企業兼大株主セイコーグループ東証プライム:8050】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 なお、経営環境につきましては、「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。

(1) 企業理念

 当社は創業140周年を迎えた2021年に、改めて当社のパーパス(存在意義)を明確化いたしました。それは「革新へのあくなき挑戦で、人々と社会に信頼と感動をもたらし、世界中が笑顔であふれる未来を創ります」というものです。当社のすべての活動はこのパーパスを原点とし、「社会に信頼される会社であること」という企業理念のもと行われています。

 また、2031年に迎える150周年に向け、以下のグループ10年ビジョンも定めました

 アナログとデジタルのシナジーにより

 世界中の人・モノ・時をつなぐ製品・サービスを創造し、

 サスティナブルな社会に貢献するソリューションを提供する

当社はこのグループ10年ビジョンの実現に向け、2026年度を最終年度とする第8次中期経営計画(SEIKO Milestone145=SMILE145)を策定し事業を推進しております。

(2) 経営戦略及び対処すべき課題

1) SMILE145の位置づけ

第8次中期経営計画SMILE145は、創業150周年のありたい姿であるグループ10年ビジョンを実現するために、その中間地点である創業145周年にあたる2026年度に向けてグループ10年ビジョンからバックキャスティングで策定し、期間を5か年計画といたしました。

2) SMILE145の目指す姿

2026年のありたい姿を「人々と社会に感動をもたらす高付加価値・高収益な製品・サービスを提供する、ソリューションカンパニーになる」とし、その実現のために感動をもたらす高付加価値で高収益な製品に注力していく「MVP戦略(=Moving, Valuable, Profitable)」を基本方針といたします。

3) 2031年に向けた価値創造ストーリー

 当社グループを取り巻く環境認識を機会とリスクの両面から分析した上で、グループパーパスを原点に社会課題解決を実現する事業活動に取り組み、グループのたゆみない成長とともに持続可能な社会発展に貢献いたします。成長戦略として、グループコア戦略(SDGs、人材、ブランディング、DX、R&D)を推進するとともに、当社グループの強みである3つの戦略ドメイン(エモーショナルバリューソリューション、デバイスソリューション、システムソリューション)を設定し、4つの事業機会(感性消費、Society5.0、ウェルネス、社会/環境)においてこれらドメインの戦略を進めます。さらにグループシナジー創出を図ることで、社会価値の創造を実現するとともに当社グループの成長を目指します。

そのためにグループ10年ビジョンからバックキャスティングで描いた2026年のありたい姿の実現に向けてMVP戦略を推進いたします。

4) グループコア戦略

当社グループはグループを横断した5つの戦略をグループコア戦略として掲げ、成長戦略を推進してまいります。

① SDGs戦略

 セイコーグループは、グループパーパスを原点に、“WITH”を実現する事業活動に取り組み、グループのたゆみない成長とともに持続可能な社会発展に貢献します。

(“WITH”=Well-being:よりよい人生を、Inclusion:すべての人に、Trust:確かな信頼で、Harmony:地球との調和)

② 人材戦略

 人材の育成を成長戦略の柱として、エンゲージメント向上とダイバーシティ推進に取り組み、失敗を価値に変える組織風土、体制を構築します。

③ DX戦略

 デジタルとデータを駆使し、顧客中心で顧客体験を重視した高付加価値ビジネスを実現します。

④ R&D戦略

 永年培ってきた「匠・小・省」と「デジタル」を融合し、技術をさらに進化させ、新たな価値を創造します。

⑤ ブランディング戦略

SEIKOは、社会課題に向き合い、自社の社会的価値・技術的価値・感性的価値を通して、世界中の人々の心を豊かにし、笑顔であふれる未来を創ります。

5) ドメイン別の目指す姿

① エモーショナルバリューソリューション(EVS)ドメイン

・お客様に感動を与える美意識やこだわりに満ち、機能的価値・感性的価値・社会的価値の高い製品・サービスを創出します。

・人生に寄り添い、悦びの時を共に歩める商品を、優れた顧客体験を通じて販売する事で、ブランド価値向上と企業価値向上を実現します。

② デバイスソリューション(DS)ドメイン

・技術革新が生み出すデバイスソリューションで社会が求める高機能・高品質を提供します。

・Society 5.0(サイバー空間とフィジカル空間を融合させて社会課題を解決)を実現します。

③ システムソリューション(SS)ドメイン

・社会のイノベーションをワンストップのICTソリューションにより提供しサスティナブルな成長を実現します。

・お客様ニーズに即した持続的な価値提供により、お客様・社会・グループの価値向上を実現します。

6) 財務方針・キャッシュアロケーション

SMILE145では、当社グループは売上総利益率の改善により成長投資力を向上させ、サスティナビリティ確立への投資を行うとともに、資本コストを踏まえた財務体質の改善、株主還元を確実に実施していくことを目指します。売上成長性やROICをベースとした積極投資、安定的収益基盤確保、新規領域への挑戦の3つをサスティナビリティ確立に向けた投資方針に掲げ、ブランディング・R&D・製造設備・M&A・DX・人材など当社グループの成長に向けた投資を行ってまいります。

