企業アステナホールディングス東証プライム:8095】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは「誠実・信用・貢献」を基本的理念として「お取引先様を最優先に思う心を常に忘れない会社」を目指し、提供する商品・サービスを通じてお取引先様と共存共栄することで株主様の利益拡大に寄与するとともに、社会その他すべてのステークホルダーへの責任を果たし続けることを経営の基本方針としております。

(2)経営環境

 当連結会計年度の経営環境は、経済活動のコロナ禍からの正常化が進み、雇用・所得環境が改善するなかで、各種政策の効果もあって、回復の兆しを見せ始めている一方、原材料価格やエネルギーコストの高騰、長期的な円安傾向が加わり、物価上昇が止まらないなど、先行き不透明な状況となっております。

(ファインケミカル事業)

 医薬品市場は、新薬市場におきましては、モダリティの多様化ならびに外部業務委託への動きがより進むものと予想されます。また、ジェネリック医薬品市場におきましては、引き続き製剤の安定供給が求められる一方、継続的な薬価改定により、厳しい市場環境に加え、既存製剤の中止や新規品目の開発への慎重な判断が行われると予想されます。このような状況のもと、医薬品原料部門におきましては、新薬市場に対しては、開発新薬の中間体等のプロモーション、さらにJITSUBO株式会社との協業によりペプチド基幹原料であるTagの製造に取り組んでまいります。また、ジェネリック医薬品市場に対しては、スペラネクサス株式会社の高活性原薬製造機能を活かした自社製品の製造販売、競争力の高い輸入原薬の販売に取り組んでまいります。CDMO部門におきましては、スペラファーマ株式会社の製剤、原薬の開発力を、岩城製薬佐倉工場株式会社の高活性注射剤設備・スペラネクサス株式会社の高活性原薬製造設備を用いたバイオ医薬品・高薬理活性医薬品のサービス拡充に繋げ、JITSUBO株式会社を中心とした中分子領域における開発業務の推進も加え、アステナグループ全体でのサービスポートフォリオの強化に努めてまいります。

(HBC・食品事業)

 食品原料・機能性食品原料市場は、国内市場の成熟化、原材料価格の高止まり、消費者の節約志向による低価格帯へのシフトなど、厳しい市場環境が続くと予想されます。一方で、健康志向の高まりにより機能性食品原料の需要は増加すると予想されます。このような状況のもと、食品原料部門におきましては、一般加工食品向け機能性食品原料拡販の取り組みとして、食品原料検索プラットフォームである「i-Platto(アイプラット)」の提供などにより、多様化する顧客ニーズに迅速かつ的確に対応ができる体制を構築してまいります。また、プラットフォーマーとして顧客の業務効率化に寄与する取り組みを進めてまいります。化粧品原料市場は、新型コロナウイルス感染症の影響がなくなり、社会活動の正常化が進むことから、国内市場は緩やかに回復すると予想されます。一方で、中華人民共和国における福島第一原子力発電所による処理水の海洋放出に対する批判の高まりや、原材料調達の不安定化など、依然として不透明な状況が続くと予想されます。このような状況のもと、化粧品原料部門におきましては、引き続き自社品及び付加価値提案型ビジネスの展開と企画開発・インサイドセールスの機能強化により、新規案件の獲得に取り組んでまいります。化粧品通販市場は、新型コロナウイルス感染症の影響がなくなり、外出機会の増加による既存顧客のレスポンスが回復すると予想されます。このような状況のもと、化粧品通販部門におきましては、自社品の更なる需要掘り起こし、新製品開発及び海外化粧品ブランドなどの新規取り扱いによる成長を目指します。

(医薬事業)

 ジェネリック医療用医薬品市場は、薬価改定が毎年実施されることに加え、相次ぐGMP違反による品質への不信感、大手メーカーの販売中止などに起因する需給不均衡、各種コスト上昇による収益性の低下が喫緊の課題であり、厳しい市場環境が継続すると予想されます。このような状況のもと、医療用医薬品部門におきましては、引き続き品質最優先、法令遵守の下、コストダウン推進と共に、製品の安定供給に努めてまいります。また、新製品の研究開発、長期収載品の承継等の事業開発を引き続き推進していく一方、学会での展示やウェビナーを通じて岩城製薬ブランドの認知度を強化し、患者様、お得意先様からの一層の信頼向上に努めてまいります。美容医療部門におきましては、医療機関専売化粧品であるNAVISION DRブランドの拡販に注力し、岩城製薬株式会社での新製品開発及び発売に取り組んでまいります。

(化学品事業)

 表面処理薬品市場は、半導体分野におきましては、国策でもあるパワー半導体の大幅な回復と拡大が予想されます。また、自動車業界におきましては、自動運転技術の実用化が進み、電子制御化による車載基板需要増、受動部品点数の拡大が予想されます。このような状況のもと、表面処理薬品部門におきましては、技術革新に貢献する信頼されるパートナーを目指し、更なる経営体質の強化と事業の継続性を高め、日々進歩する各種電子部品、半導体製造技術に貢献するだけでなく、新たな技術創生によりお客様からの信頼を高めてまいります。表面処理設備市場は、前年同様、次世代通信規格の出現や自動車に対する各国の環境規制強化や安全運転志向の高まりによって、半導体や電子部品の需要は確実に伸びると予想されます。このような状況のもと、表面処理設備部門におきましては、前年の生産キャパシティ増加により引き続き市場の需要に応じていけるよう活動を進めてまいります。また、納期短縮等の施策を推し進め、業務改善活動を継続し、技術継承研修、メーカーにとって最重要課題である新商品開発に注力してまいります。

(その他事業)

