企業兼大株主梅の花東証スタンダード:7604】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、企業理念である「人に感謝、物に感謝」の精神の下、自然災害の増加、物価高騰、少子高齢化社会の到来といった経営環境の変化に対して、食を通じたホスピタリティの提供を通じて、次世代への食文化の継承と世界へ向けた日本の食文化を発信していく方針としております。

 経営方針の実現のためには、人口推移や少子高齢化社会、女性や高齢者労働人口の増加などの変化への対応を行うとともに、外国人労働者への需要喚起を行ってまいります。

 また、サステナブルな社会の実現のため、当社グループでは農産物の生産者様と連携した循環型農業の促進や規格外野菜の商品化による廃棄物の削減にも取り組んでおります。また、当社セントラルキッチンでの製造時に発生した規格外商品や店舗において賞味期限間近となった商品を子ども食堂に提供する等、社会貢献に注力してまいります。

(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 少子高齢化や人口減少時代の到来により日本国内の食のマーケットの縮小に加え、ライフスタイルの変化が事業運営に影響を及ぼしております。

 さらにウクライナ情勢の長期化や中東地域の情勢悪化による原材料価格及び資源価格の高止まり、為替相場の円安傾向の長期化、物価上昇並びに人手不足等や世界的な金融引締めや中国経済の先行き不透明感に伴う、海外景気の下振れによる我が国の景気下押し圧力等、依然として先行き不透明な事業環境が続いております。

 そのような中、当社グループは、引き続き既存事業における収益構造の見直しによる損益分岐点売上高の低減、外販事業強化によるセントラルキッチンの稼働率の向上及び収益力向上を目的とした新しい設備の導入やDX推進による生産性向上を図り収益力の強化による財務の健全化を図ってまいります。

 一方で新型コロナウイルス感染症の収束に伴うインバウンド需要の回復及び雇用・所得環境の改善により、経済活動の回復が続いております。外食産業市場動向調査及び全国百貨店売上概況においては、コロナ禍前には及ばないものの売上高が回復傾向にありますが、原材料価格と資源価格の高止まり、物価上昇に準じた賃上げ、それに伴う価格改定及び人手不足等への迅速な対応が課題と認識しております。

 また、引き続き生産者との共存共栄に取り組み、社会貢献活動を目的にセントラルキッチンにおける食品残渣のリサイクルや、CO削減を目的とした物流部門でのドライアイス使用量の削減に努めております。

 企業ブランドの構築及び企業価値の向上を目的として、当社グループ内の様々な部門や職種の中から選抜した中堅社員によりリブランディングプロジェクトを発足し取り組みを開始しております。

 株主様との接点強化につきましては、商品・サービス・経営等に対するご意見をいただくことを目的として、外食事業部及びテイクアウト事業部にて株主様限定の公開試食会や京都セントラルキッチンの見学会を開催しております。

 取引先様とのコミュニケーション促進の為「梅の花グループ共栄会」を発足し、取引先様との相互発展に取り組んでおります。

「湯葉と豆腐の店 梅の花」等で利用されていたポイントカード顧客のデータを新アプリ「うめのあぷり」へ移行し、従来の業態ごとに管理していた顧客データを当社グループ内の相互送客に繋がるようにアプリの内容充実を図っております。

① 事業展開

(外食事業)

 外食事業におきましては、季節の食材を使用した懐石料理やお酒が飲める逸品料理など、幅広い世代をターゲットとした付加価値の高いメニューへリニューアルいたしました。インバウンド需要に対応する為の外国語表記メニューを用意する等、訪日客への対応を行っております。

「海産物居酒屋 さくら水産」につきましては、総合居酒屋から豊洲直送の新鮮な魚介類を提供する業態へリニューアルしてまいります。

 また、一部の店舗は、店内改装を実施しお客様の快適性及び従業員の作業環境の改善を行っております。

(テイクアウト事業)

 テイクアウト事業におきましては、美味しい、安心・安全に加え、身体にやさしくヘルシーな商品開発、本格的な味から個性豊かなオリジナル寿司等、幅広い世代に合ったお手頃な価格の商品開発を進めております。また、季節感やトレンド感を重視した商品の開発を行い、季節商品や季節イベント商品等の拡充による固定客の来店頻度の向上及び新商品開発による新規顧客層の取り込みを強化しております。

(外販事業)

 既存取引先への深耕を行うとともに、新規取引先としてスーパー等の小売業への販売強化を行いました。また、冷凍商品の開発を行いセントラルキッチンの製造量の増加による生産性の改善に加え、ブランド価値及び認知度の向上を目的とした梅の花及び古市庵ブランドの商品の販売、牡蠣フライ等の水産加工品の販売を強化してまいります。

(ストック事業)

 大阪セントラルキッチン跡地に賃貸物件及びトランクルームを建設し、ストック事業を開始いたしました。また、当社グループ内の土地や建物等の遊休資産の有効活用を引き続き検討してまいります。

(海外展開)

 タイ王国における既存事業におきましては、梅の花ソラリア店及び現地工場の運営管理強化並びに出店強化を行い、収益改善に努めております。

 新規展開につきましては、現地の経済状況、インフラ等の環境整備等を総合的に勘案し、慎重に取り組み、タイ王国以外の地域でも現地の状況に応じた業態やブランドを選択し、フランチャイズ運営等柔軟な対応による海外進出を検討してまいります。

(人員対策)

 外国人技能実習生共同受入事業、特定技能外国人支援事業並びにそれらの職業紹介事業を行うことを目的としたPlum協同組合により、セントラルキッチンにおける製造人員や飲食店舗での従業員不足の解消に向けて積極的に採用を行い、人員確保に努めております。

(設備投資等)

 既存業態からの転換も含めた新業態開発、セントラルキッチンの生産設備等の事業基盤の拡充及び長期安定収益の確保を目的とした土地や既存保有資産の有効活用に取り組むことを想定しております。

(製造・物流)

 製造部門におきましては、店舗調理作業の効率化や味・品質の安定を図るため、セントラルキッチンによる内製化の効果を再検証した商品開発を継続してまいります。また、機械化・自動化、類似商品の集約や不採算商品の削減等、生産性向上対策に加え、外部企業に製造を委託していた食材の内製化、商品の保存期間延長のために導入した急速冷凍機の活用強化を図ります。

 物流部門におきましては、配送に使用する発泡スチロールやドライアイスを、リサイクルコンテナや再利用可能な高性能の保冷剤へ切り替えを行いコスト削減とCO削減に努めております。

② 収益改善策

 情報システム再構築プロジェクトにてDX推進を進めており、効率化等のコスト削減及び生産性向上の取り組みを継続してまいります。

(3)経営上の目標を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、経営指標として売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、営業キャッシュ・フロー、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROE、自己資本比率、PBR、株価を重視しております。

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