広島ガス 【東証プライム:9535】「電気・ガス業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループは、2020年10月30日に「広島ガスグループ このまち思い SDGs実行宣言 ~笑顔あふれる未来へのAction~」を策定した。「広島ガスグループ2030年ビジョン」達成につながる事業活動と、国連で2030年までの目標として採択されたSDGsを共通の目標と捉え、これまでのCSR活動と世界的な潮流であるESG経営・SDGsの取り組みを一本化して推し進めていく。
当社グループがこれまで展開してきたESGを意識した取り組みを強化し続けるとともに、取り組み領域の拡大を目指し、新たな事業を積極的に展開していくことで、グループ一丸となってSDGsの達成に貢献し、更なる企業成長につなげていく。
また、当社グループは、リスク管理規程に基づき、各部門における業務上想定される各種リスク及び気候関連リスクを適切に管理し、リスク管理統括部門においてリスクの一元的な管理を行っている。
経営に重要な影響を与える業務上及び気候関連のリスクについては、年7回程度開催される中期経営計画委員会(委員長:代表取締役社長 社長執行役員)にて重要度や内容の過不足について議論している。その中で、リスクの抽出・評価及び対応策の策定を行い、経営会議(議長:代表取締役社長 社長執行役員)に年2回の付議及び取締役会(議長:代表取締役会長)に年1回付議、年1回報告している。
広島ガスグループ このまち思い SDGs実行宣言 ~笑顔あふれる未来へのAction~
広島ガスグループは、「地域社会から信頼される会社をめざす」という経営理念に基づき、実効性のあるコーポレート・ガバナンスに取り組み、国連が提唱する「持続可能な開発目標」に賛同し、「このまち思いエネルギー。」という企業スローガンのもと、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
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2030年ビジョン | 2030年ビジョンに共通する SDGs実行宣言の 重点取組み項目 | 実現に向けた主な取組み |
<基本方針1> 経営施策を通じた感動追求 ①経営理念に基づいた事業活動の 展開 ②企業の社会的責任(CSR) |
[地域社会への貢献] [環境保全]
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[地域社会への貢献] ・地域の文化・芸術、スポーツ振興へ の貢献 ・防災教育・次世代教育・子ども食堂 等の取組みの推進 ・国際平和都市広島への貢献 [環境保全] ・再生可能エネルギーの普及拡大 ・地域環境保全活動の推進 ・森林保全活動の推進 |
<基本方針2> エネルギーサービスを通じた感動 追求 ①お客さまニーズの多様化による サービス競争への対応 ②エネルギーサービスの追求 |
[エネルギーの普及拡大・ 安定供給] |
[エネルギーの普及拡大・安定供給] ・ガス体エネルギー(天然ガス、LP ガス)の普及拡大と高効率利用の推 進 ・デジタル技術を活用したお客さまサ ービスの充実 ・新規事業の展開 |
<基本方針3> 安心を通じた感動追求 ①地域社会の皆さまが日頃から安 心して生活頂ける環境整備 ②提供するエネルギーやサービス に対しての安心 |
[エネルギーの普及拡大・ 安定供給] |
[エネルギーの普及拡大・安定供給] ・ライフラインであるガス導管を通じ ての安定供給の強化 ・保安レベルの向上、災害対策及びレ ジリエンス機能の強化 |
<基本方針4> 人とのつながりを通じた感動追求 ①広島ガスグループの強みを生か した事業展開 ②人材育成と従業員価値の向上 |
[働きやすい社会のために] |
[働きやすい社会のために] ・働き方改革の推進 ・労働安全衛生体制の充実 ・人材育成への取り組み |
また、当社グループは、2021年11月に策定した「2050年カーボンニュートラルへの取り組み」を掲げており、今後もこれまでの取り組みを一層加速させ、グループ一丸となってSDGsの達成、更にその先の2050年カーボンニュートラルの実現に向けて挑戦していく。
