神鋼商事 【東証プライム:8075】「卸売業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社はサステナビリティへの取り組みをより一層強化するため、2022年4月、サステナビリティ基本方針と重要課題(マテリアリティ)を制定するとともに、取締役会の諮問機関として、サステナビリティ委員会を設置いたしました。
「持続可能な開発目標」(SDGs)や気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への関心が世界的に高まる中、中長期的な企業価値の向上に向け、サステナビリティへの取り組みが重要な経営課題であるという認識の下、サステナビリティ経営の推進とガバナンス強化を目的に、当社が取り組む重要課題を明確にし、サステナビリティ推進体制を構築いたしました。
①サステナビリティ基本方針
私たちは、誠実をモットーに、新しい価値の創造を通じて、豊かな社会づくりと、みんなの幸せをめざすことを企業理念に掲げております。
この理念の下、世界や私たちを取り巻く環境問題や社会問題に対して、事業活動を通じて様々な取り組みを推進いたします。
また、公正かつ透明なガバナンスを推進いたします。
私たちは、すべての人々が望む持続可能な未来の社会に貢献いたします。
②サステナビリティ推進体制
③リスク管理
年2回開催しているサステナビリティ委員会において、主にリスクの識別・評価を行うリスクマネジメント委員会と連携し、基本方針や重要事項等を検討・立案し、更に取り組みの進捗をモニタリングいたします。
なお、これらの結果は、定期的に取締役会に報告され、取締役会では、報告内容に関する管理・監督を行います。
(2)重要なサステナビリティ項目
2021年度期初に、当社は長期経営ビジョン「明日のものづくりを支え社会に貢献する商社」と中期経営計画を策定し、その実現に向けた活動の拠り所となる行動指針を改定いたしました。改定においては、サステナビリティへの取り組みを明確にするため、「持続可能な開発目標」(SDGs)の17の目標・169のターゲットなどを参考に、当社の企業理念と、当社グループの事業活動がステークホルダーに与える影響を考慮し、当社が取り組むべき課題を制定いたしました。その後、経営陣・取締役会における議論を経て、課題を絞り込み、行動指針といたしました。
今般、サステナビリティに係る重要課題(マテリアリティ)を特定するにあたり、改めて、当社が取り組むべき課題を検討いたしました。結果、行動指針をマテリアリティとして継続的に取り組むことを確認し、取締役会での議論・承認を経て、2021年4月1日、重要課題(マテリアリティ)といたしました。
行動指針=重要課題(マテリアリティ)
1.明日のものづくりへの貢献
2.コンプライアンスを遵守した企業活動
3.地球環境に配慮した活動
4.多様性を尊重する企業文化
5.個人の成長の実現
各重要課題(マテリアリティ)への取り組み内容に関する詳細な情報については、当社ウェブサイト(URL https://www.shinsho.co.jp/ir/library/integrated_report.html)に公表されている統合報告書2022をご参照ください。
①気候変動への対応
地球環境に配慮した活動への取り組みの一環として、当社は2022年6月7日付で気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同するとともに、同提言に賛同する企業や金融機関からなるTCFDコンソーシアムに参画いたしました。
当社グループは、気候変動への対応を重要な経営問題として認識し、当社グループ全体のCO2排出削減の取り組みだけでなく、商社機能を活かした取り組みを通じ、気候変動に関する社会貢献を継続的に進めてまいります。
(ⅰ)ガバナンス
サステナビリティ委員会において、当社グループの重要な経営課題の一つである気候変動を含む環境問題への対処について、主にリスクの識別・評価を行うリスクマネジメント委員会と連携し、基本方針や重要事項等を検討・立案し、更に取り組みの進捗をモニタリングいたします。
なお、これらの結果は、定期的に取締役会に報告され、取締役会では、報告内容に関する管理・監督を行います。
(ⅱ)戦略
当社は、気候変動が当社グループの事業活動にもたらす影響について、TCFDに沿った2℃シナリオ、4℃シナリオに基づき、リスクと機会を分析・評価し、その対応策を以下のとおり整理いたしました。
なお、当社は、これらのシナリオ分析を定期的に見直し、当社グループの気候変動に対するレジリエンス向上を目指してまいります。
(リスク分析・対応)
分類 | リスク要因 | 事業への影響 | リスク対応策 | ||||
内容 | 財務影響 | ||||||
売上 | 売上 | 売上 | |||||
移行リスク | 政策及び規制 | ・GHG排出の | 炭素税等のGHG排出量の | ― | ↑ | ↓ | ・サプライヤーとの協働での |
非省エネの従来製品の | ↓ | ― | ↓ | ||||
CO2排出が多い、素材製造 | ↓ | ― | ↓ | ||||
脱炭素エネルギーシフトに | ― | ↑ | ↓ | ||||
技術 | ・既存製品/ | 非省エネの従来製品の | ↓ | ― | ↓ | ・環境に配慮した他素材への | |
自動車のEV・軽量化への | ↓ | ― | ↓ | ||||
製造子会社等の新技術の | ― | ↑ | ↓ | ||||
市場 | ・消費者行動 | 非省エネ、環境負荷の高い | ↓ | ― | ↓ | ・バイオマス燃料の混焼、 | |
石炭等化石燃料の需要減少 | ↓ | ― | ↓ | ||||
