京葉銀行 【東証プライム:8544】「銀行業」 へ投稿
企業概要
当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営環境等
2023年度の金融経済情勢を顧みますと、わが国経済は、物価上昇や海外経済の回復ペース鈍化の影響を受けつつも、賃上げによる所得環境改善や企業収益の改善による設備投資の持ち直し等により、緩やかな回復が続いております。
当行の営業基盤である千葉県経済においても、家計の消費活動は回復基調となり、県内景気は総じて緩やかに持ち直しました。
金融面においては、海外金利上昇を受け、長期金利は一時10年振りとなる0.97%を付けたものの、その後年度末にかけては0.7%台で推移しました。また、日本銀行はマイナス金利政策を解除するなど金融政策の正常化を発表しました。そのほか、日経平均株価は企業業績の回復期待から日本株式への資金流入が継続したことで、史上最高値を34年振りに更新し、一時4万1,000円台を付けるなど堅調に推移しました。
こうした中、京葉銀行グループは「お客さま満足度№1のソーシャル・ソリューショングループ」を目指す姿とし、2024年度から2026年度までの3年間を計画期間とする、第20次中期経営計画「+α Vision 90フェーズ1~挑戦と変革~」を推進しております。
(2)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
環境変化が激しく将来の予測が難しい時代にあって、当行グループが持続的な成長と企業価値の向上を実現していくため、2023年3月に迎えた創立80周年を契機に、あらためて当行グループの存在意義や使命を見つめ直し、企業理念を再定義するとともに、創立90周年に目指す姿である長期ビジョンと、その実現に向けた第20次中期経営計画を策定しました。
〔企業理念〕
企業理念は、「プラスαの価値を提供し、地域の豊かな未来をともに築く」と再定義し、グループ全従業員の進むべき方向を合わせていくため、判断に迷う時の羅針盤として明確化しました。
企業理念を実現するために大切にする価値観として、「お客さま第一」、「挑戦と成長」、「チームワーク」の3つを定め、ステークホルダーの皆さまとのエンゲージメント向上と企業価値の向上へ繋げてまいります。
〔長期ビジョン〕
社会におけるサステナビリティへの意識の高まりを背景に、社会課題の解決が企業の持続可能性や事業機会に直結する時代へと突入しています。今回策定した長期ビジョンでは、金利のある世界の到来、労働力の流動化といった、機会と脅威の変化も捉えつつ、次世代勘定系システムの稼働や営業現場の人財強化など、これまで積み上げてきた「経営資源の次世代化」を図り、社会課題の解決を起点にプラスαの価値を提供する「お客さま満足度№1のソーシャル・ソリューショングループ」を目指してまいります。
〔中期経営計画〕
第20次中期経営計画は、長期ビジョンのフェーズ1として、社会課題の解決力強化に向けた、成長エンジンの再構築を図る3年間と位置づけ、4つの基本戦略を推進します。また、ターゲットとして、財務KPIとサステナビリティKPIを設定し、これらのKPIを実現することで、社会価値と経済価値の両立による企業価値の最大化を目指してまいります。
(4つの基本戦略)
①オンリーワンの課題解決型営業
地域の豊かな未来の実現に向け、当行グループ内外の連携を強化し、ソリューション提供をワンストップで行う体制を整備し、さらに魅力のある街づくりに貢献してまいります。
法人のお客さまに対しては、経営計画策定や事業承継・M&A、ビジネスマッチングなど、川上から川下まで一貫した総合金融サービスを提供することで、お客さまの持続的成長をサポートしてまいります。
個人のお客さまに対しては、年金や相続の相談会を拡大するとともに、金融経済教育に積極的に取り組むことでお客さま接点を強化してまいります。また、人生100年時代を踏まえたきめ細かいコンサルティングを拡充することで、お一人おひとりに最適なライフプランを提供し、お客さまの夢の実現をサポートしてまいります。
②営業改革
多様化かつ高度化するお客さまの課題に対し、より専門的・効率的な営業体制の構築を図るため、法人営業と個人営業の分業化を進めてまいります。併せて、事務と営業の分離に取り組むことで、営業人員を大幅に増強し、営業店をより一層お客さまの課題を解決する場へと転換してまいります。
また、りそなホールディングスとの連携施策である新アプリを稼働させるなど、デジタル接点におけるアクティブユーザーの増加を図るとともに、データ基盤の再構築やコールセンターの拡充など、データの利活用に向けたインフラ整備を進め、リアルとデジタルを融合した最適なソリューションを提供してまいります。
③人財改革
行員一人ひとりの自主性を尊重し、目指すキャリアへ挑戦できる環境を整備するなど、プロフェッショナル人財の育成や挑戦する企業風土の醸成に取り組んでまいります。
また、多様性を力に変えるべく、職位や年齢、性別の区別なく、誰もが活躍できる環境整備にも取り組んでまいります。特に、女性の活躍は当行グループにおける重点課題であり、この分野におけるリーディングカンパニーを目指し、女性のキャリアアップ支援を強化してまいります。
④経営基盤改革
貸出や有価証券運用等の業務において、適切なリスクテイクによって収益性の向上を図ることに加え、財務の健全性を維持しつつ、政策保有株式の縮減を着実に進めるなど、資本効率の向上や株主還元の拡充等により、当行グループの企業価値向上に努めてまいります。また、持続可能な社会の実現に、より一層貢献するため、ESG関連投融資目標として2030年度までの10年間の実行目標を、従来の7,000億円から2倍となる1兆4,000億円としました。脱炭素社会に向け、ファイナンスに留まらないお客さま向けの支援や当行グループのCO2排出量削減等にも積極的に取り組んでまいります。
こうした取り組みのもと、長期ビジョン及び第20次中期経営計画で掲げた財務KPIとサステナビリティKPIの目標達成を目指してまいります。全てのステークホルダーの皆さまからの信頼、ご期待にお応えできるよう、京葉銀行グループの役職員一同全力を尽くしてまいりますので、引き続き力強いご支援を賜りますようお願い申し上げます。
〔計数計画〕
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