企業兼大株主スノーピーク東証プライム:7816】「その他製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1) 経営基本方針

 自らもユーザーであるという立場で欲しいモノやサービスを「つくる」と同時に、私たち1人ひとりがお客さまと直接「つながる」ことを通じて、私達に関わる全てのものに良い影響を与え、自然指向のライフバリューを提案し実現するグローバルリーダーを目指して参ります。その結果として、お客さまとのつながりを端的に示す、売上高の持続的な成長を図って参ります。また、投資とのバランスを取りながら長期的な売上高営業利益率の向上を目指して参ります。

(2) 経営環境

国内においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、密を避けたレジャーとしてキャンプが人気化しマスメディアにも大きく取り上げられた結果、2021年にはオートキャンプ参加人口は、一般社団法人日本オートキャンプ協会発行「オートキャンプ白書2023」によると、750万人と増加しておりました。新型コロナウイルス感染症の鎮静化と共に、旅行などの多様なレジャーに人々の関心が一時的に移っていることから、2023年のオートキャンプ参加人口は650万人(同白書)と減少しております。一方で、同白書によると、1年間のキャンプ回数・泊数ともに過去最高となっており、オートキャンプは、「年に一度家族で出かける特別なレジャー」から、「気が向いた時にファミリーで、あるいはソロでとそれぞれのスタイルで出かける身近なレジャー」となったと記載されており、底堅い需要が引き続き存在すると考えております。

 一方、海外においては、既にキャンプ・アウトドア文化が根付いている米国・韓国・台湾以外の国においても、社会構造が複雑になるほど人々のストレスは増大することから、アウトドア活動はその必要性が高まると考えております。そのため、グローバルに、当社グループのビジネス機会が増大するものと考えております。

 上記のような外部環境の見通しを踏まえ、引き続き、新製品開発・新規出店を積極的に進めて参ります。

 当社グループは、初心者向けのエントリーモデルであるテント「アメニティドーム」シリーズ等の販売による新規顧客の獲得を行い、着実にユーザー数を増やして参りました。更に獲得した新規顧客に対しては、システムデザインされた製品群(タープ、スリーピングギア、ファニチャー、キッチンシステム等)をもとに、幅広いキャンプスタイルの提案を行うことで顧客の深耕を図ってきております。更に、他の分野においてもアウトドア指向を取り入れようとする動きが見られております。アパレルの分野においてはファッションのなかにアウトドアの要素を取り入れた服が流行しており、住宅の分野においては、建物の内と外の間に明確な境界線を設けないシームレスな暮らしができるよう設計され、都市生活者であっても身近に自然を感じる暮らしが浸透し始めております。また、キャンプ経験者でなくとも優雅にキャンプ体験ができるグランピングも多くの人々が体験するようになってきております。加えて、キャンプをはじめとしたアウトドア活動の持つ効果を地域の活性化に活かす取り組みや、ビジネスにおいてもアウトドア活動の要素を取り込み、働き方改革を推進する取り組みなども始めております。このように、アウトドア活動に内包される価値が見直され、さまざまな分野で活用され始めております。当社グループがアウトドア活動を通じて提供した価値を、異分野においても積極的に展開して広めていくことで、国内・海外において市場創造を図って参りたいと考えております。

(3)対処すべき課題

 当社グループは、「自然と人、人と人をつなぎ、人間性を回復する」という社会的使命を果たすとともに、持続的な成長を成し遂げるため、以下のことに注力して参ります。

①国内・海外における成長戦略

 成長戦略については、各国において市場の成熟度が異なるため、取るべきアクションは異なりますが、いずれの市場においても、新規キャンパーの創出とロイヤルカスタマー化の実現を目指して参ります。

<国内>

 「チャネル戦略」、「商品戦略」、「コミュニティ戦略」の3つを重点的に取り組んで参ります。チャネル戦略に関しては直営店舗の収益性の改善を追求しつつ、更なる出店を行って参ります。継続してキャンプフィールドの全国への拡大を目指し、新たな価値を提供した体験施設を広げて参ります。卸先に関しては、新しい形態を含めたSPS店舗の出店を通じて販路拡大を行って参ります。商品戦略に関しては、継続的に革新的な商品を開発し発信することと、エントリー層へのアプローチを強化した商品戦略の強化を行って参ります。順調に成長しているアパレル事業に関しても、販路を拡大し収益を最大化して参りたいと思います。コミュニティ戦略に関しては、引き続き新規キャンパーの創出とロイヤルカスタマー化への取り組みを強化して参りたいと思います。

