企業兼大株主リンテック東証プライム:7966】「その他製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、粘着応用技術、表面改質技術、システム化技術、並びに特殊紙・剥離材製造技術を基盤に、印刷・情報材料、産業工業材料、半導体関連材料、光学機能材料などの多岐にわたる製品を開発・製造・販売し、その研究開発活動の大部分を提出会社である当社が行っております。当期も中長期研究開発計画に基づいた新技術や新製品、特に機能性材料とその加工技術の開発に積極的に取り組み、ユーザーニーズを重視したマーケット対話型の研究開発に努めてまいりました。また「カーボン・ニュートラル・チャレンジ」のスローガンの下、CO2排出量の削減に向けた開発活動を強化し、脱プラスチック・減プラスチックを目指してプラスチック代替素材を用いた製品開発や、プラスチックフィルム使用量削減に積極的に取り組んでいます。

 さらに、当社グループの海外における研究機関であるNano-Science & Technology Center(米国テキサス州)では、カーボンナノチューブ関連の研究と応用製品開発に力を入れております。当社の既存技術との融合による他に類を見ないユニークな製品開発を目指しています。

 当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発費の総額は9,036百万円となりました。

 なお、セグメント別の主な研究開発活動の状況は次のとおりです。

(印刷材・産業工材関連)

(1) 印刷・情報材料分野

 環境負荷低減に寄与する製品の開発に注力しています。その一環として、使用時は水にぬれても剥がれにくく、容器の洗浄工程できれいに剥がれるリターナブルラベル素材を開発しました。従来品は主に日本酒などの飲料用ガラス瓶向けとして採用されてきましたが、今回の開発品はプラスチック製容器にも適したラベル素材であり、容器のリユース・リサイクルに貢献します。また、表面基材と粘着剤にポリエステル系樹脂を使用することで、日用品や食品・飲料などに用いられているポリエステル製容器とのモノマテリアル化(単一素材化)を実現したラベル素材は、2023年9月にラベルインダストリーグローバルアワードを受賞しました。引き続きお客様に評価される新製品の開発・提供に努めてまいります。

(2) 産業工業材料分野

 さまざまな産業向けや建築物用の機能性粘着素材の開発を継続しています。車両用途では高機能化の検討を継続し、各種印字方式に対応するデジタルプリント対応ビジュアルマーキングフィルム(LAG製品)を開発しています。さらに環境配慮の観点からバイオマス材料を用いたビジュアルマーキングフィルム素材も開発しました。ウインドーフィルムにおいては、遮熱性や耐久性などの高機能化と、環境負荷の低減を実現する製品の開発を引き続き進めていきます。

 その他の研究開発活動を含め、当セグメントの研究開発費は3,425百万円となりました。

(電子・光学関連)

(1) 半導体・電子部品関連材料分野

 スマートフォン等に用いられるウェハレベルパッケージ半導体向けに、生産性向上などの機能を付与したチップ裏面保護テープを開発しています。また、ダイシングテープ、表面保護テープを中心に環境負荷の少ない樹脂に帯電防止性能を付与した製品を開発し、それぞれ製品群を拡充しました。加えて、薄型ウェハが使用されるインテリジェントセンサーや3D NANDフラッシュメモリーの製造に不可欠な高機能ダイシングテープ、表面保護テープ、ダイシング・ダイボンディングテープなどの開発・上市を継続し、急速に進むDX化やAI、次世代通信の普及・拡大の一翼を担っています。

 また、スマートフォンや車載用途向けの積層セラミックコンデンサ(MLCC)の需要が回復し、MLCC製造用剥離フィルム市場が活況です。現在は、MLCCの小型化・高性能化に伴う剥離フィルムの品質改善と高機能化、新規アイテムに対応した剥離フィルムの開発に取り組んでいます。将来の電気自動車や5G向け半導体や電子部品の需要増を見込んで増産体制の構築も進めています。

(2) 光学機能材料分野

 各種ディスプレイに用いられる機能性粘着剤と機能性コート剤の開発を継続しています。大型テレビやタブレット、スマートフォン、車載ディスプレイ用粘着剤では、プラスチックパネルに対する耐ブリスター性と耐湿熱白化性を向上させました。さらに着色、光拡散性などの機能を追加した製品も含めて拡販が進んでいます。また、タッチセンサーに使用される金属細線の腐食を抑制し、かつ紫外線の遮蔽性を兼ね備えた粘着剤や、フレキシブルディスプレイに必要な耐折り曲げ性を付与した粘着剤など、新規のディスプレイ製品に対応した素材開発を進めています。加えて、抗菌・抗ウイルス性を付与したガラス飛散防止フィルムなどの開発も行いました。

 そのほか光の拡散領域が制御可能な光拡散フィルムは、顧客ニーズにマッチした特性にカスタマイズすることでさらに優位性を発現し、スマートウォッチなどの超低消費電力の反射型液晶ディスプレイ用に採用が加速しました。そのほか、プロジェクションスクリーンや反射型サイン用としてのデモ試験を活発に継続しています。これら製品のさらなる拡販を目指すとともに、新たな機能性粘着剤と機能性コート剤の開発を進めてまいります。

 その他の研究開発活動を含め、当セグメントの研究開発費は4,158百万円となりました。

(洋紙・加工材関連)

 包装容器をはじめとした消費材の環境負荷低減に貢献できる特殊紙の開発に取り組んでいます。具体的にはポリエチレンのラミネートを必要としない脱プラスチック要求に応える特殊紙や、食の安全性への期待に応えるフッ素を使用しない特殊紙の開発を進めています。

 靴やかばんなどに使われる合成皮革は、その表面に柄を付与するために工程紙を用いて製造されています。当社はトレンドに合わせたさまざまな柄の工程紙を開発しています。

 また、剥離紙や剥離フィルムに塗布されている剥離処理層は、ナノメートルオーダーという極薄膜であることが求められ、これまでは有機溶剤を用いた希釈塗布が主流でした。しかし、環境保全の面からVOC排出量削減策として、高濃度化と無溶剤化に積極的に取り組み、その処方開発に注力しました。今後も、無溶剤化された剥離紙の展開を強く推進してまいります。

 その他の研究開発活動を含め、当セグメントの研究開発費は1,451百万円となりました。

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