 その他事業では、新規事業の企画を行うアステナミネルヴァ株式会社を中心とし、地域資源を生かした商品の販売を行うAMトレーディング株式会社、人材事業を発起点として石川県内企業との連携を進めるイシカワズカン株式会社、大学と連携し循環型農業・畜産業を推進する株式会社PIXTURE(非連結子会社)、投資事業としてアステナミネルヴァ株式会社の事業を加速させる奥能登SDGs投資事業有限責任組合、TUAT1号投資事業有限責任組合と、当社グループの新規事業を進めてまいります。特に2024年11月期におきましては、奥能登の天然資源や伝統技術から生まれる素材を使ったナチュラルスキンケア商品の販売を中心に取り組んでまいります。

 なお、本年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」は、アステナミネルヴァ株式会社の本社がある珠洲市を含め、能登地方全域に甚大な被害をもたらしました。当社グループの被害状況につきましては調査中でございます。今後、グループ一体となって、事業の復旧、地域の復興に全力を尽くしてまいります。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題としましては、当社は「誠実・信用・貢献」を基本的理念として「お取引先様を最優先に思う心を常に忘れない会社」を目指し、提供する商品・サービスを通じてお取引先様と共存共栄することで株主様の利益拡大に寄与するとともに、社会その他すべてのステークホルダーへの責任を果たし続けることを経営の基本方針としており、中期的な経営戦略の実行及び実現に向け、これまで長きにわたって培われてきた良き企業文化はそのままに、成熟企業的な行動慣習を改め、経営品質を改革・向上させることが、非常に重要な課題であると認識しております。

 この課題に対処するため、当社グループは2021年6月に持株会社体制へ移行し、5事業をビジネスの主軸にするとともに、経営体制刷新による事業戦略の再構築を行いました。事業戦略再構築の基本方針として、「産業」「技術」「社会」のサステナビリティを高めることを目的とした3つのサステナビリティ戦略のもと、6つのビジネスモデルを定義し、グループ中長期ビジョン(Astena 2030“Diversify for Tomorrow.”)を推進してまいります。

 なお、当社グループを取り巻く事業環境は、コロナ禍からの正常化が進み、雇用・所得環境が改善するなかで、各種政策の効果もあって、回復の兆しを見せ始めている一方、ウクライナ情勢の長期化やイスラエル・ガザ地区問題などに伴い地政学的リスクの高い状況が継続し、金利、為替、エネルギーや資源コストの高騰などによる経済減速のリスクが懸念されるなど、不透明な状況が続くと予想されます。

 さらに加えて、2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」は、当社の珠洲本社がある珠洲市を含め、能登地方全域に甚大な被害をもたらしました。当社グループの被害状況及び今後の事業に与える影響につきましては調査中でございます。

 このような状況のもと、当社グループでは、グループ中長期ビジョン達成に向け、目標値に対する進捗状況等を鑑みて、ローリング方式にて中期経営計画ローリング(2024-2026)の見直しも行っております。

(4)経営戦略

 当社グループは2021年1月発表の「Astena 2030“Diversify for Tomorrow.”」の実現へ向けて、プラットフォーム事業への転換・ニッチトップ事業の磨き上げ・新規事業への投資と育成の3つの基本戦略に基づいた経営を推進し、各種施策に取り組んでおります。

① プラットフォーム事業への転換

 当社グループにおけるファインケミカル事業及びHBC・食品事業は、商流や技術の中核に位置しており、今後、競争力の高い周辺領域に積極投資し、その繋ぎ合わせにより価値連鎖を実現させ、新たな価値提案を行う。

(ファインケミカル事業)

・CMC/CDMO事業と調達プラットフォーム事業を2本柱とし、原材料調達からCMC研究、原薬商用生産までの医薬品開発・製造の幅広いサービスを提供する。

・グローバル要求水準に対応し、高活性注射剤CDMOのトップを目指す。

(HBC・食品事業)

・原料ビジネスのDX化により、顧客の開発・調達プロセスにおける課題解決のプラットフォームを提供する。

 同時に独自性を高めた商品・サービスの提供で市場価値を増大させる。

・ダイレクトマーケティング領域への投資を行い、領域特化型のネットワークを構築する。

② ニッチトップ事業の磨き上げ

 当社グループにおける医薬事業及び化学品事業は、グローバル展開やカテゴリ選択により引き続き高い成長が見込めるため、これまでの戦略を継続し確実な成果を上げる。

(医薬事業)

・皮膚科領域をベースに、外皮用剤品目数及び生産キャパシティにおいてトップを目指す。

・外皮用剤、新薬共同開発、国内外の事業提携、M&A等により事業基盤の強化・拡大を目指す。

(化学品事業)

・エレクトロニクス実装市場のトレンドを捉え、ニッチトップ商品を継続的に開発する。

・ハイエンドパッケージ基板での地位確立、チップ部品用途の実績で台湾・中国大手での採用、半導体パワー・センサー系薬品の更なる差別化を図る。

・環境負荷低減を追求し、グローバル企業との共同開発による更なる成長を進める。

③ 新規事業への投資と育成

 上記2つの基本戦略に加えて、将来の持続的ニーズを捉え、社会と共に成長していける製品(モノ)・サービス(コト)を創出し、現状の主力4事業に次ぐ、第5の主力事業を立ち上げる。

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等

 2030年11月期を最終年度とした新たな中長期ビジョン「Astena 2030“Diversify for Tomorrow.”」においては、売上高と自己資本当期純利益率(ROE)を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標と位置付け、目標の達成に向けて各種施策に取り組んでまいりました。

 重要経営指標及び事業遂行上の重点指標の目標値(最終年度:2030年11月期)

 売上高=1,300億円以上

 自己資本当期純利益率(ROE) =13.0%以上

PR
検索