企業日本石油輸送東証スタンダード:9074】「陸運業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、ライフラインを支える物流企業グループとして、物流を通じた安全かつ高品質なサービスの提供を行うことにより、お客様、株主、地域社会等から信頼され、社会とともに発展を遂げていく企業グループであり続けることを経営の基本方針としております。

 また、社是「奉仕こそ我が務め(Service is my Business)」のもと、「安全・フェア・信頼・チャレンジ・ハーモニー」の5つのキーワードからなる、「JOTグループ・ミッション」を経営理念に掲げ、企業が持続的成長を目指す上で欠かせない要素であるESG(環境・社会・ガバナンス)を含めた活動を推進してまいります。

(2) 目標とする経営指標

 上記の経営方針に基づき、2024年度から2026年度までの中期経営計画を策定しており、計画最終年度の2026年度において、売上高37,500百万円以上、営業利益1,800百万円以上、経常利益2,000百万円以上の達成を目標としております。

(3) 経営環境

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限が撤廃され、緩やかな回復傾向にありますが、物価高騰や中国をはじめ海外経済の下振れリスクの影響等もあり、先行きは不透明な状況で推移いたしました。

 当社グループの事業環境につきましても、エネルギー価格や原材料価格の高騰に加え、物流業界の2024年問題による一層の乗務員不足が懸念されるなど、今後も厳しい状況が続くものと予想されます。

 セグメントごとの経営環境は、以下のとおりであります。

① 石油輸送事業

 石油輸送事業では、鉄道タンク車およびタンクローリーによるガソリン、軽油、灯油等の石油製品の輸送等を行っており、石油元売各社等を主な顧客としております。

 当社グループは、長距離で大量の輸送を行う鉄道タンク車輸送と、高い機動性を有し、様々な輸送ニーズに柔軟に応える自動車輸送の2つの輸送手段が利用可能であることを強みとしております。

 国内石油製品の需要は長期的に減少することが見込まれ、原油価格の高騰や感染症の影響も残るなか、より厳しい事業環境にあるといえますが、当社グループでは、上記の強みを活かし、輸送数量およびシェアの維持・拡大に努めてまいります。

② 高圧ガス輸送事業

 高圧ガス輸送事業では、自動車による民生用および産業用のLNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)、水素等の高圧ガスの輸送を行っており、ガス会社等を主な顧客としております。

 当社グループは、現在の主力輸送品目であるLNGの輸送を1984年から継続しており、長年にわたり蓄積された経験・実績や、専用の教育施設を活用した自動車乗務員への徹底した安全教育、研修等による安全・安定輸送を強みとしております。

 温室効果ガスの排出を減らす低・脱炭素社会の実現にあたり、今後国内の高圧ガス需要は更に高まることが予想

 され、当社グループでは、上記の強みを活かし新規需要をより多く取り込むことで、更なる輸送数量の拡大に努め

 てまいります。

③ 化成品・コンテナ輸送事業

(化成品輸送事業)

 化成品輸送事業では、各種化学品、食品等の液体・粉粒体を輸送するISOタンク、ホッパコンテナ等のリース事業と、最適な輸送手段の選定、日々の輸送手配、精算処理等の一連の輸送業務を一括して請け負うワンストップサービスを国内およびアジア地区で提供しており、化学品・食品メーカー等を主な顧客としております。

 当社グループは、オーダーメイドも含めた多種多様なコンテナのラインナップや、グループ内の自動車会社の機動力を活かした輸送により、顧客の幅広いニーズに臨機応変に対応し、顧客の業務効率化に貢献できることを強みとしております。

 化学品業界においては、国内外ともに厳しい事業環境にあるものの、当社グループは、強みである高付加価値の物流サービスの提供に加え、成長事業として取り組んでいる海外事業のさらなる需要開拓、規模拡大を進め、収益力の維持・向上に努めてまいります。

(コンテナ輸送事業)

 コンテナ輸送事業では、輸送ニーズに合わせ、保冷性能や通風機能等を有する鉄道、自動車、船舶で輸送可能なボックスコンテナのレンタルおよびリースを行っており、国内通運会社等を主な顧客としております。

 当社グループは、上記のとおり、保冷性能や通風機能など、顧客の多様なニーズに応えられる付加価値を持ったコンテナについて、鉄道網を活用することで顧客が日本全国どこでも使用できる体制を確立していることを強みとしております。

 日本国内の貨物輸送需要は、物流業界における2024年問題の影響で、依然として先行き不透明な状況にありますが、当社グループでは鉄道輸送の担い手として、予想される輸送力不足の受け皿となるべく、新型コンテナの開発等カスタマイズコンテナの提供等による新たな需要の掘り起こしや、長期安定的なリース案件の獲得に重点的に取り組むとともに、建造から15年が経過したコンテナをリユースコンテナとして販売するなど、収益力の維持・向上に努めてまいります。

④ 資産運用事業

 資産運用事業では、主に不動産賃貸事業および太陽光発電事業を営んでおります。今後とも、保有資産の適切かつ有効な活用・運用による長期安定的な収益の確保、さらなる収益向上策の実現に取り組んでまいります。

(4) 対処すべき課題

 上記のとおり当社グループは、グループの未来像として、強い収益基盤のもと成長の好循環を図り、「国内No.1のエネルギー輸送会社」を目指す2030年ビジョンを制定しておりますが、このビジョンの実現に向け新たな中期経営計画(2024年度~2026年度)を策定いたしました。

 前中期経営計画におきましては、想定を上回る海外経済の低迷や経費の増加等の影響を受け、売上高および各利益は目標値を下回る結果となりましたが、今後の持続的成長に向けた事業基盤の強化は着実に図られております。

 新中期経営計画では、石油、国内化成品、コンテナ輸送等の基盤事業において、引き続き収益の維持・向上を目指してまいります。また、LNG、海外化成品輸送等の成長事業における規模拡大や新規顧客の開拓に注力し、加えて将来の脱炭素社会に向けた新エネルギー輸送の研究、実践等も継続してまいります。

 さらに、事業活動を支えるESG(環境・社会・ガバナンス)経営に努め、安全・安定輸送への不断の取り組みや、持続的成長に向けた人材戦略・労働生産性の向上、雇用環境の改善による乗務員の確保にも尽力いたします。

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