企業兼大株主日本電計東証スタンダード:9908】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 当社グループの企業理念

Purpose(私たちの存在意義) :計測技術で社会に貢献

Vision (私たちが目指す姿) :テクニカル商社への転身

Values (私たちの価値観)  :お客様に信頼される企業、誠実で高い倫理観をもった企業

 みんなが幸せになれる企業、地球を大切にする企業

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、代表的な経営指標である自己資本利益率(ROE)10%以上を目標としております。

(3) 当社グループを取り巻く経営環境と中期的な経営戦略

 当社を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス禍から経済活動が正常化に向けて進む中、景気は一部に足踏みがみられたものの緩やかに回復しました。しかしながら、物価高や人手不足に加え、我が国及び欧米各国の金融政策、中国や欧州の経済停滞、米中対立激化やウクライナ・中東情勢を背景とする地政学リスクの高まり等、経済の先行きに関しては極めて不透明な状況が続いております。

 当社グループが属する電子計測器、電源機器、環境試験機器等の業界におきましては、人手不足を背景とする自動化・省力化を企図した設備投資や成長分野への研究開発投資が底堅く推移する中、当社の主要ユーザーである自動車業界では、世界的な脱炭素化の流れを受け、EVや燃料電池等の次世代自動車に係る開発やADAS・自動運転の技術開発には引き続き積極的な投資が見込まれております。また、電子・電機業界では、様々な分野で電子化・デジタル化の流れが加速しており、5Gに関連する社会インフラの整備や、IoT等の投資の拡大が引き続き期待されております。しかしながら、2023年度は、世界的な景気減速懸念等を背景に設備投資の執行にやや慎重な動きがみられ、当社の受注にも一部に影響が生じました。

 このような状況下、当社グループでは、2030年を見据えた成長戦略「INNOVATION2030(2020年6月公表)」の第2期として、新たな中期経営計画「INNOVATION2030 Ver.2.0」を2024年5月に公表しました。直近3年間の中期経営計画「INNOVATION2030 Ver.1.0」で構築した経営基盤を礎に、更なる進化を図ってまいります。

 マクロ経済環境は混沌とした状況が続いておりますが、新たな中期経営計画の初年度となる2024年度は、売上高1,100億円、営業利益35億円、経常利益35億円、親会社株主に帰属する当期純利益24億円を計画しています。ただし、世界的に景気・経済環境が大きく変動する可能性があり、当社グループの業績見込みも大きく変化する可能性があります。

(4) 当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 マクロ環境は、我が国及び各国の金融政策転換による経済への影響や、中国経済の停滞長期化懸念、緊迫化する中東情勢等に伴う地政学リスクの高まり等、混沌とした状況が続く見通しであります。こうしたリスクが当社に影響を及ぼす懸念がある一方、昨今の賃上げにより景気の回復が見込まれます。また、成長分野への研究開発・設備投資は引き続き堅調に推移する見通しであります。当社が関係する自動車業界においては、脱炭素化に向けたEVや燃料電池等の次世代自動車に係る開発や、ADAS・自動運転の技術開発には引き続き積極的な投資が見込まれております。また電子・電機業界においても、DXの実現に向け電子化・デジタル化の更なる進展が想定され、5G関連やIoT等の分野において引き続き積極的な投資が見込まれております。当社は、幅広い顧客基盤を構築しており、こうした成長分野への投資拡大の動きを捕捉することで、業界環境や顧客ニーズの変化に対応しつつ、受注及び収益力の拡大を図ってまいります。

 今後、新たな中期経営計画に基づき、ベース収益となるコアビジネスの安定成長、専門性を必要とする事業領域の拡大、世界的なサプライチェーン変革をビジネスチャンスと捉えたグローバル展開を通じて、中長期的な成長を目指してまいります。また、社員を最大の資産と考える経営方針に基づき、当社の企業理念・経営戦略に資する人材の確保や、社員のスキル向上、モチベーション引き上げに向けた人的資本投資も積極的に行ってまいります。同時に中長期的な企業価値向上を見据え、システム関連投資や効率的な業務運営等にも取り組み、成長を支える経営基盤を強化してまいります。加えて、PBRの改善や資本効率経営の実現に向けて、ROEを経営上の重要指標と位置付け、ROE10%以上の安定的、持続的な確保を目指してまいります。

 今後も、成長戦略遂行による収益力増強と経営基盤強化の両立、並びに株価やPBRを意識した経営の実践を通じて、業界のリーディングカンパニーとして中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

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