに役立つ企業を目指す」ことを社是として掲げ、「仕入先・得意先と共存共栄を旨とし、誠意を持って接する」「常に創意工夫をおこたらず、開拓・開発に進取と挑戦の精神で行動する」を企業理念としています。

 当社グループは経営ビジョンに、「お客様に信頼され、社員の働きがいがあり、世界を舞台にして安定的に収益を伸ばせる独創的で魅力的な企業を目指す」ことを掲げております。当社グループにおいては、このビジョンの達成に向けて、社員一人当たりの生産性・効率化を高めることで、収益性の向上と強固な経営基盤の確立を図っています。同時に、当社グループを取り巻くすべての利害関係者の信頼とご期待にお応えすることを経営の基本方針としております。

 また、地球規模で気候変動対応が求められる中、特殊紙を中心とする紙の流通・販売を営む当社グループにおいても、環境に配慮した紙『エコロジーペーパー』の開発・販売推進並びに啓発活動に注力することで、地球環境の保全と循環型社会への寄与を図っています。2020年1月には、国連の採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」への当社の対応をまとめ、森林の活性化等をはじめとする環境課題はもちろんのこと、ジェンダーの平等、社員の働きがいといった社会的課題の解決を図りながら、事業を通じて、紙の文化向上と社会貢献ができるよう、企業活動を展開しております。

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、本業の紙の販売に関する収益性を判断する観点から、売上高営業利益率を重視しております。加えて、企業価値の観点から株主資本利益率(ROE)、さらに長期的な持続可能性を示す指標として総資産利益率(ROA)を、経営の重要指標として位置づけ、収益力の強化を推進し、バランスの取れた財務体質の強化を目指しております。なお、社内の販売管理においては売上総利益に注視することで、より付加価値の高い商品の販売比率の向上へとつなげています。

 また、企業運営においては、フリー・キャッシュ・フローの観点から現預金等の手元資金の水準を常に把握し、適正な範囲内での増減に収まるよう、管理しております。ROAに関しては、2022年度以降、2022年4月に当社が等価交換方式で譲渡した土地の含み益がバランスシート上に計上されるため、見かけ上の数値は影響を受けるものの、社内の管理上は当該影響を除いたROAに注視しています。

 なお、過去5年間における上記指標の推移は下記の通りです。

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

売上高営業利益率(%)

    1.0

    0.1

    1.0

    0.9

    1.0

ROE(%)

    1.8

   △0.4

    1.0

    9.8

    1.4

ROA(%)

    0.9

   △0.2

    0.6

    5.2

    0.7

(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2022年3月期の期首から適用しており、2021年3月期の主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。

(3)経営環境及び対処すべき課題

 2024年の紙・板紙の国内需要については、長期にわたって減少傾向が続いています。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2020年以降はデジタル化がより一層加速されたことで、特に印刷・情報用紙の落ち込みが続いています。印刷・情報用紙に関しては、今後も需要の減退トレンドが加速していくことが見込まれます。

 世界規模で気候変動に対応することが大きな課題となっている中、消費者の環境意識の高まりに加え、企業も環境への負荷を軽減していくことが社会的な要請となっています。その一環として、脱プラスチック・脱炭素を図るための代替素材として、パッケージ用途を中心に紙の持つ役割が再認識されています。当社の強みを発揮できる高級パッケージや特殊機能が付与されている技術紙を中心に、従来の手法に加えコロナ禍で強化されたSNS等を活用した販売推進活動も活用しながら、売上の拡大を図ります。また、お客様、お取引先様の諸問題を解決するソリューションビジネスの提供を通じて付加価値を高め、収益性の向上へとつなげることで、外部環境の変化に影響されにくい経営基盤の確立を図っていきます。

 経営基盤としては、従業員にとって、より働きやすい職場環境を構築するために、コロナ禍で始めた時差出勤やテレワークの併用も継続しながら、事業の効率化を推進するためのIT環境の整備やDX化にも投資を進めます。

 引き続き、本業である和洋紙卸売業のさらなる強化を推し進めながら、社会における紙需要の変化に対応した新規需要の創出等、新しい取り組みにも挑戦し、サステナビリティ経営の強化にも取り組んでまいります。

①既存事業の強化

 昨今、IT化・DX化が加速する中で、「Writing(書く)」「Wrapping(包む)」「Wiping(拭く)」という紙の3機能の中でも、情報を伝達する「Writing」機能としての紙の需要は急速な縮小傾向が続いています。当社グループは紙の中でも、高付加価値の特殊紙を主力としておりますが、書籍の装丁や商品パッケージ等の「Wrapping」用途、さらには偽造防止技術等の特殊機能が付与されている技術紙については、比較的安定した需要が見込まれており、ニッチな市場でのトップ企業群の一社として、既存事業の強化を推し進めております。2024年度は引き続き、高級パッケージや技術紙等、今後も堅調な需要が見込める、あるいは需要増の期待できる領域へ向けた商品シフトを加速していきます。販売推進活動においても、従来通りお客様との直接のコミュニケーションを大切にしながら、紙についての決定権を持つデザイン・クリエイティブ部門や企画部門等との関係をさらに強化していきます。また、強化してきたSNS等のデジタル領域を活用した情報発信も効果的に進めていきます。

 環境意識の高まりから脱プラスチック・脱炭素の流れが加速する中で、これまでのプラスチック樹脂やスチール缶等の金属素材を使ったパッケージを、高級感のある紙素材に転換する需要が増してきています。また、需要増が期待できる技術紙を中心とした商品群に経営資源を積極投入し、着実にそうした需要に応えてまいります。

 付加価値のある紙については、直接お客様に触れていただくことでその価値を訴求できるという点があり、東京・大阪・名古屋のギャラリー等でのイベント開催を通じて、需要の喚起につなげてまいります。

②新規取り組みへの挑戦

 <和洋紙卸売業>

 長期的に情報伝達媒体としての紙需要の減速が進むと予測される中、当社を取り巻く事業環境や顧客側の需要も大きく変化を続けており、そのような中で、これまでの延長線上で物事を考え行動するのではなく、新しい切り口で事業環境を見直し、新しいやり方や新しい仕事への取り組みを進める事業開発本部を新たに創設しました。特に、社会における脱プラスチック・脱炭素に向けた動きが加速する中で、当社は、これまでの特殊な紙を扱う企業から、特殊な素材を扱う企業へと裾野を広げられるよう、検討を進めています。社内での新たな取り組みへの挑戦はもちろん、従来の紙販売に近い領域でのM&Aによる成長機会についても引き続き検討していきます。当社の持続的成長に資する案件が出てきた際には、手元資金の水準を見ながら積極的に検討し、事業基盤を拡充してまいります。

<不動産賃貸業>

 大阪・名古屋地区で保有する固定資産の収益化を進めています。名古屋地区においては、等価交換で取得するオフィス及び賃貸用住宅が2026年3月から稼働する予定です。また、大阪本店社屋については、現在、耐震補強及びリニューアル工事を進めており、一部自社で使用するほか、将来的に外部への賃貸を意識した改装を施すことで、不動産収入を見込んでいます。好立地に位置する物流拠点・倉庫の有効活用を図っており、物流の「2024年問題」を受け、物流子会社 平和興産株式会社では、一部、外部顧客からの物流の引き受けも開始し、効率的な倉庫運営を図るべく、物流体制の改善に取り組んでいます。不動産の有効活用は順調に進んでおり、今後、適切な追加投資も行いながら、将来的な固定資産の入れ替え等も検討していきます。

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