<米国>

 世界最大のアウトドア市場ではあるものの、バックパッキングなどのアクティビティを中心とした市場が大きな部分を占めており、スノーピークのキャンプスタイルの根幹にある、アウトドアでの豊かな時間を楽しむスタイルとは異なっております。そのため、まずはスノーピークのキャンプスタイルの浸透を実現するべく、キャンプブランドとしての認知の向上を引き続き目指して参ります。2024年春に大型体験施設のSnow Peak Long Beach Campfieldの開業を予定しており、米国キャンプ市場にスノーピークのキャンプスタイルの認知訴求を強化して参ります。またキャンプフィールドの開業を皮切りに、卸先に対するスノーピークのキャンプスタイルの営業を強化することで更なる市場シェアを拡大して参りたいと思います。

<中国>

 キャンプ文化が発展段階にあるため、米国と同様にまずはスノーピークのキャンプスタイルの浸透を図り、キャンプブランドとしての認知の向上を目指して参ります。それに対する施策について、中国全土への拠点の拡大を進めて参ります。中国に関しては、マネジメントコントラクト方式での出店を中心に主要都市への出店を行って参ります。また、重要都市に直営にてフラッグシップ店舗を開発し、スノーピークのキャンプスタイルを訴求して参ります。更にアフターサービスの拠点開発を行っていくこと、リアルイベントの開催を積極的に行うことで、顧客とのエンゲージメントを構築して参りたいと思います。また、中国においてはEコマースの市場規模が大きいため、自社ECサイトの営業活動の強化、及び主要モールでの営業活動を強化して参ります。中国のSNSの活用やデジタルマーケティングを積極的に行い、中国全土へのスノーピークのキャンプスタイルの浸透を図りたいと考えております。

②経営基盤の強化

 経営基盤強化では、高収益な経営体質の実現を果たすために、「サプライチェーンの強化」、「経営管理体制の強化」、「人財戦略の強化」の3つの項目について注力して参ります。

<サプライチェーンの強化>

 グローバル市場の需要に合わせたサプライチェーンの構築が必須になると考えております。その実現に向けて、引き続き、供給・物流及びオペレーション面に対して、グローバルの観点から管理体制の強化を実現して参ります。具体的には、供給については、今後需要拡大が見込まれる米国、中国市場に対応できる供給体制の強化を、地政学的リスクを考慮した上で構築して参ります。また、デジタルの活用を進め、生産状況や納期情報の管理体制強化を図ることで、調達業務全体の効率化及び正確性の向上を実現して参ります。物流及びオペレーションについては、生産国から販売国までの物流網や情報管理体制を強化することで、物流効率及び販売効率の向上を図り、グローバル基準の体制を構築して参ります。サプライチェーン全体の情報管理体制を強化することに加えて、需要予測の強化を行いグローバルでの在庫管理の強化も行って参ります。

<経営管理体制の強化>

 特定の分野に偏ることなく、組織・人財面から財務、戦略、ブランドなど経営全般を対象として進めて参ります。 まず、組織・人財管理については、戦略と組織の整合性を定期的に見直し、それに合った適切な人員体制を実現することで、効率的且つ無駄のない組織体制を構築して参ります。財務管理については、財務体制強化及び収益性の向上を実現するために、予実管理体制の強化や投資基準の厳格化など、主に管理会計の視点から改善を進めて参ります。戦略管理については、各年の業務計画や中期経営計画で立てたプランの実行を定期的にレビューし、実行フェーズの進捗管理を強化致します。

 知財・ブランド管理については、今後グローバルでの事業拡大を念頭に、ベースとなるルールの確立及び管理体制の強化を図って参ります。ESG対応については、推奨項目の適切な開示及び定期運用への仕組みの構築を進めて参ります。

<人財戦略の強化>

 店頭におけるスノーピークらしい接客や、スノーピークらしい価値提供を長期的に継続するために、人財育成制度の強化及び評価制度の見直しを重点的に取り組んで参ります。人財育成については、採用活動の強化、研修プログラムの体系化及びキャリアデザインの促進を進めて参ります。グローバルでの成長速度に合わせた人財育成をグローバルで計画的に行って参りたいと思います。また、組織及び人財がより活性化する評価制度へと見直していくことを引き続き検討して参りたいと思います。

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