リコーリース 【東証プライム:8566】「その他金融業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念及び基本姿勢を以下のとおり定め、サステナビリティ経営を軸に持続可能な循環社会の創造を目指してまいります。
「経営理念」
私達らしい金融・サービスで豊かな未来への架け橋となります。
「基本姿勢」
1.誠実な事業活動を通じて持続可能な地球社会の発展に貢献します。
2.想定を超えるサービスでお客さまと未来・社会をつなぎます。
3.一人ひとりが尊重しあい楽しくいきいきと働ける環境をつくります。
4.企業価値の増大によりステークホルダーの期待に応えます。
(2)経営環境及び対処すべき課題
現在、当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したこと等に伴い、社会経済活動の正常化が進みつつも、円安等を要因とした物価上昇、日銀のマイナス金利政策解除等により、事業環境は急速に変化しております。また、人件費をはじめとしたコストの増加、地政学リスクの顕在化・深刻化によるグローバルサプライチェーンの混乱等、様々な不確定要素を抱えている環境と認識しております。
当社グループは、このような事業環境下において、モノの所有から利用へのお客様のニーズの変化や、企業の働き方改革等に伴うアウトソーシングニーズの高まり、2050年のカーボンニュートラルに向けた再生可能エネルギーの導入拡大等を新たな事業機会と捉えております。
(3)中期経営計画
当社グループは2023年4月より新たに3ヵ年の中期経営計画をスタートさせております。前中期経営計画から掲げる中長期ビジョン『循環創造企業へ』を目指し、経営理念に掲げる「豊かな未来」の実現に向け、取り組んでまいります。
①リコーリースの目指す姿
当社グループのDNAであるベンダーリースを軸としたトランザクションデータの活用を通じた企業の成長機会に対する貢献と、事業を通じた社会課題の解決を行うために特定した4つのマテリアリティへの取り組みとの掛け合わせを戦略立案の軸とし、経営理念に掲げる「豊かな未来」の実現を目指します。
②経営戦略
これまで当社グループが取り組んできたリース&ファイナンス事業、サービス事業、インベストメント事業における既存ビジネスにおいては、更なる強化を図ります。
また、既存ビジネスから「投資の拡大とサービス多様化」、及び「新たなビジネスモデルへの挑戦」により、地続きな新規ビジネスの創出を目指します。
③事業成長戦略
<新たなビジネスモデルへの挑戦>
以下2分野を新たなビジネスモデルへの挑戦と位置付け、取り組んでまいります。
◆as a Service分野
従来のリース・割賦分野のようにモノ中心ではなく、サービスとして提供していくことにより、「所有」から「利用」へのニーズの変化に対応し、事業を拡大してまいります。
◆BPO分野
労働人口不足等、企業の経営課題解決に貢献するサービスの提供により、企業の成長機会に資するサービス展開を行います。
<事業&サービス付加による多様化>
以下3分野をサービス付加により事業を多様化する分野と位置付け、取り組んでまいります。
◆環境分野
2050年カーボンニュートラルに向け、再生可能エネルギーの導入に対するファイナンスや、自社発電事業を通じた貢献をはじめ、再生可能エネルギー発電事業者向けサービスや、3R(リデュース、リユース、リサイクル)に資するサービスを開発・提供してまいります。
◆不動産分野
多様化する住環境へのニーズに対応・貢献するためのファイナンスや事業の展開、及びサービスの開発・提供を行ってまいります。
◆介護分野
少子高齢社会において、様々な需要が生まれるなか、リース・割賦や融資、医療・介護報酬ファクタリング、介護事業を通じて、医療・介護の事業者や、利用者双方にとってメリットのあるサービスを開発・提供してまいります。
<効率を伴う更なる拡大>
オフィス分野、医療・ヘルスケア分野、設備投資分野においては、当社グループが強みとしてきた小口大量の業務を効率よく処理するノウハウをさらに磨き、効率性を向上させ、更なる成長を実現することで、企業をはじめとするお客様の設備投資におけるハードルを下げることに貢献してまいります。
④組織能力強化戦略
<事業成長につながるチャレンジの促進及び組織の活性化>
挑戦する人財の育成、風土の醸成や、多様な人財が活躍できる組織づくりを目指し、制度構築を行います。
<社会変化に合わせた柔軟なシステム及び業務体制の構築>
業務システムの切り替えによる自動化及び効率性の向上を目指します。同時にサイバーセキュリティ、ITガバナンスの強化を進めてまいります。
<関係会社を含めたガバナンス強化>
グループ各社のガバナンスを含めた連携強化により、事業拡大を目指します。また、外部とのコミュニケーションを通じ、サステナビリティ経営を継続して進化させてまいります。
⑤資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するためには、自社の資本コストを把握した上で、資本収益性を意識した経営が重要であると考えています。その考えの下、事業分野毎の施策推進による利益の拡大、資本コスト経営の継続・推進による収益性の改善等に取り組みながら、事業ポートフォリオの変革と経営資源の配分の最適化を進めてまいります。
(株主資本コスト認識におけるギャップ)
(PBR改善への取り組み)
また、財務レバレッジの適正化に向けて、株主還元基本方針を見直し、配当の累進性と業界トップクラスの還元水準を意識し、持続的な成長と適正な資本構成及び財務体質の強化を図ります。
2023~2025年度中期経営計画の最終年度(2026年3月期)は、配当性向40%以上、2030年3月期には50%を目安に還元を行います。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、財務目標及び非財務目標を設定しております。
2023~2025年度中期経営計画における目標値は、以下のとおりです。
①財務目標
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 中計目標 |
営業利益 | 210億円 | 211億円 | 235億円 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 112億円 | 147億円 | 160億円 |
ROA(総資産当期純利益率) | 0.91% | 1.14% | 1.1%以上 |
ROE(自己資本利益率) | 5.2% | 6.5% | 7%以上 |
配当性向 | 41.0% | 34.6% | 40%以上 |
(注)上記2025年3月期業績予想は、現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は、様々な要因により大きく異なる場合があることをご承知おきください。
②非財務目標
マテリアリティ | 項目 | 2024年3月期 実績 | 2026年3月期 目標 |
クリーンな 地球環境をつくる | 環境分野への 累計資金投下額 ※1 | 3,138億円 | 4,000億円 |
豊かな暮らしをつくる | 集金代行稼働サービス数 | 17,861サービス | 20,000サービス |
持続可能な 経済の好循環をつくる | 重点3分野契約実行高 ※2 (建機・車両・農業) | 303億円 | 450億円 |
ハピネスな会社、 そして社会をつくる ※3 | エンゲージメントスコア (年間平均) | 71点 | 75点 |
女性管理職比率 | 21.8% | 25% | |
一人当たり教育費 | 40,016円 | 55,000円 |
※1 再生可能エネルギー分野におけるリース・割賦、融資の契約実行高、及び太陽光発電事業、エクイティ投資額の累計実績
※2 リース:取得した賃貸用資産の取得金額、割賦:割賦債権から割賦未実現利益を控除した額
※3 当社における目標及び実績
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