7) 全社経営目標

SMILE145では中長期的な収益性と成長性を重視し、当社グループがサスティナブルな企業であり続けることを目指します。2026年度の財務目標は、連結営業利益180~200億円、連結GP率 +5.0ポイント(2021年度比)、連結ROIC 6.5%超といたします。ESG指標として、2026年度のSCOPE1・2におけるCO2排出量の25%削減(2020年度比)を目指します。また、2022年度から実施する従業員エンゲージメントサーベイによって課題の優先順位付けを明確にして、それぞれの課題解決に取り組むことでエンゲージメントスコアの向上を目指します。

8) 事業を取り巻く環境と課題への取組み

① グループコア戦略

SDGs戦略では脱炭素・気候変動への取組みとして、国内拠点の再生可能エネルギー導入などによるCO2排出量削減やグループ全体のSCOPE3排出量の把握、TCFD開示(「気候関連財務情報開示タスクフォース」=Task Force on Climate-related Financial Disclosures)等を行いました。引き続き、CO2排出量削減やTCFD開示の充実を進めていくとともにSBT(Science Based Targets)申請を目指します。また、人権リスクを評価・低減する取組みや責任ある調達に向けたルール策定や運用を行ってまいります。

 人材戦略では、国内のグループ社員を対象としたDX研修を実施しDX人材育成を進めました。また、経営者視点を持った事業家人材の育成にも取り組んでまいります。当期には初めてエンゲージメントサーベイを実施いたしました。この結果等を踏まえ、課題の優先順位付けを明確化し、様々な取組みを進めることでエンゲージメントスコア向上を実現させ、人的資本の充実を図ります。また、男性の育休取得を促進するため制度改定や啓蒙活動を行い、ダイバーシティも推進しております。

DX戦略では、顧客体験向上とCRM推進などデータドリブンによるビジネスモデルへの変革に取り組みました。デジタルセールス・マーケティングの深化を進めるとともに、メタバース空間でのECなど新事業創出も進めてまいります。

R&D戦略では、感性消費やSociety5.0といった基盤領域で、MVP製品・サービスの高付加価値化や製造の高度化・合理化により収益性向上に貢献しました。今後もさらなる技術開発を加速していきます。また、拡張領域としているウェルネスや社会・環境の領域における事業創出に向けたR&Dにも取り組んでおります。

 ブランディング戦略では、社会的価値・技術的価値・感性的価値を訴求するPR・ブランディングを進め、またBtoBビジネスでの連携や感動提供型のブランディングへの進化に取り組みました。

② 戦略ドメイン

 事業環境につきましては、円安による影響や日本国内におけるコロナ禍からの景気回復、インバウンド需要の戻りなど、経済環境で当社グループ事業へのプラスの影響が多くありました。一方、デバイスに関しては上期までの旺盛な需要から下期に急減速し、市場環境が急変いたしました。このような環境の下、EVSドメインでは国内及び海外市場でグローバルブランドを伸ばしたウオッチ事業や高額品需要が堅調な和光事業でMVP製品売上比率が着実に伸長いたしました。これに伴いEVSドメインのGP率も前期と比べ約2pts改善させることができました。今後も高付加価値製品の開発等を進めてMVP比率の改善を図ってまいります。DSドメインではSMILE145で想定していた事業前提が大きく変わるような市場環境の急変が起こり、MVP製品の売上も伸び悩みましたが、MVP製品売上比率は想定通り伸長できたこともあり、GP率は前期とほぼ同水準を維持することができました。DSドメインではこのような事業環境の変化に対応するため、事業戦略の再検討を実施の上、一部事業においては戦略の見直しをいち早く行っております。加えて、環境変化の影響を受けないMVP製品を開発していくことで事業収益向上を図ってまいります。SSドメインではストックビジネスの拡大と多角化を進めたことにより、MVP比率は着実に伸長し、GP率も約2pts改善しております。M&Aも視野に入れながら、今後もストックビジネス拡大と多角化を進めて安定的な収益獲得を図ってまいります。全体を通して、MVP比率が伸びた事業はGP率も上昇しており、その結果、連結全体でもGP率は目標通りに向上し、グループ全体の事業力を高めることができた中期経営計画初年度と捉えています。

SMILE145の第2年度となる2023年度はSMILE145達成に向けて非常に重要な年度となると捉えており、初年度の結果を踏まえた戦略の見直し、加速等をしっかり進めていくことで、営業利益は連結合計で120億円を目指してまいります。ドメイン別では、EVSドメインが130億円、DSドメインが48億円、SSドメインが48億円、その他・調整が△106億円となります。また、GP率もさらに連結ベースで1pts以上の改善を目指してまいります。

SMILE145における主要KPIの進捗は以下の通りになります。

連結経営目標(KPI)

 

 

 

(金額単位:億円)

 

 

2022年3月期

実績

 

2023年3月期

実績

 

2024年3月期

見通し

 

2027年3月期

SMILE145

連結営業利益

 

87

 

112

 

120

 

180~200

連結GP率

 

41.8%

 

42.9%

 

43.9%

 

46.8%

ドメイン別経営目標(KPI)

 

 

 

(金額単位:億円)

 

 

2022年3月期

実績

 

2023年3月期

実績

 

2024年3月期

見通し

 

2027年3月期

SMILE145

営業利益  EVS

 

82

 

115

 

130

 

145~150

       DS

 

56

 

50

 

48

 

75~80

       SS

 

39

 

43

 

48

 

65~70

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