(2) 重要なサステナビリティ項目
上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりである。
① 気候変動
② 人的資本
それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりである。
① 気候変動
(ⅰ) ガバナンス
当社グループは、気候変動等の事業におけるリスク対応を経営の最重要課題の一つであると認識している。リスク管理規程に基づき想定されたリスクへの対応状況を、定期的に経営会議(議長:代表取締役社長 社長執行役員)及び取締役会(議長:代表取締役会長)へ上程している。また、中期経営計画の見直しは毎年行っており、年7回程度開催される中期経営計画委員会(委員長:代表取締役社長 社長執行役員)においてリスク・対策について、議論している。
2021年4月に「環境・社会性」と「経済性」を両立させたサステナブルなESG関連事業の推進を目的として、経営企画部の環境関連事業と総務部の環境・社会貢献事業を統合し、ESG関連事業を推進する「環境・社会貢献部」を新設した。環境活動推進体制については、関連部門長等を委員とする「環境委員会」を設置している。
[環境を含むサステナブル活動推進体制]
カーボンニュートラルへの対応を含む環境貢献活動の推進、環境方針等に関する事項の協議、持続可能な社会実現に向けた活動の推進、環境諸課題の協議対応を行う機関として、「環境委員会」を年2回程度開催し、審議内容については必要に応じて取締役会及び経営会議へ報告する体制としている。
◎環境活動推進体制
(ⅱ) 戦略
気候変動の顕在化はガス事業を行う当社グループにとって大きなリスクになるものの、これまで進めてきたESG関連の取り組みを拡大することで、省エネ・省CO2に貢献する機会にもなる。
下記は、当社グループにおける気候変動に関わるリスク、機会とその対応策の一例である。
分類 | 影響 (リスク/機会) | 対応策 |
政 策 ・ 法 規 制 | 炭素税の導入 リスク:ガス体エネルギーへの炭素税負担 機 会:ガス体エネルギー需要の増加 | ・重油、石炭等と比較し、相対的に低炭素な天然ガス、LPガスシフトの推進 |
カーボンニュートラル・再生可能エネルギー導入政策の推進 リスク:電化シフトによるガス販売量の減少 機 会:再生可能エネルギーの導入、需要拡大 | ・再生可能エネルギー電源の導入推進(バイオマス発電、太陽光発電、小水力発電等) ・グリーン電力の使用 ・森林保全によるCO2削減貢献 | |
技 術 | AI/IoTの進展 機 会:AI/IoTを用いたエネルギーサービス拡大 | ・スマートエネルギーシステムの普及構築 ・仮想発電所の構築 |
脱炭素化技術のイノベーション リスク:技術への投資額増加 機 会:新規技術を活用した新たな事業展開 | ・次世代エネルギー(メタネーション・水素)技 術の可能性調査 | |
既存製品の低炭素技術への入れ替え 機 会:低炭素設備・機器の需要増加、導入拡大 | ・エネファーム、ガスコージェネレーションシ ステムをはじめとした高効率機器の普及 | |
市場 | 非化石エネルギーへの転換 リスク:ガス販売量の減少、化石燃料の使用の制限・禁 止が制度化 機 会:非化石エネルギーの導入、活用 | ・カーボンニュートラルメタンの導入・拡大 ・カーボンフリー電源導入及び電力調達 |
天然ガス需要の増加 リスク:LNG調達コスト上昇 機 会:国内外におけるLNG取扱量の増加 レジリエンス強化、エネルギー分散化に資する天然ガスの普及拡大 | ・調達先の多様化 ・天然ガスの普及拡大 | |
エネルギー間競争の激化 リスク:お客さまの離脱やガス販売価格低下 機 会:お客さま獲得やグループシェア拡大 | ・天然ガス、LPガスの普及拡大 | |
評判 | 投資基準の変化(低・脱炭素事業重視) リスク:ガス関連事業における資金調達力減少 機 会:再生可能エネルギー事業における資金調達力増 加 | ・収益力、財務体質の一層の向上 ・IR活動の実施(投資家への説明、情報公開) |