内燃自動車用部品及び | ↓ | ― | ↓ |
(機会分析・対応)
分類 | 機会要因 | 事業への影響 | |||
内容 | 財務影響 | ||||
売上 | 売上 | 売上 | |||
製品及び | 低炭素商品 | 電炉向けスクラップ、バイオマス発電用燃料の | ↑ | ― | ↑ |
CO2削減可能なプロセスを使用した事業参画 | ↑ | ― | ↑ | ||
環境に配慮した製品の取扱い増加 | ↑ | ― | ↑ | ||
リサイクル原料(各種スクラップ、スラグ、RPF)の | ↑ | ― | ↑ | ||
電動化に伴う電池用途による銅・アルミ製品の | ↑ | ― | ↑ | ||
市場 | 新たな市場 | EV車の普及により、EV車用電池材料・磁石等のモータ | ↑ | ― | ↑ |
省エネ・高効率等環境に配慮した機械・設備の | ↑ | ― | ↑ |
(ⅲ)リスク管理
気候関連リスクは、当社グループ全体の事業継続に与えるリスクとして、各部門が作成するリスクアクションプランに基づくリスクの識別・評価及び取り組み等についてPDCAサイクルを回し、その運営状況について、事業リスク管理室において一元管理しております。
更にリスクマネジメント委員会が、そのPDCAの運用状況のモニタリングを行い、リスク管理を適切に実施するための諸施策や方針を議論しております。その結果は、事業戦略等経営に関する方向性の議論を行う経営審議会に付議し、当社グループ全体のリスク管理体制の高度化に努めております。
なお、経営審議会では更に経営戦略上重要と判断した内容について、取締役会に報告しております。
(ⅳ)指標及び目標
当社グループにおけるCO2の削減に向けた取り組みにより、2018年度のCO2排出量(Scope1、2)を基準として、以下のとおり長期目標を設定するとともに、グリーンエネルギーの導入を進めてまいります。
今後の取り組みとして、サプライチェーン排出量(Scope3)の開示も検討してまいります。
(CO2削減目標)
2018年(基準年) 44,797t・CO2
2030年 基準年度の46%を削減
2050年 カーボンニュートラルを達成
②人的資本
当社は、多様な価値観や考えを持つ人材の活躍により、新たな価値や競争力を創出することが重要と考え、様々な施策に取り組んでおります。2022年10月に発足したダイバーシティ推進プロジェクトチームを中心に、従業員の個性や能力を存分に発揮できる風土醸成を推進しております。
(ⅰ)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
a.ダイバーシティ基本方針
当社は、人種・国籍・信条・性別・障がい等によらず、雇用の安定と機会均等を基本方針に多用な人材を獲得、登用しております。また、女性活躍推進法の施行等の社会的要請に対応するとともに、様々な従業員育成教育・研修の機会を通して、従業員一人ひとりの自主・自立を促すことを目指し、人間性の尊重・快適な職場環境の確保に努める中、多様な働き方に対応できる人事制度の構築及び会社への貢献度に応じた公正な処遇を進めてまいります。
b.女性活躍の推進
当社は、人材の多様性を活かし、人間性の尊重、快適な職場環境の維持・改善に努める中、多様なニーズに応え、新たな価値を生み出すことを目指しております。その中でも女性活躍推進とワークライフバランスへの取り組みは、重要課題と位置づけ、2016年4月1日から施行されました「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づく行動計画を策定し、これまでの取り組み・活動に加え、より一層の活動を推進してまいります。
女性の活躍に関して、これまでは入社時の職群によって管理職の登用に制限がありましたが、2022年度に改正した新人事制度により管理職へのキャリアを目指すコースや入社後に地域限定総合職へ職群転換できる仕組みを導入いたしました。これに伴い女性総合職比率や女性管理職比率は上昇いたしました。今後も様々な取り組みを行いながら継続的な女性管理職登用や、やりがいをもって働ける活動を進めてまいります。
女性活躍の推進に向けた取り組みや行動計画に関する詳細な情報については、当社ウェブサイト(URL https://www.shinsho.co.jp/csr/social/env_improvement.html)の職場環境向上への取り組みをご参照ください。
c.グローバル採用
当社は、海外拠点主導のビジネス開拓のため、外国籍学生の採用を積極的に行っております。また、海外現地法人での現地採用も積極的に行っており、今後は下記に取り組んでいく予定です。
・海外現地法人ナショナルスタッフの本社勤務による幹部候補生の育成
・海外現地法人間のナショナルスタッフ異動による海外発ビジネスの支援
・外国籍人材のキャリア採用
(ⅱ)人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標
当社グループでは、上記「(ⅰ)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。これらの指標について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
指標 | 目標 | 実績 |
毎年の定期採用者に占める女性総合職 | 2022年度以降 40%以上継続 | 55.0% |
女性総合職比率 | 2030年度 20%以上 | 11.2% |
女性管理職比率 | 2030年度 10%以上 | 2.4% |
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