電気興業 【東証プライム:6706】「電気機器」 へ投稿
企業概要
当社グループの研究開発活動は、創造的なアイデアと技術力で、恒久的成長・発展に寄与することを目的としており、市場ニーズを捉えた競争力のある製品開発、スピード感のある製品開発及び将来の事業拡大の基盤となる研究開発に重点を置き取り組んでまいりました。これらは、中長期的視点から、移動通信関連・固定無線関連・放送関連・高周波関連のコア技術を柱としつつ、各々の周辺分野への拡大を図るものであり、営業・現業・開発部門が連携し、横断的に研究開発を推進しております。
当社グループの研究開発体制は、2022年4月に発足したR&D統括センターにおける、ワイヤレス研究所(2019年8月に本社組織として発足)と未来研究所(2021年10月に本社組織として発足)を中心に、当社並びに連結子会社の開発・設計部門が、各々の関連部門と連携・協力し合って課題に取り組むことを基本としております。また、産学連携等、外部の研究機関との連携の強化により、新技術開発の加速化を図っております。
当連結会計年度で実施したセグメントごとの研究開発活動の内容は、以下のとおりであります。
電気通信関連事業では、移動通信関連分野において5Gへの取り組みを拡充しております。既存周波数帯に5Gで使用される周波数帯を追加した多周波共用のアンテナ開発、5GオープンネットワークのためのO-RANインタフェース仕様に準拠した無線機の開発、国内外向け移動通信用アンテナの開発、5G用無線中継器の開発、メタマテリアル技術を用いたアンテナ及び反射板と、それらを用いた通信エリア設計に関する研究開発を実施しております。また、ローカル5G実験試験局による電波伝搬・伝送実験により得られた知見を活かしたシステム開発を継続して取り組み、自社工場に設置したローカル5G商用局を活用したスマートファクトリーに向けたシステム開発の推進により、当社の5Gトータルソリューションを支える研究開発を進めております。放送関連分野では、TV局用アンテナ、FM局用アンテナの更新需要に向けた開発を実施しております。固定無線関連分野では、公共業務無線用アンテナ、衛星通信用パラボラアンテナ、防災行政無線用機器等に関する研究開発を実施しております。製品の開発に当たっては、小型化・高性能化・低価格化に加え、当社独自技術の追求を重視し市場競争力の強化に努め、顧客ニーズをいち早く捉えつつ、製販一体となってタイムリーな技術提案、製品提案を行ってまいりました。また、新事業の開拓についても、LED航空障害灯の開発、サーマルカメラを用いた監視システムや画像AI技術を応用した人流解析システム等のシステムソリューション開発について、各部門が連携し取り組んでまいりました。基礎研究では、今後の技術動向と技術適用領域の拡大を見据え、大学や外部の研究機関と連携し、メタマテリアル技術等の先進技術を応用したアンテナや、Beyond5G及び6G時代に対応するための、テラヘルツ帯等のより高い周波数領域を利用した通信システム用アンテナに関する研究開発、さらにワイヤレス電力伝送の実用化に向けた研究開発に積極的に取り組んでおります。
高周波関連事業では、高周波熱処理設備の高機能化の実現に向けて、新しい技術を積極的に取り込み、高性能化と小スペース化、低コスト化、並びに多様な要求に対応できる設備の開発を行っております。また、広範囲な産業をターゲットにした誘導加熱技術の用途開発や、過熱水蒸気技術を用いたリサイクル処理や食品加工に向けた装置開発の実施により、熱処理領域の拡大に向けた研究開発を積極的に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度において支出した研究開発費の総額は1,271百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。
(電気通信関連事業)
当連結会計年度における研究開発費の金額は1,060百万円であります。
・移動通信、放送、固定通信関連
(1)5G装置関連開発及びBeyond5G技術開発
(2)アンテナ新技術の開発
(3)移動通信用アンテナシステムの開発
(4)通信・障害灯・防災・放送機器の開発
(5)防衛事業向けアンテナシステムの開発
・施設関連
(1)VLF空中線の開発
(2)支線碍子安定供給のための開発
(3)燃料電池後継機種の開発他
・新分野
(1)システムソリューションの開発
(2)花粉採取最適期判定システムの開発
(3)空間伝送型WPT技術の開発
(4)スティック型低光度航空障害灯の開発
(高周波関連事業)
当連結会計年度における研究開発費の金額は211百万円であります。
・誘導加熱関連
(1)高周波設備の開発・機能の向上
(2)新規事業に向けた新技術の開発
(3)高周波事業の領域拡大に向けた研究開発
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