急性 | 気象の激甚化 リスク:製造・供給設備への被害 設備修繕費の増加 | ・防災対策専門組織の新設(2021.4) ・災害対策拠点(防災センタービル)の整備 ・設備の耐震化、被害低減化の推進 |
慢性 | 気温上昇 リスク:ガス販売量(給湯・暖房需要)減少 機 会:ガス販売量(空調)増加 | ・需要増加が見込まれる分野の拡大 |
(注) 1 参照シナリオ:「NZE2050」(IEA WEO2020)、2℃シナリオ「SDS」(IEA WEO2020)、
4℃シナリオ「STEPS」(IEA WEO2020)、IPCCが選択するRCPシナリオ
2 2℃シナリオにおける物理リスクとその影響は、4℃シナリオに比べて小さく推移する見通し
これらの気候変動のリスクと機会は、事業活動そのもののリスクや機会であるため、その他のリスクとともに中期経営計画に組み込まれている。
(ⅲ) リスク管理
ガス供給の安定性・安全性を阻害するような地震等(台風、洪水、高潮、津波、火災、停電時等を含む)の大規模な自然災害によるリスクに対しては、「設備対策」、「緊急対策」、「復旧対策」の3段階の対策に取り組んでいる。
一例としては、地震に強いガス管の導入による被害の軽減、二次災害防止のための遠隔操作によるブロック停止、移動式ガス発生設備による臨時供給体制の構築等を行っている。
特に、保安レベルや現場力の向上といった観点では、あらかじめ保安に関する規程を定め、毎年、大規模地震等を想定した訓練を実施している。
(ⅳ) 指標及び目標
当社グループは、「2050年カーボンニュートラルに向けた取り組み」においてCO2排出削減貢献量等の2030年度目標を公表している。
「2050年カーボンニュートラルに向けた取り組み」における2030年度目標
項目 | 2030年度目標 | |
CO2排出削減貢献量 | 30万t/年 | (注)1 |
再生可能エネルギー電源の導入 | 6万kW | (注)2 |
広島ガス事業所・製造所におけるCO2排出量 | 2013年度比50%減 | (注)3 |
(注) 1 当社及びお客さま先における2030年度時点でのCO2排出削減貢献量(2021年度~)
2 太陽光、風力、バイオマス等固定価格買取(FIT)制度の適用電源を含む
3 CO2排出削減貢献量30万t/年に含む
目標の進捗管理については、法規制、重要度を勘案して管理指標(KPI)を設定し、目標に対する実績、管理指標は、環境委員会、環境活動推進者会議等で確認の上、今後CSR報告書等において公表することを予定している。
分類 | 2030年度目標 | 目標値 | 2022年度 実績値 | 目標達成に向けた主な取組み |
A お客さま先での環境負荷の低減 | (1)CO2排出削減貢献量 | 30万t/年 | 1.0万t | 天然ガス、LPガスシフトの推進 |
天然ガス、LPガスの高度利用 | ||||
カーボンニュートラルメタンの導入 | ||||
グリーン電力の供給 | ||||
(2)再生可能エネルギー導入量 | 6万kW | 4.6万kW | バイオマス発電の普及拡大 太陽光発電の普及拡大 小水力発電の普及拡大 | |
B 事業活動における環境負荷の低減 | ||||
(3)事業所・製造所における CO2排出量 | 50%削減 (2013年度比) | 35%削減 | 熱融通事業 冷熱供給事業 コージェネレーションシステム | |
グリーン電力の供給 | ||||
森林保全の推進 | ||||
(4)産業廃棄物(製造部門)最 終処分量 | 1t以下 | 0.5t | 産業廃棄物の再資源化 | |
(5)ポリエチレン管の有効活 用率 | 100% | 100% | ポリエチレン管廃材の再資源化 | |
(6)ガス導管工事の掘削土再 資源化率 | 95%以上 | 99.9% | ガス導管工事における排出量削減と再資源化 | |
C 地域環境保 全への貢献 | (7)環境、社会貢献に関する 啓発、PR推進 | 着実な推進 | 地域環境団体・環境啓発事業への参画 地域清掃活動 環境イベントへの出展 | |
(8)SDGs定着化への貢献 | 着実な定着 | 安定供給に資する技能訓練 障がい者福祉事業所販売会 リサイクル品回収による収益寄付 健康増進プロジェクト |
また、サプライチェーンのCO2排出量については、スコープ別に算出しており、「2050年カーボンニュートラルに向けた取り組み」における2030年目標に織り込み、諸活動をしている。
[2022年度広島ガススコープ別温室効果ガス排出量]
② 人的資本
(ⅰ) 戦略
人的資本に関する基本的方針については、「広島ガスグループ2030年ビジョン」における基本戦略の一つとして「グループ組織力の強化」を掲げ、本戦略を基に人間力・現場力の育成を進めている。
「コーポレート・ガバナンスに関する基本方針」に、性別、年齢、学歴、信条等によりなんら不当な不利益をこうむることはなく、すべての役職員が多様な価値観を尊重しつつ、誰もが働きやすく能力発揮できる職場環境づくりを目指すことを定めている。
更に、ワーク・ライフ・バランスへの取り組みや女性活躍推進等、多様な人材の活躍推進につながる取り組みを軸とする「働き方改革」を推進している。
社内環境の整備については、育児・介護休業制度、フレックスタイム制度、テレワーク勤務制度等を導入しており、働きやすい職場環境づくりを推進している。
人材育成については、役割遂行・業務課題の達成度を公平・公正に評価し適正に処遇に反映させる人事処遇制度や、研修や自己啓発支援等の人材育成制度を構築・運用している。
上記の詳細については、当社ホームページ内の以下の箇所で公表している。
・広島ガスグループ2030年ビジョン
(https://www.hiroshima-gas.co.jp/com/ir/management/management_06.html)
・コーポレート・ガバナンスに関する基本方針
(https://www.hiroshima-gas.co.jp/com/ir/upload_file/m005-m005_07/cg_basic_policy.pdf)
・広島ガスグループ このまち思い SDGs実行宣言(「働き方改革」)
(https://www.hiroshima-gas.co.jp/sdgs/)
・CSR報告書(人材育成及び社内環境整備について、39ページから40ページにかけて記載)
(https://www.hiroshima-gas.co.jp/com/ir/library/library_05.html)
(ⅱ) 指標及び目標
上記(ⅰ)において記載した戦略に関する指標及び目標について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、当社グループに属する全ての会社では行われてはいないため、当社グループにおける記載が困難である。このため、次の指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載している。
「採用人数に占める女性比率」や「有給休暇取得率」の目標値については、当社ホームページ内の「広島ガス株式会社行動計画」で公表しており、計画期間(2022年4月1日~2025年3月31日)での目標達成を目指すものとする。
指標の項目 | 目標値 | 2022年度 実績値 | 目標達成に向けた主な施策 | |
大分類 | 小分類 | |||
多様性の確保 | 採用人数に占める 女性比率 | 30%以上 (注)1 | 41.2% | ・座談会等採用活動における若手社員の 動員を男女同様にする ・合同企業説明会等にて女性社員の活躍 について広報活動を行う ・ホームページへ女性活躍について掲載 する |
障がい者雇用率 (注)2 | 2.7% | 2.3% | ・外部機関との連携を通じた障がい者雇 用に関する情報収集 | |
社内環境整備 | 有給休暇取得率 (注)3 | 70%以上 (注)1 | 76.5% | ・有給休暇取得キャンペーンの実施 ・GW、夏季、年末における部門単位で の休暇取得の促進 |
(注) 1 当事業年度の実績が目標を達成している場合、維持目標とする。
2 障がい者雇用率の目標値については、法定雇用率が2023年度から2026年度にかけて2.7%まで段階的に引き上げられる予定であり、2026年度までに達成を目指す目標値としている。
3 「有給休暇取得率」については、付与日数に対する取得率とする。
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